ふるたん

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ふるたん - (2019/02/27 (水) 21:29:56) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2019/02/27 (水) 07:20:14
更新日:2023/12/12 Tue 03:56:47
所要時間:約 15 分で読めます





日曜朝のテレビ朝日系列に四大ヒーローあり!
然り、ライダー・戦隊・プリキュアの三大ヒーローではなく「四大ヒーロー」だ!


なんでもできる!なんでもなれる!
輝く未来を抱きしめて!
HUGっと!プリキュア


快盗対警察!キミはどっちを応援する!
快盗戦隊ルパンレンジャーvs警察戦隊パトレンジャー


祝え!新たなるの誕生を!
仮面ライダージオウ








以上だ!

えっ?フルタマン
いやだなあ、ルパンレンジャーvsパトレンジャーが2ヒーロー換算ですよ。
フルタマンはとうの昔に宇宙に帰りました。もう我々がフルタのCMに苛まれる事は


みんなー!こんにちわんこ!ふるたんだよ!

ええ…

概要

毎年狂気的なインパクトのあるCMを日曜朝のライダー・戦隊・プリキュアタイムに投入し、番組の内容を忘却させることに定評のある謎の中堅菓子メーカー・フルタ製菓がフルタマンに次いで投入してきた新たなる刺客はアイドルだった。
世はまさにアイドル戦国時代。
赤穂浪士みたいな人数のアイドルグループが吉良上野介の首が何本あっても足りないほどに出現し、
週末だの地下だの仮面だのご当地だのジュニアだのスーパー銭湯だの戦士だのマスターだのスクールだのゾンビィだのカツだのと様々な属性のアイドルが覇を競う中、
フルタ製菓が打ち出してきたのはプリキュアショーみたいなアニメ顔の被り物をしたチョコレートアイドルを自称する何かであった。

みんなー!こんにちわんこ!CMだよ~!!


フルタマンは「ハイエイトチョコ」と「生クリームチョコ」の2バージョンのCMがあったが、今回は「わなげチョコ」と「生クリームチョコ」の2バージョンのCMが放送されている。
ここでは「生クリームチョコ」版をご紹介しよう。

みんなー!こんにちわんこ!ふるたんだよ!

前年のアレに引き続きなんとなくチープな背景と、あたかもこれが番組であるかのように偽装された右上テロップと共に登場するふるたん。
フルタマンもその前の古田織部もそうだったが、出現したらまず自己紹介するのがフルタ製菓CMの様式美となりつつある。アイサツは大事。


新曲を歌います!聞いてね!

この人このCMがデビューなんだから新曲じゃなくてデビュー曲なんじゃないか?という疑問は一切スルーして音楽が流れ、ふるたんが歌い踊り始める。


まーさーに
\フレッシュ!/

なめらかに とろけルールールー

\フレッシュ!/

キラキラに 光るルールール

\スマッシュ!/
口の中に ひーろーがーるー

生クリーム\チョコ!/

生クリーム\チョコ!/

生クリームチョ~コ~


わなげチョコも!フルタ。

朝っぱらからとんでもないものを見てしまった・・・。
特にラスト近くの顔がアップになる辺りがヤバい。悪い夢に出そうだ。出ました。

アイドルを名乗るだけあってダンスの動きは良いが妙にガタイが良いのが特徴。
顔が分からない事、肌を肌色のタイツで覆っている事から中の様子をハッキリとうかがい知ることはできないが、そのガタイの良さから中の人男性説が割と真剣にウワサされている。
また「フルタ製菓と関係ある」「踊れる」「男性」という事で、「実は中の人がフルタマンなのでは」という珍説まで、冗談半分怖いもの見たさ半分で囁かれた。


実は冷静に考えてみると歌や踊り自体は(ふるたんの顔面を除けば)決して怪奇なものではないのだが、
よく見るとルールーだのフレッシュだのキラキラと、妙にプリキュアを意識したようなワードが散りばめられているように見受けられる。
いやいや、そりゃ偶然の一致だろう、オタクってのは自分の好きなことになると知識をひけらかしたがるんだから…と思われたそこの貴方。
実はもう1つの「わなげチョコ編」にはドキドキパッションが歌詞に含まれているのだ。
いやいやいや、たったの5つやないか、5発だけなら誤射かもしれないとおっしゃるアナタ。


トドメとばかりに↑この「生クリームチョコ」三連発部分の音楽が(ふるたんの顔のインパクトが大きすぎて見落とされがちだが)明らかにHUGっと!プリキュアの前期エンディング「HUGっと!未来ドリーマー」にそっくりなのである。
去年もあおいゆかとかやってたけど、今年は更に攻めてきた。

CMスポンサー企業が番組に関連する商品を売るのはよくある話だが、
本件はCMスポンサー企業が番組のパチモンみたいなキャラクターを出してくるという異常事態。
例えるなら、うまい棒」のやおきんが「ドラえもん」のスポンサーになって「うまえもん」のCMを打つような状態である。

スポンサーが番組をパク…インスパイアしていくという前代未聞の事態に、流石にこれは攻めすぎなのではないかと視聴者は(ふるたんの衝撃的外見と共に)不安がっていたが…

ふるたんの事件簿*1その1:禁じられた旋律


2018年9月20日、突如としてフルタ製菓公式サイトからふるたんCMが消滅する
ある者はCM打ち切りを危惧し、ある者は訴訟問題となることを憂い、ある者は空いた枠でのフルタマン復活に恐怖したが、
意外にも9月23日(日)のプリキュアではつつがなくふるたんCMが放送された。
そして9月27日、何事もなかったかのようにふるたんのCMはフルタ製菓公式サイトに再度アップロードされた。

みんなー!こんにちわんこ!ふるたんだよ!

ふるたん存続ッ…!
良かった!ふるたんは許されたんだ!
かくしてふるたんファンがホッと胸をなでおろしたりフルタマン復活失敗に唇を噛んだりする中、

みんな~!応援ありがとう!
チェケラ!

あれ?セリフがちょっと違う?

然り。フルタ製菓HPにアップされたのはリテイク版であり、曲が変わっていたのである
歌詞は九割方同一、音程もほぼ同じなのだが、明らかに「HUGっと!未来ドリーマー」に似てると指摘されていた部分だけ音程が変更されており、やはりプリキュアに曲似すぎな点が問題視された事が推測される。
これ以降、TVでもリテイク版が放送されるようになり、初期版が放送されることは二度となかった。
やっぱり攻めすぎだった。

ちなみに歌詞の変更点がここ。



「ルールー」が「ルルルル」になってるのです!
どうやら現役プリキュアの名前の乱用は許されない模様。

一般的に、民放のTV番組においてスポンサーは制作側より強い。
スポンサーの要望によって番組の方向性が変更されたり、スポンサー撤退により打ち切りに至ったりという例は古今東西少なくない。
しかし今回は
  • 同じスポンサーであるバンダイが、番組制作にも深く関わっている
  • フルタ製菓は3ヶ月のみの短期スポンサーである
  • しかし毎年きっかり3ヶ月スポンサーを続けている
という非常に微妙な力関係にあり、「音程を変えるなら許してやろう」というやや番組側強めの線で妥結したのではないだろうか?

ふるたんの事件簿その2:明かされる真実


アニメージュ。1978年創刊、アニメ雑誌の最古参である。
かつて売上20万部を数えた本誌も出版不況の波には逆らえず、近年の発行部数は6万部程度と落ち込んでいる。
そんなアニメージュ誌が読者層拡大のため2017年頃から力を入れているのがニチアサキッズタイム
すなわち毎週小さなお友達と大きなお友達が楽しみにしている、プリキュアライダー戦隊の1時間半である。アニメが1/3しかない
2018年12月号表紙には、今回も以下のごとくニチアサをアピールする文字が踊っていた。

GO! GO!!
NITIASA
ふるたん
チョコレートアイドル爆誕!
HUGっと!プリキュア
宮本絵美子×山岡直子
仮面ライダージオウ
檀黎斗王、来臨!!

戦隊押しのけて変なのが居る・・・

かくして実写CMキャラクターのくせにアニメ誌に取り上げられるというわけのわからない状況になったふるたんだが、お蔭でフルタ社のふるたん担当者のインタビューが公開され、その真意が明らかになった。
インタビュー内容から注目すべき点を抜粋する。

  • (なぜアイドルになった?という旨の質問に)
    (略)ヒーローがおるんやから、ヒロインがおってもええやろ」と、「わなげチョコ」の50周年に合わせて「ふるたん」というキャラクターが誕生したんです。
ふるたん、実はわなげチョコ50周年記念キャラクターだった事が判明。
が、わなげチョコ50周年という事実はCMの中ではものすごく小さくしか扱われておらず、わなげチョコが写った際に小さく「ありがとう50周年」という記念マークがついているだけである。
よくみてみよう!わかんねーよ!

ちなみにインタビューを受けたのは男性と女性の2人。男性は関西弁で喋る。

  • 実は、うちの営業のほうからは「フルタマンのCMを続けてくれ」との意見が多かったんです。
フルタマン、営業的に大成功だった事が判明。
フルタ製菓は非上場企業なので具体的にどの程度の売上増があったのかは公開されていないが、どうやら相当に手応えがあった様子である。
しかしフルタは年の1/3しかCMを打てないため、残りの期間も覚えてもらうようなCMを作るべく、前作のコンセプトを維持しつつより心に残るCMを作ったとのこと。
心に残るってこういう時に使う言葉でしたっけ…

  • (ふるたんのキャラクター造形について)
    アニメや実在のアイドルを研究して、そのええとこ取りしたような感じです(笑)。
研究の結果がこれだよ!

  • (初めて見た時の感想について)
    最初見た時は、ズッコケました。僕はどちらかといえば正統派なほうなので、ぶっ飛んだ内容のものは避けたいのですが(笑)。
    私も、もう爆笑から入りましたね。驚きしかなかったです(笑)
企画している当の本人さえこういう反応だった模様。
正統派なのが好きって、男性社員この部署向いてないんじゃあ…

  • 「ふるたんの中の人はフルタマンでは?」という噂は想像もつきませんでした。」
ふるたん=フルタマン説は公式に否定された。良かったね。

  • Q:顔のかわいさに比べて、かなり体格が良いですよね。
    その究極じゃないところが面白いと思います。
    もしかしたら、元ムエタイ選手かもしれませんし、まあ、それも想像の範囲内ですが(笑)
男性説は否定されなかった。

ちなみにアニメージュ誌は、インタビューのみならずふるたんのキャラクター紹介でも「ガタイの良さが特徴」とわざわざ書いており、ガタイが良いのは公認ネタと化している模様。
ついでのついでに、この月の「仮面ライダージオウ」の記事は実質檀黎斗王の個人記事であった。ナンナンダアンタイッタイ…

ふるたんの事件簿その3:仮面の怪人X


2018年12月、突如プリキュアからふるたんは消滅した。
「ふるたんはどうしたんだ!」「やはりプリキュアすぎたのでは」「フルタ製菓のカネパワワが尽きてしまったのだ」「フルタマンは?」などと視聴者が戸惑う中、「HUGっと!プリキュア」の時間は終了。
9時からの「仮面ライダージオウ」をジーっとする他ドーしようもないという心持ちで過ごし、
9時半からの「怪盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー」を暗澹たる気分で迎えた視聴者の目に飛び込んできたのは、









\フレッシュ!/  \フレッシュ!/

フルターンエーックス!!(野太い男性の声)
ルールール/フレッシュ!\ルールールルルルルルルル/フレッシュ!\


スペース感を感じさせるあの仮面を目に装着したフルタンXは
明らかに合成感バリバリで生クリームチョコが隕石のごとく飛び交う謎の宇宙空間を背景に
テクノ調にアレンジされたなぜか野太い男性の声が合いの手に入るふるたんのCMソングに合わせて踊り回る!


フルタンXが分身したり!

デジモンの進化バンクみたいな事をしたり!




謎のカウントダウン(野太い声)が始まったり!(何のカウントダウンなのかは最後まで観てもよく分からない)

ワンダフォー!/ワンダフォー!!(野太い声)

フルタ。

何が何だか分からないうちに30秒間はあっという間に終わるのであった。
すみませんムリです。フルタンXのCMで何が起こっているのかは説明するには日本語という言語は言葉が乏しすぎる。
1度観ただけでは何が起こっているのか分からないのでいっぱい観ましたがますます何が起こっているのか分かりませんでした。フルタンXを見てください。


ふるたんのイメチェンに実況は例によって大騒ぎとなり、特にふるたんの存在を知らなかったプリキュアを観ていない純粋特撮ファンがニューロンに甚大なダメージを受けた模様。
またイメチェンが時間枠移動と同時だったことから「フルタンXのXとは、ルパンレンジャーVSパトレンジャーに登場するルパンエックス・パトレンエックスを意図しているのではないか」との考察も盛んに行われた。
あとそのメガネやっぱりお前フルタマンじゃねーかとのツッコミも多数。

ふるたんの事件簿その4:仮面の告白


アニメージュ。1978年創刊、アニメ雑誌の最古参である。
そんなアニメージュ誌が読者層拡大のため2017年頃から力を入れているのがニチアサキッズタイムである事は皆様御存知であろう。
2019年2月号表紙には、今回も以下のごとくニチアサをアピールする文字が鎮座ましましていた。

仮面ライダージオウ
快盗戦隊ルパンレンジャー
VS警察戦隊パトレンジャー
フルタンX

レギュラーになってる・・・

かくして実写CMキャラクターのくせにアニメ誌に2度も取り上げられるという前代未聞の状況になったフルタンXだが、お蔭でフルタ社のフルタンX担当者のインタビューが公開され、その真意が明らかになった。
インタビュー内容から注目すべき点を抜粋する。

  • 「フルタンXは、ふるたんの成長した姿を描いています。」
3ヶ月でキャンディーズがPerfumeになる位の変化を起こしてるんですが何があったんですかね…

  • (被っている仮面について)
    わなげチョコのメガネは、フルタマンへのオマージュです。
あーうん。知ってた。

  • (ルパンエックス/パトレンエックスと名前がかぶったことについて)
    まったくの偶然です。
曰く、フルタンXのXはルパパトに被せてきたわけではなく「未知なるもの」を意味するXであり、ふるたんがどこまでも成長する事を願ってネーミングしたとのこと。

  • (音楽のコンセプトについて)
    今回のコンセプトは脳内無限ループです。一度聞いたら頭の中で無限に流れる曲を目指しました
開発コンセプトが危険すぎる…

ちなみにアニメージュ誌は、フルタンXのキャラクター紹介でも「相変わらずガタイが良い」とわざわざ書いており、ガタイが良いのは鉄板ネタと化している模様。

余談

マスクと頭髪の作成は、コスプレ用品製造販売業者「むにむに製作所」が担当。
世の中にはあまり知られていないが、コスプレ業界にはこういうマスクを被って顔までなりきるタイプのコスプレが存在する
同社はこのコスプレ用マスクの大家である。フルタの本気度がうかがえよう。
そういうことに努力を惜しまないのが彼らフルタ製菓だ。

リテイク版でCMの歌は変更されたが、実はふるたんの映像は全く変わっていない。
比較してみると、変更されたのは音声と歌詞の字幕だけであり、映像の撮り直しは全く行っていない事がわかる。
ふるたんの口が動かないからこそできた荒業である。

フルタンXが顔面に装着しているのは、フルタマンがつけていた「ハイエイトチョコ」ではなく「わなげチョコ」2つを8の字状に結合したものである。
ふるたんはフルタマンと比べ目がデカいので、ハイエイトチョコでは目がはみ出してしまうと思われる。

「ピンク色のツインテール」「属性が『お菓子』」「偽プリキュアっぽい」などの理由から、前年のキラキラ☆プリキュアアラモードに登場したキュアホイップと似ていると言われる事が多い。
同年の「仮面ライダージオウ」に登場する、仮面ライダーの力を奪ってそのライダーに成り代わる怪人「アナザーライダー」になぞらえ、ついたあだ名がアナザーホイップ
更にフルタンXになってからは「アナザーフルタマン」とかアナザーホイップ フルタマンアーマーとか言われたい放題である。

全くの余談であるが、「ルパンレンジャーVSパトレンジャー」第43話ではルパンエックス/パトレンエックスに変身する高雄ノエルの正体が人外である事が判明、
その際に敵幹部ゴーシュから「エックスは人間じゃない」と言及されたため、実況はフルタンX人外説が支配的となり、
「フルタンX」で検索をかけると「フルタンX 人間じゃない」「フルタンX ノエル」などが候補として出現するという重篤なサジェスト汚染(ノエル側にとって)が発生している。

さらばふるたん


かくしてネットの話題をさらったふるたんだったが、フルタ製菓の資金力などの理由により例によって放映は4ヶ月間、2019年12月で終了。
フルタンXは12月のわずか1ヶ月間、回数にしてたったの4回しか使用されなかった事になる。
CMを流す回数ではなく一回あたりのインパクトを重視し、ネット上で拡散させることでCM効果を何倍にも高めるというフルタ製菓のしたたかな広告戦略がうかがえよう(この項目もその手先である)。

ふるたんが消えた1月。
ネット上はふるたん不在の日曜を惜しむ声、
ふるたんのエア実況をはじめる重篤ふるたん中毒者、
ルパンエックスがゴーシュに改造されてフルタンXになるんだ俺詳などと主張する違法なチョコ吸ってる人などが溢れかえり、
改めてふるたんの存在感を知らしめたのであった。



ちなみに、フルタンXインタビュー記事の最後は、以下のように締められている。

  • ふるたんのCMは昨年12月までだったそうですが、ふるたん、フルタンXとはもう会えないのでしょうか?
    応援していただきありがとうございます。
    ふるたんとフルタンXは永遠のアイドルです。ご期待下さい。

2019年9月、我々は新たなる伝説を目撃する・・・かもしれない。
今はただ―備えよう。


みんな~!追記・修正、よろしくね!
/ヅイギシューセー!!\

画像出典
フルタ製菓CM「生クリームチョコ ふるたん編」 2018年9月~12月放送
「生クリームチョコ フルタンX編」「わなげチョコ フルタンX編」2018年12月放送
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