登録日: 2020/02/04 Tue 01:05:13
更新日:2023/01/24 Tue 11:11:33
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概要
コイツがなにかというと、すごく大きくて人間にメチャクチャ敵対的な鳥の存在である。狂暴かつ強力な上に素早い。オマケに再生能力まで兼ね備えている。
一応ダメージ自体は与えることが可能ではあるが、損傷した箇所を瞬時に再生してしまう為に事実上の破壊及び殺害は不可能。更には巨大化の能力も兼ね備えている。
僕の考えた最強のクソトリかな
で、具体的にSCP-1160の耐久力の例を挙げると、ほとんどの銃器や核爆弾にも耐える模様(試したのか........)。まぁ、ほとんどの人が理解しているとは思うが、財団世界には某クソトカゲを初めとした殺したくても殺せない危険なオブジェクトが目白押しの為、そこまで気になることではない。
加えて、SCP-1160には昆虫の眼のような器官が頭部と背部に備わっており、360度全てを見渡すことが可能なため隙がない。財団も発見当初、ほとんど有効な手段を用いることが叶わなかった。これら全ての特性によって、接近戦においてほぼ無敵であり、高い殺傷能力に多くの島民や財団職員が命を奪われた。やっぱり僕の考えた最強のクソトリだった
なのだが、後に対処法が確定され、現在はプロトコル・タンゴ-77に基づき監視エリア内にて収容されている。なにか異変があったら、サイト95の現地外収容チームへと報告し、対処する。
発見経緯
そもそもコイツは、1765年にとある島で当時の住民らによって初めて確認された。以来、島の住民を襲っては食い殺し、島民を恐怖に陥れていた。また、島の某所から、先住民が書き残したとされる古びた文書が発見された。以下は古びた文書の内容、その抜粋である。
- █████ ████ ██ ████████で発見された手書きの文書(抜粋)
昨晩もまたかの猛禽が現れた。以前よりも巨大だった。
我らはまず鳴き声を、恐るべき悪魔が上げる耳を劈く歯ぎしりを聞いた。奴は本土の生き物ではあるまい。遥か古代の悪魔の巣穴から這い出てきた、より悪しき存在だ。
かの猛禽は防壁を引き裂き、我らは海へと飛び込むか、大地を逃げ惑い狩り尽くされぬことを祈る他に道が無かった。
かの猛禽は舞い戻る夜毎に巨大さを増し、我らは数を減らしてゆくのだ。
パワー、スピード、回復能力に加え巨大化していき、オマケに超狂暴。こんな化け物を財団はどのようにして収容したのであろうか。
収容経緯
SCP-1160を財団が初めて発見したのは1915年8月15日。画像が添付されているのだが、この時点で付近の木々を上回る体長であった。
しかし、財団の調査が入り、二度に渡る交戦の末で、この怪鳥に思わぬ変化が表れた。突然怪鳥が大人しくなったのである。この時、ある科学者が、「財団が島に入った結果、何らかの影響を与えたのではないか」という推測がなされた。
やがてその推測は的を射ていたことが判明する。事の発端は、1943年8月13日に██████島に設置されていたサイト77がSCP-1160による襲撃であった。
多くの人員を失った最中、この突然の襲撃に何か理由が有るのではないか。サイト内で研究者たちは議論しあう内にある事実を知ることとなった。それは、SCP-1160の襲撃前に大規模なDクラスの記憶消去を行っていたのだった。
実はSCP-1160には隠された特性が存在した。それは、『SCP-1160の力は認識している存在の数に左右される』というものである。
分かりやすく説明すれば、SCP-1160を認識している存在が少なければ少ないほど、狂暴かつ強化されてしまうのである。その逆もしかり、認識している存在が多ければ多いほどSCP-1160は目に見えて弱体化するのである。
つまり、
財団がDクラス職員の記憶を消去した
↓
彼らの記憶にあったSCP-1160の情報がキレイさっぱりなくなって認識できなくなった
↓
認識しなくなったことでSCP-1160が強化and狂暴化
↓
サイト77襲撃
これこそががSCP-1160による襲撃の原因にして、あの無敵の能力の秘密であったのだ。
この事実の発見によって、すぐさまプロトコル・タンゴ-77の作成が始まった。
本プロジェクト(コードネーム「土曜日の朝」)は、簡潔に言えばSCP-1160を多くの人に認識させることでSCP-1160を弱体化させ、収容しようというものである。
そして10年の歳月を掛け、1953年、本プロトコルの初回試行が実行に移された。
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初期のSuper Coco Powsシリアルの外箱。
1953年5月14日、財団のフロント企業”Standard Products”が朝食用シリアル”Super Coco Pows”を販売し子供を対象に大規模なマーケティングを開始した。
いや、ちょっと待て。何故にここでシリアル? 何か関係あんのかと疑問をもった全ての方々、ご心配無くともこれこそがSCP-1160を封じ込めるための切り札なのである。
このシリアルのマスコットとして描かれている、スプーンを加えた鳥、コイツこそがSCP-1160そのものである。勿論、SCP-1160の特徴を踏まえて漫画的に描いたものであり、ついた名前は”Bradbury Buzzard”。
このキャラクターを外箱の正面と裏面で大々的に宣伝することで、これを目にした人物の潜在意識にSCP-1160の性質と外見に関する情報の断片を、長期に渡って植えつけようとしたのである。
結末
結果的に言って、プロトコル・タンゴ-77は大成功した。長年の刷り込みによって子ども達が認識している”Bradbury Buzzard”のプロフィールも、
「秘密の島に住んでいて人間を傷つける人嫌いの猛禽」
から
「ある熱帯の島に住んでいて小さな子供たちからSuper Coco Powsをかっさらおうとするいたずら好きな小鳥」
へと子どもたちの認識も財団の望む方へと移り変わっていった。
これによって、数えきれない子ども達やお母さん達に(間違った)認識をされたSCP-1160は著しく弱体化、収容当初85mあった全長が、2014年9月11日時点で凡そ25cmにまで縮小、結果的にSCP-1160を収容することに成功したのであった。
なお、以下が現段階のSCP-1160の収容プロトコルである。
SCP-1160は現在財団プロトコル・タンゴ-77によって収容されています。財団資産はSCP-1160の捕獲エリアの監視状態の維持に使用されます。SCP-1160の行動または外見に異変が見られた場合はサイト95の現地外収容チームへと報告します。
プロトコル・タンゴ-77に従ってSuper Coco Powsブランドの朝食シリアルがサイト95に配布されており、現在マーケティングと製造の監視を行っています。Super Coco Powsブランドのあらゆる業績低下はレベルII情報災害非常事態として扱われます。
余談
このオブジェクトは、社会に認識されたらまずい諸々のオブジェクトとは真逆の、一般人にも認識させることで初めて安全が保たれるオブジェクトである。まさに逆転の発想である。
ちなみにSCP-1160の著者は、SCP界きっての記載、djkaktus氏である。
- 作成しました。 -- 名無し (2020-02-04 11:01:30)
- 444-JPの真逆 -- 名無しさん (2020-02-04 11:16:52)
- コーンフレークやないかい! -- 名無しさん (2020-02-04 11:25:20)
- 昔のマスコットキャラクターって現行よりもキモかったりするよね -- 名無しさん (2020-02-04 11:27:13)