登録日:2012/02/04(土) 01:00:40
更新日:2021/02/19 Fri 21:41:46
所要時間:約 27 分で読めます
萬屋さんたちを噛み殺したバケモノは――
俺たちが封鎖したこの建物の内側に残っちまったってことか!?
俺たちは今――
巨大な魔犬「ケルベロス」の檻の中にいるんだ!!
『魔犬の森の殺人』とは、『
金田一少年の事件簿』での事件の1つであり、金田一少年が解決した事件の一つ。
単行本がそれまでのFileシリーズからCaseシリーズへとリニューアルされてからの第一弾。全10話。
テレビドラマでは第3シーズン第7話として2001年9月1日に、テレビアニメでは第105話~第108話として1999年9月20日~10月25日にかけて放送された。
恐らく一が遭遇した事件で最も意外かつ、最大の悲劇と言える結末を迎えた事件の一つである。
また、本作以降原作者が金成陽三郎氏から天樹征丸氏へと交代されている。
アニメ版の容疑者リストの順番は上段が左から萬屋、千家、八尾、渡辺で、下段が十和田、二ノ宮、五十嵐、参道、百田でバックは水色。
登場する
怪人は「
ケルベロス」。
【あらすじ】
山梨へキノコ狩り旅行に行った一たち。
ところがアクシデントで泊まる家が無くなり、さ迷った末、廃棄された研究所を見つけた。
建物に入ってみると大学のサークルがちょうど合宿を行っており、一緒に寝泊まりすることになる。
ところが翌朝、大学生の一人が喉を食い破られた血まみれの姿で発見され、さらに金田一の親友、千家が野犬に襲われる。
しかもその犬は行動から狂犬病の可能性が高かった…!!
さらに、廃墟の周囲は、同じく狂犬病と思われる犬の群れに囲まれており、封鎖した研究所の内部に遺伝子操作の怪物犬「ケルベロス」がいる可能性が極めて高かった!!
一は、千家のためにも、廃墟から脱出する方法を探るため、捜査を開始する…。
果たしてこの事件は魔犬「ケルベロス」の仕業なのか…!?
【以下、ネタバレにご注意ください】
【事件関係者】
CV:
菊池正美/演:
山田優
不動高校2年。
額のホクロが目印の、金田一の幼馴染。
首吊り学園殺人事件で初登場後、
短編に1度登場し、長編には2度目の登場。
冒頭で一に幻覚性のある
ベニテングタケ入りの味噌汁を飲まされた挙句、ラリって別荘に火をつけてしまい、事件の中では犬に咬まれる。
さらに、その犬が狂犬病の疑いがあるとわかり、自暴自棄になりかけるが…。
メロン。
アニメ版では目印である額のホクロがない。
ドラマでは女性となっており、これ以前の事件にもちょくちょく登場している。
演じていたのはデビューしたばかりの山田優。
CV:
高橋直純
不動高校2年。
山梨の山奥に別荘を持っている(とは言っても古い民家)。
しかし一のせいで
下痢を起こすキノコであるカキシメジを食わされ、幻覚キノコにラリッた美雪と千家の「ファイヤーダンス」で別荘を燃やされる可哀相なヤツ。(アニメでは別荘の内装を破壊されている。)
もっとも、犯人のことを考えると、一が何もしなくても似たような目に遭っていた可能性は高い。
不動高校メンバー4人の中で唯一死体慣れしていない。
リンゴ。
CV:
松谷彼哉/演:
三浦早苗
三城大医学部2年。20歳。
タバコをふかしたショートヘアーのギャル。萬屋のカノジョ。
最初に死亡し、「巨大な獣」に襲われたような姿で息絶えていた。
何気にその死体がエロい。
二ノ宮は友達なのだが、ドラマ版では「色目を使っている」といいがかりをつけ、彼女を目の敵にしていた。
実は殺害されたのは2番目。
CV:
竹若拓磨/演:
スマイリーキクチ
三城大医学部4年。22歳。
サークルのリーダー格。
ノリのいい性格の大病院の跡取り息子だが、大学内ではとある黒い噂が…
廃墟も、彼の家の持ち物。
二番目に死亡。実は近視。
実はアリバイトリックの為に最初に殺害されていた。ちなみに生きてたらメロンに相当するのはこいつだった。
CV:
中村秀利/演:
岡本光太郎
三城大薬学部4年。22歳。うすらヒゲの男。
クイズ好き。態度は悪く、大学では萬屋同様に黒い噂が絶えない。
三番目に撲殺され、死の間際にダイイング・メッセージを残すが…。
冒頭で一に対しあるクイズを出し、速攻で解かれて憮然としていたが、それがこの事件の重大なキーワードとなる。
「俺達の中で一人だけ仲間はずれがいる。そいつは誰だ?」
「俺が一番格下って事でしょ?」
名前と容姿のモデルは後の
世界のナベアツ(現・
桂三度)。
後に同じく数字を題材にしたギャグで全国的に大ブレイクする事になる。
同原作者の『
サイコメトラーEIJI』のドラマ版にも端役として出演している。
トマト。
CV:
山崎たくみ/演:
田口浩正
三城大医学部3年。23歳。原作のこのエピソードでのゲストキャラでは彼が最年長になる。
オカルトマニアのぽっちゃり系。萬屋たちよりひとつ年上だが後輩である事から、二度浪人(もしくは留年、あるいは各一回ずつ)していると思われる。
アニメ版では学年はそのまま、21歳になっており、学年と実年齢の間に違和感がなくなっている。
「ケルベロス」に狙われる事に思い当たる節があるらしく、終始怯えた様子を見せていたが…。
不動高校の鷹島友代ほど重度ではないと思われるが、彼も潔癖症である。バナナ(ドラマ版は不明)。
CV:
千葉一伸/演:
丹直樹
三城大理工学部3年。22歳。
丸眼鏡の喫煙者。廃研究所に入った一達をおどろかす。
萬屋達の黒い噂について疑念を抱いており、他人に憎まれても仕方ないのではないかと指摘した。
父親が警視庁の公僕(階級や所属は不明)で、その関係で、一の事を知っていた。
原作では良識人だが、それ以外の媒体では性格が異なっている。
ナシ。
CV:
朴璐美/演:
綾瀬はるか
優蘭女子大文学部2年で参道の友達。20歳。
松たか子似(八尾談)のおしとやかな美人。何か目的があって合宿に参加したらしい。
ドラマ版では五十嵐の狂気ぶりにドン引きしていた。
キウイ(ドラマ版ではアボカド)。
CV:
古川登志夫
アニメオリジナルキャラ。不気味な顔の老人。67歳。
研究所の元所員であり、遺伝子操作の実験を提案したが、研究所から追い出された。
何かを探しに古巣にやって来たらしく、入口で金田一達に突っかかってきたが、
次の日、死体となった参道の第一発見者になり、そしてケルベロスの騒ぎが起きてからは大人しく一行と行動を共にする。
知識が豊富であり、狂犬病などについても詳しかったり、事件中もケルベロス対策として
火炎放射器を即席で作るなど、色々すごい奴。
使う機会はなかったため、「汚物は消毒だ~!!」とはならなかったが。
萬屋や渡辺の黒い噂について、聞いたことがあるらしいが…。
対応するフルーツは不明。
二ノ宮のペットの子犬。かわいい。
一の背中にオシッコしたりするなどしていたが、彼の存在が事件の重大なヒントを与えることに…。
【その他の人物】
美雪の友人。一のことは大嫌い(1度でも一緒に事件に巻き込まれて、一の真剣な姿を知れば、考えが変わるかもしれない)。
まあグータラでアホなダメ男で有名だからね!
第1作に登場して以来、時々モブ出演した際も一の事をボロクソにけなしていた。
今回、一を放って美雪がキノコ狩りに参加することになったのも、彼女のゴリ押しの結果らしい。
本来は一ではなく彼女がキノコ狩りのメンバーだったが、一に列車の切符をスラれたうえ、トイレに監禁されて成り変わられてしまう。
だが事件の事を考えると、
行けなくなって正解だっただろう。
今回の事件で美雪と疎遠になったのか、以後登場しない。
美雪に告るも、手紙すら受け取ってもらえず、告った瞬間に断られ、見事に玉砕。
モデルはお笑いコンビ、コッキー。
【レギュラー陣】
毎度おなじみ主人公。
美雪が自分に内緒で他の男と旅行に行こうとしていたことを偶然知り、美雪との初エッチ狙いで冴子から列車の切符をスリ取り、
彼女をトイレに監禁して成り代わった(美雪の参加が冴子のゴリ押しによるものだろうとは考えていたが、それにしても彼女がOKしたことに不満を感じていた)。
序盤では下痢をするキノコ(カキシメジ)の味噌汁を八尾に、別々の幻覚キノコの味噌汁(美雪はオオシビレタケ、千家はベニテングダケ)を、それぞれ美雪と千家に飲ませる(実は美雪は一口も飲んでおらず匂いだけでラリっていたのだが)というシャレにならないことをやってしまうが、
その後彼にとって最大級の悲劇が待ち受けることに…。
ビワ(ドラマ版ではキウイ)。
今回、「怪盗紳士の殺人」のポアロ同様、犬の行動がヒントとなって謎を解く。
序盤こそ結構酷いことをしているが、事件発生後は、犯人が引き入れた野犬の1匹に美雪が咬まれそうになったところをすんでのところで防ぎ、
野犬の集団が廃墟内で暴れている間は一室に隠れて彼女を抱き寄せていて、しっかりと美雪を守る役目を果たしていた。
毎度おなじみヒロイン。
ブラモロのサービスシーンを披露するも、幻覚キノコであるオオシビレタケの味噌汁を一口も飲んでないのに匂いだけでラリっていた。
その時の顔がちょっと怖い。
だが、その後に一同様彼女にとっても悲劇が待ち受けることに…。
冴子にゴリ押しされたとはいえ、一に黙って他の男(千家、八尾)と旅行に行こうとしていたことについては、心底罪悪感を持っていた様子で、
キノコ汁による食事の際、彼に対して謝罪の言葉まで口にしていた。
なので、結果的に一が同行することになったことは、彼女にとっても願ったり叶ったりだったのではないだろうか。
ミカン(ドラマ版ではリンゴ)。
ちなみに、美雪は、犯人が引き入れた野犬の1匹に咬まれそうになり、ギリギリのところで一に助けられている。
そのため、もし一がいなかったら、美雪はほぼ確実に野犬に咬まれていた。
その意味でも、彼女から見て非常時に最も頼れる一の同行が、結果として美雪にとって大きなプラスになっている。
ちなみに彼女に食べさせようとしたオオシビレタケは所謂マジックマッシュルームの一種。言い換えれば立派な薬物の材料である。
つまり食べさせる云々の前に所持そのものが犯罪である。(もっとも、この作品が出た頃はまだ非合法化はされていなかったが。)
渡辺の遺体の側には、果物が散らばっていた。
ビワ、ミカン、リンゴ、バナナ、ナシ、キウイ
そして、メロンに潰されたトマト
俺達の中で一人だけ仲間はずれがいる。そいつは誰だ?
今回の事件の関係者の共通事項は渡辺を除いて全員苗字に数字が入っている事。
(つまり、クイズの正解は一人だけ数字の入っていない渡辺)
その場にあった唯一の野菜であるトマトがその場にあった一番大きい果物であるメロンに潰されたという事は……
俺が一番格下― って事でしょ?
…え!?
オ レ ガ イ チ バ ン カ ク シ タ―――?
それじゃあ…犯人は―――
【以下、悲しい真相…更なるネタバレ注意】
金田一…
俺の…負けだよ…
『ケルベロス』をでっちあげて萬屋たちを殺したのは俺だ…
俺が全部やったんだよ
この事件の真犯人「ケルベロス」。
ある日、いつもの様に登校していた彼は、偶然一人の少女が道端で倒れていた犬に歩み寄る光景を目撃する。
少女はドッグトレーナーだった。名前は水沢利緒。千家は彼女に頼まれ、犬を助けることを手伝った。
千家は優しく可愛い彼女に一目惚れ。しかもその気持ちは、日に日に大きくなっていく。
ある日想いを決して告白する千家。しかし利緒は急に胸を押さえて苦しみだし、悲しい顔で拒絶する。
私、あと半年しか生きられないの……そういう病気なのよ
衝撃的な告白をする利緒。それでも千家は彼女を愛することを決めた。せめて半年の間だけでも、一生分愛してみせると。
彼女も「生まれて初めて受けた『愛の告白』なんだから、私。また生きるのが楽しくなっちゃった」と彼の気持ちを受け止めた。
しかし、その恋は突然の利緒の死により、半年よりも遥かに短い僅か2週間で幕を下ろしてしまう。
彼女の亡骸と、その後発見した千家や彼の友人達との楽しい日々を想像して書いた「未来の日記」を見て号泣する千家。
そして思う。なぜ彼女は、検査のために入院した直後に容態が急変したのかと。
納得がいかなかった千家は必死に調べた結果、驚愕の事実を知った。
利緒の再入院の際彼女を担当していたのは、まだ医師免許も持っていない4人の大学生…萬屋達であった事。
彼女の死は院長である萬屋の父親が手を回し、病死にしてしまったのだという事。
行われた治療が医療行為とはとても呼べない、もはや人体実験に等しい行為(渡辺が作った新薬の人体実験台)だったということ。
そして、萬屋たちが通う大学に侵入した彼は…
あっ! おい! 渡辺!
あの女のカルテ始末しただろうな!?
あっ…忘れてた!
あの…それ…見つかるとヤバいッスよ?
たかが半年しか生きられない患者だったんだ!
そんなので捕まったらバカ見るぜ?
どーせ助かんねー患者がちっと早く死んだくれーで
イチイチ責任取らされていたら医者なんかやってらんねーよ
犬笛で犬を巧みに操り、狂犬病に見せ掛けた上で研究所の周りに待機させることで、居合わせた面々の行動(特に脱出)を封じて殺害を決行。
実際にはすでに死んでいた萬屋がいかにもその場にいたように思わせる心理トリックを仕掛けた。
さらに自分はワザとその犬に噛まれることで疑いの目を逸らそうとした。
これには、噛ませる犬を故意に水を怖がるように訓練しておき、そのとおりに行動させることで、その犬を狂犬病だと誤認させ、
外にいる他の犬達も同じく狂犬病かもしれないという疑念を抱かせて、強行突破をさせないようにする狙いもあった
(ただの犬では、いくらたくさんいるといっても、強行突破される恐れがあったため。狂犬病とあっては、噛まれれば命にかかわるため、うかつに手が出せない)
3人殺害後、渡辺の食べ物を使ったダイイングメッセージで犯人だと暴かれる。萬屋が板を窓に打ち付けている間に殺害されたと思わせるように仕組んだが、近視の萬屋がコンタクトレンズを眼につけてないことを明るみにされた。(近視の彼がコンタクト無しで釘を打ったりヒゲを剃ったりは難しい)
それでも自分は犯人じゃないと言うが…一のとある行動により、とうとう観念した。
自白後、最後に百田を3人と同様に犬を操って殺害しようとしたが、利緒の気持ちを自身に重ねた一の説得と犬たちの健気な訴え、
そして利緒の幽霊の抱擁で心を動かされ、敗北を認めた。
翌朝に山梨県警が到着すると、一に笑顔で「ありがとう」と言って連行されていった。
現在は少年院に服役中。
しかし、狂犬病でないにせよ、千家が侵入させた犬達は決して安全とは言えず、実際、美雪はあわや噛まれる寸前までいって、一に助けられている。
千家も、侵入させた犬達が、ターゲット以外の誰かを襲う可能性は、当然予見できたはずである。
最初に千家を噛んだ1匹だけならまだしも、途中であれだけの数の犬を廃墟内に侵入させた行為は、場合によっては美雪でなくても一や八尾などが襲われて噛まれていた可能性も十分に考えられ、自分が巻き込んだ無関係な友人達(もちろん、二ノ宮や五十嵐もだが)の安全を全く配慮していない(しかも、犬達は終盤まで狂犬病と思われていたため、もし1人でも噛まれていたら、千家という「前例」もあっただけに、その人のショックは相当なものだったろう)という無責任さもある。
そもそも、渡辺殺しの際、犬達を引き入れて暴れさせる必要があったのかという問題もある。
渡辺が1人になったところを殺し、萬屋や参道のようにケルベロスの仕業に見せかければ、それで済んでいたのではないだろうか。
ただ、この時点で一が事件の裏に人間の真犯人がいると勘付きつつあったので、一の目を逸らす意図の方が強かったのかもしれない。
実際は逆にこの行動が一に「内部から犬が入りやすいように細工をしている人間がいる」と確信させる結果になったのだが。
八尾の別荘が全焼したことを機に、千家は目的地の研究所に向かうことが出来たわけだが、
全焼の件がなかった場合、どのような理由で研究所に行くつもりだったのか?という疑問が生じるが、
肝試しやらで一たちを煽って、研究所に向かったのかもしれない。
また、一は「懐中電灯を持って先頭を歩き、皆を誘導した」と推理したが…実際のその場面では誰も懐中電灯を持っておらず、
先頭を歩いていたのは八尾であり、研究所を見つけたのは他ならぬ一自身である。
CV:
岩男潤子
ドッグトレーナーの少女。可愛い。
千家と出会い、その優しさに惹かれた彼から告白されるが、その体は病魔(おそらく心臓の病気)に蝕まれており、余命半年の命だった。
それを知ってなお、千家は「その半年の時間を俺にくれ」と利緒の運命を受け入れて共に生きる事を望み、彼女もそれを承諾。2人は恋人同士になった。
しかし、利緒の病に目を付けた萬屋達に渡辺の作った薬を飲まされ、殺されてしまう…。
なお、特に何も説明されていないが、千家が事件で使っていた犬笛はおそらく彼女の遺品である。
そんな大切なものをよりにもよって犬達に腕を噛ませてしまったせいでうっかり落とす羽目になるわけだが。
彼女の「未来の日記」とエピローグで幽霊となって千家の前に現れたシーンは涙腺崩壊必至。
ちなみに千家から一の事を聞いていたらしく、「未来の日記」に登場している。その中では一との初対面で(緊張して)ドキドキしてしまう事になっている。
…ありえん(笑)とか思ってても突っ込んではいけない。
おそらく何事もなければ
創立祭で一と出会うはずだったのだろう。
元々は捨て犬だったが、利緒に救われた犬たち。品種も大きさもバラバラでいっぱいいる。
千家にも懐いており、彼の復讐に利用されるが、ご主人が愛した千家にもう罪を重ねてほしくないという気持ちからか、
最後のターゲットである百田を襲撃する命令を「お座り」して拒否した。みんなご主人に恥じない忠犬である…。
もちろん、狂犬病というのもフェイクで、千家に噛みついた個体が水を怖がる様子を見せたのも、そうするように訓練されていたためである。
事件の後にどうなったかは不明だが、ポアロの里親を探した一の事なので、きっと彼らの里親も探しただろう。
彼らを利用した事は一も言う様に千家自身の最大の落ち度だし、殺処分はないと思いたい。
結果的には、操り手である千家以外を誰も傷つけなかった(一は多少ケガしたが)からまだ良かったが、
他の人間、特に殺人のターゲット以外の無関係な者を1人でも噛んだりしていたら、事件後に殺処分の対象になっていた怖れもあるし、
最悪、侵入させた犬のどれかが、メンバーの誰かの抵抗に遭って殴り殺されたりする可能性も当然あったわけなので、
千家の計画は、無関係な一達のみならず、犬にとってもはた迷惑な話と言わざるを得ない。
実際、1匹は、美雪に咬みつこうとして、寸前で一によって口の中に木材を突っ込まれて倒れ、その後どうなったかは不明。
そもそも、愛する利緒の忘れ形見達をこんなかたちで自身の殺人計画に利用して、千家自身の良心は痛まなかったのだろうか?と思わざるを得ないが、
百田を殺害しようとした時の「こいつらは利緒を殺したんだぞ!」という台詞を見る限り、自分と同じ気持ちを持っていたと思っていたのかもしれない。
『たかが半年』――。
あいつらはそう言ったんだ――!!
人ひとりの命の重さに――半年も50年も違いがあるのかよ!?
利緒の半年はあいつらの一生より、ずっとずっと大切な時間だったんだ!!
とんでもない屑であり外道どもだった被害者達。
利緒が余命半年の命だからと目を付け、渡辺の作った怪しい薬を飲ませる実験台にして殺害。
そして人体実験への反省もなく上述のように言い放つなど、絶対に医者になってはいけない人間たちであった。
鬼畜生同然のその所業には、千家から聞かされた一も「俺だって絶対許せねーよ!!」と怒りを露わにした。
この一の発言は直前に百田を殺害しようとした千家の「お前らだけは―――絶対に許さない!!」に対応しており、
基本「罪を憎んで人を憎まず」のスタンスである一が事件の被害者側にここまで激しく怒りを露わにしたのは極めて珍しいケースである。
また、ここまでの間、萬屋達をさん付けで呼んでいたにも関わらず、この怒りを露わにした場面では萬屋を呼び捨てしている。
元々萬屋は解剖の検体の耳を切って壁にくっつけ「壁に耳あり」というギャグをとばしたり
ドラマ版では手術に失敗した事に対してせせら笑うなど、大病院の跡取り息子の自覚全くゼロな奴。
そしてその因果応報とばかりに、その『壁に耳あり』の言葉通りに壁越しから真実を聞いた千家の手によって葬られたと言う訳である。
渡辺は自分で作った「けっこーな薬」を後輩に飲ませてデータを取っているとんでもない奴。マッドサイエンティストレベルである。
事件の時も二ノ宮が連れて来た小犬のユータに対して、犬というだけで外にいた犬達と同類と考えて容赦なく棒で殴ろうとするなど、性根のゲスな人格が伺えた。
なおドラマ版では(千家に相当する)恭子が狂犬病になりかけている(フリをしている)という時に、「たかが一人に構って、全員を危険にさらすのかよ!」と緊急時とはいえ言い放って見殺しにしており、美雪からもマジギレされている。
参道は二人につき従っている様子であまり目立つ行動も少ない存在だったが、萬屋のギャグに大笑いしていた辺り、まともな神経じゃない点は同じ。
余談だが、渡辺のダイイング・メッセージで千家より先に萬屋を連想した読者は多かったと思われる。
萬屋は渡辺と同じ標的側の人間であり、なにより渡辺より先に殺されているので渡辺の死に際の「どうしてあいつが…!?」という台詞にも繋がるなど、
意図的なミスリードだった可能性もある。
尤も、一はそれに惑わされず、正しく意味を理解してしまったが。
ちなみに萬屋を含めるか否かはフルーツの数でわかる(フルーツの数が2個少ない=既に殺された2人はカウントされていない)。
ちなみに、渡辺のダイイングメッセージは、最初に一に出したクイズが元となっており、その問題を一瞬で解いた一にだけは確実に伝わるだろう、ということを意図したものだった。
人体実験メンバーの一人だが、唯一生存。
事件後は殺されかけてさすがに懲りたのか、それとも良心が咎めたのか警察に自首し、自分も関わっていた萬屋たちの悪行をすべて洗いざらい告発した。
酷な言い方だと、彼がもっと早く自首して告発していれば、この事件は起こらなかったかもしれない。
せめて彼の証言が千家の情状酌量に繋がってくれれば幸いである。
アニメ版では前述の通り浪人や留年などはしていないと思われるが、水沢の死後「後味が悪い」と発言する等その気持ちが顕著に表れており、
水沢の容態悪化の際に正式な医師に助けを求めようとしていたが、萬屋たちに反対されてしまった。
ドラマ版だと彼も「賭け」に参加しているため同情の余地は薄れるが、医者の卵としての最低限の良心なのか、四人の中で彼だけ「成功」に賭けていたらしい。
本事件最大の元凶。
人体実験に利用することまでは知らなかったとしても、医師免許を持っていないことがわかっている息子達に患者を1人引き渡したうえ、
その人物を殺した息子達の罪や神経を咎めるどころか、逆に権力を濫用してそれを揉み消していたという
医者としても父親としても最低な男。
同じくクズな息子を持つ、
のちの事件の息子を更生させるべく手を尽くしていた院長とは大違いである。
事件後は息子達(と自分)の悪行がバレた事によりマスコミに叩かれまくっているらしい。
その程度なんだよ…あの人たちの『人の命を預かる者』としての自覚なんて…
だから仮に本当に人を死なせてたとしても“実験動物”が一匹死んじまった―ってぐらいにしか考えてないかもな!
萬屋達とはそれなりに親しい付き合いだったが、彼らとは異なりまともな神経の持ち主で、本心では四人の異常性に辟易していたらしい描写も多々見受けられる。(前述の「壁に耳あり」の時もその場に居合わせていたが、自分がドン引きしている横でゲラゲラと笑う萬屋達を見て内心「ついていけねーよ」と毒づいていた)
彼が捜査中の一に語った上記の言葉は、図らずもこの事件の本質を的確に表現していた。
アニメ版では上記の通りキャラ改悪がなされたが、萬屋達への考え方そのものは基本的に同じ。
父が事件の舞台である潰れた研究所の研究員であった過去を持ち、実験動物の中で一番の仲良しだった(実験動物とは知らずに仲良くしていた)
犬の「ユーリ」を探しに合宿に参加していた。
勿論ユーリはとうの昔に実験で使われて死んでおり、無造作に放置されたその遺骨を探し当てたときは涙を流して「ごめんね」と呟いていた。
事件後はユーリを含めた犬たちの遺骨は彼女がちゃんと葬り直すとの事である。
ちなみに、今回連れてきたユータはユーリの子孫らしい。
一とは違った意味でこの事件の被害者。
- キノコ狩りの計画を殺人計画に利用される(彼の家の別荘が萬屋達の合宿先の近所だったため)
- 一に下痢を催すキノコを食わされる
- 一が盛った毒キノコのせいで美雪と千家に別荘を燃やされる
- 死体慣れしていないのに3つも死体を見せられる(死体を見た時には「何とも感じねー方がどうかしてる」と極めてまっとうな発言をしていた。)
- 「友人が犯人」という非情な現実を突きつけられる
……と散々な目にあったが、すべてが終わった時には千家を恨むどころか、
エピローグで萬屋の父親が叩かれまくってる記事を読んで「これで千家も少しは救われた」と言うなど、
彼もまた一と同様に最後まで千家との友情を捨てる事はなかった。
エピローグにも出てこない。
真偽は不明だが、当初一がキノコ狩りに誘われなかったのは、
一を嫌っている冴子を千家が利用して、自分の殺人を見破る可能性がある一を参加できないよう仕向けた可能性もある。
一と幼なじみで仲の良い千家がそこまでやるかとも思えるし、美雪が聞いたら不自然に思う可能性もあるが、
少なくとも事件中に一に介入されるリスクに比べれば軽いものと言えるだろう(冴子自身は話題に上がらないが、
犯人たちの事件簿においても同じ解釈になっている。)。
その意味では、仮にそれが正解としたらだが、美雪だけがキノコ狩りに参加する状況にして、一の嫉妬を煽ったのが大失敗だったといえる。
犯人たちの事件簿では千家も「ぬかった!」と言ってたけど、そもそも普通冴子を監禁しチケットをスリ取ってまで無理矢理参加するなんて思わないよな……
エピローグに登場。
管轄外なのに一が関わった事を知って山梨県警と共に駆けつけた。
「首吊り学園」で千家の事も知っていた為、かなり辛そうな表情をしていた。
「
飛騨からくり屋敷」の時と言い、こういう時ほど刑事としての自分の立場が辛いと感じたときはなかっただろう。
エピローグに登場。
『
聖なる夜の殺人』の後で実家のコテージが潰れ、オヤジの丙介が謎の空中都市・シャングリラを探しにチベットへ旅立ってしまった為、今作から一の家に居候する事になった。
救われない結末を迎えた本作のある種の清涼剤。
寝顔は天使。
ケルベロスの存在そのものは千家がでっちあげたものだが、千家一人であの巨大な檻を用意できたとは到底思えないため、
「遺伝子操作した大型犬」は本当にいた可能性もあるけどこの作品、下準備に余念のない犯人多いからなぁ…。
いたとしても勿論、とっくに死んでいて千家が遺骨を埋葬したと思われるが…。
ドラマ版では序盤で萬屋達の乗っている車が、道路に飛び出してきた犬を誤って轢いてしまうシーンがあり、もしかしたらその犬が
本物の「ケルベロス」だった
のかもしれない…。
――ったく、やってらんねーよ!
どうしてお前が…こんな――!!
ある意味この事件最大の被害者。
自分が犯人であることを頑なに否定する千家に対して一がとった最後の手段は、自ら犬の群れの中に飛び込み、犬たちが自分を襲うよう仕向けるというもの。
千家が犯人ならば、必ず犬を止めて助けてくれるという千家との友情を信じた行動だったが、逆に言えば千家との友情を利用して追い詰めたとも言え、
目論見通りに咄嗟に犬笛を使って犬たちを静止し、自らが犯人であると認めざるを得なくなった千家に対して、上記の台詞を悲しげに吐き捨てていた。
一にとってあまりにも悲劇的な結末を迎えたためか、冒頭のやらかしの追及は一切なかったりする。
【余談】
今回の「ジッチャンの名にかけて」は狂犬病の件で自棄を起こした演技をする千家を励ますために言ったもの。
その千家を真犯人として告発するためにもう一つの決め台詞が使われたというのはなんとも皮肉な話である。
千家が犯人であった事は一や美雪にとってもショッキングな出来事だった事が伺え、美雪は終始涙目で「嘘よ」と言い続け、一も事件を解決した後もやりきれない様子を見せ、
千家と別れた場面では泣いている事が暗示されている。
そして、事件後も上の空の様子だったり、仲の良い小学生達を見かけて在りし日の自分と千家と重ね合わせるなど、心に深い傷を負った事が伺える。
利緒の死とその真相に関しても、千家が一に打ち明けてくれれば、いつきや明智警視などにも協力してもらい、萬屋たちの断罪をする事もできたはずである(一は一応、(
AV鑑賞でお説教を食らったものの)
警視総監とも面識がある。幾度も警察に貢献した一の証言ならば、警察も与太話とは思わず動いたことだろう)。
その点でも一の無念さはひとしおであっただろう…。
しかも皮肉なことに、
冒頭で毒キノコを盛った際に千家を完全ダウンさせることができれば事件は起きなかった。
もちろん、問題を先延ばしにするだけだっただろうが…
ただし、犯人たちの事件簿においては千家は一の目論見を見抜いて毒キノコを食べた振りをしていた事になっている。
後の公式ガイドブック「ファイナル ラスト エピソード」にて、一部読者からは「なんで千家を犯人にしたんだ!」といった苦情が来たことが製作スタッフの座談会で明らかになった。
これに対し作者側は「どこから犯人が来るのかが解らないのが『金田一少年』であり、それを描きたかった」と語っている。
アニメ化の際には本事件以前の千家の出番は一切無くなっている。これは後にOAD化された
黒魔術殺人事件の犯人にもなされ、彼が以前に出ていた作品である
邪宗館殺人事件はアニメ化されておらず、当然彼は上記の黒魔術殺人事件が初登場となった。
また、千家がいなくなってから、作者側も「一と親しい男友達」というポジションが貴重である事に気付いたのか、
後にかつての千家と同ポジションの
村上草太が
2つ後の作品から登場する事になる。
ちなみに草太も、後に
獄門塾で一度事件関係者になった事があるので、千家の悲劇を知るファンは気が気でなかっただろう。
しかも、故意か偶然かは分からないが、事件の舞台は千家が初めて容疑者入り(+初登場)した首吊り学園殺人事件同様、塾であった。
そして実は千家のトリック自体は非常にシンプルなもの。
しかも萬屋の手荷物を調べなかったあまり、一にあっさり見破られてしまう(萬屋の死体を調べた際にヒゲが剃ってあった事に注目する一に「それが何か変なのか」とうっかり聞いたりもしている)。
だが、トリックは見破れても「信じたくない」と思った読者が多かったことだろう。
一が真犯人告発の前に不動高校メンバーを集めて「ケルベロスを装う真犯人がいる」と打ち明けた際に、千家は「犯人を捕まえるのに協力する」と一に約束するのだが、
実はこの時点で一はダイイング・メッセージにより千家が犯人だと知っている。
おそらくトリックを見破った読者同様、一もこの時は「千家が犯人だと信じたくない」「間違いであってほしい」と思っていたに違いない。
その後、一は千家に自身が犯人であると認めさせるために犬たちの中に飛び込み、千家にそれを止めさせるという形で「犯人を捕まえるのに協力させた」のは皮肉としか言いようがない。
渡辺のダイイングメッセージの意味を知って「(木に実を付けるのが果物だから)メロンは野菜なのでは?」と疑問に思う人もいるだろう。だがあのときの渡辺は殴られて命の危機にあり、パニックになって考え出したものであって、何が野菜で果物かまで考える余裕はなかっただろう。
【ドラマ版】
- 冴子や上山&中島が登場しない。
- 上記の通り千家が千堂という女性になっているため、恋人の性別も男性に変更。
- なお、千堂はこれ以前の話から出ていた準レギュラーだったのだが、その時は「百恵」という名前で、本作で「千堂恭子」と変更されている。恐らく、名前に「百」が入っている事によるダイイング・メッセージの混乱を避けるためであろうが…クイズの答えの「名前」を「名字」に変えれば済んだ気もする。
- そうすると、千家=千堂というのは放送途中に急遽決めた設定の可能性が高い。
- そのため、ドラマでは不治の病ではなく普通の入院患者となっており、萬屋たちはその手術を失敗し、しかもその成否をギャンブルで賭けていた事になった。
(合宿はその手術失敗のほとぼりが冷めるまでの口実だった)
やっぱり最低だ。
- 一達はミス研のメンバーとキャンプに来ていたという設定になっており、一と美雪は恭子に「いい物を見せてあげる」と言われて森の中に入っていたところを犬達と遭遇し、廃墟となった建物まで逃げ込んだ。
- 萬屋が殺害される時間帯を事件当日の早朝から事件前日の晩に変更
- 二ノ宮は萬屋たちと同じ大学で、五十嵐と共に医学部の後輩。
- 『壁に耳あり』のシーンで五十嵐が呆れるシーン、五十嵐が万屋たちの黒い噂について話すシーンはカット。
- 野犬騒ぎの前、美雪が渡辺達に恭子を助けるよう頼みに行く
- 渡辺達は恭子を助けるのを拒否し、渡辺の一言で美雪がキレている。
- 萬屋の部屋にはコンタクト以外に眼鏡もおいてある。また、五十嵐が金田一達を呼び止めるシーンや金田一が五十嵐に萬屋がコンタクトをしているかどうか聞くシーンはカット。
- 八尾徹平は登場しない。それに伴い、上記の展開になったため、彼の実家の別荘も登場しない。無論、毒キノコ関連の騒動も全カット
- 二ノ宮の父親が事件の舞台になった研究所の研究員だった話はカット。それに伴い、ユータは登場しない。
- 代わりに一と美雪が拾ってきた野良犬が登場しており、「チビ」と名づけている。
- 金田一が「謎はすべて解けた!」と言った後、百田が「もうダメだ!車まで戻ろう!」と五十嵐達に提案し、五十嵐に「じゃあ先輩一人で行って下さいよ!どうせ次は先輩なんだから!」と返され、取り乱しながら暴れるシーンが追加。そこに金田一達が現れ、事件の全貌を暴く。
- 金田一が犯人に該当する果物を犯人の足元に落とす。
- 金田一、美雪、二ノ宮を表す果物を変更。また、五十嵐に該当する果物が明かされ、百田は原作ではバナナだったが床にバナナが落ちていなかったため、不明になっている。
- 犬笛について説明する人間を金田一に変更。
- 金田一が千堂に「萬屋達が事件の舞台になった山奥の建物に来る事を知ってたんだろ?」と訊くタイミングを千堂の自供前に変更。
- 犯行の動機を自供後、千堂が百田を人質にとる。
- 犯人に犯行をやめるよう説得する人物が一から美雪に変更。
- 犬が百田に襲い掛かろうとするシーンで原作では犬自身の意思でやめていたが、ドラマでは恭子の持っていた犬笛でやめている。
- 原作では山梨県だったが、長野県になっている。
【アニメ版】
- 千家が登場するのはこの事件のみ(前述)。
- 冴子や上山&中島が登場しない。
- 原作における序盤の展開の強引さとトリックの誤植が指摘されたため、研究所に到着するまでの経緯が変更された。
- アニメでは、一も始めから美雪達とアウトドアに行く事になっていた。また、八尾の別荘は獣に荒らされ、泊まれる状態ではなくなっていたと変更。当然、毒キノコ騒動の件も全カット。
- 研究所の大学生たちの活動が合宿から遺伝子操作の研究資料集めに変更。
- 五十嵐と二ノ宮の年齢を19歳に変更。
- 渡辺鐘が出題したクイズの答えを一がその場で解説している(ドラマ版でも同様)。
- アニメオリジナルキャラとして十和田清(過去に研究所の住人だった老人)が登場。
- 二ノ宮の犬の名前を「ユージ」に変更。
- 参道が殺害された際、第一発見者が十和田になっている(原作では百田)。
- 研究所に地下の隠し部屋がある設定が追加された。この部屋で五十嵐と二ノ宮の目的が明かされる。
- 五十嵐は遺伝子操作に成功したケルベロスのDNAを手に入れて金儲けしようと企んでいた。二ノ宮は研究所所長の娘であり、幼い頃友達であった犬達が研究員によって実験材料として使われ、死んでしまったという悲しい過去を持っていた。萬屋達と同行したのは、ユーリの骨を探すだけでなく、遺伝子操作の研究資料を手に入れて犬達を傷付けようとする萬屋達を阻止する為だった。
- 一達が犬に追われる際、渡辺達が自分の部屋に閉じこもるシーンが追加された。
- 萬屋の部屋を調べる不動高校のメンバーを金田一と美雪のみに変更。
- 金田一が「謎はすべて解けた」と言った後、百田が取り乱して全員で彼の部屋にいく。そして、そのまま推理を披露する
- 利緒の容態が悪化した時、百田は正式な医者を呼びに行こうとしていた。
- 前述の萬屋の「たかが半年~」の台詞を「どうせ後半年しか生きられなかったんだろ? 不幸中の幸いって奴?」に変更。
また、その話をする場所をソファのある部屋に変更。
また、千家がその話を聞く場所を萬屋達がいる部屋のドア越しに変更。
また、萬屋や参道は百田の「後味悪いっすよね。」と言う発言に一応同意はしていた。(後悔までしていたかどうかは不明だが)
- シラを切り続ける千家に対して、一が自ら犬の群れに飛び込むシーンはカット。
- 千家が日記を読むシーンはカットされ、事件の最終日は千家の誕生日となっている…
しかし、千家は事件中、(最終日以前から)17歳とクレジットされているため、金田一の同級生であるということを考えると矛盾してしまう。
(恐らく、誕生日を期に17歳になったのだろう)
- 一が萬屋達に対し怒りを露にする台詞と千家が警察に連行されるシーンはカット。
- 二三がすでに一の家に居候しているので、エピローグが変更された。
- プロローグでは二三が野良犬を拾っており、エピローグではその野良犬は八尾が引き取る事になった。
- 準レギュラー(?)として、怪盗紳士の殺人と銀幕の殺人鬼で登場した、ポアロが冒頭で登場。
千家君……。
ああ。わかってる、わかってるよ。利緒――。
追記・修正は犬笛を吹きながらお願いします。
- 何かこの話見て北斗の拳のメディスンシティー編を思い出したわ -- 名無しさん (2017-06-01 06:47:59)
- コメントが多かったのでリセット -- 名無しさん (2017-06-01 09:30:49)
- クッキングパパにて、末森が復活した。だから、そろそろ冴子も復活してほしい -- 名無しさん (2017-06-08 21:06:38)
- 親友の罪暴くってよくトラウマにならなかったな -- 名無しさん (2017-07-31 22:25:42)
- ↑1 一個人としては嫌だったろうけど、心を鬼にして、罪を暴いた。本当の優しさの1つだと思う。 -- 名無しさん (2017-07-31 22:45:20)
- 金田一の少年の事件簿の中で三大同情できない事件、後の二つは獄門塾と首吊り学園 -- ネオ (2017-08-01 00:03:21)
- ↑それは被害者に同情できないって意味だよね? -- 名無しさん (2017-08-21 12:54:31)
- もし堂本版のドラマでこの事件やってたら犯人は佐木か真壁になってたんだろうな。(そうなったら渡辺の名前を数字の入った名前に変更して「犯人の象徴=果物ではない野菜」に変えればダイイングメッセージもきっちり成立するだろうし) -- 名無しさん (2017-08-26 10:12:26)
- ↑1 松本版と同じく、千家以外で名字に千のあるキャラに変更されたと思う。 -- 名無しさん (2017-08-26 10:16:17)
- ↑この場合は「金田一本人や美雪とも交流のあった既存のキャラ」という点が重要な訳だからぽっと出の新キャラを出しても意味無いと思うぞ。 -- 名無しさん (2017-08-27 04:09:04)
- ↑アニメ版じゃ事実上千家は新キャラ扱いなんだよなぁ(アニメ版では首吊り学園殺人事件やってないので) -- 名無しさん (2017-08-27 11:45:43)
- 中学生のとき千家が犯人だったのはすごいショックだった 一週間くらい引きずって胸のなかモヤモヤしてた -- 名無しさん (2017-09-08 16:39:55)
- アニメ版は倫理上問題ある描写がゴッソリカットされたせいなのか被害者が小者に思えてくる。 -- 名無しさん (2017-11-26 23:37:19)
- 冴子をトイレに閉じ込めたってことは、はじめちゃん女子トイレに潜入したの?…… -- 名無しさん (2017-11-30 21:27:08)
- 犯人たちの事件簿の有森の一に対する反応を思うと、一が付いてくることになった時の千家の絶望感はマジパなかっただろうなぁ… -- 名無しさん (2017-12-03 12:29:30)
- 冴子復活のため、この話しを犯人たちの事件簿にて出して欲しい -- 名無しさん (2017-12-03 15:32:44)
- ↑2 金田一が付いてこないように金田一と仲の悪い友達も巻き込んどこう→なんかその友達が美雪誘った→美雪につられて金田一も来た→でも苦労して狂犬病の演技仕込んだ犬たちが待ってるし… -- 名無しさん (2017-12-06 14:36:40)
- ↑そして直後に毒キノコ喰わされてラリるという…ここまで最初からハードモードな犯人中々いないと思うw -- 名無しさん (2017-12-06 14:52:28)
- しかし、ギャグ描写とはいえこの事件でやってる一の悪行酷いな。美雪レイプするために監禁、毒キノコとか安岡や滝沢と同レベルだぞ... -- 名無しさん (2017-12-12 00:02:06)
- ↑元々、金田一は素行が悪かったところがあったから…飲酒するわAV鑑賞するわカンニングはするわ喫煙する(幽霊船長以降はやめたみたいだけど…)わ…連載開始時だと完全に不良の分類分けされているわな…… -- 名無しさん (2017-12-12 00:14:02)
- 同情の余地なしの渡辺だがダイイングメッセージをわざわざ残すあたりなんかあるんだろうか -- 名無しさん (2017-12-13 23:24:28)
- ↑2 アニメ版やドラマ版では、そういった素行の悪さの大半をカットするのもやむなしか。只、一の毒キノコ作戦がなかったら、千家は如何なる理由で研究所に誘導する気だったのか。 -- 名無しさん (2017-12-13 23:43:47)
- ↑犬に八尾の別荘を襲わせて誘導した可能性もある -- 名無しさん (2017-12-22 13:03:58)
- 最初から隙を見て別荘を焼くつもりだったんじゃないかと思った。 -- 名無しさん (2017-12-22 13:09:20)
- ↑10↑8 「やっほーい」のコマで「!?」って入ってそうw -- 名無しさん (2017-12-31 14:13:34)
- ドラマ版は確かに暴言を吐いたのは渡辺だけど、見境なく叫ぶ美雪も「怖いのはみんな一緒じゃないのか」と、幽霊客船を思い出しながら妙に感じた。八尾の代わりの死体慣れしていないポジションなのか -- 名無しさん (2018-01-24 00:26:53)
- アニメ版のオリキャラの老人が何で作ったのか全然わからないほど目立たない -- 名無しさん (2018-03-10 06:49:09)
- 二ノ宮朋子さんは金田一シリーズでも屈指の魅力的女性キャラだったけど、アニメでは残念な出来だった。朴璐美さんは良い声優だけど、あの太い声はおしとやかな二ノ宮さんのイメージと違ってたと思う -- 名無しさん (2018-04-21 08:17:02)
- ツッコミを入れたいけど、実際は強度近視の人間は無意識のうちに慣れと訓練のため、眼鏡やコンタクトなしでも髭剃りや釘打ちなどは可能である。髭を剃る時にいちいち鏡を見たりせずに勘と手の触感で十分綺麗に剃れる。釘打ちも同様に普通にこなせる。 -- 名無しさん (2018-04-21 08:25:49)
- ぶっちゃけ野犬に襲われるかもしれんのにコンタクトなしで行動ってその時点で致命的じゃないですかね -- 名無しさん (2018-04-21 12:18:36)
- 素朴な疑問だけどもし犯人たちの事件簿でこれやるなら問題の懐中電灯のくだりはどうするのだろうか -- 名無しさん (2018-04-21 15:26:16)
- ↑2いいや、強度近視で裸眼でも別に犬が見えないわけでも歩けない走れないわけでもないし自転車くらいは乗れる、無意識の訓練もあるんだろうけど大体の作業は普通にこなせる。それは0.02の強度近視の私が言うのだから間違いない。 ただ車の運転やPC作業は無理だけど -- 名無しさん (2018-04-21 15:45:06)
- とはいえ、もしも正常視の人が突然、視力0.02になったら、自分の身の回りの事が自分で、できないほど不自由すると思う。強度近視の人はゆっくりと近視が進行していくうちに低い視力でも行動できるように訓練されているだけ。 -- 名無しさん (2018-04-25 19:05:19)
- 「半年」「50年」みたいなやりとりが、産婦人科であった。ニュアンスは違うだろうけど、このエピソード思い出して、正直かなり気分が悪くなったな -- 名無しさん (2018-08-12 02:30:30)
- 千家が金田一に相談してれば、というが、恐らく死体はとっくに焼かれてるし証拠なんか何も無いだろうから無理じゃないかな。剣持警部は動いてはくれるだろうが病院て一種の治外法権だし難しいと思う。萬屋たちもシラを切るに違いないし百田落とすくらいしか可能性なかったろう。とはいえ、多分そんなの関係ないだろう。恐らく千家は自分の手で始末したいという復讐心で動いていたろうし -- 名無しさん (2018-08-25 11:37:08)
- リオの死因特定は厳しくても(カルテは書き換えられているだろうし)彼らが現在進行形で患者を実験台にしていることが証明できれば(看護師の証言とかで)仇討ちができなくとも罪には問えたんじゃないか -- 名無しさん (2018-08-25 15:32:34)
- 千家が一に打ち明けて、いつきや明智警視等にも協力してもらっても、萬屋が生きてる限り断罪は難しいだろうな(頼みの綱である百田も萬屋に弱みを握られてたなら、告発に踏み切れないだろうし)。 -- 名無しさん (2018-10-20 22:35:30)
- 萬屋達に医師免許を持たせたらジョジョのチョコラータみたいになってただろうなあ -- 名無しさん (2018-10-20 22:47:32)
- 後にも先にもこの事件ほど犯人を意外に思った話はない -- 名無しさん (2019-01-19 18:51:44)
- 登場が久々過ぎて千家が誰なのかを忘れていて、意外性を味わう事が出来なかった俺 -- 名無しさん (2019-01-29 19:31:35)
- あのデコの目印を見てもか?w -- 名無しさん (2019-01-30 00:31:20)
- あまりにも犯人が意外すぎて初めてマガジンで読んだ時自分の目をうたがった -- 名無しさん (2019-02-12 17:26:22)
- 本当にどうしようもないクズどもだな……。きっと、こいつらの悪事が表に出ても、クズ父がマスゴミに手をまわして、もみ消していたに違いない(--# -- 名無しさん (2019-02-12 17:39:35)
- この事件の解決編を見る前に犯人わかった人いる?もしいたらどの辺りでわかったのか教えてほしい -- 名無しさん (2019-02-19 14:42:32)
- ↑メロンのダイイングメッセージ -- 名無しさん (2019-02-19 14:56:11)
- どうでもいいけどメロンって分類上は果物じゃなく野菜になるんだよな -- 名無しさん (2019-03-26 22:26:55)
- ↑スイカやいちご同様、果菜類なんだよね、確か。 -- 名無しさん (2019-03-26 22:31:05)
- 一ちゃんのキノコ盛るヤツは主人公以外の金田一キャラだったらうっかり死人が出て復讐で殺されるやつだよな… -- 名無しさん (2019-03-28 19:51:04)
- 他人にマジックマッシュルームを食わせる主人公が見られるのは、金田一少年の事件簿と鉄鍋のジャンだけ! -- 名無しさん (2019-03-28 20:43:52)
- 萬や -- 名無し (2019-04-02 23:19:57)
- 萬屋達はTwitterとかインスタグラムとかあったら、バイト先で不適切動画を投稿してバイト先の店を潰し、バカッターとしてネットで叩かれるタイプだよな。 -- 名無し (2019-04-02 23:23:51)
- 犯人に驚かされた事件は間違いなくこれが一番。この後の事件では例え誰が犯人でもあまり驚かなかった。まあこの前の事件でそこまで驚かされた事件はそんなになかったが・・・強いてあげれば怪盗紳士の殺人と魔神遺跡あたりかな? 名無しさん (2019-04-05 14:53:52)
- ↑逆に、これを越えようと思うとどうすれば良いんだろう…… -- 名無しさん (2019-05-16 20:17:46)
- ↑それこそ美雪を犯人にするくらいじゃないと無理では… -- 名無しさん (2019-05-16 20:38:41)
- ↑九龍財宝伝説の時あったぞ。まあその美雪は別人だったが -- 名無しさん (2019-05-17 18:15:49)
- この事件はアニメでは十和田清というキャラが追加されたが、アニメにおいて登場人物が増えたり減ったりする基準ってなんだろう? -- 名無しさん (2019-06-07 23:01:10)
- 減るのは基本尺の都合じゃない? -- 名無しさん (2019-11-02 10:32:17)
- レギュラーじゃないとしいえ前から出ててしかも主人公の友人が殺されたり犯人になったりて珍しいよな -- 名無しさん (2019-11-05 15:32:39)
- このまま医者になってたらって例が聖恋島の奴ら。しかもアッチの方は病気をでっち上げでほとんど健康体の子どもをモルモットにするという -- 名無しさん (2019-11-14 17:04:39)
- 激しく今更だが、ナベアツこんな扱いをよく了承したもんだなww -- 名無しさん (2019-12-04 14:08:05)
- 狂犬病に見せかけるというやり口なんだけど、実際は今の時代、日本では既に狂犬病は根絶されてるのでワクチンの接種は必要ない。実際、海外では狂犬病の根絶以降、ワクチンの接種義務を廃止してる国が多い。必要ないのにワクチン打つのはペットの生命に帰って毒なんだよ -- 名無しさん (2019-12-07 15:08:31)
- 犯人たちの事件簿で千家に「いくらヤリたいからって普通友達ラリらせるかお前」って言われてて草 -- 名無しさん (2019-12-24 15:28:27)
- この話しの別名は はじめちゃんの罪と罰 -- 名無しさん (2020-03-04 21:19:02)
- ↑13「壁に耳あり」を投稿して大炎上してそうw -- 名無しさん (2020-04-08 22:31:17)
- 百田まで殺そうとするのはやり過ぎだろ・・・ -- 名無しさん (2020-06-10 21:42:11)
- ↑メディアミックス作品では百田に同情の余地あるが、原作だと特にそんな描写もないので…まぁ、描写あるからって許さんだろ、普通 -- 名無しさん (2020-06-10 22:06:47)
- ↑6海外で犬に噛まれて日本で発症した例が出てたな。世界中で根絶されないと安心出来ないな -- 名無しさん (2020-08-11 07:40:47)
- 「一にとって最大の悲劇」とあるけど、読者側は千家の存在を覚えてたかどうかでガラっと変わる。個人的には全く覚えてなかったので特別感慨がなかったな。 -- 名無しさん (2020-08-11 08:06:09)
- 浅見先生の凶業を目の当たりにしてしまったことが、彼の最後のタガを外してしまったのかもしれないな・・・ -- 名無しさん (2020-08-11 09:43:28)
- ↑2過去のエピソードで千家との友情が実感出来るようなシーンがもっとあれば別だけど、そんなものも大して無いから「主人公と同じクラスの生徒D」くらいの印象しか無かったわ。この話自体は面白いけど、親友を推理で追い詰める苦悩みたいなのを演出されても個人的には今一つ心に響かない。 -- 名無しさん (2021-02-19 14:39:57)
- ↑小学生時代の小説で再登場したから今から補完してもいいかも。でも当時はそれでも批判が殺到したらしいからあんまり良エピがきたら別れが辛くなるかもな -- 名無しさん (2021-02-19 21:30:43)
- ↑2 実は短編集のおまけ漫画で一に呼び出されて一緒に行動するというさもサブレギュラーですよと言わんばかりの話があったりするのでそこまで知ってるかによるかもしれん。 -- 名無しさん (2021-02-19 21:41:46)
最終更新:2021年02月19日 21:41