KAZUYA/西城カズヤ

登録日:2025/08/14 Thu 00:33:01
更新日:2025/08/18 Mon 18:24:19NEW!
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野獣の肉体に天才の頭脳――
そして神技のメスを持つ男……

その名はK!!


KAZUYA(西城(さいじょう)カズヤ)とは、「スーパードクターK」および「DoctorK」の主人公である。
その続編である「K2」にも大きく関わってくる。

【プロフィール】

[生年月日]1963年生まれ
[血液型] A型、Rh+、ルイス式血液型【 Le(a-b-)】
[身長]190cm超
[学歴]帝都大学医学部卒
[家族]父:一堡(死亡) 母:杏子(死亡) 祖父:一宗(死亡)
    妹:KEI 叔父:一昭 息子(?):一也 伯父:頼介


【概要】

「スーパードクターK」および「DoctorK」の主人公。それぞれの作中における「ドクターK」である。

医療漫画における「放浪の凄い医者」な存在で、簡単に言えばマガジン板ブラックジャックである。
ただし、放浪の医者であり表世界には出ないとはいうがきっちり医師免許は取得している。

彫りの深い顔立ち、筋骨隆々の肉体に黒マントという、世紀末救世主を思わせる出で立ちではあるが、
あくまでも本人は医者であり、患者の命を救うために奔走する。どっちかっていうと兄貴の方ですね。
メインは外科であり頻繁に手術をするシーンがあるが、それ以外の診察も可能で基本的には医療全般詳しい。

続々編の「K2」は初期こそスーパードクターな話があるものの監修を受けた上で医療の発達を描いたリアルな作風であるのに対し、
週刊少年マガジンに1988年から連載されていた本作は雑誌の作風に漏れずかなり勢いに任せた作品になっている。
そのため、その主人公であるKAZUYAもかなりアクティブに作られており、医療行為もちょっとフィクションを交えたものが含まれたり*1*2
医療漫画なのに異様に戦闘シーンが多く、反社会的組織や海外マフィア、軍隊なども含まれた作品なのにKAZUYA本人は異常に強い。
ただし、何度も言うようにあくまでも医者でありその実力は神業と呼ばれるほど。作中においても治療の難しい患者の多くを救ってきた。

こうした作品には珍しく生年が設定されているため、時間がリアルタイムで進行しており、KAZUYAも作中でしっかり年を取るようになっている。
だが、少なくとも作中時間における20代~30代の時点ではそこまで変化は見られない。周りは結婚したり子供作ったりするけどね。


【Kの一族】

KAZUYAは「Kの一族」と呼ばれる血族における当代の「ドクターK」であり、その医療技術と知識は他の医者とは一線を画す。
特に現代にまだ普及していない医療についてを学び、必要とあればそれを行使することに躊躇いがないため、現代医療で救えない人物を数多く救ってこれたのは彼の力、そしてこの一族の存在ありきといえる。
この一族の存在故に、大学にて医療免許を取得後はどの病院にも属さずに放浪の身となっている。
そして一応医師免許を持っている立場ながら、人の命を救う必要となれば法に違反した手術も躊躇わず、放浪の身を貫く理由となっている。*3
これは一族としてそのように教育されたのはもちろん、KAZUYA本人が人を救うという強い意志をもって行動しているがため。そのためなら自身の命すら惜しまない行動が多くの医者と患者を惹きつける。
そんな彼がバイク事故にあった双子の兄弟を救うため、高品龍一に出会うところからこの物語は始まる。

Kの一族は彼含め、男性は全員(かず)◯(任意の漢字)」という名前で統一されており、その歴史は江戸時代にまで遡る。
ただし、KAZUYAに関してだけは漢字読みが作中に出ておらず、「KAZUYA」か「カズヤ」としか呼ばれていない。
その徹底ぶりは、誕生シーンですら「この子の名前はKAZUYAだ」と父親に呼ばれ*4、卒業アルバムにも「西城カズヤ」とカタカナ表記をされているほど。
また、女性に関しては主に嫁ぐ側になるというのもあってか名前に関して統一されていない。*5
登場時は事故で亡くなった父親の一堡と母親の杏子のみとされていたが、その後妹のKEI、叔父の一昭の存命が確認されている。
また、許婚として黒須麻純がいるが、KAZUYA側の一方的な言い分によって関係は解消されている。
そのため、彼以降の一族については彼がドクターKの間は有耶無耶のままになっており、正当な後継者の登場はK2を待つことになる。

ちなみにKの一族は毒物に対する耐性訓練を受けており、KAZUYAの場合は一般人の致死量の10倍の青酸ガスにも耐えられるようになっている。人間かこいつ


【性格】

無骨な見た目に違わず、無口でぶっきらぼうな性格。だが、患者の命を救うということ関しては文字通り命をかける人間。
人の命を大事にしない者や悪に手を染めて人を傷つける者を許さず、必要とあればその肉体を使って相手を叩き潰すことも珍しくない。
自身のために誰かの命を手に掛ける者など以ての外で「人の生き血をすするケダモノ以下のクズ共はオレの専門外」とまで言い切っている。
それでも生きてる相手が多いのは可能な限り手加減はしているということだろう。あくまで医者であり、大事なのは人の命なのだ。

ヤクザであっても命の危機に陥れば救い、心臓移植のために殺人未遂をしでかした者もバイパス手術で一度助け(た上で被害者と対面させてショック死させ)、
日本人を憎む患者の身内から自身に危害を加えられても死を偽装して脱出し患者へ辿り着いて治療し、
果ては追っていたヤクザを治療されてキレた刑事から医師生命を絶たれそうになっても切り抜けた上で彼も救う対象であると宣言し、実際に別のエピソードで治療している。
ただ初期の頃はちょっと医療行為に雑なところがあり、摘出した臓器を投げつけたり消毒で使う酒を一回口に含んだりしている。雑菌が入っちゃうでしょうが。*6

人の命を救うということが第一であり、治療に金銭を要求することは基本的にしない。こうした所は明確にブラック・ジャックとは異なるところと言える。*7
もちろん相手から謝礼として金銭や物品を渡された場合に無下に断るようなことはしない。あくまで積極的に要求しないだけであり、治療に対する対価を受け取る重要性は理解している。
…と同時に高額の資金を得てはそれを別の人間の治療に使うことも多く、結果的に彼の手元にはそれほど多くのお金は残っていないらしい*8
様々な人間から謝礼をいただきまくり、結果的に残ったのは数個の果物だけ…という結果になっても、KAZUYAは誇りに思っているのだ。

いかにも医学のこと以外は知らないように見えるが、医療のための知識を蓄える上で色々学んでいるためか、様々な文化に通じている。
余りにもマニアック過ぎて「どうしてそんな事知ってるんだ」と疑問に思われることも多々。逆にそういった知識を持つがゆえにその道のプロにも信頼されやすい。
そして、見た目に似合わず人間的な感情も多々見られ、特に周りの恋愛事情に巻き込まれる時などはギャグ顔も披露したりする。一般人にメスを盗まれたり、ガチの幽霊にビビったりも。
同じ大学に通っていた先輩や同期に対しては気安い関係を築いており、彼らの前では笑うことも珍しくない。無論同期達からも頼りになるヤツだが影が薄いと見られている
少なくとも次代のドクターKよりは人間味のある存在と言える。

若い頃に両親を事故で失い天涯孤独という身の上のため、身内に対して非常に甘い所がある。
最初に友人となった高品龍一はもちろんだが、色々あって協力関係となったドクターTETSUも当初を考えればだいぶ優しい。
また、生まれる前に犠牲になった双子がいることが明かされており*9
死の間際を彷徨った際に彼がKAZUYAを助けそのまま消え去ろうとした際は今までにないぐらい狼狽し、退院後も浮かない顔を浮かべるなどした。
そして極地にいるのが妹のKEIであり、やった行為に関しては作中でもトップクラスにヤバかったりするのだが
発見当初の「俺にも妹がいた……こんなに嬉しいことはない」という独白に加え、KEIがピンチの時には普段でもしないぐらいのブチ切れ具合で敵を一蹴している。*10

同時に、自身がKの一族であるために起きたトラブルも数多くあるため、周りを巻き込みたくないという意識もあるようで、
高品やその後に出会った朝倉雄吾に対しても協力はすれど近くに留まるようなことは基本せず、
好意を抱いてくれた許婚の麻純は一方的に関係を解消し、多くの付き合いがあった女医の七瀬恵美からの告白も様々に都合をつけてその想いを拒絶している。
校医として親交を築いた加奈高等学校の生徒たちとの別れも、KAZUYAが拒絶するような形となってしまった。
Kの一族として幼少期から様々な訓練を受け、更に両親を失ったところもあるためか、一族の存続そのものは考えていたものの結婚して子供を作る、といったことには消極的だったように見受けられる。*11
一族については妹のKEIに継がせようとしていたところもあったがそれが間に合うことはなかった。*12


【来歴】

幼少期からKの一族の跡継ぎとなるべく、父親の一堡から厳しい教育を受けて育つ。
3歳の時、通行止めにより特殊な血液型の確保が間に合わない事故に遭い、母親が管を直接繋いで救命、自らは命を落とす。母方の伯父・頼介は彼が既に医者の覚悟を身に着けていることを悟る。
6歳の頃に「熊か何かと間違えられて散弾銃で撃たれた」父親の弾丸摘出の手術を行う。これが人生で初の手術経験だった。しかし良く生きてんな親父……
当初から一族に伝わるマントは身に付けていた。
一堡の指導は非常に厳しいもので、間違った手術が起きているのを指摘しない事を叱られたこともある。*13
KAZUYAも自分の周りの子供が平穏に暮らしているのに医者の訓練を受け続ける生活に嫌気が差しており、
反抗して家出をすることもあった。この時に「こんなマントいつも着てなきゃならない意味がわからない」といつものマントを地面に叩きつけたりしてる。

高校生になる頃には違法な形でかなりの手術をこなしていたが、彼は未だ一族を継ぐことに否定的だった。
その間にも、一堡の弟子の雨宮との出会いなど医療に携わる出来事を多数経験していく。
それでも彼は医者になる事には否定的だった。

転機が訪れたのはKAZUYAが18歳のときである。
原子力医療開発の研究所に一堡、柳川と訪れた際に大規模な地震に遭遇。
原子炉事故により放射能汚染が発生するも、瓦礫によってシェルターの扉が閉まらない。
その瓦礫を取り除くため、一堡は一人原子炉のある部屋へと入っていき、瓦礫を肉体でどかすとシェルターのドアを己の肉体で塞いだ。
柳川の大怪我も発生し、狼狽えるKAZUYA。

「オレを一人にしないでくれぇ! それにどうしてオヤジ一人が犠牲にならなきゃいけないんだ!」

「私は……医者だ。
医者は人間の命を救うために存在するのだ!
それが……たとえ自分の命を犠牲にしてはならなくてもだ!」

「さぁKAZUYA! メスをとれ!
今そこで医学の心得があるのは……患者を救えるのはお前だけなのだ!!」

毎日のように聞かされた父の言葉の覚悟を理解したKAZUYAは、扉越しの一堡の言葉を聞きながら柳川の治療を始める。
無事に柳川の治療を終え、他の怪我人たちも救うKAZUYA。
いつか、扉の向こうから一堡の言葉は聞こえなくなっていた。

救助隊が到着するも、既に一堡は絶命していた。言葉通り、多くの人間の命を守り、医者として死んでいったのだ。
その手を握り、KAZUYAは己の決意を新たにする。

「オヤジの熱い思いは息子の俺が引き継ぐ!
あなたの遺志はたしかに受け取った!!」
「オレは医者になる!!」

絶命したはずの一堡は、わずかに微笑んだように見えた。
その後KAZUYAは高校卒業後、帝都大学医学部に入学。天才医としての頭角を現していく。
そして卒業と同時に、一堡と同様に大学を離れ、Kの一族としての活動を始めることになる。

――この事故が後の悲劇の引き金になることを、KAZUYAは知る由もなかった。


【活躍】

【スーパードクターK】

梨田兄弟の治療のため、高品龍一の前に現れる。
弟の腎臓を兄へ移植するのと同時に、事故で大火傷を負った弟の治療も同時に並行。高品が絶望し、周りも乗り気でない中、手術を敢行。
両方の手術を完璧に終え、高品にその存在を示した。
その後も様々な手術を高品や新しく知り合う朝倉とともにこなしていく。

作品の都合上、KAZUYA以外は基本的に準レギュラーの扱いであり、
KAZUYAの治療を受けるゲスト患者の物語を重視した作風のため、全体に一本筋の通った物語があるわけではなかったりする。
こういうところもブラック・ジャックリスペクトの作品と言えるか。
同時に週マガ連載なのもあってかちょくちょくバトル描写も出てきており、諸外国に訪れては紛争解決に奮闘することもしばしば。
もちろんその際も患者に出会った際は診療を行うのを忘れない。

作品の後半、KAZUYAはガンを発症する。
父が放射能汚染を受けたその日、近くにいた彼の肉体も放射能が蝕んでいたのだ。
そして、治療を高品に依頼、高品は苦悩の末、手術を決意。彼から病床となる腫瘍の摘出に成功する。
それからは暫く不調が続くも、最終的には復調。
最後は高校の一時的な担当医として赴任し、一年間の活動の後に彼らと別れ、スーパードクターKの物語は終了する。

……ここで連載は終了するのだが、続編の「DoctorK」に即座に続く。
あとから作品を追うとだいぶ急な終わりに驚く人も少なくないはず。なんか学園モノみたいな終わり方だし。


【DoctorK】

アメリカの大統領がテロにより襲われた寄生虫に苦しむ最中に登場。
当初はKAZUYAの犯行と思われていたが、大統領の治療後に犯人が彼の妹のKEIであることが発覚。
TETSUと協力しながらKEIを追い、事故による記憶喪失や古代のウィルスとの戦いなど、その生命を燃やす。
最終的にはアメリカ全土を巻き込むほどの戦いを繰り広げた。すいませんこれ医療漫画ですよね?

その後、KEIが改心すると彼女の後見人となり、その面倒を見ることに。
KEIの後の結婚相手となる礒永との出会いや、自身のクローンである一也との出会いなどで物語は進んでく。

……が、スーパードクターKの時代に治療したはずのガンが再発。
話の中でKAZUYAの体調が優れない時があった、それはガンが再発する予兆だった。
肝臓に転移した時はKAZUYAとKEIが同じ術法を考えていて、その手術は成功した。
しかし、ある時嵐で舟が流されるのを身体を張って止めた結果、ガン細胞が転移してしまう。
しかもそれが脊椎に転移しており、抗がん剤によるガン治療を行っているKAZUYAの肉体が二度目の手術に耐えられない可能性もある。
誰もが絶望する中、KEIと高品、そして治療を受けるKAZUYA本人は決して諦めていなかった。
だが、高品が提唱する術式を前にKAZUYAは彼を拒絶。
というもの、高品はドイツ留学を前にして大掛かりな手術などをしている余裕はなかったのだ。
だが、KAZUYAもまた決意を固めていた。彼がドイツ留学から帰り、凄い医者になるのを見るまでは死なないという決意だった。

「お前がドイツから帰ってきて……どんなに素晴らしい医師に成長したのか
それを見るまではオレは死なん。絶対に生きる!
だからオレのことは気にせずに……ドイツへ行ってこい!」

オレは知っている……
人間は時に悲しいウソをつくことを……
そして……
そのウソを信じたふりをしなければいけない時があることを……

ドイツへと飛び立つ高品。KEIは「病室から失礼させてもらう」と高品に言伝を告げる。
飛行機に乗り込んだ高品は強がりを言いながらも窓の外を見た。
……そこには、車椅子から立ち上がり、無言で高品を見つめるKAZUYAの姿があった。

行ってきます……!
そして……
さよなら……

KEIによるガン摘出手術を終え、なんとかリハビリを出来るまで回復するKAZUYA。
だが、肺による癌細胞の転移も起きており、もはや余命は一年もないとされる状態だった。
それでも患者のために手術を敢行しようとするKAZUYA。その強さに閉口するKEIを前に、KAZUYAは自身の弱さを語り始める。

「KEI……オレはもう長くないだろう。一族の未来をこの目で見ることはかなうまい……
だが、オレは何の心配もしていない。お前がいるからな。
だから……最期は自分のためだけに生きたい……わがままを聞いてくれ。
最期の瞬間まで……医師でいさせてくれ」

最後の手術を前に、KAZUYAとKEIは最後の会話を交わす。
ドクターKとして伝説を残し続けた男の、その背中をKEIは見送った……

「KEI……
オレは医師でよかった……」

享年36歳。
最期まで医者で有り続けた男は、静かにその生涯を閉じた。


【K2】

DoctorKで死亡したため、その後の出番はない。
その代わり、KAZUYAの完全なクローンとして生を受けた黒須一也が主人公の一人としてKの一族の後継者として育ちつつある。
また、本家筋が途絶えた時のスペアとしての影の一族から、神代一人が現在のドクターKとして活動を行っている。

KAZUYAはスーパードクターKやDoctorKでも語られてない中で様々な患者に自身のメスを送っており
それは「今の自分では治療できないが、医療の進化とともに必ず新たなドクターKが現れ、治療を施してくれる」というKAZUYAから与えられた治療券のようなものだった。
次代のKである一人がそれを探し、見つけた患者の治療を行っている。
KAZUYAは自分が死んだ後にすらも自身が診た患者に対して真摯であり続けたのだ。

また、ガンに侵攻された身体で車椅子に乗りながら、事故にあった七瀬の手術を行ったことが語られている。このシリアスな場面で一度挟まれるギャグ描写は語り草
それによって七瀬は半身不随でありながらもまだ医師を続けており、これもまたKAZUYAの意思が生き続けていると言えるだろう。
死するまで医者で有り続けた男の意思は今なお多くの人間に引き継がれている。

仕方のないことだが、一人も一也もKAZUYAに良く似ているため、KAZUYAを知っている人は大体一回は間違える。
一人に関しては描き分けのためちょっと絵柄に違いはあるがパッと見で解るほどではなく、一也は完全なクローンのため見間違えるのも仕方ないと言える。



【主な人間関係】

1話からの付き合いであり、実質的な相棒。
KAZUYAの実力を誰よりも信頼し、KAZUYAもまた彼の力を大いに頼った。KAZUYA本人は診療所を持たないのもあり、彼が勤務する寺澤病院を良く使ったことにも由来するが。
長く共に過ごしてきた彼のことを非常に信頼しており、自身がガンにかかった時も手術を任せるほど。「そそっかしく人情家で患者に入りすぎる」と評価はするものの、そんな彼を誰よりも信頼していたのも間違いなくKAZUYAだった。
……が、彼が女の子を引っ掛けて朝帰りした時などは終始疑いの目を向けたりもしていた。そういう気安さが出来る関係だった、ということだろう。

  • 朝倉雄吾
もう一人の友人。出会った当初は医療のためなら周りを犠牲にすることもやむを得ないと考える医者だったが、KAZUYAとの出会いで改心。
所属していた大学も名誉のために彼を切り捨てるなど軋轢があり*14*15、彼自身は自身の実力を活かしてアメリカのクエイド財団へ拠点を移す。
以後は海外周りの出来事でKAZUYAに協力する準レギュラーになっていく。
彼からクエイド財団で働くようスカウトされたこともあるが、人の命のためなら後ろ暗い手術をも行うKAZUYAにとっては重荷となってしまうため拒否したことも。
朝倉が自分を評価をしてくれることには喜びを感じていたが、悲しいすれ違いとなってしまった。
当作で産まれた息子は、次次回作「K2」でも重要な出番を果たす。

  • 七瀬恵美
最も近しい存在だった女医。男としての友人が高品なら、女性としての戦友は七瀬だっただろう。
お互いにその実力を信頼し、互いに医者として誇り高くあり続けた。
とはいえ男女の関係性としての気持ちを抱かなかったわけではなく、七瀬はガンに侵されて弱りゆく彼と共に過ごす選択を考えたのだが、
KAZUYAからそれを拒絶*16。結局二人が結ばれることはなかった。
妹のKEIもKAZUYA亡き後、一也に「兄に相応しい相手がいるとしたら七瀬さん」とも語っており、周りから見ても解るほどに相性の良い相手だった。
にしたって「アンタの母親よりもいい相手だった」って話をその息子に伝えるのはどうなんだ。

  • 柳川慎一郎
KAZUYAの大学時代の恩師。父、一堡の同期でもある。
傍若無人な態度の多いKAZUYAも敬意を持って接しており、柳川もまたKAZUYAの実力を高く評価している。
KAZUYAが記憶を失った時も、KAZUYAの心の中に残った医者の魂が蘇ることを最後まで信じた人でもあった。

  • 大垣蓮次
KAZUYAの大学時代の先輩。「軍曹」の渾名で親しまれる。
再開した当初は医者の世界の汚い部分を見てしまったせいでやさぐれていたが、KAZUYAに喝を入れられて改心。以後は自身の診療所でKAZUYAに協力していく。
作中で出会った医療器具会社の令嬢、佐知子とスピード婚をしており、それ以降は夫としても奮闘している。
急に大垣に佐知子が抱きついた時にKAZUYAが作中でもめったに見ないほど狼狽した顔をしているのは語り草。

  • 磨毛保則
KAZUYAの大学時代の同期。医療機器の研究開発を専攻する天才で、その天才ぶりはKAZUYAも認めている。
普段は講義にも出ず開放的な恰好で研究室に籠っている変人だが、その割に話術はとても上手く、講義も人気がある。
負けず嫌いで、メスさばきなど手術の分野ではKAZUYAに全く及ばないため、医療機器の分野でKAZUYAを超えようとしている。
自前の医療機器で自分のガン手術を敢行するも失敗してKAZUYAの手を借りることになったり、逆にガンで衰えたKAZUYAを色々な面でフォローしたりと、対抗意識を持たれつつも友情を築いていた。

ライバル。といってもほぼTETSUの一方的な部分が大きいが……
最初に出会った時に負かされたことが悔しかったのか、2回目の登場時にはKを意識して「Tと呼んでもらって結構だ!」と言っているものの一回もそう呼ばれたことがない。まぁ一族でもなんでもねえしな……
KAZUYAも何度か共闘している内にそれなりに仲間意識を感じていたらしく「あいつはオレに似ている」と朝倉に語ったこともあった。
扉絵とかでもかっこいいポーズで二人で並んでたりするので通常の相棒枠の高品に対して暴力シーンの相棒と言えるか。ふたりとも医者ですよね?

  • 真田武志
宿敵。そしてTETSUの兄。見た目が某スタンド使いに似ている。
医学を用いて人を支配、殺害を行っていく彼に対し、KAZUYAは自身が医者であることを捨てて命を奪うことまで考えさせた敵。
度重なる彼の悪事を退けた後、TETSUと共に向かった先で遂に死亡。その末路は組織に裏切られ、成したいことを何一つ成せなかった哀れなものだった。
死の間際にTETSUの説得で改心し、自分と自分を利用した組織を犠牲に多くの人を救う決断をした。彼も、最後の最後だけは人間であり、医者だった。

  • 黒須麻純
元許婚。「親同士に決められた関係に縛られることはない」とKAZUYAから関係を解消されるが、彼女からは本気で想われていた。
KAZUYAがガンを患った際、彼の遺伝子を入手してそこから解決の糸口を探そうとするも、KAZUYAの叔父一昭からその遺伝子情報をクローン作成の為に利用される。
母体に選ばれた彼女は「KAZUYAさんの分身を産みたい!!」いうかなりのパワーワードを発し、後の一族後継者となる黒須一也を出産する。
しかし、一也を産んで母性に目覚めた彼女は一昭の組織から逃げ出し、一也と母子二人の生活を送ることになる。
一昭も後は追わず、KAZUYAも「一也はお前の愛の結晶だ」と語り、二人の母子が一族にかかわらないまま幸せな人生を送ることを願った。
……近い未来、自らの意思で医学の道を選び彼と違う医者になろうとしているとはいえ、血族の事情から逃れられなかった二人を見て、天国のKAZUYAは何を思うのだろうか……

妹。ただし、登場時は母親を奪った「医学」とKAZUYAへの復讐のため世界的なテロリストと化していた。
天涯孤独の身のKAZUYAに突然存在が判明した妹だったこともあり、悪事を行ったと知ってなお自身に家族がいることを感慨深く感じていた。
実際に出会い、彼女から命の危機に陥るほどの目に合わされても「オレとお前には同じ母親の血が流れている」と説得。命を懸けた説得は通じ、改心させることに成功した。
その後は彼女が診療所で生活するのを近くで見守り、危機に陥ればすぐに駆けつけるシスコンぶりを披露した。
自身がドクターKとして生きていた弱音を死の間際に吐いたこともあり、短い付き合いではあったが彼女を家族として信頼していたことが解る。


【余談】

  • 北斗の拳のケンシロウを意識したようなデザインはあまりにも目を引く。「スーパードクターK」のキャッチコピーも「ハードボイルド医学伝説」なので狙ってるのではないかと思う。
    • 1巻の表紙からして「手術着を着たケンシロウ」にしか見えなかったりするわけだが、16巻なんかは「兵士服を身にまとってポーズを取るKAZUYAとTETSU」という医療漫画かすら怪しい表紙が出てきたりする。やっぱりバトル漫画なのでは?

  • 上述したように血液型はA型Rh+とそちらは日本人なら割合的にも多いものに対してルイス式血液型は【 Le(a-b-)】という珍しいタイプ。
    一応、これだけなら母方の西城の血から受け継いだ形質であるため数が少ないというだけなのだが、KAZUYAの場合は幼少期の輸血の際に抗体ができてしまっており、さらに副作用も酷いという事態に陥っている。
    自分と同じように輸血に困る人たちを気遣って定期的に献血を行っており、近隣の病院から感謝されている。
    • おそらくクローンである一也も最低でもLe(a-b-)は受け継いでいると考えられているため、抗体の有無等が読者からは心配されていたりする*17

  • 漫画『爆笑戦士SDガンダム』のコミックボンボン1991年11月号における最終回(その後も増刊での連載が続いた)ではパロディキャラの「スーパードクターX」が登場している。同じ講談社とはいえ対象年齢の違う漫画のパロに当時の読者はネタがわかったのだろうか……*18

よし……行くか
追記・修正が待っている

























かつてこの日本に不世出の天才と呼ばれた医師がいた
野獣の肉体に天才の頭脳――そして神業のメスを持つその男は
ある日をもって忽然と姿を消した
自らの寿命を悟った巨象のごとく人知れず静かに
今となってはその存在さえ疑うものすらいた

男の名はK
すべては伝説となっていた








だ……誰か……! 誰かいないのか!?
誰でもいい……助けてくれェーー!!
医者を呼んでくれェーーーーーー!!!!



だ……誰かいるのか!?
あ……あんたは……?





この項目が面白かったなら……\ギュッ/

最終更新:2025年08月18日 18:24

*1 それでも架空の病気に対して架空の治療などと行ったトンデモはほとんどなく、大体においては現実にもある病状に対してちゃんとした手術で対応することのほうが多い。たまーに凄いフィクション病気が出てくるけど。

*2 なお、途中から医療関連の監修が入っているためそこからはより現在の作風に近くなっている。それでもたまーーーーに凄い病気や兵器が出てくるのがスーパードクターらしさだが。まあ、中原とほる氏も作風が作風なので妥当と言えば妥当ではあるが。

*3 自身が手術する時は勿論のこと、必要とあれば周りの一般人にもその覚悟を要求することがある。ただし、当然犯罪になるためよほどの状況でない限り無理強いはしない。3話からして子供にメス代わりのガラス破片握らせてたからねこの人。

*4 母の杏子には「いい名前」と評された

*5 父親の一堡は西城家への婿入りだったりする。

*6 そもそも焼酎程度のアルコールでは消毒にならないというのが現在の考え。蒸留でもしない限り消毒に最低限必要な60%は焼酎では目指せず、ウォッカ等の消毒用エタノールと同程度の濃度の酒でないと現代では厳しいのだ。ただ、その場の状況的に使えるものがそれしかなかったので、使わないよりはマシなのかも知れない。だったら尚更口に含まないで欲しい。

*7 とはいえブラック・ジャックも本当に欲しいのは「どんな高い金を払ってでも治療をして欲しいという心意気」であるため、実際の所そんなに差はないと言える。まぁ、嫌な金持ちからは本当に金を取ったりするのがブラック・ジャックなんだが。

*8 とはいえ柔軟に国内・国外を巡ったり、高品等の困っている人たちへの急な援助に使うような資金は常備しているが。

*9 ミッシング・ツインもしくはバニシング・ツインという、事前検査で双子と診断されたが何らかの形で片方が死亡し、それが吸収され消滅したもの。しかしKAZUYAの場合は完全に消滅しておらず、細胞としてKAZUYAと一体化したまま表層化しない意識を持ち、時々KAZUYAを危機から救っていた。KAZUYAが最初に癌の手術を受けた際についにKAZUYAとの交信を果たしたが、摘出されたKAZUYAの膵臓に生まれ変わる形で意識も含めて完全消滅してしまった。

*10 作中でも実力者だったKEIを立ち上がれなくするぐらいの相手だったのだが、KAZUYAは張り手の一発で腕を折り、肘鉄で膝を破壊している。基本的に一発殴る程度で相手の戦う気をなくす戦い方をする事が多いKAZUYAが肉体を積極的に破壊するのは本気で殺すことを覚悟した真田武志相手と、この時ぐらいとなればその怒りが想像できるというもの。

*11 許婚の麻純はともかくとして、七瀬の告白を断ったのには自分が長生きできないことを考えていた時期だったから、というのも大きいだろう、もう少し行動が早ければ結果は違ったのかも知れないが原発事故のせいで子供が残せない可能性も高いためどっちみち一族が窮地に陥ったのは避けれなかったのかもしれない。

*12 KEIも「兄のようにはなれない」と言い、正式なKの一族を受け継ぐことはせず、結婚して個人の診療所を開くに留まった。

*13 しかも手術を行ったのは医者免許を持っていないモグリの医者。それよりKAZUYAの方が実力があると一堡が理解してるが故だが、まだ10にも満たない子供相手にすることではない

*14 正義感から、悪事をしていた幹部や医者に対し内部告発を行ったため。学長は彼を認めて残ってほしいと尽力していたのだが、周りの幹部から疎まれて集中攻撃されていた。

*15 しかし、この取り巻きの幹部たちは後にクエイド財団で大成した朝倉雄吾を見せつけられ「こんな有能な人格者を追い出した無能な無徳者」と激しく蔑まれ、新しい学長から追い出されることとなる。因果応報、皮肉なものである。

*16 「オレに相手がいたらどうするつもりだ?」など、今までを考えれば有り得ないだろう言い分で徹底して近づくことを許さなかった。KAZUYA本人も既にガンの再発などで長生きできないことが解っていたのは想像できるが、言い方というものはあるだろう……

*17 今のところ一也が一番大怪我をした回では輸血まではいっていないため。一応、一人の診療所があるT村には独自の血液ストックの用意がされているため、一也もおそらく自身の血液ストックは準備していると思われる。一昭がいろいろしていなかったとしても、少なくともT村にいる限りなら少々のトラブルは問題ないと思われるが……

*18 尤もよくわからなくても「明らかにSDガンダムよりリアルガンダム寄りの絵柄」「マント着てて中身がわからない」だけで成立する役ではあるが