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佐藤田十三(鉄鍋のジャン)

登録日:2025/08/14 Thu 00:14:00
更新日:2026/08/26 Wed 02:09:00
所要時間:約 10 分で読めます






佐藤田十三が作っているものは料理ではない

夢だ!!


おまえは地道に『おいし~~~い料理』を作ってろ
最強の魔法で空を翔けるのはこの私だ!!


佐藤田(さとうだ)十三(じゅうぞう)とは『鉄鍋のジャン!R 頂上作戦』に登場する料理人のこと。


概要

「料理界のレオナルド・ダ・ビンチ」「厨房の魔術師」「21世紀の錬金術師」「科学と魔法を融合させた男」「魔法使い」などと評されている天才若手料理人。
元々はアメリカの中華料理レストラン『XIANGFAN(シャンファン)』で働いていた新進気鋭のシェフ。現在は『バートリー・フーズ』社長エリザ・バートリーの執事
見た目はメガネをかけた長身の成人男性。
主人のエリザ・バートリーの名前の由来がモロにエリザベート・バートリー(バートリ・エルジェーベト)なあたり、こちらの名前の由来は夫のナーダシュディ・フェレンツ2世を崩したものだろうか。

バートリー家に雇われエリザ専属の料理人兼執事として彼女の食育の他バートリ・フーズの食品開発や中華料理チェーン店十三龍(サーティーンドラゴン)の統括責任者を任されていたが、彼女の成長を確信すると「料理人として再び表舞台に立ちたい」という欲求が想起。執事を引退し料理人に戻ろうと画策していた。
なお運営席を降りて会場に姿を見せた際は背中にエリザがしがみついてるのもお構いなしにジャンの前に姿を見せたため「サンバガエル」呼ばわりされてしまい、大会前のエリザの所業や試合中のジャンへの挑発もあってジャンからは基本的に「カエルヤロー」呼ばわりされていた。

『十三龍』及びビッグ大谷日堂杯の黒幕として大会終了後、大会を勝手に自分の名を冠した「秋山杯」に変更して乗っ取った優勝者である秋山ジャンと勝負を繰り広げた。
以降の五番町飯店編ではジャンを引き抜こうと蟇目や五行たち過去の料理人が再登場し大会とは別の小規模な勝負をするものなので、大規模な料理勝負をするのは佐藤田が最後となる。
このため『鉄鍋のジャン!R 頂上作戦』における事実上のラスボス枠となる料理人と言える人物となっている。

世界中から得た知識を基にした奇抜で自由な発想を武器にジャンと互角の戦いを繰り広げるも、自分より自由な解釈で自分と同等の料理を作られたことや、数年間の執事生活の弊害で大会で連戦出来るほどの体力が失われていた*1こと。
そして駄目押しとばかりにジャンがエリザによって大怪我させられた上でビッグ大谷日堂杯に出場し自身と互角以上に渡り合っていたことを霧子の乱入によって知る。
ボロボロのジャンに引き分ける程度ではそれだけで料理人として敗北、ばかりかエリザの凶行の実態も把握できてなかったことから執事としても失格を認めるという、完全敗北を喫することになった。
ただし大会の勝負としては(継続したら持久力問題で敗北確実だったが)2戦とも引き分け、そして霧子の乱入で中止させられたためそのまま終わっており、終了後に「自分のせいで負けた」と涙を流すエリザには「負けてなどいませんよ 次は勝ちます」と再起を示している。
エリザもまた、自分が原因で佐藤田が衰えた事実を深く悔いて「執事辞めていい 料理人に戻っていい だから次はちゃんと勝って!」と涙を流しながら叫ぶのだった。


続編の『2nd』ではエリザと結婚しているようだが、本人は登場していない。


人物

一人称は執事の時は「私」。それ以外だと「オレ」
料理人であるが、物理学・栄養学・人体生理学・宇宙工学・生物学・化学・音楽・美術・錬金術をも修めた博識な人物。
執事らしい寡黙な表情や温和な笑みの好青年然とした振る舞いも多いが本性はジャンに負けず劣らずの負けず嫌いであり自信家。
自身の料理で他者を驚かせることを何より好み、既存の中華料理のセオリーに囚われない自由な料理こそが真の魔法と豪語して憚らず、自らこそが真の魔法使いにして新しい中華の伝道師だと自認している。
加えて「中華鍋・中華包丁だけで料理する時代は終わった」「料理は"日進月歩"どころか"秒進分歩"」という自負から斬新さとサプライズに拘りを持ち、
  • 味にしか拘らず自由な発想を追求しない者を「ただの『うまいもの作り』の料理人に堕ちた」と見下す
  • 他者の行う見せかけの魔法を内心ペテン呼ばわりする
  • 秋山一族が培った秋山ノオトに記された調理技術さえも「ボロっちいノート」「時代遅れ」「チンケな魔法」と見下す
など高慢さやプライドの高さも見られる。所謂意識高い系の人物だともいえる。
頭脳と先見の明にも長け、大会運営として裏で暗躍していた頃はニシンのキャビアやメキシコ産姿クラゲのようなあまり日本では知名度の薄い食材のみならず、超絶希少な食材の糟蛋迄用意する未来予知じみた品揃えを実現させていた。

なお、挑発的な言動の多かった本編だが、それらの言動はあくまでもジャンを怒らせ本気を引き出すという側面も多分にあり、精神性自体は作中の登場人物の中でもかなり良識的な方。
エリザが大会前に行ったジャンへの裏工作も彼が命じてやったものではなくあくまでエリザの独断。
ジャンがボロボロの大怪我になってまで大会に赴いていたとは想定しておらず、料理人や教育者としての誇りもあってか真実を知った際には「(だとしたらワタシは執事としても料理人としても失格だ…!)」と愕然としたことが敗北を認める大きな切っ掛けでもあった。


料理人として

信念は「料理は魔法
パフォーマンス要素が極めて強い前衛的なフュージョン料理*2を得意とし、コーヒーサイフォンやパスタマシン、ビーカーといった本来中華料理では使う事の無いような調理器具まで活用するため、既存の中華料理とはあまりにもかけ離れた異常な調理工程が特徴。
霧子も「今までいなかったタイプの料理人」と評しており、彼を知るブルー・メナールは「天才」「こと料理に関してはあいつの頭はブッ飛びすぎていて予測不可能」と賛辞を贈っている。

一見イロモノ料理人だが中国の古典料理の知識や技術もまんべんなく習得しており、こと現代的なセンスと知識量に関しては作中の料理人の中ではトップクラスという温故知新の体現者。
特に水の扱いに長けており、ありとあらゆる水を自在に使いこなす水のエキスパートとしての一面も持つ。
古典から最新に至るまでありとあらゆる世界中の料理・調理法・食材を網羅する明晰な頭脳と、それを使いこなす繊細な技巧が最大の武器で、李さん曰く「彼の料理は全て着地点を見すえて数値を割り出した『逆算の料理』」

実力はシリーズに出てきたジャンの対戦相手の中でも最高峰なのは間違いないのだが、上述した通り3年間に渡る執事生活の副作用で大会の場で何度も連戦できるほどの体力と精神力が失われてしまっていたことが唯一にして最大の弱点。
花梨さんもそうだが、執事に必要な体力・精神力と料理勝負に求められる体力・精神力は別物なんだろう。
再び念願の料理人に戻れることへの喜びに目が眩んで、自分が体力が全盛期から大きく衰えてしまったことに無自覚なまま2連戦を終えてしまったことも彼の敗因の1つだったと考えられる。

なおジャンからは魔法使いとしてのプライドと自負、思想の違い等から、常識離れした奇想天外な調理法や複雑怪奇な調理過程を好む傾向を見た上で「初心者レベルの魔法使い」「複雑な方程式を見せて皆をペテンにかけようとしている」と彼の魔法へのスタンスを否定している。


制作料理

過去回想

  • 田鶏(テェヌヂー)*3のフリッター、サーモンのムース、こぼれないコーヒー
『XIANGFAN』勤務時代に作っていたコース料理の一皿。
「田鶏のフリッター」は田鶏の肉をスポイトに突き刺したような料理で、肉を口に頬張りスポイトを押すとスポイトからソースが飛び出し口の中で料理が完成する仕組み。
「サーモンのムース」は一口サイズのコーンの上に盛られてあたかも見た目はアイスのソレ。
アクリル板の上に盛られており見た目はユニーク。
「こぼれないコーヒー」はコーヒームースをコーヒーカップの中に仕込み、カップを逆さにして提供した品。


バートリー家の執事として雇われた際に最初に作った料理。
醤油に少量のゼラチンを混ぜて冷やし固めてムース状にして握り寿司の上にかけている。
食事を栄養サプリメントだけで補い食に一切の興味関心のなかったエリザの心を動かすための料理。


この他にもエリザに「食の楽しみ」を教え栄養を摂取させるために低カロリーかつ消化の良い料理やデザートを提供している。
作中でエリザは隙あらば何かを食べていたが、実際はそうした佐藤田の料理なので太ることがないらしい。エリザの服の趣味の悪さは改善できなかった

第一回秋山杯

  • 吓一跳咕咾肉(シャーイーティャオコウラオロウ)(佐藤田特製びっくり酢豚近未来風)
私の魔法の世界へようこそ!!
さあ存分に驚いてくれ!!

ジャンが提唱した「男料理*4『酢豚』」の課題で作った料理。
世界各国から取り寄せた十数種類の酢*5に、それぞれの酢に合った各種スパイス*6を加えてコーヒーサイフォンで香り付けしたオリジナルスパイス酢を更にブレンドしスパイシー風味のフレーバー酢を作成。
その後フードプロセッサーでミンチにした豚肉に小麦粉を混ぜてパスタマシンで麺に成形してからそれぞれ小さくまとめて両麺黄(リャンメンフオア)*7の要領で揚げ焼きに。
その後コーラ50本を1/10になるまで煮詰めに煮詰めて飴状にしたものを風鈴を作る要領で球体にし、中に上記のフレーバー酢と水素を加えてガラス球のような状態にして肉麺の上に盛り付けて完成。
肉麺の熱でコーラの飴細工が溶け崩れて中のフレーバー酢と溶けたコーラの飴が混ざり合い、客の前で糖醋のあんが完成する…というショー形式でお出しされる。
肉麺は丸く焼き固められているのでスムーズに箸で摘んで食べられる。

両面焼きそばと酢豚の融合料理であり、こんがり揚げ焼きにされた甘みのある肉麺の両面焼きそばは、外は香ばしく中はしっとりとした完璧な仕上がり。
麺塊の中心には上記のフレーバー酢に漬けこまれたドライフルーツ*8が挟み込まれており、単調になりかねない肉麺と甘酢の味・食感に変化をプラス。さながらフルーツ入り酢豚の様な味わいを楽しめる。
何よりコーラとフレーバー酢、ドライフルーツとフレーバー酢の糖醋のダブル構造こそが最大の肝。
「美味い料理をただ作ればいい」という従来の料理の在り方を覆して、娯楽性たっぷりの料理の提供方法を持ち込んだことも評価点に加えられており、審査員からは「我々の料理の既成概念を根底から覆すびっくり箱のオンパレード」「佐藤田ワールドこそ料理の未来系かもしれん」などと大絶賛。
文句なしの100点を取ってジャンと引き分けになり、第2戦目にもつれ込んだ。

ベースとなったと思われる元ネタはかつて実在した東京・代々木の老舗中華料理店『山水楼』の名物料理『千煎伊府麺(カンチェンイーフーメン)*9
本場中国にはない日本独特の中華料理の1つで、現在も具を麺で挟んだタイプの焼きそばが横浜などにチラホラ存在する。
肉麺に関しては和食の魚麺*10を応用しただろうととされている。


  • ブレンド水で煮出した紅茶
ジャンの次という事で自らが提唱した「水料理*11」の課題のデモンストレーションで制作。
ダージリンの茶葉を硬水と軟水を独自の配合で調合したブレンド水で煮出したもの。綺麗なジャンピングで茶葉の攪拌もこなしている。
ダージリンの茶葉に最適な硬度の水になるよう配合されてあり、軟水で煮出した時よりもずっと茶葉の味わいが良くなっていたことで審査員からは高評価を得た。


  • 大水旋流海賓(ダァシュイシュアンリウハイピン)(中華風アクアパッツァ佐藤田流──カサゴの水煮──)
(私の 水の魔法に心を奪われろ!!)

「水料理」の課題で作った料理の1品目。
チタン鍋と超硬水で一気に灰汁を抜き去ったカサゴを各種野菜*12をミキサーでドロドロにしてからネル・ドリップで超濾過して作った透明な野菜水で煮込み、アクアパッツァ仕立てにした皿。
煮込むと素材が固くなる超硬水の欠点は、灰汁が抜け切ったタイミングで硬水を即廃棄することで抜かりなく回避している。
付け合わせは軟水で練った蕎麦粉のパスタ。軟水で練ったため蕎麦粉の持つ食感と風味を楽しめる。

「水をメインとして扱い意図的に際立たたせる」という水へのアプローチで制作。
完全にカサゴのアクを抜いてから特製の野菜水で煮込んだことで、味わいは雑味の一切無い超クリアな透明感溢れる味。皿には付け合わせを除けばカサゴと綺麗な煮汁しかないのに、煮崩れした無数の野菜が存在するかのような味わいを楽しむことができる。
更に中華らしくアサリやドライトマトの代わりに干し貝柱を加えたことで潮の風味が強調され、各種野菜と干し貝柱の旨味をカサゴが吸いこんでカサゴの旨味まで倍増。
硬水と軟水を巧みに使い分ける知識・技量や、野菜水を水と定義した奇抜な発想に加え、そのクリアな味わいから「まるでおいしく入ったコーヒーのような…こんな澄んだ味の料理は食べた事がない」「まさに芸術的な一品」などと表現され絶賛された。


  • 蘋果玻璃球(ピングォブォリィチュウ)(金箔入り水のデザート びっくりリンゴのガラス球入り)
「水料理」の課題で作った料理の2品目。
金箔を浮かべた水の入ったグラスにリンゴ飴の小さな球を3つ浮かせた前衛的デザートで、自身も「近未来の料理として料理界に一石を投じた自信作」と豪語した皿。
制作の際には
  1. 酒を加えて半冷凍させたリンゴをミキサーにかけ裏漉ししてリンゴのシャーベットを制作
  2. 丸く成形したリンゴのシャーベット球を直接溶けた熱い飴の中に入れて、抜絲(バアス)の要領で瞬時にコーティングし綺麗な飴玉を作る
  3. 飴玉を500Wで5秒加熱
  4. 加熱した飴玉を冷凍庫に数秒入れて飴を固める
という非常に繊細かつ手間暇かかる工程を経ている。
シャーベット球に一切衣を付けず、熱々の飴の中に直入れして綺麗なリンゴの飴玉を作り出す高難度の技を容易く成功させる、佐藤田の卓越した調理技術が光る一品。*13

リンゴ飴の中にはリンゴのシャーベットが溶けて出来た甘いリンゴのリキュールが入っており、口の中でリンゴ飴が砕ける(あるいは溶ける)と、金箔入りの水と混ざって甘いリンゴ味のカクテルが口内で完成する。
「ウイスキーボンボンのリンゴ版」とも評された大人のデザート。
なお当初はリンゴを最初に見せてリンゴも上記の料理に使うと見せかけつつ、このデザートでサプライズを狙う搦手を目論んでいたが、即座にジャンに見抜かれたためご破算となった。

2品とも「水料理」として完璧な出来栄えだったが、ジャンの「ウツボを超軟水だけで煮込む」「和えタレを備え付けの水道水で薄める」というシンプルかつより奇抜な発想の前に引き分け。
その後ジャンに「おまえは水を際立たせ過ぎた。水のために料理があるんじゃねえ!!料理のために水があるんだぜ!!」と欠点を指摘された後「普通の水で薄めただけ」という非常に原始的な使い方で旨味を引き出した点で佐藤田よりも勝ると評価*14
更に上記の顛末や極度の疲労困憊を踏まえ、敗北を認めたことで皿としては事実上の敗北を喫した。




私はWiki篭りだ

しかし物理学にも精通している

もちろん人体生理学も極めているし

宇宙工学から生物学・化学・音楽・美術・錬金術まで修得した

Wikiのあらゆるものの成り立ちを見透かせる

あらゆる項目をあらゆる角度から分析できる

他のWiki篭りには見えないものが 私には見える

そしていつの間にか私は魔法使いと呼ばれるようになった

私はこれからも追記・修正(まほう)を極めていくだろう

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最終更新:2026年08月26日 02:09

*1 ジャンは勝負中にこれを見抜いており、エリザに対して「お前のせいで負ける」と煽っている。

*2 多国籍料理とも呼ぶ

*3 食用カエル

*4 シンプルな料理故に小細工は通じず、料理人の実力が如実に出るという意味合い

*5 中国産の黒酢数種、赤酢、白酢、四川産のビンテージ酢、フランスのワインビネガー、イタリアのバルサミコ酢など

*6 オレンジの皮、レモンの皮、八角、丁字、黒胡椒など

*7 上海版の両面焼きそば

*8 イチジク、サルタナレーズン、龍眼、パイナップル、苺

*9 具の上にパリパリに焼かれた両面焼きそばを盛ってその上からスープを掛けた皿。作中でも実際に言及されている。

*10 魚のすり身で作ったかまぼこのような食感の麺

*11 「水の特性を理解してあらゆる料理に完璧に対応させられるか」「いかに水を使い熟すか」を問う佐藤田の提唱する料理概念のこと。

*12 トマト、日向なつ、菜の花、ワカメ、暮坪カブ、人参

*13 李さんは「アイスクリームの天プラの抜絲バージョン」と例えていた。

*14 加えて言えば料理から雑味を徹底的に排除した=雑味を使い熟せなかった佐藤田に対し、ジャンは水道水の雑味すら料理に組み込んで完成度を上げているためその点でも佐藤田に勝っている。大谷は佐藤田が「水」を使いこなしたと口では擁護したが、内心ではジャンの使い方が上と認めている。