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島風(駆逐艦)

登録日:2009/05/26 Tue 21:09:19
更新日:2026/02/16 Mon 23:09:57
所要時間:約 5 分で読めます




読み しまかぜ

起工1941年8月8日
戦没1944年11月11日
除籍1945年1月10日

排水量約2500t
全長120.5m
最大速度40.9ノット(公試)

旧大日本帝国海軍所属、島風型駆逐艦1番艦
姉妹艦は無し。
一応、陽炎型駆逐艦に同じ機関を使用した(というかこっちに使われてるものを島風にも採用した)天津風がいる。


島風型駆逐艦は「次世代型駆逐艦量産計画」のもと、「高速・高火力」をコンセプトに開発された駆逐艦である。

島風型が登場する以前の日本駆逐艦は、運用思想からだいたいが最高速度35ノット前後を目安に設計されていて、
その要求を満たすものとして開発されたのが陽炎型駆逐艦だった。
しかし、仮想敵のアメリカ海軍が速力を中心に駆逐艦の性能向上を目指しているとの情報から、新造の駆逐艦には陽炎型以上の速度と火力が求められた。
日本のお家芸である水雷戦分野で負けてなるものかというプライドもあったのかもしれない。

そんな思惑の下で生まれたこの島風は、主兵装として零式5連装魚雷発射管を3基搭載している上、
公試にて40.90ノットを記録。
ただ、最高速度だけならイタリアあたりがもっと速い駆逐艦を作っている。
島風が凄まじいのは重雷装艦の上、航続距離や外洋航海能力も高く太平洋戦域できちんと作戦行動が出来るということである。ただの最高速度バカではないのだ。
コンセプト通り高速高火力を実現した、正に大日本帝国海軍が誇る水雷戦技術の結晶と呼ぶべき傑作。









…になるはずだった。

島風は性能自体は紛れもなく傑作と呼べるものなのだが、
「構造が複雑すぎて量産に向かない」
「ハイスペックだが生産・維持ともに高コスト」
という高性能兵器にありがちな問題を抱えていた。質と量ではどちらかといえば量が重要な駆逐艦にこれは重大な問題だった。
さらに、太平洋戦争の開戦とともに台頭した航空機の存在、それによる戦術の変化も島風型の存在意義低下に拍車をかけた。
洋上戦闘は空母艦載機による遠距離戦が主体になると予想され、
中~近距離の砲戦・水雷戦の頻度は下がり、得られる成果も低いものになるだろうという考えが主流になったのだ。
そして戦局の悪化がトドメとなり、次世代型駆逐艦建造計画は放棄。
16隻の建造が決定していたはずの島風型はネームシップの島風を除いてすべて建造中止となるのだった。
4隻一組で駆逐隊を組んで行動することが多かった(というか4隻で「軍艦」1隻扱いされていた)帝国海軍の駆逐艦で、
姉妹艦がいない上にその最高速度についていける船もなかった島風は運用がかなり難しく、
計画当初の期待とは裏腹に華々しい戦果を挙げることはできなかったという。



「時代に取り残された」「近距離戦特化」の「ワンオフ機」…まさに漢の浪漫ではないだろうか。




ちなみにこの島風は二代目だったりする。
初代は大正年間に建造された峯風型駆逐艦4番艦「島風」。
公試運転時に40.7ノットを叩き出し、当時の日本駆逐艦として最高速度記録を塗り替えたことで有名で、そこに二代目も因んでいるとか。
さらに海上自衛隊にもはたかぜ型護衛艦2番艦「しまかぜ」が現役*1だが、残念ながら三代目は速度レコードを塗り替えることはなさそう。



戦歴は
キスカ島撤退作戦の護衛
マリアナ沖海戦
捷一号作戦
(シブヤン海海戦)(サマール沖海戦)
レイテ沖海戦
(レイテ沖西海域にて沈没)


最後の戦闘となったオルモック湾では、その高速性能を活かして爆弾や魚雷を回避し続けていたという。
しかし、海上最速39ノット(時速約70キロ)オーバーの快速も所詮は艦船というカテゴリ内での話。
航空機の速さにはかなわず、爆弾や魚雷が当たらないとみなされると張り付かれて機銃掃射を浴び、穴だらけになってボイラーが異常加熱し爆沈したという。

駆逐艦ということもあり、仮想戦記を始めとした後年のフィクションでは影が薄い。
しかし、近年は艦隊これくしょん -艦これ-にて新参ホイホイの役目を果たしている。
紐パンの露出狂にしか見えないが、一応紐パンもZ旗をイメージしているんだとか。
こちらの詳細は島風(艦これ)を参照されたし。


World of Warshipsでは日本駆逐艦重雷装ツリーのTier10として参戦。島風のお陰で重雷装ツリーは全艦史実艦で埋められることになった*2
特徴は最速40kntを超える快速と抜群の火力を誇る3基の5連装酸素魚雷、そしてTier帯最高峰の隠蔽性能。こと偵察・索敵能力に関しては全艦艇中最優と言っても過言ではない。
魚雷は換装により3タイプ選べるが、威力の違いは誤差レベルなので主に射程と雷速、及び被発見距離で選ぶことになる。
  • 初期魚雷:20㎞に及ぶ長大射程が強み。ただし被発見距離が長く雷速も遅い為、発見されてから命中するまで15秒もかかってしまう。ぶっちゃけ戦艦でも見てから回避ができる猶予なため、余程油断しているか余裕がない艦へのラッキーヒットしか望めない。
  • 改3(mod3)と呼ばれる魚雷は雷速も早く被発見距離も短いが射程が12kmまで落ちてしまう。12kmと言う距離はTier10戦場の交戦距離からするとやや短く感じる場面も少なくないが、他2つほど尖っていないためある意味一番無難な選択。
  • F3と呼ばれる魚雷は他2つより雷速が10knt近く早い為、発見から僅か10秒足らずで命中する。だが問題は8kmと言う短射程。
    レーダー*3持ち巡洋艦が3~5隻当たり前にいたり空母の搭載数が多くまず艦載機が尽きないTier10戦場で、8kmという短さは敵艦を射程に収める事すらかなりの綱渡り。しかも自艦の最大隠蔽が5.6kmなことから猶予は3kmもない。リロードが早いものの、発射機会自体がリロードに追いつかない事がままあるピーキーな魚雷。
欠点は耐久性の低さと主砲のリロード速度、そして劣悪な対空能力。特に同格空母の艦載機に絡まれると自力では剥がせないため天敵。
隠蔽性も同Tier駆逐ではTOPではあるが砲撃能力で勝る相手との隠蔽差がほんの1~400mしかないとか、別Tier駆逐や潜水艦にはもっと隠蔽性に勝る相手がいるなど、それに頼りきりでは見つかった時に耐えきれない。
仮に見つかっても被害軽微で切り抜ける立ち回りや絶え間なく味方に情報提供できる位置取り、たとえ砲戦で不利な相手でも排除できるような味方との連携など、ゲーム内最高Tier駆逐艦の乗り手に求められる要求レベルは非常に高い。


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最終更新:2026年02月16日 23:09

*1 2021年3月19日から練習艦に種別変更されている

*2 後に追加されたTier★(XI)山霧は除く

*3 効果射程10~12km内の敵艦を隠蔽性能無視で丸裸にしてしまう