時空転移シールド

登録日:2012/01/10(火) 14:34:15
更新日:2025/04/29 Tue 00:20:39
所要時間:約 4 分で読めます




スターオーシャンシリーズに登場するシールド技術の一つ。

初出は『スターオーシャンセカンドストーリー』


約7億年前、エナジーネーデの紋章兵器研究所が開発していた技術の一つ。
開発責任者は、レナの母親のリーマ女史。

開発されたのは7億年前だが、この際惑星ミロキニアに存在していた紋章兵器研究所は後述のクリエイションエネルギーの暴走事故により崩壊。
そのため実用化はせずに試験運用の域を出ずに開発は終了してしまったが、後に銀河連邦が実用化に成功した。

時空転移シールドの前に使用されてた通常のシールドは電磁シールドと呼ばれ、これは受けたエネルギーを盾のように防ぐものだが、
時空転移シールドは時空間に干渉して受けたエネルギーを別次元に反らすというもの。

今まで使われていた電磁シールドとは次元が違うエネルギーを防ぐことができるようになり、
さらに複数の時空転移シールドを共振させることによって、より防げるエネルギー量が増加する。
(最大で2.94×10のマイナス6乗%まで遮断できる。つまり攻撃の威力を0.00000294倍まで落とす事が可能)


このシールドを銀河連邦は戦闘探索艦、戦闘専用艦といった戦闘艦に2基搭載しており、常時全方位に展開している。

また銀河連邦主要惑星には惑星シールドとして展開可能。
作中では最強のシールド技術であり、FD人が地球・アールディオン・バンデーンという、銀河系3大勢力に向けて放ったクラス4に匹敵する攻撃も、
(実は空間抹消攻撃であり、その余波がエネルギーを放って高熱攻撃に見えるだけなのだが)
アールディオンは防ぐことすらできずに消滅したのに対し、地球は惑星シールドを使って防ぐことができた(バンデーンもこの攻撃は防いだが、詳細不明)。


このシールドのおかげで今までとは次元の違うエネルギーをコントロール可能になった結果、前述の紋章兵器研究所が崩壊する理由にもなった、耐えられる通常の物質はこの世に存在しないといわれるクリエイションエネルギーすら銀河連邦はコントロールが可能になった。

※クリエイションエネルギーとは?
人為的に小規模なビックバンを起こし、そこに生じた虚数空間からエネルギーを得る技術。
理論上、その取り出せるエネルギーは無限大でありコントロールさえ可能なら無尽蔵のエネルギーを得られる。
反面、そのコントロールは大変難しくまともな方法では物質の方が耐えられず、宇宙歴772年の銀河連邦より技術が優れていたネーデですらテストの際にコントロールに失敗。
銀河連邦もテストの際の事故で惑星1つを消滅させてしまっている。


時空転移シールド、クリエイションエネルギーコントロールの実用化ができた結果、銀河連邦は技術がより一層進むこととなり、
  • クラス2の威力を誇り、時空転移シールド以外のシールドでは一切防ぐことのできないクリエイション砲
  • エネルギーを別次元に反らし、クリエイションエネルギーすら防ぐ時空転移シールド
  • クリエイションエネルギーと時空転移シールドの開発中に発明された、銀河最高速度のワープ技術である重力ワープ航法
この3つを武器に、チートとも言える強さで銀河連邦は銀河系の勢力圏を一気に伸ばしてきた。
それぞれが天の川銀河系内で一番の武器、一番の盾、一番の速度という他勢力から見たらチートやバランスブレイカーとしか言いようがない。

また、時空転移シールドは時空間に干渉するシステムの都合上、
応用すれば理論上はある一定空間内の時間の流れを自由にコントロールすることが可能になる。
つまりタイムマシーンみたいな運用も可能だということ。
しかしそのためには、ブラックホールをはるかに越えるほどの膨大な質量を完全にコントロールする必要があり、
現在のところは銀河連邦すら実用化に至っておらず、こちらはエナジーネーデの方が試験的に成功させている。

作中でも一人の人物と一つの惑星が時を越えた。






ここまで読んだ人はこのシールドが、とにかくすごいシールドだというのはわかったはず。

以下このシールド関連の結末。












初めて登場したのはスターオーシャンセカンドストーリー終盤。

娘の死を知らされていなかった事により暴走し、ネーデの敵対勢力の殲滅から「全宇宙の崩壊」へと目的がすり替わってしまった十賢者リーダー・ガブリエル=ランティス博士が最後に発動させた「崩壊紋章」。
これは膨大な質量を一点に生み出す事ができる紋章術で、莫大なエネルギーを生み出すクォドラテック・スフィアと連動させて発動させた際は理論上無限大の質量さえ発生させることができ、宇宙の膨張力に勝る質量を生み出して宇宙を収縮に転じさせビッグ・クランチを引き起こすという宇宙の終焉をもたらす禁断の紋章術である。

一度発動してしまったら止める術は無い。
クロードやレナたちはエナジーネーデの技術者であるミラージュ博士から「崩壊紋章を防ぐ結界紋章」を予め渡されていたため、崩壊紋章にそれを重ねて発動させるのだが、崩壊紋章そのものは停止する様子を見せない。
この結界紋章は崩壊紋章を防ぐのではなく、かつて試験運用しかされずに放棄されていた時空転移シールドを用いて崩壊紋章を覆い隠し、その膨大な質量をそっくりそのまま別の場所に移して逸らすというもの。
そしてそんな質量を受け止められるのは全宇宙でただ一つ……クラス9の超高エネルギーフィールドで覆われ外界と遮断されているエナジーネーデの中である。

ミラージュ博士を始めとしたエナジーネーデの人々は、既に「長く生き過ぎた」としてこの結末を受け入れていた。
唯一、外部からの協力者でありエナジーネーデ人でないクロード達だけは崩壊の余剰エネルギーを用いて「エナジーネーデに衝突して消滅する前の時空の惑星エクスペル」を現在に転移させて復活させ、そこに転移させる事で助けるという。

こうして惑星エクスペルは時空転移シールドを通して時空を超え、エナジーネーデは時空転移シールドによって崩壊紋章を受け止めて消滅した。





次は「スターオーシャン3 Till the End of Time」。
クラス4の攻撃を防いだものの、さらに上のクラス4.5の攻撃ができるエクスキューショナーが襲来。

このエクスキューショナー、戦闘艦のクリエイション砲の直撃や量子魚雷の残弾命中レベルの攻撃でないと倒せない防御力、
相手の攻撃は時空転移シールドでも攻撃を防げず、戦闘艦の重力ワープよりさらに速い速度で航行してくるという銀河連邦をさらに上回るチート軍団。
エクスキューショーナーのクラス4.5の攻撃で銀河連邦戦闘艦は次々塵芥のように粉砕され、
また防いだとしてもあまりの威力にクリエイションエンジンが暴走し、自沈するか追撃かで破壊されていた。

艦隊が蹴散らされたため、あっという間に前線どころか最終防衛ラインまで到達されてしまい。
地球本星にまでエクスキューショナーが襲来。
惑星シールドを最大展開するも、一発の攻撃でシールド出力35%まで低下。
続いて放たれた第二射でシールドは破られ、地球も壊滅的な被害を受ける事になった。

その際のムービーはまさに地球の終焉であり、、惑星が全て赤くなっていく衝撃の光景だった。


後に出された開発者の発言曰わく、
『地球の首都に攻撃を受けたが地球が滅びた訳じゃない』

というような発言からも被害は多大ながらも地球は何とか無事の様だ。
というか、さらに後のインタビューで語られたことによれば、本来の想定ではあそこまでの被害ではなかったものの、ムービー担当者が張り切りすぎてしまったというのが真相らしい…




追記、修正をお願いします。


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最終更新:2025年04月29日 00:20