電気

登録日:2009/12/27 Sun 23:06:24
更新日:2024/12/11 Wed 18:01:35
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●目次

●概要

電気とは、我々がコンセントや電池からいつも利用していたり、毛皮でこすったエボナイト棒がものを吸い寄せようとする現象を起こす静電気とかで有名な、あのバチッとする力である。
ものを動かすエネルギーのひとつのかたち(新明解第六版)。

上記のものは基本「静電気」と呼ばれ、「静電気力」として扱われる。


●一般的な電気

電気を説明する上でまず出てくるのが、電極の存在と電流と電圧、そして抵抗値という概念。

ご存知の通り、電気は基本的にプラスからマイナスに向けて流れる。

地面と繋がるなら必ず地面に向かって流れていく(所謂アースポイント)…というのも割と有名な性質だろう。

  • 電流は今そこに流れている電気エネルギーの量。
  • 電圧は電気を流す上で要求される勢い。
  • 抵抗値は流れようとしている場所の電気の通しやすさ。

…というのが一般的な認識だろうか。
また、基本的にエネルギーは使えば無くなるものなので、もちろん電気エネルギーにも「量」が存在する。この「電圧と電流を維持できるエネルギーの総量」は「電力」と呼ばれる。

「運ぶ方向」「荷物の量(の見込み)」「運ぶ人の力」「荷物の重さ」「運ぶ人の体力」といった感じでそれぞれ考えて多分合っている。

また、プラスとマイナスがいつも同じ向き(電池とか)の直流電源とは別に、周期的に向きや強さが変化し続けている交流電源というものもある。
プラス→ゼロ→マイナス→ゼロ→……を波のように繰り返す。
所謂コンセントの電気がこれで、プラスとマイナスの向きがないのも常に変化し続ける電気を使っているため。
一応、アースがどちらにあるかは書いてあったりする。

日本の一般的なコンセントなら、定格電圧100V、電流値15A。これを平均して供給できるようになっており、厳密には一瞬だけ140Vくらい出ているらしい。
ちなみに、1秒間に50往復(50Hz)するのが東日本のコンセント。60往復(60Hz)するのが西日本のコンセントである。

因みに電圧は電位差ともいう(後述)。


●物理学的な解説

電流が発生する仕組みは、電気回路が構成されたとき(電子が他の物質に移動できる状態になったとき)である。
これは、電流Iがt秒間に運ぶ電荷qとして、


q=∫Idt

で表記する。
電流の単位はアンペア。

電圧は回路の二点間での電位の差をいう為、電位差ともいう。
電位とは電荷eの持つ位置エネルギーのことで、静電気力によって発生する。
これは電圧の完全なゼロ地点が不明な為であり、1.5ボルト電圧の電池は電位差が1.5ボルトという意味である。
つまりマイナス極電圧が100ボルト、プラス極電圧が101.5ボルトであっても電位差は1.5ボルトである為、市販電池と同程度の電圧しかないということである。

またよく使われる電力Pというものがある。
これは単位時間あたりに電流がする仕事量のことを指す。
単位はワット。


P=VI

で表記される。
この式はオームの法則と同じである為、ある程度の式変換も可能。
また、t秒間に電流がする仕事量を電気量Wという。
式は以下のとおり。


W=∫Pdt


電荷とは、1Aの電流が発生しているとき、ある断面部を1秒間に通過する電気量のことで、単位はクーロン。
また電荷の最小単位を電気素量といい、電子の持つ電荷の絶対値に等しい。


e=1.6×10^(-19)

であり、ここで間違いやすいのが、電子は負の電荷を持つ、ということである。

またこれに則してクーロンの法則があり、これはQ(c)とq(c)の点電荷がr(m)の距離にあるとき、その間に静電気力が働き、その大きさは


F=kQq/r^2

で、


k=9.0×10^9

の定数である。
ついでにこれらの点電荷が同種であれば斥力、異種であれば引力が働く。

また、点電荷が他から静電気力を受けるような場所を、電場(もしくは電界)という。
電場はベクトルであり、試験電荷が押される方向へ向かって静電気力が働いていることになる。
当然ながら、そのベクトルは合力される。このときに電荷が受ける電場の力は


F=qE

で表される。
電場の正負と電荷の正負により、斥力か引力かの違いもある。
逆に、電荷が発生させる電場は


E=kQ/r^2

で表される。
また電場中に物質があると、分極が発生する。
分極とは物質中の電子軌道が歪み、電子の位置が変化することにより物質内で正負が発生することである。



電気の中身には電気を貯蓄できるコンデンサーや電流により発生する磁場もあるが、少々路線の違いにより割愛する(追記は任せる)。

と、このようにあるが多くの人間は電流と電圧くらいは間違いなく知っているはずである。

それから少し掘って、電流はプラスからマイナスだが電荷はマイナスからプラスに移動する、等も知っているかもしれない。

身近なことで体験できるのは静電気力である。
下敷きで髪の毛を擦れば、それで完了する。

理屈は、下敷きで髪の毛を摩擦することによって片方にマイナスが、もう片方にプラスが帯電する(正確には片方に負電荷が移動し、もう片方は負電荷を失ったことにより均衡が崩れ、正電荷に帯電したようになる)。
この状態で下敷きを上に持ち上げると、下敷きから発生する電場に髪の毛の電荷が引き寄せられ、結果髪の毛が逆立つ(または電場と電荷を逆にし、髪の毛が固定されていない為に動いてしまう)。
これが静電気力である


●電気のパワーと危険性

テレビ等ではの電圧がどうだのというが、人間にとって電圧はそれほど重要ではない。
それは、人間が電気で死ぬ為には、体の内部に電流が発生する必要がある為である。

これは人間が電気信号で動いている為、心臓は異常電流の発生で停止するからである。あるいは本当に中身が焼けたり。

因みに電流は、25mAから危険領域で100mAを超えれば殆どは即死である。
その為高電圧下で作業していて電気の流れていそうなものを触るときには手の甲でまずは触れなければならない。
手のひらで触ると、感電→電流の発生→筋肉の収縮→電線を離せない→死亡となる為だ。

電気エネルギーを利用した武器にレールガンがある。
これはまず二本の導体を平行に設置し、そこに導体の弾丸を設置、電流を発生させてレールの磁場、弾丸の磁場を相互作用させて加速、射出するというもの。

弾丸がプラズマ化し、その際の膨張によって機械そのものを破壊、というような状態が現在の問題らしい。
因みに膨張を度外視するならばプラズマ化してもローレンツ力によって問題なく射出できる。

使用用途は他に、マスドライバー等。

派手で身近ということで属性として人気があるのか、フィクションでは雷属性/電気属性の技がよく見られる。


追記・修正に必要な電気は自転車を漕いでお願いします。

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最終更新:2024年12月11日 18:01