登録日:2010/10/01(金) 03:22:34
更新日:2024/04/07 Sun 23:33:14
所要時間:約 6 分で読めます
トワイライトシンドローム~究明編~
『TWILIGHT SYNDROME 究明編』は96年にヒューマンから発売されたPS用ソフト。
同年に先駆けて発売された、
トワイライトシンドローム~探索編~の続編であり、同作を補完する作品。
この作品を以て、トワイライトシンドロームは完結する。
登場人物
雛城高校2年。
〝スーパークール〟な本作の主人公。
恋人との別れを経つつも、新たな探索を通じて仲間達との絆を深める。
物語の最後に彼女が見る物は…。
雛城高校2年。
普段は冷静だが、霊的存在に対面すると〝アクティブにスパーク〟する事も…。
時にユカリ以上に〝クールダウン〟して物語に見切りを付ける〝ハイパーチサト〟が居る限り、三人に悲劇は訪れない。
雛城高校1年。
探索編にて行方不明となった彼女を探す事から物語は再開される事になる。
黄色いディバッグがトレードマーク。
ユカリ、チサトとの出会いにより成長した姿も見られる一方、二人の仲の良さに嫉妬する場面も。
※上記の妙な言い回しはテキストに倣った物です。
エピソード
<第五の噂>
ユカリらの目の前で〝空に溶ける様に〟消えてしまったミカ…。
余りの事態に慌てた二人はミカを〝呼んだ〟張本人であろう〝S・H〟…30年前に死んだ筈の女子生徒〝姫神桜〟の事を知る為に事件の発端となった図書室へと向かうのだった…。
一方、何処とも知れぬ杜の中で、ミカは遂に〝ヒメガミサクラ〟との邂逅を果たしていた…。
<第六の噂>
自殺した1-Cの生徒、T君こと〝タタラキミヒコ〟…彼の霊が体育用具室に出ると云う…。
同じバスケ部のSとKこと、サエキとクロダ…そして、彼らを始めとするクラスメートによる〝いじめ〟が原因だと云う…。
ユカリは調査を進める内に、その〝被害者〟を含めた陰湿な裏側に早々に事件に関わる事を止めてしまうのだが、チサトは…。
※開発者自身が一番の問題作と語る作中でも最も残酷なシナリオ。
社会の縮図と云うには余りに特殊な空間である〝学校〟で起こる、微妙な人間関係が引き起こす〝悲劇〟が生々しい描写で展開される。
<第七の噂>
深夜0時にかかって来る電話は死者からの呼び声…。
ユカリが遭遇する奇妙な出来事…一本の電話から住み慣れた自分の部屋が異界と化す…。
<第八の噂>
大規模に辺りが掘り返されたにも関わらず、いつからか全く進まなくなった工事現場…。
「放置されているのは〝埋蔵金〟が出たからです!」
ミカが何処かから仕入れて来た新たな探索のネタ…信憑性を疑いながらも現場にやって来たユカリとミカは、そこで地下へと繋がる奇妙な〝入口〟を発見するのだった…。
その頃、頼りのチサトは一人カラオケボックスで熱唱していた…ユカリとミカの危機も知らずに…!
※他シナリオとは一風変わった、特にアドベンチャー要素の強いシナリオ。
<第九の噂>
ミカがかつて三人が遭遇した〝おかっぱの少女〟について新たな噂を仕入れて来た。
今度こそ少女に〝願い事〟を叶えて貰いたいミカの口車に乗せられ、三人は再び夜の学校へ…。
いかがわしい魔方陣と呪文…しかし、その軽はずみな行動が今度は学校全部を異常な世界へと変えてしまうのだった。
<第十の噂>
ユカリの近所に住む女の子が行方不明になった…そして、ユカリが見た奇妙な夢…繰り返しすべり台を上り下りする少女の夢…。
呼び寄せられる様に公園へとやって来た三人は、夢に倣いすべり台をすべる事により、奇妙な街へと行き着く…見知っている様で知らない黄昏に沈む街…やがて、三人は自分達がここで過ごす程に記憶を失って行く事に気付くのだった…。
何とかして戻ろうとするチサトとミカに対してユカリは…。
〝トワイライトシンドローム〟の最終シナリオにして、本作での全てのテーマを内包した魂の軌跡を描いた物語。
最後にユカリは探索と究明を通じて何を見出だしたのか…。
…それは、プレイした〝あなた〟ならば答えられるだろう。
※隠しシナリオ【Prank】
岸井ミカはある朝、奇妙な〝匂い〟を伴った〝風〟に吹かれる。
チサトは言う…それは、妖精のイタズラだと…。
ミカは満月の夜、奇妙な男に会った。
ユカリとチサトはミカを知らないと言った。
ミカは恋人と抱き合うユカリを見た。
ミカはチサトに冷たい言葉を投げ掛けられた。
ミカは男に抱かれた…。
…ある日の帰り道、ミカは血塗れのチサトに出会った…。ミカは自分の家族を殺したチサトを殺した…そして、ユカリまでも…。
ミカは満月の夜に出会った男と再会した…男の名はリョウ…。
リョウは言う〝お前を守りに来た〟と…。
夢から覚めたミカの前には変わらぬ日常が広がっていた…いつもの様に新たな〝噂〟を仕入れユカリとチサトの所に向かうミカ…それを優しく迎える二人…夕闇の帳が三人を覆って行く…そして…。
※ムーンライトシンドロームのプレ・シナリオ【変嫉】
余りに異質で残酷な物語故にトワイライトシンドロームに思い入れのある人間は激しく嫌悪する。
探索編、究明編の全シナリオを『大吉』クリアする事で出現する。
…見るな。
余談
- 98年に探索編と究明編がセットになった〝トワイライトシンドロームスペシャル〟が発売された。
尚、同製品のテキストには攻略の為のヒントが追加されている。
- 続編〝的〟作品として〝ムーンライトシンドローム〟があるが、全く別のアプローチの作品の為、本作のファンからは否定的な意見が多い。
寧ろ、本作の〝精神〟は開発スタッフの一部が後に製作した〝夕闇通り探検隊〟の方に引き継がれているとファンからは評されている。
- 〝トワイライトシンドローム〟の名を冠するゲームは現在でも発売されているが、シナリオの完成度故に、未だに最高傑作の位置を独占している。
実際、経年による多少の描写の古さはあるものの、物語の面白さ、シナリオに込められた普遍的なテーマは現在でも色褪せない物がある。
〝ミカ、
追記、修正
お願いしといて!〟
〝ユカリちゃん、
そろそろ帰ろう?〟
〝待ってくださいよ、
センパ~イ!!〟
- テレホンコールはクリアした時、思わず安堵のため息が出た -- 名無しさん (2016-03-07 22:59:19)
- 正直、しりすぼみ感のある後編だったなぁ -- 名無しさん (2024-01-21 21:41:21)
最終更新:2024年04月07日 23:33