沸血の巨像/Bloodfire Colossus(MtG)

登録日:2012/06/11 Mon 09:54:55
更新日:2024/11/30 Sat 20:47:42
所要時間:約 3 分で読めます






炎の心臓、溶岩の血液、石の歯。



TCG『Magic the Gathering』のインベンジョン・ブロックのトリを務めたエキスパンション「アポカリプス」の赤には、沸血と名に冠するクリーチャーがわずかながら存在した。

「沸騰する血液」の意味だろうか、そのクリーチャーたちは自身を生け贄にする事によって、そのたぎった血潮を振り撒いて他のクリーチャーにダメージを与えるという特徴があった。

コモンには、飛行持ち以外に1点のダメージを与える《微震》を搭載した《沸血のドワーフ》。

アンコモンには、全てのクリーチャーに2点のダメージを与える、生きた《紅蓮地獄》こと《沸血のカヴー》(なお、上記のフレーバーはこのクリーチャーカードに記載されているものである)。


そして。
そして、レアがコレだ。

沸血の巨像/Bloodfire Colossus (6)(赤)(赤)
クリーチャー - 巨人
(赤),沸血の巨像を生け贄に捧げる:沸血の巨像は、各クリーチャーと各プレイヤーにそれぞれ6点のダメージを与える。
6/6

なんと、沸血の巨像は古えの大火力呪文《インフェルノ》を内蔵している。

当時、《サルディアの巨像》や《ファイレクシアの巨像》に次ぐ、数少ないクリーチャータイプ「巨像」を持つだけあって、サイズは6/6と大型。当時のフィニッシャーの代表格であった《煽動するものリース》をはじめとする、ドラゴンレジェンドと同じP/Tである。

能力も強力である事は言うまでもない。
恐らく、その頃もっとも使用された4マナクリーチャー《ブラストダーム》すら焼き切ることが可能であり、同じくクリーチャー全体にダメージを与える《のたうつウンパス》や《疫病吐き》すらも超える制圧力を持っている。



ん?《獅子将マギータ》?聞こえない聞こえない。


勿論、直接火力として使っても問題はなく、二回殴った後に自爆すれば大抵の場合、相手のライフを削りきる事が出来るだろう。


ん?自分も6点は痛い?《赤の防御円》使っとけ。



強力なクリーチャーだが、ネックはやはりマナコストだろう。
8マナは重い。《抹消》と同じコストでそう簡単にプレイ出来るではない。

そのため、使うのではあればマナコストを踏み倒すか、または強力なマナブーストが必要になってくる。というかそうでもしないと上記のダームあたりには出る前に殴られて死んでいる。

例えばリアニメイト。特にバイバック持ちの《死体のダンス》とのコンボは強烈で、墓地から呼び出す→殴って自爆→また墓地から呼び出す→……と、《インフェルノ》撃ち放題になる。勿論、自分のライフと相談だが。

赤なら《騙し討ち》も相性が良い。トドメや全体除去に活躍してくれるだろう。

ともあれ、強力なクリーチャーである。









が。実際はあまり使われることはなかった。
理由としては、《インフェルノ》もそうだが、まず6点ダメージが自分に及ぶのは痛すぎるということ。

次に全体除去を見てもライバルが多すぎたという事。特にこのカードが登場した頃、先に挙げた相性が良いカード《騙し討ち》や《死体のダンス》が使用できる旧エクステンデット環境には、更に使い勝手が良くデメリットも少ない《火口の乱暴者》が現役であったため、こいつが採用される事はあまりなかった。

スタンダード環境においても、ビートダウン系デッキ【Fires】や打ち消し満載のパーミッションデッキ【ライジングウォーター】、【ネザーゴー】、【ドロマーゴー】、【ミルストーリー】が主流であったために、このような重いカードは戦場に出る事すら至難の業であり、そのためやはり日の目を浴びる事はほとんど無く、そのままスタンダード環境から去っていってしまった……。



現在。
《沸血の巨像》はエターナル環境で使用する事は可能だが、昨今のクリーチャーのパワーインフレによって更に出番が失われている。P/Tは同じのくせにマナコストが減った上に能力も事実上上位互換になっている《業火のタイタン》だとか。

それでも、ごく稀にリアニメイト系デッキに採用される事があるので、見掛けたら彼の勇姿を暖かく見守って欲しい。


《名誉の道行き》片手に。




追記・修正お願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2024年11月30日 20:47