登録日:2025/10/08 Wed 14:49:43
更新日:2025/10/15 Wed 13:50:05
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概要
タカラトミーから発売されている鉄道玩具の
プラレールは、車両やレールだけでなく、鉄道には欠かせない駅や車両基地、橋、踏切、トンネルなどの情景パーツも数多く発売されている。
その中でも駅は鉄道には特に欠かすことができないものであり、駅によって規模や設備もまるで異なるため、プラレールでは旧来から「田舎の駅」や「高原の駅」、「地下鉄の駅」などシチュエーションに合わせた多種多様な駅が発売され、バラエティ豊かな鉄道風景を再現できるようになった。
特に、1990年代以降は定期的にその情景パーツのフラグシップ商品として、複数の線路とサウンド等のギミックを盛り込んだ駅の大型情景が販売されるようになった。
こちらも「マイクアナウンスができるもの」、「各地のチャイム・メロディをリアルに模したもの」、「新発売された情景との連動を想定したもの」、「既存の大型情景と連動するもの」などテーマもそれぞれ異なり、バラエティと当時の時代背景がうかがえる。
一方あまりに大きすぎて構造をフル活用したレイアウトを組むのが大変、あるいはそもそも買ってもらえないという問題があるのもご愛嬌。
本項目では、そんな駅の大型情景の中でも、「常時2線以上の線路が存在する」、「電子基板によるサウンドギミックが存在する」、「車両を大型化したものではない」という3つの条件を満たしたものを紹介する。
商品詳細
本項目で解説する要件を満たす最初の大型情景。なんとこの情景は一般の情景と同じJ品番でくくられており、品番はJ-33であった。1996年まで発売。
地上2線、高架1線。
サウンドギミックはマイクを使ってのアナウンス遊びや発車ベルの鳴動のみであるが、駅構内に両渡り線が存在し、赤・青の信号機や時計、駅ビルの時計や発車標、券売機の価格表示を動かすギミックなどが盛沢山。2階ホームを支えるブロック橋げたはここでしか手に入らない地味なレア物。
パネルステーション対応。
さらに、「
ライト付ひかり ビッグステーションセット」として、車両や線路とセットになったオールインワンセットも発売されており、当時のトミーの力の入れようがうかがえる。
…ただ、やっぱりこのような大型商品が通常品番に入れたのはバブル景気だからこそだったのだろう。バブルがはじけて間もなく姿を消してしまった。その定価は8,800円であり、当然J品番品としては歴代最高額。セットの方は12,800円とこれまた超高額(これでも歴代最高額品ではない)。
上述の「ビッグステーション」を改修した後継品となる大型情景。同じく地上2線、高架1線。
高架線が分岐するようになったほか、サウンドボタンが6個に増え、音声アナウンスが追加されたり、高架線に接続する形でロータリーが追加され、トミカとの連動機能が追加された。ほかにも、全体的な色合いや信号機の形状がリアルなものに変更されている。
ただし、サウンドや光に関係しないギミック類はオミットされた。
パネルステーションを使用することで拡張が可能。
高架側が分岐というか、横から合流するような形状である。盛岡駅あたりのミニ新幹線合流がモチーフなのだろうか?
- 日本全国アナウンスステーション(2003年)/アナウンスステーション西日本・九州編(2005年)
2003年より展開が開始された「サウンドプラレール」のブランドの下で発売。
地上3線、うちゴー/ストップ機能がついているレールは操作盤に近い2線。
ゴー/ストップのレバーを操作すると対応したアナウンスが鳴動、アナウンス用のボタンが10個、遮断かんを下すと警報が鳴動し、閃光灯の光る構内踏切やプラキッズを立たせるとサウンドが鳴動するスポットの存在と、名前にたがわないサウンド機能の豪華さを誇る。
しかし、これだけでは終わらず、「日本全国」ではJR旅客各社に対応した北海道、東京、名古屋、大阪、四国、九州の各エリアに対応、「西日本・九州編」では京都、大阪、岡山、金沢、博多、鹿児島中央の各駅に対応したアナウンスやメロディが流れるように設定可能である。例として、「日本全国」の東京エリアに設定すると、レバー操作でストップ側に設定すると、時々ATOSで使用されている接近メロディが流れたり、発車ベルのボタンを押すと「せせらぎ」、「Water Crown」、「Gota del Vient」と、2024年秋以前は首都圏のかなり多くの駅で聴けた発車メロディが鳴動する。
また、レールも付属しており、各ホームに対応したルートを構成できるよう周回できるレイアウトを構成できる線路も付属しており、車両を買えばすぐ楽しめる。
2003年発売の「サウンド特急サンダーバードセット」付属の683系には情景に搭載されたチップとの通信機能(αシステム)があり、本情景もこの683系と連動可能なチップが搭載されている。
西日本・九州編が発売されたが、東日本編などのような他の地域を再現した製品は発売されていない。おそらく、上述の「サウンドサンダーバード」とセットで買うことを想定したため、運行範囲外となる地域の駅を出しても組み合わせづらいことが一番の理由だろう。
実在の駅メロが流れる大型情景として唯一無二のシリーズであり、後年でも評価の高い逸品である。
ちなみに、収録されている列車名のいくつかは当時製品がなかったものがある。中には2025年になってようやく製品化されたものも…
なお、アナウンスステーションの名称は初出ではなく、1990年代に1線のみ、もともとソノシートで音声を再生していたギミックを電子基板で鳴動するように改良した情景部品にて使用されていた。これもパネルステーション一族の一員だった。
地上2線、高架1線の「ビッグステーション」に近いが、フルモデルチェンジされた駅。
地上2番線の上に高架線がくる形となり、高架線が曲面状のクリアドームに囲われている。
「今日から僕も駅長さん」で見られた高架線の分岐が消滅し、トミカ用ロータリーが拡大、その直下に駐車場を追加と、トミカとの連動機能が強化。
アナウンスボタンは6種類に削減された。
別売りの「駅とつながるレールいっぱいセット」が発売され、こちらにある、もしくは当時単品売りされていたクリアドーム、都会の駅、地下鉄シリーズの一部である地下レールや駅を使うことで拡張が可能。
本商品はこのタイプの大型情景の決定版ともいう立ち位置なのか、後述の通り派生品や連動品が多い。
「おおきなドームステーション」の上位互換というべき大形駅。操作盤から見てロータリーよりさらに右にもドームが設置され、商品名通りの2本のタワーがそびえる形となっている。地上2線、高架は2階と3階に1線ずつの計4線。
なお、一番上の丸型ドームを当時販売されていた単品の四角型クリアドームに組み替えることで、より高いタワーを作ることもできる。まさに立体レイアウトを楽しむためにはうってつけの製品である。
四角型専用ドームに張り付けることのできる、まるで駅ビル併設の駅を作ることができるシールが同梱されているが、駅ビルの商業施設の真ん中を線路が通るという突っ込みどころ満載の構造になっている。
地下鉄の製品販売拡大が行われていた時期に発売された、地上2線、高架に通過線2線というよりかは地下2線、地上に通過線2線といった構造。
地下ホームと、操作パネルすぐ右には地下のショッピングモールが存在。
さらに、上述する「おおきなドームステーション」または「ツインタワーステーション」を地上の線路になるパネルを外し、重ねて合体させることが可能。5~6線を使うプラレール史上最大級の駅になる。
そこまで合体して使いこなした方はそこまで多くないと思うが。
- おおきなドームのターミナルステーション(2013年)
おおきなドームステーションの改良型。従来タイプに等しい組み方では操作盤と高架ロータリーの左右関係が逆転。
地上2線、高架1線の線路数こそ「ドームステーション」と変わらないものの、本商品は高架線が組み換え可能となっており、高架線を地上線と直行するように組み替えることもできる。
初代ドームステーションと同じように本商品とセットで使うことを想定した「駅とつながる高架トンネルレールセット」が発売されたり、本項目では紹介しないがトミカ走行装置が付いた大型情景「トミカと遊ぼう!スーパーオートステーション」との連携機能が付いたりしている。
- トミカと遊ぼう!DX踏切ステーション(2015年)
地上2線のみと、このタイプの大型情景としてはこじんまりしているが、トミカをコンベア上に載せて、踏切を通る形で周回させることが可能。
こちらも「駅とつながる複線レールセット」が発売され、複線の周回レイアウトを作ることができる。
- 今日からぼくが駅長さん!ガチャっと!アクションステーション(2017年)
1999年と似た文面が入った、「ビッグステーション」系大型情景の3代目。
地上3線、高架1線と2010年代の駅大型情景の中では最大級の路線規模。1番線(地上、一番操作パネルに近い)と3番線(高架線)には、2010年代より既存路線での追加設置が進んでいるホームドアがついており、時代を感じさせる。
また、2022年3月末までスマートフォンを使用してARを楽しめる連動サービスが行われていた。
3番線の部分はのちに「ホームドアステーション」として単品化。
- のぼってくだって立体交差!メガ駅ビル(2019年)
地上の1番線、高架の2番線と線路数こそ規模は小さいものの、高さ420mmの、
エレベーターを模したギミックが目立つほか、2番線に「レールでアクション」シリーズを走らせると特別なサウンドが再生される隠し機能までついている。また、サウンドも「新幹線」「在来線」「SL」の3種類のモードから選択可能。
なお、周回分のレールとニュー坂レール1対も同梱。
- ピカッとシグナル!GOGO発車ステーション(2020年)
地上3線と、「アナウンスステーション」シリーズの配線に近い。1~3番線それぞれにゴー/ストップのレバーが存在するほか、すべてのホームで一斉に発射させるレバーも存在。クリアパーツにイルミネーションが光る「シグナルトンネル」が存在し、ストップ設定にしている線路では赤く、ゴー設定にしている線路では緑に光るほか、一斉発車時には黄色に光る。
「メガ駅ビル」と同じように、車種に合わせたシチュエーションが選択できるサウンド機能を搭載しているが、「新幹線」「SL」はそのままに「在来線」が「特急」「通勤電車」「貨物列車」に細分化され、かゆい所に手が届く。
- サウンドチェンジ!マイステーション4WAY(2022年)
固定式で一部部品を買い足すことで拡張可能な場合もある従来品とは異なり、カスタマイズ性に特化した駅。
サウンド機構や改札口のある本体をベースに別パーツのホームや駅舎の一部になる橋脚パーツから成る。
平行交差、垂直交差、複線の地上駅、単線だが有効長の長い駅と様々な組み合わせが可能で、更に同製品を買い足せばいくらでも拡張可能。
「たてものブロック」というパーツが付属する。きっぷ販売窓口や飲食店が計4種類あり、一つ基部に挿し込むとそれに対応したボイスが再生される。加えて別売りのブロックもあり、何も置かない場合はバス停のサウンドが鳴る。
ちなみにブロックの認識は基部に複数あるボタンをブロック底部の突起が押すパターンで認識しているためパターンを知っている、あるいは総当たりで押せばブロックが無くとも全てのサウンドが聞ける。
- レバーでアクション&サウンド!ビッグステーション(2024年)
1990年の商品と同じく「ビッグステーション」を名乗る大型情景。こちらも「4WAY」と同じようにカスタマイズ性重視で固定の配線にすることができないが一応解説。地上2線の配置にするほか、2番線パーツを地上に動かし、直線レール4本分の1線ながら長い駅にしたり、2番線の屋根の上にレールのせて線路を増設したりできる。
この情景も別売りの「駅とつながる自動Y字ポイントレールキット」が発売されており、先述の通り屋根にレールを乗せる遊びを手っ取り早く楽しめる。
…ただ、この自動Y字ポイントレール、既存の自動ターンアウトレールや自動ポイントレールのような動力車底面のタブを使って内部で切り替えるものではなく線路側に突き出した大型のレバーを車体で押すという代物ではっきり言ってチープ感が拭えない。一応従来品とは異なり一部の蒸気機関車など2両目に動力車をがある車両でも使用可能というメリットはあるが。
追記・修正は「日本全国アナウンスステーション」の正統後継作を待っている方か、「地下グランドステーション」を地上駅の大型情景と合体させたことがある方にお願いします。
- 懐かしい。弟が『今日から僕も駅長さん』を持っていたっけな。大きくて迫力があるけど全部の線路を使おうとなるとたくさんのレールとスペースを要するのがちょっと難点かも。もっぱら地上部分しか使っていなかったな。 -- 名無しさん (2025-10-08 19:26:27)
- ↑こういうパネステやクリアドーム系統互換の駅はタワーの基部に使うものだと思ってる -- 名無しさん (2025-10-08 20:37:18)
- 切符販売できるやつもあったと思ったけどそれは別の情景パーツだっけか -- 名無しさん (2025-10-11 05:48:56)
- クリスマスプレゼントが今日から僕も駅長さんだった -- 名無しさん (2025-10-12 21:51:51)
最終更新:2025年10月15日 13:50