駅の大型情景(プラレール)

登録日:2025/10/08 Wed 14:49:43
更新日:2025/10/08 Wed 14:49:43NEW!
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概要

タカラトミーから発売されている鉄道玩具のプラレールは、車両やレールだけでなく、鉄道には欠かせない駅や車両基地、橋、踏切、トンネルなどの情景パーツも数多く発売されている。
その中でも駅は鉄道には特に欠かすことができないものであり、駅によって規模や設備もまるで異なるため、プラレールでは旧来から「田舎の駅」や「高原の駅*1」、「地下鉄の駅」などシチュエーションに合わせた多種多様な駅が発売され、バラエティ豊かな鉄道風景を再現できるようになった。
特に、1990年代以降は定期的にその情景パーツのフラグシップ商品として、複数の線路とサウンド等のギミックを盛り込んだ駅の大型情景が販売されるようになった。
こちらも「マイクアナウンスができるもの」、「各地のチャイム・メロディをリアルに模したもの」、「新発売された情景との連動を想定したもの」、「既存の大型情景と連動するもの」などテーマもそれぞれ異なり、バラエティと当時の時代背景がうかがえる。
本項目では、そんな駅の大型情景の中でも、「常時2線以上の線路が存在する」、「電子基板によるサウンドギミックが存在する」、「車両を大型化したものではない」という3つの条件を満たしたものを紹介する。

商品詳細

  • ビッグステーション(1990年)
本項目で解説する要件を満たす最初の大型情景。この情景は一般の情景と同じJ品番でくくられており、品番はJ-33であった。1996年まで発売。
地上2線、高架1線。
サウンドギミックはマイクを使ってのアナウンス遊びや発車ベルの鳴動のみであるが、駅構内に両渡り線が存在し、赤・青の信号機や時計、駅ビルの時計や発車標、券売機の価格表示を動かすギミックなどが盛沢山。
さらに、「ライト付ひかり ビッグステーションセット」として、車両や線路とセットになったオールインワンセットも発売されており、当時のトミーの力の入れようがうかがえる。

  • 今日から僕も駅長さん(1999年)
上述の「ビッグステーション」の正統後継ともいうべき大型情景。同じく地上2線、高架1線。
高架線が分岐するようになったほか、サウンドボタンが6個に増え、音声アナウンスが追加されたり、高架線に接続する形でロータリーが追加され、トミカとの連動機能が追加された。ほかにも、信号機の形状がリアルなものに変更されている。
ただし、サウンドや光に関係しないギミック類はオミットされた。
パネルステーションを使用することで拡張が可能。

  • 日本全国アナウンスステーション(2003年)/アナウンスステーション西日本・九州編(2005年)
2003年より展開が開始された「サウンドプラレール」のブランドの下で発売。
地上3線、うちゴー/ストップ機能がついているレールは操作盤に近い2線。
ゴー/ストップのレバーを操作すると対応したアナウンスが鳴動、アナウンス用のボタンが10個、遮断かんを下すと警報が鳴動し、閃光灯の光る構内踏切やプラキッズを立たせるとサウンドが鳴動するスポットの存在と、名前にたがわないサウンド機能の豪華さを誇る。
しかし、これだけでは終わらず、「日本全国」ではJR旅客各社に対応した北海道、東京、名古屋、大阪、四国、九州の各エリアに対応、「西日本・九州編」では京都、大阪、岡山、金沢、博多、鹿児島中央の各駅に対応したアナウンスやメロディが流れるように設定可能である。例として、「日本全国」の東京エリアに設定すると、レバー操作でストップ側に設定すると、時々ATOS*2で使用されている接近メロディが流れたり、発車ベルのボタンを押すと「せせらぎ」、「Water Crown」、「Gota del Vient」と、2024年秋*3以前は首都圏のかなり多くの駅で聴けた発車メロディが鳴動する。
また、レールも付属しており、各ホームに対応したルートを構成できるよう周回できるレイアウトを構成できる線路も付属しており、車両を買えばすぐ楽しめる。
2003年発売の「サウンド特急サンダーバードセット」付属の683系には情景に搭載されたチップとの通信機能(αシステム)があり、本情景もこの683系と連動可能なチップが搭載されている。

西日本・九州編が発売されたが、東日本編などのようなほか地域を再現した製品は発売されていない。
実在の駅メロが流れる大型情景として唯一無二のシリーズであり、後年でも評価の高い逸品である。

なお、アナウンスステーションの名称は初出ではなく、1990年代に1線のみ、もともとソノシートで音声を再生していたギミックを電子基板で鳴動するように改良した情景部品にて使用されていた。

  • おおきなドームステーション(2006年)
地上2線、高架1線の「ビッグステーション」に近いが、フルモデルチェンジされた駅。
地上2番線の上に高架線がくる形となり、高架線が曲面状のクリアドームに囲われている。
「今日から僕も駅長さん」で見られた高架線の分岐が消滅し、トミカ用ロータリーが拡大、その直下に駐車場を追加と、トミカとの連動機能が強化。
アナウンスボタンは6種類に削減された。
別売りの「駅とつながるレールいっぱいセット」が発売され、こちらにあるクリアドームを使うことで拡張が可能。

  • 地下グランドステーション(2008年)
地下鉄の製品販売拡大が行われていた時期に発売された、地上2線、高架に通過線2線というよりかは地下2線、地上に通過線2線といった構造。
地下ホームと、操作パネルすぐ右には地下のショッピングモールが存在。
さらに、上述する「おおきなドームステーション」を地上の線路になるパネルを外し、重ねて合体させることが可能。すべてで5線の超大型駅として扱うことができる。

  • トミカと遊ぼう!DX踏切ステーション(2015年)
地上2線のみと、このタイプの大型情景としてはこじんまりしているが、トミカをコンベア上に載せて、踏切を通る形で周回させることが可能。
こちらも「駅とつながる複線レールセット」が発売され、複線の周回レイアウトを作ることができる。

  • 今日からぼくが駅長さん!ガチャっと!アクションステーション(2017年)
1999年と似た文面が入った、「ビッグステーション」系大型情景の3代目。
地上3線、高架1線と史上最大級の配線。1番線(地上、一番操作パネルに近い)と3番線(高架線)には、2010年代より既存路線での追加設置が進んでいるホームドアがついており、時代を感じさせる。
また、2022年3月末までスマートフォンを使用してARを楽しめる連動サービスが行われていた。
3番線の部分はのちに「ホームドアステーション」として単品化。

  • のぼってくだって立体交差!メガ駅ビル(2019年)
地上の1番線、高架の2番線と線路数こそ規模は小さいものの、高さ420mmの、エレベーターを模したギミックが目立つほか、2番線に「レールでアクション」シリーズを走らせると特別なサウンドが再生される隠し機能までついている。また、サウンドも「新幹線」「在来線」「SL」の3種類のモードから選択可能。
なお、周回分のレールとニュー坂レール1対も同梱。

  • ピカッとシグナル!GOGO発車ステーション(2020年)
地上3線と、「アナウンスステーション」シリーズの配線に近い。1~3番線それぞれにゴー/ストップのレバーが存在するほか、すべてのホームで一斉に発射させるレバーも存在。クリアパーツにイルミネーションが光る「シグナルトンネル」が存在し、ストップ設定にしている線路では赤く、ゴー設定にしている線路では緑に光るほか、一斉発車時には黄色に光る。
「メガ駅ビル」と同じように、車種に合わせたシチュエーションが選択できるサウンド機能を搭載しているが、「新幹線」「SL」はそのままに「在来線」が「特急」「通勤電車」「貨物列車」に細分化され、かゆい所に手が届く。

  • レバーでアクション&サウンド!ビッグステーション(2024年)
1990年の商品と同じく「ビッグステーション」を名乗る大型情景。こちらはカスタマイズ性をかなり重視しており、固定の配線にすることができないが一応解説。地上2線の配置にするほか、2番線パーツを地上に動かし、直線レール4本分の1線ながら長い駅にしたり、2番線の屋根の上にレールのせて線路を増設したりできる。
この情景も別売りの「駅とつながる自動Y字ポイントレールキット」が発売されており、先述の通り屋根にレールを乗せる遊びを手っ取り早く楽しめる。


追記・修正は「日本全国アナウンスステーション」の正統後継作を待っている方か、「おおきなドームステーション」と「地下グランドステーション」を合体させたことがある方にお願いします。

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最終更新:2025年10月08日 14:49

*1 2000年代にリデコのうえ、江ノ電鎌倉駅を再現したものとして再販された。

*2 JR東日本の首都圏エリアで使用されている運行管理システム

*3 この時期を境に順次線区ごとに統一されたメロディーに変更、2025年10月時点でも変更の途上である。