カゲトカゲ(遊戯王OCG)

登録日:2025/10/09 Thu 00:17:23
更新日:2025/10/09 Thu 00:37:14NEW!
所要時間:約 3 分で読めます





影のように薄い体を持ったトカゲ。
他のモンスターの影のように現れるが、このトカゲ自身に影はあるのだろうか?


《カゲトカゲ》とは、遊戯王OCGに存在するカードの1つである。
初出は第7期第6弾「PHOTON SHOCKWAVE」。

カードテキスト

《カゲトカゲ》
特殊召喚・効果モンスター
星4/闇属性/爬虫類族/攻1100/守1500
このカードは通常召喚できず、このカードの効果で特殊召喚できる。
このカードはS素材にできない。
(1):自分がレベル4モンスターの召喚に成功した時に発動できる。
このカードを手札から特殊召喚する。

概要

文字通り「影」の如く暗く薄っぺらい蜥蜴のモンスター。
目元だけは赤く光っており、一層不気味な印象を与える。
カード名は「影+蜥蜴」とシンプルだが、後述する自身の条件を「他のモンスターに追従して現れる」影に見立てている模様。


通常召喚ができない代わりに、他の星4モンスターが通常召喚した際に自身を特殊召喚する効果を持つ。
《カゲトカゲ》自身も星4なので、これによりランク4のX召喚の準備が整う。

トリガーにした通常召喚モンスターの効果も阻害しないため、立て続けに効果を使うこともできる。
例えば《ブリキンギョ》を召喚した場合、その《ブリキンギョ》と《カゲトカゲ》の効果をそれぞれ発動させることで星4が3体場に並ぶ。

主な役割はX素材になることなので、S素材にできない制約はあまり働かない。
とは言え他の素材には使えるため、特に爬虫類族を素材にするLモンスターも手っ取り早く召喚できる点は小さくない利点である。

キングレムリン》との相性は抜群で、《カゲトカゲ》をX素材にできる上に《キングレムリン》の効果でサーチができる。

なお手札に複数枚の《カゲトカゲ》がいたとしても、星4モンスターの通常召喚一度に対して効果を発動できるのは1枚だけである。
《カゲトカゲ》自体が通常召喚できないこともあり、複数枚採用すると事故の危険が高まるのは欠点と言えるか。


【ランク4】における活躍

ランク4モンスターが特に強力とされていた第8期から、《カゲトカゲ》は他の「容易に特殊召喚できる星4モンスター」と共に素材として活躍していた。
似た役割の《フォトン・スラッシャー》《ゴブリンドバーグ》などが存在。
優位点として、「必要なカードが手札に揃えばフィールドに関係なく特殊召喚できる緩さ」「手札で発動する効果なので《エフェクト・ヴェーラー》に引っかからない点」「通常召喚で発動するモンスター効果の使用を阻害しない」を評価されていた。
通常召喚できずこのカード単体では機能しない欠点はあったが、ランク4に特化させるデッキ編成なら《カゲトカゲ》と他の星4を握る確率は高い。


単なる素材役としても十分の活躍であったが、更に《カゲトカゲ》を活かす方法として「チェーンブロックを作る特殊召喚効果」である点を利用したものがある。
ガジェット】の派生デッキである【コアガジェット】にて、《サモンチェーン》の発動条件を満たすために利用するという方法である。
つまり、以下の方法で素材を確保できる。
  1. 3色のうち任意のガジェットを召喚
  2. ガジェット→ 《カゲトカゲ》→ 《サモンチェーン》の順に効果を発動
  3. 《サモンチェーン》の効果で3回まで通常召喚できるため、ガジェット3色と 《カゲトカゲ》で星4モンスターが4体並ぶ

一方でランク4全盛期の1つと言える第9期は大胆なインフレが発生した時期でもあり、その活躍に陰りも見えた。
特に【光天使テラナイト】などの爆発的にアドバンテージを稼ぐデッキが増加した結果、自身を手札から特殊召喚するだけのカードの価値が低下傾向にあったのは事実。
その中で《カゲトカゲ》を使う場合、「闇属性・爬虫類族」というステータスを活かすなどの工夫が求められていた。
具体的には前述の《キングレムリン》でサーチするか、素材として使い追えた後にカオスのコストに充てるなど。
溟界】は種族・属性が一致するデッキの1つで、それによるサーチ等の恩恵を受けられることから優先して採用されやすいカードではあった。


アニメでの活躍

アニメ遊戯王ZEXALの主人公九十九遊馬が愛用するモンスターの1体。
他のモンスターの通常召喚に反応して自身を特殊召喚し、《No.39 希望皇ホープ》等のランク4モンスターの召喚に幾度と貢献した。

ちなみにアニメ版の《カゲトカゲ》は自身の効果以外の方法でも特殊召喚が可能だった。
更に(X召喚を中心にした世界観なので当然とも言えるが)S素材にできない制約も無かった。
OCG化に伴い使い勝手は悪くなったが、それでも尚ランク4の隆盛を支えていたのは上記の通りである。

なお元は遊馬の所持カードだが、彼のデッキを借りたアストラルも使用している。
「vs天城カイト」ではカイトのフォトン・レオによって引き起こされた手札事故+そのターン中に《No.39 希望皇ホープ》をX召喚しないといけない局面に陥り、
このカードを召喚権と手札5枚*1を消費して無理矢理召喚する場面もあった。


リメイクカード

《オノマトカゲ》
効果モンスター
星4/闇属性/爬虫類族/攻1100/守1500
このカード名はルール上「ズババ」、「ガガガ」「ゴゴゴ」、「ドドド」カードとしても扱う。
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが手札・墓地に存在し、自分フィールドに
「ズババ」、「ガガガ」、「ゴゴゴ」、「ドドド」モンスターのいずれかが存在する場合に発動できる。
このカードを特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したこのカードはフィールドから離れた場合に除外される。
(2):墓地のこのカードを除外して発動できる。
自分の墓地からXモンスターを2体までEXデッキに戻す。
第13期第2弾「DOOM OF DIMENSIONS」にて登場した、《カゲトカゲ》のリメイクカード。
前弾で遊馬のオノマトカードが強化されており、その続きの収録となる。

なんと《希望皇オノマトピア》と同様に効果外テキストにより「ズババ」「ガガガ」「ゴゴゴ」「ドドド」の4つのカテゴリに属している
効果外テキストなのでデッキや墓地にいても適用され、サーチ効果などの恩恵を受けられる。
その上で元々「オノマト」に属しているため、合計5つのカテゴリに所属していることになる。
カテゴリによる連携は太い一方、これらのカテゴリに爬虫類族はいなかったため種族面の連携ができない点は注意。


(1)効果は自身の特殊召喚。
起動効果なので「召喚成功時」以外でも自由に発動でき、また墓地からも特殊召喚できる。
そのため《ドドドドウォリアー》で墓地に送るか《ズバババナイト》でサーチすることで即座に特殊召喚、そこからランク4が成立する。
勿論《ゴゴゴゴブリンドバーグ》で直接デッキから特殊召喚しても良い。
何気にリメイク前と異なり通常召喚も許されているため、手札に《オノマトカゲ》が二枚来ても片方を通常召喚しもう片方をこの効果で特殊召喚できる。

(2)効果は墓地のXモンスターのデッキ戻し。
EXデッキに戻すことで再度X召喚させることが可能。
特にXモンスターは単に蘇生させてもX素材を保持できず、つまり効果を使用できないことが多いため、再利用の方法として非常に有用。
オノマト系デッキは上振れ展開で序盤からXモンスターを大量に出すこともあるため、この効果で後々の備えになる点も嬉しい。
勝負が長期戦にもつれ込んだ場合、この効果でEXデッキを回復させればX召喚によって盤面を再度固めることになる。

ただし自身を墓地から除外するため、(1)効果の自己蘇生ができなくなってしまう。
両方とも有益な効果である故、2枚採用してそれぞれの効果を使える手はずを整えるデッキ構成もある。

総じて【ランク4】としての汎用性は保ったまま、13期水準を満足するカードと言えるだろう。
前のパックから考案された【オノマトライゼオル】にも加わり、同デッキのパワー底上げに貢献している。
特に《ドドドドウォリアー》で落とす候補になっていた《ドドドドワーフ-GG》の枚数を減らし、手札事故を防いだ点も大きい。
普通に展開補助としても有益だが、特に(2)効果で《ヴェルズ・ウロボロス》をEXデッキに戻し、再度X召喚してハンデス効果を再使用する働きが評価された。
他の再利用方法も合わせれば先攻1ターン目で複数枚のハンデスも十分に狙える程で、規制を受けた【ライゼオル】の補助輪として辣腕を発揮している。
【ライゼオル】が登場した第12期は9期以来の「ランク4活躍期」であったが、リメイクという方法で再びランク4展開を支えることとなった。
一方でこのカードの登場と活躍をもって《ヴェルズ・ウロボロス》が禁止カードになったため、ある意味トドメを刺した存在とも言える。


追記修正お願いします。


この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2025年10月09日 00:37

*1 《投下交換》《カゲトカゲ》《ズババナイト》《コロボックリ》《減量》