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F-ZERO

登録日:2025/10/08 Wed 18:34:30
更新日:2026/07/03 Fri 01:04:02
所要時間:約 20 分で読めます




宇宙の歴史が始まって以来…

最高にスピーディーで、最高に過激なレース!







F-ZERO(エフゼロ)』は、1990年11月21日に任天堂が発売したスーパーファミコン用ソフト。
ジャンルはレースゲーム。


⚡️概要

未来世界で浮遊マシンがレースを繰り広げる『F-ZERO』シリーズの記念すべき第一作目。

スーパーファミコンのローンチソフトとして『スーパーマリオワールド』と同時にリリース。
同ハードの持つ「グラフィックの回転、拡大、縮小機能」を活かした時速400km/hという表示が全く誇張に感じられないほど凄まじいスピード感、実在のレースさながらのライン取りのアツさ、そして決して油断ならないシビアな難易度が極めて高い評価を得た。
特に最初のコースミュート・シティⅠにおけるタイムアタックは多くのプレイヤーが熱中。少しでもタイムを縮めるべく様々なテクニックが生み出されていった。




当時辛口で有名だったファミ通のレビュアーが初めて満点を出す、当時駆け出しの技術であった3Dポリゴンを使ったのではないかと展示会で言われるなど、数々の逸話が存在する。
もちろん3Dポリゴンは本作では用いられていない。
ポリゴンを用いたレースゲームの草分けである『ウイニングラン』(1989、ナムコ)が稼働して間もない時期であり、最新技術のアーケード作品と比較されるほどだったというところに本作の完成度が窺える。
後のスーパーファミコンでは、本当に3Dポリゴンを用いた『スターフォックス』や『ワイルドトラックス』などの作品が発売されることになる。

⚡️あらすじ



⚡️ゲームモード

  • グランプリ
5つのサーキットを連戦し、CPU達と速さを競うモード。
リーグはナイト、クイーン、キングの3種類。
難易度は、ビギナー、スタンダード、エキスパートから選択する。条件を満たすと更なる高難易度マスターが出現。
レースには規定順位が設けられており、その順位以内でゴールラインを通過できなければ失格となる。規定順位はラップ毎に上がっていき、最終的には3位以内でゴールする必要がある。*3
規定順位オーバー、クラッシュアウト、ポーズ画面からギブアップのいずれかにより失格となった際はスペアマシン(残機)を1台消費して再挑戦可能。*4
スペアマシンが尽きたまま失格になればゲームオーバー。

  • プラクティス
練習用モード。タイムアタックモードとしての側面も持っている。
走れるコースは7つのみで固定。
練習相手としてCPUによるライバルマシンを1台だけ指定可能。ノーライバルにして1人だけで走ることもできる。

  • レコード
上記のどちらかにおいて、1コースでも完走し記録を残せば出現。
過去に完走したコース毎に、ベストラップと総合タイムが見られる。
タイムの下線が桃色だとグランプリ青緑だとプラクティスの記録*5

⚡️システム

  • パワー
画面右上にある体力ゲージ。
他マシンやガードビーム、トラップにぶつかると減少していく。一定値以下になるとパワーダウン状態となりマシンの速度が低下。そしてパワーが尽きればマシンが爆散し、失格となる。
パワーが減った際は、後述のピットエリアに入ることで回復できる。

  • Bボタン:スロットル(アクセル)
マシンが前進する。
スタート直前から押し続けるとちょっとしたスタートダッシュが可能。
しかし長く押しすぎると勢いよく飛び出した直後に大きく失速してしまう*6ため、基本的にスタートのコンマ数秒前から押し始めると良さげ。
きつめのコーナーでは適度にアクセルを離すと曲がりやすくなる。

  • X/Yボタン:ブレーキ
マシンが減速、停止する。とはいえ減速するなら大抵アクセルを離すだけで事足りる。

  • Aボタン:スーパージェット(S-JET)
マシンが急加速し、数秒ほど高速走行できる。
コースを1周するごとに1回分の使用権が与えられるため、1レースにつき4回使用できる。
ただし使用権のストックは3回分まで(=ファイナルラップ突入までに全く使用しないと1回分無駄になる)なので注意。

  • 十字ボタン左/右:方向舵左右運動(ハンドル)
マシンが旋回する。方向を微調整したい時は短く小刻みに入力していこう。

  • 十字ボタン上/下:ジャンプ中の飛距離調整
ジャンプ中、上入力で飛距離を短く、下なら長くできる。
また、着地寸前に下入力していれば減速せず綺麗に着地できる。

  • L/Rボタン:左/右に重心移動
マシンの向きを変えずに横方向へスライドする。
ハンドルと併用すると鋭い角度で切り込むコーナリング*7も可能。

⚡️マシンとパイロット


▶︎ ブルー・ファルコン


あらゆる性能のバランスが取れた万能型。
癖がなく扱いやすいことから、初心者が基本操作を身につけるのに最適な一台。グランプリを安定してクリアしたい人にもオススメできる。
ただし速度面の性能はやや控えめなため、速さを追求するとなると物足りなさを感じてくるかも。

パイロットはキャプテン・ファルコン
年齢不詳*8。ポート・タウン出身。
F-ZEROパイロットであると同時に凄腕の賞金稼ぎとしてその世界では有名らしい。
説明書に掲載されたコミック『THE STORY OF CAPTAIN FALCON』では主役を務めており、彼の賞金稼ぎ稼業の様子が描かれている。

▶︎ ゴールデン・フォックス


加速性能に特化したマシン。
…なのだが最高速度、惰性*9が全マシンで最低なのでどうしようもなく遅い。
さらにグリップが悪く、コントロールするにも一苦労。おまけに打たれ弱さもワーストクラス。
これらの理由から上級者向けマシンとされてはいるが、扱い辛さに見合った強みもなく、大抵の上級者はファイア・スティングレー一択になるため好事家向けと表現した方が適切かも。

パイロットはドクター・スチュワート
本名はロバート・スチュワート。
31歳。ミュート・シティ出身。
医師としてのエリートコースを歩んでいたが、父ケビン・スチュワート博士の死を機に、その遺産であるゴールデン・フォックスのパイロットとしてグランプリに参加した。
コミックではキザでナルシストな性格として描かれており「走りの芸術家」を自称していた。
ちなみに説明書のイラストでは右手にカクテルらしきものを手にしているが、海外版では腰に手を当てたポーズへと描き直された。*10

▶︎ ワイルド・グース


打たれ強さに特化した性能で、耐久力が高い上、他のマシンにぶつかってもバランスを崩しにくい。そのため大量のNPCマシンやトラップが揉み合うグランプリで真価を発揮する。
しかし旋回性能が低く、僅かなハンドリングでも失速しやすい。おまけに加速性能も悪い部類のため、コーナーの多いコースは苦手。
説明書には「攻撃的な走りを重視」と書かれているが、実際はむしろ安全重視で走りたい慎重派向きのマシンと言える。

パイロットはピコ
34歳。デス・ウインド出身。
元ポリポト軍の特殊部隊で働いていた軍人らしい。
表向きはF-ZEROパイロットだが、裏では有能なヒットマンという噂もある様子*11
性格は攻撃的だが、それを補う冷静さも併せ持つ。コミックでは攻撃的というより血に飢えたサイコパスのような爆弾発言を見せた。

▶︎ ファイア・スティングレー


最高速度、惰性、グリップが全マシン中最高で、打たれ強さも優秀と調整ミスを疑うレベルの高性能マシン。
その速さが仇となり、道幅の狭い急コーナーではブレーキをかけるか壁に激突しつつ突破する必要があるが、それでもなお400km/h以上を維持できたりする*12ため強力なことに変わりはない。
加速性能が極めて低いという欠点はあるものの、他のマシンに上手く追突してもらうことで一気に速度を上げてしまえる。
ミスさえしなければ非常に速く操作性も良い本機はタイムアタックと相性抜群であり、多くのプレイヤーに愛された。

パイロットはサムライ・ゴロー
年齢、出身地ともに不詳*13
レッド・キャニオンをアジトとする盗賊団のボス。
身分を隠してグランプリに参加しているが、彼のマシンは盗品ともっばらの噂。
コミックでは、狙っていた賞金首をファルコンに横取りされた借りを返すべく、ナイトリーグに飛び入り参加したことが明かされている。

NPCマシン(仮称)
グランプリにのみ登場するCPU専用マシン。
茶色点滅紫色緑色の4タイプが存在する。
茶色点滅タイプは周回遅れという名目で現れる障害物ポジション。特に(パワーダウン中と思われる) 点滅タイプはぶつかると爆発し、パワーも速度もごっそり持っていかれてしまう。
そのためこれらをいかに無駄なく回避するかがグランプリ攻略のカギとなる。
一方で紫色緑色タイプはメインの4台のすぐ後ろを周回遅れ達と違って真面目に走っており、マスタークラスでは彼らが上位に食い込む光景も珍しくない。
後述する『F-ZERO 99』ではこれらNPCマシンをモチーフにしたバンパーが登場しているが、性質がかなり異なるため同一の存在として扱っていいかは微妙なところ。

⚡️惑星都市

F-ZEROグランプリは9つの惑星で繰り広げられる。惑星によっては複数のサーキットが設けられていることも。

  • ミュート・シティ
別名ミュータント・シティ。
宇宙間交易によって繁栄した、宇宙連加盟惑星最大の都市であり、その人口は2億人を超える。
3つのリーグ共通のオープニングがここで飾られる。
ドクター・スチュワートの出身地。

  • ビッグ・ブルー
地表の99%以上がに覆われた星。

  • サンド・オーシャン
地表一面が流砂に覆われた星。かつて原始生物が生息していたが、今は化石でしかそれを確認することはできない。

  • デス・ウインド
一時たりとも休むことなく、強い風が吹いている星。
ピコの出身地。

  • サイレンス
物音一つ聞こえてこない、静寂の星。

  • ホワイト・ランド
地表が水晶に覆われた、宇宙一ロマンティックな星。

  • ポート・タウン
古くから宇宙交易の中継点となっていた港町。
キャプテン・ファルコンの出身地。

  • レッド・キャニオン
サムライ・ゴロー率いる盗賊団のアジトがある惑星。コミックにもこの惑星と思しき場所が描かれている。

  • ファイア・フィールド
キングリーグ最終戦が行われる惑星。
説明書に全く情報が記されていないため、少なくとも本作の時点ではどのような設定なのかを窺い知ることはできない。(後発の作品では設定にブレがある。)
ただし説明書には『9つの惑星』と記されているため、ここも一応惑星としてカウントされている様子。

⚡️ギミック

  • 反重力ガードビーム
コース両脇に存在する、円盤をずらっと並べたような形の壁。
掠めるとダメージを受け失速、さらに激突すれば強く弾き飛ばされてしまう。

  • ピットエリア
どのコースにもホームストレートあるいはその付近の一定地域に設けられている。
乗ると上空からオフィシャルカーが現れ、パワーを回復してくれる。
後発の作品と違い、ピットインしてからオフィシャルカーの準備が整うまで一瞬のタイムラグがある点に注意。
回復量はピットエリアの滞在時間に比例するため、たくさん回復したい場合は減速も視野に入れよう。

  • ジャンププレート
乗るとマシンがジャンプする。
上記の通り、着地直前に下入力し続ければ減速せずに着地可能。
ジャンプ中は僅かに加速できる*14ため、積極的に乗っていこう。
コースを飛び越えてのショートカットも可能だが、コース内に着地できなかった場合は救助などもなく即爆散する。
また長距離を飛び越えすぎると反則行為と見なされ、オフィシャルカーに引っ張り上げられ定位置まで戻されてしまうため要注意。

  • 下方向強制マグネット
一部のジャンププレートとセットで登場。
ジャンプ中のマシンが下方向へと引きずりこまれる。ジャンプしていない状態で触れるとダメージを受け失速してしまう。

  • 左右方向強制マグネット
マシンを横へと引き寄せてくる。こちらも触れるとダメージを受け失速する。

  • 強制減速ゾーン
乗ると速度が落ちてしまう。
場所によってはS-JETを発動して強引に突っ切るのも効果的。

  • 磁場遮断コーティング
乗るとマシンがスリップし、バランスを崩しやすくなる。
よくコーナーとセットで配置されているため、アクセルオフも交えて丁寧にコーナリングしていこう。

  • ダッシュゾーン
乗るとマシンが急加速する。
超高速状態のマシンはコントロールが難しいため、事前に体勢を整えてから乗ると良さげ。

触れると爆発し、マシンがダメージを受け弾き飛ばされてしまう。
避けるのは難しくないが、CPUがこれに弾かれて変な方向へ吹っ飛んでくることがあるため警戒しておこう。

  • 横風
惑星デス・ウインドは常に強い風が吹き荒れており、マシンが一定方向へと押し流されてしまう。
右へと流されるホームストレート、左へと流されるバックストレートは特に注意が必要。

⚡️コース紹介

プラクティスで選択可能なコースは下線付きで表記。




⚡️余談

WiiWii UNew3DSにて『バーチャルコンソール』として移植された。
ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコンや『Nintendo classics』でも収録ソフトの一つとして登場。
ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン発売時には公式で本作開発者へのインタビューが掲載された( リンク )。
また、『大乱闘スマッシュブラザーズX』、『大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U』では時間制限付きでプレイ可能な『名作トライアル』に収録されている。

本作を元に独自の解釈やアレンジを施した尾崎克之氏による小説『F-ZERO…そしてスピードの神へ』が双葉社から発刊された。
(執筆された時期を踏まえると仕方ないのだが)後発のシリーズ作品とは設定が大きく異なるため、パラレルワールドに相当する作品と言える。
ファルコン達が活躍した時代よりも未来の話」「オリジナルキャラが主人公で、キャプテン・ファルコンからブルーファルコンを受け継ぐ」「(意図的に)マシンを高速回転させての体当たり」「F-ZEROマシンにレギュレーション違反である武器を搭載する(それも主役サイドが)」等、後発のシリーズ作品を先取りした描写が見られる。

サテラビューにて、本作をベースに新たなコースやマシンを実装した『BS F-ZERO GRAND PRIX』『BS F-ZERO GRAND PRIX 2』が期間限定で配信。

さらにNintendo Switch Online加入者限定特典として、本作を99人によるバトルロイヤルにアレンジした『F-ZERO 99』が登場。
システムには大幅な変更が加えられているが、後に本作のルールとマシン間の性能格差をリスペクトした『クラシックレース』が実装された。

本作発売後に2人プレイができる『F-ZERO』の開発テストが行われたが、ハードの制約上、長い直線コースを2分割の画面で表示するということが不可能なことから計画は立ち消えた。
代わりに曲線を増やして真四角状のコースに収め、それに合わせてマシンもカートにするという方向性の転換がなされた。
そうして完成したのがかの『スーパーマリオカート』である。




他の項目には負けられない!

わたしの追記を全てのWiki篭りに捧げよう。

修正は遊びじゃねえぜっ!のろまはどきやがれっ!

お前らに、良項目ってやつを教えてやろう!

画像出典 Nintendo Classics版 F-ZERO
©1990 任天堂



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最終更新:2026年07月03日 01:04

*1 約91.44m。

*2 約30.48cm。

*3 また、順位が20位まで落ちるとコース上のどこにいようと即リタイアとなるが、例え初心者であっても狙ってやらない限りまず起こり得ないと言える。

*4 スペアマシンは、レース中に得られるポイントが一定値に達するごとに追加される。

*5 説明書ではそれぞれ赤と緑として記載されている。

*6 この性質を逆手に取り、他マシンの前方へと飛び出て追突してもらうことで加速するテクニックも存在する。

*7 このテクニックは後発の作品では「スライドターン」と呼称されている一方で、『F-ZERO 99』では「ドリフト」名義となっている。

*8 ただし説明書では同時に「30代前半と思われる。」との記述もある。

*9 速度維持性能。この性能が優秀なほど加速した後の勢いが長続きする。

*10 部分的な修正ではなく、イラスト全体が描き直されている。後に『F-ZERO 99』では、日本版をベースに右腕周りだけ海外版準拠に描き直したアートワークが用いられている。

*11 後発の作品では本当にヒットマンだったことが発覚。

*12 同じようなコーナーでは、他のマシンは400km/h未満にまで減速しないと突破できないことが多い。

*13 説明書では同時に40代前半の日系人とも記載されている。

*14 最高速度で走行中のファイア・スティングレー及びS-JET発動中のマシンを除く。

*15 本作の時点では正式名称が不明なため、『F-ZERO 99』より引用。

*16 ロータリー部分は左右対称だが、コースが右回りなため最短ラインを突き詰めると右ルートが僅かに短いことになる。

*17 ジャンププレート、下方向強制マグネットだけは未登場。

*18 ファイアスティングレーだけは例外で、ピット出口に配置されているダッシュゾーンで得られる恩恵の方が大きい。