なん者ひなた丸

登録日:2012/09/06(木) 09:42:02
更新日:2023/09/06 Wed 02:22:38
所要時間:約 6 分で読めます





『なん者ひなた丸』とは、あかね書房出版の児童文学。「なん者・にん者・ぬん者」シリーズとも。
作者は斉藤洋。ルドルフとイッパイアッテナの人。

15巻出ており、巻毎に主人公のひなた丸がその巻で使う術の名前がサブタイトルになっている(一部例外アリ)。


◆あらすじ
時は戦国時代
何田の国に住む雲隠れ流の忍者見習い「なん者」のひなた丸は子供ながらも人手不足により様々な調査や任務に駆り出される。
毎度毎度ピンチになるひなた丸だが、それをどう切り抜けるか……?


舞台は主にひなた丸が住む何田の国と、その隣の大国である堂田の国がメイン。その他にも、適宜亜々田の国や飛田の国等が登場する。


◆登場人物
  • 雲隠ひなた丸
主人公で、忍者見習いの「なん者」。
心身共にまだ子供で、恰好付けを優先したり、座学を嫌がって新しい術を習いたがったり、人を信じ過ぎる所がある。
しかし、忍者の修行の影響か同年代の子どもよりは大人びており、逆境にも負けない精神力を見せたり、その場の空気を読んで言いたいことを我慢する場面もある。
特技は宙返りしている間にの着ぐるみを着込む猫とんの術。宴会芸にされてしまったこともあるが、着ぐるみには鉄の爪が仕込まれており、それで引っ搔いて攻撃することもできる。
また、特製の玉を投げると蜘蛛の巣のように粘着性の糸が広がる白くもの術はひなた丸はまだ修行が足りない為に上手く扱えず、投げても雪だるまのように対象の周囲がベトベトになるだけである。
そのほか、バンジーの要領で宙づりになって上空から攻撃する○○がすみの術(〇〇は相手の視界を奪うものによって変わる。宙づりになっていることがバレると一気に不利になってしまうため視界が悪い状態で使う必要がある)も習得している。
他にも西遊記を読んでインスパイアを得た竹製の如意棒や、南蛮人から貰ったルーペ等を所持している。
散々煮え湯を飲まされた堂田の国を含め立てた手柄のおかげで評判が広がってもいるが、逆に忍者見習いであることも伝わっており、忍者が舐めプで戦ってラッキーパンチで勝ちを拾うこともそれはそれは多い。


  • 雲隠三蔵
ひなた丸の祖父で、忍者を極めた「ぬん者」。
基本的に人が出払っている為、屋敷にはいつもひなた丸と二人だけで、ひなた丸の事は可愛がっている。
隠居した身で実力は非常に高く、一度、投獄されたひなた丸を救いに来たり、よく分からない術で何田の国を救った。

  • 雲隠くも丸
ひなた丸の叔父で、木とんの使い手。
帰ってきた時は度々ひなた丸に忍術を教える。彼以外の忍者がほとんど出てこないため一番暇?
ひなた丸の母親は登場した事があったが、父親のかげ丸は一族で最も優れた忍者である為、作中では姿は見せない。

  • まる丸
大きなイノシシで、くも丸からひなた丸に相棒として譲られた。また、二人の修行相手となる事も。
大イノシシらしいタフネスと犬丸と彼の犬を足止めしたのち、戻ってきて人間二人が乗って飛べる巨大凧を長時間飛ばすほどの揚力を得るために疾走するという、イノシシにあるまじき知能を誇り、人語の理解はもちろん、ひなた丸が見破れなかった変装を見破り、警告を促したが、その後くも丸が敵に捕らわれていると知ると相手の出方をうかがうため泳がして、絶妙なタイミングで助けに来たことすらある。

  • 犬神犬丸
犬神流の忍者で、10匹のを呼び寄せる犬とんの術の使い手のオッサン。
景気づけと称してしょっちゅう馬鹿笑い・・・もとい高笑いをする。
当初はひなた丸が護衛するさくら姫を襲撃する堂田の国が雇った敵だったが、以降は共に手品を見に行ったり、ひなた丸の潜入任務のサポートをする程の仲に。
ちなみに犬神流は初登場作での失敗が原因で元々所属していた流派を抜けた犬丸が勝手に名乗っている流派なので実質無所属である

  • 龍宮亀々斎
雲隠流と敵対する龍宮流の頭領で、しのびを極めた「すのびの者」。
一度は幻術でひなた丸をとらえ、勝利したが、その後の巻で南蛮人から貰ったルーペ、鏡を駆使した南蛮尽くしの術に敗北した。
泳げない。

  • 龍宮子亀丸
亀々斎の孫で、しのび見習いの「さのびの者」。
この他、彼の両親である龍宮浦島丸や龍宮乙姫ともひなた丸は戦う事になる。

  • 勘兵衛
元は堂田の国の百姓で、厳しい年貢の取り立てにより百姓一揆を企てていたが、たまたま通りかかったひなた丸が請け負うことになる。
百姓一揆を一人で成功させたこと、その後何田の国に住んではどうかと提案してくれた恩義、そしてひなた丸が忍者では無くなんじゃと名乗ったことでなんじゃを神か仏の一種と勘違いしてしまい、ひなた丸が嫌がっているのに彼を神格化している。

  • 星手宇留左衛門、黒三角の勘助
まるで干物を売るためだけに生まれたかのような名前の海賊。元は堂田の国の城大工だったが、機密を知ったことで島流しの身になってしまう。その島で船を造り、海賊になった。漁船を襲い、盗品をそのまま売ってしまったのでは足がつくと思い、盗品を使って干物を作成し、生計を立てていた。その味は才蔵すらもレシピを盗みだすようひなた丸に指示するほど。
子亀丸の裏切りで一緒に投獄されたひなた丸の説得で共闘したのち何田の国に自主。盗んだものを弁償しながら大工を続けることとなり、ひなた丸の窮地を幾度となく救うこととなった。
黒三角の勘助は彼の部下で、イルカと仲が良く、黒三角もイルカの背びれが名前の由来。


基本的に一話完結だが1巻で倒した敵の友人が後に出てきたりと巻を跨いで話が繋がっている事も多い。
11巻の決め技である「空蝉おとしの術」に至ってはその後のエピソードでも使用されている。

追記・修正お願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • なん者ひなた丸
  • 児童文学
  • 戦国時代
  • 忍者
  • 斉藤洋
  • 猫とんの術
  • ショタ

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2023年09月06日 02:22