チョー(マテリアル・パズル)

登録日:2014/02/27(日) 17:27:07
更新日:2024/08/15 Thu 14:28:36
所要時間:約 ? 分で読めます




チョーとは、漫画「マテリアル・パズル」の登場人物。

初登場は第二章「眠れる城の王子様」からで、アダラパタに召集をかけられメモリアへやってきた女神の三十指の一人である。

小柄で小太り、禿げ頭とチョビ髭に、ショボショボした目つきが特徴のおじさんで、腰が低く、どもりながら話す癖がある。
いつもスーツ姿で、首には魔法器具であるカメラを掛けている。
いわゆるテンプレな日本の冴えないサラリーマンといった感じで、第二章で一気に沢山登場した三十指の中ではだいぶ影が薄い感じ。

使用する魔法は『怨身万華鏡』。
効果はいたってシンプルで、魔法器具のカメラで撮影した相手に、自分のダメージを伝えるというもの。
作中での初使用は五本の指の一人夜馬に対してで、ご丁寧に自己紹介してから魔法を発動。
自分の顔面をぶん殴ることで夜馬にそのダメージを伝え、仲間の三十指と共に彼の暴走を抑える役割を果たした。
もっとも、仲間の三十指数人がかりでも夜馬は止められず、最終的に彼の暴走を止めたのはアクアのブラックブラックジャベリンズであったが。

その後、メモリア魔法陣に出場するが、彼の戦う第一段階目、第五戦の相手は前述の夜馬。
もう一人も三十指のドルチルであり、勝機が薄い上に命の危険がガチで高いこともあり、ここはむやみに争ったりせずに夜馬に勝ちを譲って終わりであろう。


追記修正お願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/













「バカとハサミは……」
「くくくく…」


対戦するのは敵の三十指のみ、しかもそのうちの一人は第二章のボス格。
多少の波乱やドラマはあろうとも、夜馬の勝ち自体は動かない……読者の大半がそう考えていたであろうこの試合。

が、ここでチョーはドルチルに紙飛行機の手紙で「コクマはヨマに殺された」というメッセージを送る。

この事実を知らされたドルチルは激昂。
相性的にも厳しいだろうと思いきや実は恐ろしい爆発力を秘めていたドルチルは、遥か格上のヨマを熱と光で包み込むことで圧倒し、彼と共に場外へ。

結果、第五戦の勝者はチョーに決定するのであった。

そして……






「ミカゼくん……やるね」
「獣以上にとらえるのがやっかいだよ。さてどうしたものか………」
「いや考えるまでもないか」
「この闘いは1対1邪魔者はいない…」
「それにもうこれは決勝…最後の戦いだ……!!」
「もはや臆して潜む必要などないッ!!」
「私の全てを出し尽くし勝利を手に入れてやるッ!!」


チョーはそのままメモリア魔法陣第二段階で、グリンにリゼルという強力な魔法使いを下し、最終段階・決勝でミカゼと対戦することになる。
そしてそこで、彼はとうとう本性をあらわす。

かつては妻子を持つ普通のお父さんだったチョー。
しかし、あるとき息子のリューは幼くして病死してしまい彼は妻ともどもひどく落ち込むこととなる。
……が、それでも立ち直ろうとした矢先に、死んだはずの息子から手紙が届くようになる。
本来なら決してありえないその手紙を彼は信じ込んでしまい、リューに会いに行くと言い残して、妻の前から姿を消してしまった。
そうして彼は三十指の一員となる。
女神に尽くしていれば、いつか息子に会えると信じて……。

普段の弱そうな表情や口調は全て演技で、本当の力を隠していたチョー。
決勝の彼は今までとは別人のような鋭い眼光を放ち、装いもそれまでのスーツ姿から武道着に。
本人曰く、魔法なしなら五本の指の次くらいと評するほど鍛え上げた体術の実力は本物で、俊敏な身のこなしと、優れた格闘術でミカゼを追い詰めていく。

加えて、彼の魔法『怨身万華鏡』には、読者が予想していた以上の恐ろしい力が隠されていた。


使用魔法
名前:怨身万華鏡
属性:鏡
魔法レベル:78
魔法アイテム:カメラ

怨みのエネルギーを変換し、自分のダメージを鏡のように伝える魔法。対象の顔写真を魔法器具のカメラではっきりと撮影に成功することで発動する。
もちろん、相手のダメージが自分に返ってくることはない。
更に、この魔法は自分のダメージだけでなく、樹や草や岩、動物や虫などのダメージも全て相手に向かう。即ち相手が「何かが傷ついた」と認識しただけで、そのままダメージが伝わってしまう
人によってその効果は大きく上下するが、人の痛みをまるで自分のことのように感じてしまう心優しい人ほど特にダメージを与えられる
もちろんミカゼはこの魔法に強い影響を受ける。

加えて、魔法とは別に『画竜点睛』という拳法も会得している。
数年山にこもって身につけた技で、相手の体中に波紋のように衝撃を走らせ、それがぶつかる部分を突くことで、内部破壊を引き起こすことができる。


強力な魔法と体術による隙のない力でミカゼを完全に圧倒するチョー。
多少の攻防を挟みつつチョーの圧倒的は有利は覆らず、それでも仲間のためにもミカゼは死を覚悟しながら根性で耐え抜いていたが、
最終的に戦いによって背後の岩山が砕かれ始めたことを認識し、全身に大ダメージを受け始める。

そして岩山が完全に崩壊し、チョー自身も勝利を確信するが……


「若いミカゼの死と…老いた獣の死……」
「どちらか…ひとつなら…天秤にかける必要すらない…!!」
「わが弟子よ…これでこやつの魔法は解かれふり出しに戻った…」
「闘いは……これからだ……!!!」


ミカゼのお面に憑りついていた獣面が、お面ごとミカゼから離れることでミカゼの顔を変えるという奇策により怨身万華鏡が無効化。
条件は既にネタバレしているので顔を写されることも回避される。

それでもなお、今までのダメージの蓄積から自身の優位は変わらないと闘いを続けるチョーであったが……


「もういい……!!」
「あんたの事も奥さんの事も――…!!」
「息子のリューの事も……」
「禁断魔法もどうでもいい――」
「あんたをぶっ倒せばそれでいい――」

師匠を失った悲しみと怒りを力に変えたミカゼは、逆にチョーを圧倒。

「負けるはずがない……!!」
「皆から…いろんなものをもらった俺が負けるはずがない!!」
「幻の希望にすがりつく空っぽのあんた達なんかに………!!!」
「負けてたまるか…ッ!!!!!」

激しい打ち合いの末に勝負はついに決着。

それでも息子に再び会うという執念で、渾身の一撃を喰らってもなおミカゼに襲いかかるチョーであったが、ギリギリのところで息を吹き返した獣面の助けもあって完全に撃破される。
メモリア魔法陣優勝者はミカゼに決定するのであった。


その後は、メモリア城に保護され療養生活を続けている。
彼を追ってきた妻に助けられ、少しずつ目を覚ましていくようである。



初登場の地点ではどう見ても弱そうなビジュアルの上、魔法陣までの出番も大してなかったため、その後の活躍から読者を大いに驚かせたキャラクター。
連載時にはガンガン本誌でメモリア魔法陣の優勝者予想企画が行われていたのだが、彼はなんと読者予想の投票でビリ
全試合の結果予想を的中させた読者はゼロという大波乱を演出した。

土塚「弱そうに見えて実は結構やるキャラというのはよくあるタイプですが、さすがにチョーはバレなかった、よかった」

作者曰く、ミカゼが彼と闘い、お面をとるという展開は彼がお面を被った当初から決めており、早く描きたかったがずっと我慢していたとのこと。



ちなみに、単行本のおまけFILEで語られた設定によれば、怨身万華鏡の対象にできるのは一度に一人だけ。
また、写真を奪い取り破るか、1km以上離れることで無効化できるという弱点が存在している。
もっとも、メモリア魔法陣の最終段階は1対1の闘いで、舞台は小さな無人島のマージ島、そして魔法を使うのは格闘技の達人であるため、
どのみちミカゼがこれらの弱点を突いてチョーを攻略することは不可能だった。


セロクロイツでのインタビューによると、清村は彼と同程度の実力らしい。
しかし清杉にはそんな清村よりも強いらしい不良やら明確に強い女の子やらがいる。恐ろしい世界である。



追記修正はメモリア魔法陣の展開を完全に予想できていた方にお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2024年08月15日 14:28