シュヴァリエ 〜Le Chevalier D'Eon〜

登録日:2014/05/15 (木) 15:00:00
更新日:2023/07/16 Sun 17:08:06
所要時間:約 5 分で読めます




主よ、私の正義に歓喜を与え賜え

主よ、どうか彼らの上に恐怖を投げ、彼らが人間に過ぎぬ事を思い知らせ賜え

主は私の魂を苦悩から救い、私の敵、私を責める者を尽く打ち砕く

その真実と忠誠の名において、私はお前に報復する

シュヴァリエ 〜Le Chevalier D'Eon〜は2006年制作のテレビアニメ。

概要

冲方丁の原作を元に、小説、漫画と様々なメディアミックスを行っている。
どの作品も実在の外交官、デオン・ド・ボーモンを主人公として、18世紀末のヨーロッパを舞台としている点は共通しているが、その他の設定、キャラ描写は大きく異なる。
本項では、アニメ版を解説。

「騎士の時代の終焉」である18世紀末を舞台に、騎士達それぞれの「忠誠」が描かれてゆく。
当時のヨーロッパ周辺諸国の歴史的事実及び錬金術などのオカルトが混在する世界観を持つ。
実在の人物が多く登場するが、架空の人物や年代が一致しない人物も存在する。
綿密な時代考証に基いた脚本は非常に高品質であり、フランス革命を数十年後に控えた18世紀末をよく捉えて描かれている。
歴史的な知識を持ってみるとより楽しめる反面、そういった予備知識ゼロで見た場合わかりにくい可能性が無いこともない。

プロダクションIGがアニメーションを制作しているだけあり、作画は全体的に安定している。
とくにOPは曲の良さも相まって非常に高い完成度を誇り、同じくIG制作のテイルズオブシリーズのOPに似てたり似てなかったり。
作品は知らないけどOPは知ってるよ、という人もいるのではないだろうか?

WOWOW深夜枠のみでの放送だったこともあり知名度は低いが、一度は見ておいて損の無い隠れた名作である。
少年や青年が度々女装するため、そういった嗜好のある紳士淑女にもオススメ。
ちなみにシュヴァリエとは、フランス語で騎士を意味する。

物語

18世紀フランス。一人の女性の亡骸が棺と共にセーヌ河に流された。
彼女の名はリア・ド・ボーモン。
それが全ての始まりだった。

亡骸は水銀に満たされ腐ることが無く、教会からも埋葬を拒否されてしまう。
リアの弟であるデオン・ド・ボーモンは姉を殺害した犯人を突き止めるため奔走するも、水銀の血を持つ怪物に襲われる。
絶体絶命の状況下、デオンの体にリアの魂が宿り…

姉の冥福のため、忠誠の名の下仲間達と共に捜査を続けるデオン。
詩人と呼ばれる謎の存在、襲い来るガーゴイル。そして革命教団。
様々な勢力の思惑が交錯する中、やがてはフランス国王ルイ15世の出生に関わる更なる謎の核心に迫っていく。

登場人物


主要人物

デオン・ド・ボーモン

主人公。姉リアの魂を体に宿し、時折彼女と人格が入れ替わる。
顔は中性的でリアに瓜二つであり、化粧をすると他人には見分けがつかないほど似ている。
おかげでいく先々で女装する羽目になる。フランス=ルイ15世への忠誠心に厚い性格。
「人生の前半を男性として生き、後半を女性として生きた」という史実通りの人生を歩む。
ナレーションは壮年期の彼の回顧録である。本名は糞長い。

ロビン

マリーに仕えるショタ。
彼も女装するが、その姿は侍女にしか見えないと絶賛(?)された。

デュラン

ルイ15世に仕える機密局員。リアの元同僚。
女好きだけどホモにもモテる。

テラゴリー

元フランス最強の騎士。目隠しして相手を圧倒できる高性能じいちゃん。
現在でも衰え知らずで、剣だけでなくかなりの酒豪。
リアとデオンの剣の師匠でもある。

フランス

リア・ド・ボーモン

デオンの姉。第一話で遺体となってセーヌ川に流れ着く。
その魂は度々弟デオンに憑依する。この物語のキーパーソン。
聡明な女性であり、暗号解読の専門家。剣術にも優れていた。
詩を読む力に長けており、敵の詩の力を無効化できる。シュヴァリエ界のザ・ボス

ルイ15世

最愛王と呼ばれるフランス国王。一筋縄ではいかない人物。

マリー・レクザンスカ

フランス王妃。何か色々知っているようだが教えてくれない。

ベル

マリーとだけ会話する可愛い髑髏。お母さんを探している。

アンナ

リアの友人でデオンの許嫁。
姉を失ったデオンを心配して甲斐甲斐しく世話を焼いてくれるよくできた娘。
デオンが朴念仁すぎるため苦労が絶えない。パレ・ロワイヤルで彼の帰りを待っている。

その他

マクシミリアン・ロベスピエール

革命教団の一員。リアと面識があるようだが・・・声からして黒幕オーラを全身から漂わせる。
詩の力を使う。OPのポーズは実際の肖像画と同じ。

サンジェルマン伯爵

革命教団の一員。
各地で暗躍する錬金術師。詩の力を使う。

カリオストロ伯爵

革命教団に協力するが、メンバーではない。
忠義とは無縁だが、作中のムードメーカーでもある。

ボロンゾフ

リア殺しの容疑者として名が挙がったロシア人。

女帝エリザベータ

ロシアの女王。リアの友人。

ゲルシィ

元機密局員で、デュランとは旧知の仲。
フランスへの忠誠心はあれど基本的に金で動く。ある意味現代人に近い考え方。

用語

力を持つ言葉、日本で言えば言霊か。
要は詠唱魔法だと思えばよい。

詩人

詩の力を読み解き行使できる人間のこと。
書物に書いた内容が海を越えて即座に相手に届いたりと、まるで現代のメールのような使い方もできる。

王家の詩

フランス王家の秘密が書かれているらしい最重要機密書類。

革命教団

ヨーロッパ諸国の裏で暗躍する巨大組織。
元ネタはフリーメイソン。



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最終更新:2023年07月16日 17:08
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