ザ・ボス

登録日:2009/08/08(土) 12:57:49
更新日:2021/03/03 Wed 23:48:37
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「スネーク。まずはCQCの基本を思い出して」


ザ・ボスとは「メタルギアソリッド」シリーズの登場人物。
声優は井上喜久子氏。


【概要】

第二次世界大戦で活躍したコブラ部隊の元リーダーであり、「特殊部隊の母」と呼ばれる伝説の英雄。

ネイキッド・スネークの師匠であり、彼に多大な影響を与えた人物。

戦場で抱いた感情を自身のコードネームとするコブラ部隊では「ザ・ジョイ」と名乗り、その名の通り戦場では喜びを感じていたらしい。東側諸国からは「ヴォエヴォーダ」(ロシア語で「女戦士」の意味)と呼ばれている。

第二次世界大戦後にコブラ部隊を解散。
戦時中の伝説的な活躍からアメリカ政府から新たに「ザ・ボス」のコードネームを授与される。
その後は表向きには特殊部隊向けのオブザーバーなどをしていた。

厳格ながらも公正な性格で面倒見もよく、部下であるコブラ部隊員からは家族同然に慕われており、弟子であるネイキッド・スネークは師であり、母であり、恋人であったと表現している。
また近接格闘術であるCQCをネイキッド・スネークと共に開発しており、その腕前は後のビッグ・ボスであるネイキッド・スネークをも軽くあしらうほど。

人格、戦闘技術、身体能力いずれも傑出しており、心技体を極めた兵士の完成形とも言える人物である。
あとタキシードフェチ。


【経歴】


~METAL GEAR SOLID3 以前~


  • 1922年、「賢者達」の一員の家系に生まれる。

  • 1939~1945年、第二次世界大戦中にコブラ部隊を結成、ノルマンディ上陸作戦に参加し、暗殺や特殊任務で数多くの戦功を挙げ、連合軍の勝利に大きく貢献した。大戦中、ヨーロッパの戦場でコブラ部隊の一人ザ・ソローとの間に息子アダム(オセロット)が生まれるも、賢者達の組織員により、産後すぐに誘拐されてしまう。

  • 1945~1949年、大戦後にはコブラ部隊を解散し、様々な部隊に参加する。中華人民共和国のチャームスクールでスパイを育成するなど、数多くの兵士を育成し、このときにEVAも育成している。

  • 1950年、朝鮮戦争に参戦。以降、ジョン(ネイキッド・スネーク)を弟子として10年以上かけて育てる。

  • 1951年1月11日、ネヴァダ核爆弾実験に参加し、被曝する。

  • 1960年、有人宇宙飛行計画「マーキュリー計画」に参加。

  • 1961年、キューバでピッグス湾事件に巻き込まれる。アメリカ政府の裏切りでザ・ボスの指揮していた部隊は壊滅し、地下に潜る。

  • 1962年、賢者達の命令でかつての恋人ザ・ソローと戦場で対峙、殺害する。これは先の任務で賢者達のネットワークを使ったためにそう仕組まれた。ちなみに彼の遺体はMGS3内でも確認することができる。


~METAL GEAR SOLID3~


・ヴァーチャスミッション

1964年8月24日、ソ連領内に潜入しロケット技術者ソコロフのアメリカ亡命を手引きするヴァーチャスミッションにゼロ少佐の招聘で参加し、FOXのサポートメンバーとして、弟子のネイキッド・スネークと再会する。

「スネーク、まずはCQCの基本を思いだして」

無線をすると武器やコスチュームのアドバイスをしてくれる。エロ本を持っていれば呆れ、タキシードを着ていると呆れ……でも嬉しそうでしたよね?
無線で助言を求めると

「視覚、聴覚、嗅覚、全感覚を使って敵を察知しなさい」
「匂わないんだ」
「そう…あとはゲーマーとしての勘を信じなさい」

などのメタなアドバイスをしてくれる。
しかしヴァーチャスミッション完了間近、突如としてソ連亡命を宣言、ネイキッド・スネークを叩きのめしてソコロフを奪回するとコブラ部隊を再結成し、無反動小型核弾頭デイビー・クロケットを手土産にヴォルギン大佐に合流した。この時彼女が身に着けて居たバンダナはスネークの手に渡る。

この際、渡したデイビー・クロケットは玩具を手にしたかの如く大はしゃぎしたヴォルギンの手によってソコロフ設計局へ撃ち込まれることとなる。(ネタバレになるが、この事件はザ・ボスにとっては想定外だった)

ソ連はこの核攻撃について、領空侵犯のヘリ(スネークを迎えにきていた)を発見したこと、使われた核兵器がアメリカで開発されたデイビー・クロケットだったことを理由にアメリカの行為と断定し、抗議。
アメリカはザ・ボスの単独犯行であることを主張。
ソ連は潔白の証明に、ザ・ボス抹殺を要求した。

そして1964年、ヴァーチャスミッションの失敗から一週間後……


・スネークイーター作戦

アメリカ政府は身の潔白を証明し、ソ連との全面核戦争を回避するためザ・ボス抹殺作戦、スネークイーターの発動を決定。ネイキッド・スネークはFOXの名誉を挽回し、裏切り者となったザ・ボスを殺すためソ連領内へと再び潜入することとなる。
ザ・ボスはグロズニィグラードでヴォルギン大佐の「賢者の遺産」のありかが記されたマイクロフィルムを入手し、最愛の弟子であるネイキッド・スネークに最期の戦いを挑む。
(この直前のデモでザ・ボスはグロズニィグラードにデイビークロケットを発射したような描写がある。おそらくは諸々の証拠とシャゴホッドを消し去るためだと思われる)


「ジャック、人生最高の10分間にしよう!」




短くも互いの全てをぶつけ合うような死闘の末、ザ・ボスは「賢者の遺産」とパトリオットをネイキッド・スネークに渡し、彼女が愛し、武器を与え、技術を教え、知恵を授けた彼に全てを託し、彼の手によってその生涯を閉じた。


「ボスは二人もいらない。蛇はひとりでいい…」


最期の言葉にはどんな想いが込められていたのか。それが分かるのは決闘の当事者達だけなのだろう。


・真実

ここまで来ればお分かりだろうが、彼女はアメリカを裏切ってなどいない。
ヴァーチャスミッション時、アメリカ政府はかつて大国の指導者達が秘密裏に積み立てた莫大な資金である「賢者の遺産」を、現在の持ち主であるヴォルギンから奪取しようとしていた。ザ・ボスの裏切りはヴォルギンへ近づくためであり、偽装亡命であったのだ。

しかしヴォルギンの暴走により事態は全面核戦争の危機にまで発展、収拾にために彼女は自らの命を差し出さなければならなくなった。

スネークイーター作戦の真意は、ザ・ボスが死を選ぶことを引き換えに、アメリカの無罪を証明し、アメリカに賢者の遺産という莫大な利益をもたらすというものだった。

ザ・ボスはアメリカの潔白を示さなければならない立場上、自分の口から真実を伝えることは禁じられていた。

しかし、軍人としてではなく、女としてネイキッド・スネークだけには真実を伝えたい、そして記憶の中に残りたいという願いから、EVAに真実を全て打ち明ける。

EVAを通して、歴史には記憶されない、彼の心だけに残す「帰還報告(デブリーフィング)」を果たしたのだった。EVAは彼女の愛した男へと語る。


「全ては国のため、祖国のため、名誉も命も捧げた。彼女こそが英雄よ。彼女こそが、真の"愛国者"」


アメリカでは売国奴、ソ連では核を撃ち込んだ凶人として歴史に名を残すことになってしまったものの、彼の記憶にはそう残ることはなくなった。

しかしこの一件が、彼を後の事件へと向かわせる事になる。

もし彼女が生きていたら、生きて無くとも英雄として讃えられていたなら、彼等はあのような事件を起こさなかったのかも知れない。

ある意味この事件が後の事件の全ての原因だと言えよう。

MGS3の物語はザ・ボスを越える者、ビッグボスという空虚な称号を得、ただ一人残された蛇が、売国奴の汚名故に無縁墓地にひっそりと建てられた墓に敬礼を捧げて終わる。

その墓に刻まれた墓碑銘は、ただ一言。



―――愛国者の記憶に捧ぐ―――



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最終更新:2021年03月03日 23:48