ナックルジョーがやって来た!(星のカービィ)

登録日:2014/05/30(金) 04:17:03
更新日:2018/08/11 Sat 13:27:07
所要時間:約 9 分で読めます







「ナックルジョーがやって来た!」とは、テレビアニメ版『星のカービィ』第19話のエピソードである。
ゲームでも人気の格闘少年、ナックルジョーが初登場する話。





内容


いつもの自然豊かなププビレッジとは違う場所・・・広大な電脳世界。


無数にネットワークが張り巡らされた電子的な空間を、一つの光が駆け抜ける。
少年の形にも見えるその光は、何かを目指すようにして行動を続けていた。


やがて辿り着いたのは、ホーリーナイトメア社のネットワークエリア。
先程より少年の形をはっきりと成したそれは、セキュリティゲートを直接蹴破ってサイトに侵入。
電撃のようなもので情報を引き出していく。

しかし、突然ゲートが閉じると四方の壁に眼鏡の男が映される。



<<どなたです?我がホーリーナイトメアのサイトに不法侵入しているのは>>



「フン・・・『ポップスター星系に最強の星の戦士が存在』だと?」



少年はどうやら星の戦士に興味を持っている様子。



<<ポップスターに御用のあるお方でしたら、無料でパワーをお分けします・・・>>



すると、事情を察した男は意味深な言葉と共にまばゆい光を発する。
少年は黙ってその「パワー」とやらを受け入れた後、目標のポップスター星系にワープ。



「あそこに、俺の捜し求める「敵」が・・・!」













所変わってポップスターのププビレッジ。



どこで分けて貰ったのか、昼食用に呆れるほど大量の野菜や果物入りのカゴを背負って歩くカービィ。
そんな時、何かが通り過ぎる気配を感じて立ち止まった。
しかし肉眼には何も見えず、不思議がる。




更に場所は変わってデデデ城。

いつもの玉座の間はデデデ大王とエスカルゴンが中庭に出払い、誰もいない。




なのに・・・大王の椅子のスイッチが突然ひとりでに動き出し、デリバリーシステムが稼動する。




「何か」が部屋に転送された瞬間、強大なエネルギーによって大きく揺るがされるデデデ城。
城中の住人達は一斉にデリバリーシステムのある部屋へと向かった。


そこで彼らが見たのは・・・青白く発光した少年の姿だった。


突然の襲撃者に城内のワドルディ達が差し向けられるが、少年は意にも介さず返り討ちにする。
更に、手から気孔のようなエネルギー弾を放って城の一部を破壊。
危険な能力を目の当りにしたフーム達も、少年には敵と認識され追われてしまう。


間一髪で少年を止めに入るメタナイト卿。
続けてデデデ大王が装甲車を駆り出して乱入、少年のエネルギー弾と戦車砲の弾が大爆発を引き起こす。
おかげで辺り一帯が粉々となり、デデデは勝利を確信するが・・・




「ついでにお前等も粉々にしてやろうか?」




案の定、生きていた少年によって装甲車は中庭に真っ逆さま。
墜落して無様にのびるデデデ達の目の前には、発光を解いた少年・・・ナックルジョーが立っていた。




先程の破壊活動を「いい運動になった」と言い放つナックルジョーは、星の戦士の居所を教えろと要求する。
彼の実力を嫌というほど思い知ったデデデとエスカルゴン、これを好機と見て「カービィ」の名を教えた。
ナックルジョーならあのカービィを倒せるかもしれないと、いつもの悪だくみを働かせたのだ。


このツッパリ小僧を危険と考えたフームはワープスターを呼び、カービィを安全な場所に隔離。
トッコリはすぐに村中へナックルジョーのことを触れて回るが、もう遅かった。
カービィ探しに躍起のナックルジョーが襲来したのである。


カービィが自宅にいない事を知るや否や、村中を片っ端から探して回る。
生憎誰も今日は姿を見ていなかったのだが、ナックルジョーは村ぐるみでカービィを隠しているんだろうと激怒。
そこでボルン署長が事情を聞いてみると、彼はカービィ(星の戦士)が父親の仇なのだと主張する。
しかし、実際のカービィを知るボルンは大笑いしてしまい、神経を逆撫でしてぶっ飛ばされた。



夜通しププビレッジ中を駆け回るナックルジョー。
彼の傍若無人な振る舞いには村人達も迷惑千万だ。
一方でフームとブンは彼が居ない隙を見計らい、カワサキと一緒にカービィのための弁当を抱えて避難先に向かう。
一部始終がエスカルゴンに目撃されていたことを知らずに・・・






昼間に連れ去られたカービィは、ププビレッジから離れた所にある平原のほら穴に匿われていた。


弁当が届けられると嬉しそうに片端からほおばるカービィ。
今度のナックルジョーという少年は非常に危険な敵だというのに、当人は会ったことも無いからか危機感が無い。
戦いになっても逃げろと促すフーム達は、この呑気な様に呆れと不安を隠せなかった。



そんな時、遂に隠れ家がデデデ大王達に突き止められてしまう。
カービィへの客だと言うデデデ達は勿論、例のナックルジョーを引き連れていた。

ところが、いざカービィを前にするとイメージと実物の差に困惑。
思った以上に緊張感の無いピンクボールで、凶悪そうにも見えないことから戦意を喪失しかける。



それでも親の仇だと信じる以上、戦う以外に選択肢を選ぶつもりは無かった。

言われた通りに逃走するカービィ、後を追うナックルジョー。
城では片鱗しか見せなかったエネルギー弾の技と格闘技を惜しみなく使い、カービィを追い詰めていく。
フーム達の援護もデデデ達に封じられ、もはや勝敗は決まったも同然であった。


終始優勢のナックルジョーであったが、一切の反撃に出ないカービィを疑問に思う。
しかし油断させる演技に違いない、とトドメを刺そうとする。
だが、その一撃を颯爽とメタナイト卿が阻止。
折角の目論見を邪魔されて怒るデデデ達に対し、メタナイト卿は確かめたい事があって来たと話す。


そしてナックルジョーの前に立つと、彼はとんでもない事を言い放った。



「間違いない・・・・・・お前が探すべき敵はカービィではなく、この私・・・メタナイトだ」



「!!今・・・なんて言った!?」








「お前の父親を倒したのは、この私だ!」








メタナイト卿が父親の仇・・・突然の発言に戸惑いを隠せないナックルジョー。
そんな彼に対し、メタナイト卿は静かに彼のことを語り始めた。






ナックルジョーの父は同じ星の戦士。
銀河戦士団でも指折りの実力者で、他の戦士達からは目指すべき目標として敬意を払われていた。
メタナイト卿にとっても、彼を友に持つことを誇りに感じていた。


しかしある時、キャンプ中に魔獣の群れが襲撃した。
寝込みを襲われたせいで戦士達は不意を突かれ、仲間のために戦った彼も魔獣に拉致されてしまう。
彼の死を覚悟したメタナイト卿だが、現実は更に残酷だった。



「思い残すことは無いのか?」




「ならばこれを飲むがよい。消えかけた命が再び灯るであろう・・・」


息のあった彼はナイトメアの誘惑に負け、延命を受ける代わりに魔獣と化してしまった。


だが、それは決して悪意ある裏切りなどではない。
我が子への強き愛こそが、魔獣になってでも生き延びることを選んだ理由だったのだ。
最期まで離さなかった写真入りのペンダントこそが、何よりの証拠でもあった。





それでも、自ら魔獣になったことは事実である。
ナックルジョーはそんな父に幻滅するが、息子も知らずして魔獣になってしまったとメタナイト卿は皮肉を漏らす。
無論ただの皮肉であるはずがない。
彼に言わせれば、理性を捨てて憎しみで生きる者は全て魔獣なのだという。
長きに渡り親の仇への憎しみで生きてきたナックルジョーは、ナイトメアが魔獣にさせるには絶好の条件だった。


確かに、今までの素行を見れば恐ろしいほど納得がいく。
村中で暴れ尽くし、カービィを一方的に痛めつけた所業を魔獣と言わずしてなんと言うか?
必死に否定するナックルジョーに対し、魔獣か否かはカービィが証明すると話すメタナイト卿。






夜が明け、太陽が昇り始めた頃。


お互いに向かい合うカービィとナックルジョー。
メタナイト卿によればカービィはあらゆる魔獣への対処を備えた、生まれながらの星の戦士。
彼と戦うことで、自身の正体がハッキリ分かるのだという。



デデデ大王達もいつの間にやら見届け人にされる中、遂に決闘が始まった。

カービィはエネルギー弾を吸い込み、赤い鉢巻を巻いた「ファイターカービィ」に変身。
ナックルジョーと全く同じ技を駆使し、互角の勝負を繰り広げる。


すると、ナックルジョーの身体に異変が起きた。
彼の知識に知る筈のない技が流れ込み、その肉体を大きく変質させてしまう。







格闘技以外に武術を知らない彼にとって、その力は究極の奥義「ニードル」であった。


そして異形の姿こそ、正に彼が認めたくなかった魔獣そのもの。




ナックルジョーが出会ったあの眼鏡の男・・・カスタマーサービスが与えたのは魔獣の力だったのである。




頭部から発射されたニードル弾の一本を飲み込み、カービィは「ニードルカービィ」に変身。
反撃を受けて怯んだナックルジョーを追い詰めていく。









「カービィは鏡だ!コピーしたその姿こそ、お前の姿!」








「踏みとどまれ!!」








「あれが「俺」か・・・?」







「これじゃ魔獣と言われても・・・!!」








「仕方が・・・ない・・・」













ドサァ
























戦いは決した。





己を映すカービィの攻撃を直に受け止め、ナックルジョーは魔獣から人の姿へ戻った。
いや・・・取り戻したと言った方が正しいか。
自分は魔獣なんかじゃない、結果的にそれを証明した彼は一時の眠りにつくのだった。



完全に青空が広がる頃には、ナックルジョーは城のデリバリーシステムを利用して旅に出た。
別れを惜しまれつつも、いつかカービィと一緒に戦える時が来るかもしれないと話して・・・





一方、デデデ大王に残されたのはシステム回線の特別使用料9999億9999万9999デデンだった・・・







ゲーム版でも人気のキャラクターがメインを張った回。
数あるゲストキャラ達の中でも後のエピソードに数回登場する辺りから、彼の人気の高さが伺える。
高山みなみ演じたナックルジョーの生意気少年というキャラクター付けもファンに好評だった。
人気の高さは後年のスマブラXにまで及んでおり、
アシストフィギュアとしての出演ながらもしっかり高山ボイスで喋ってくれる。

何気に銀河戦士団が関わる数少ない回でもある。


なお、後の回やかつてWiiのサービスで視聴可能だった時の表紙だとヘルパーカラー(肌色)で紛らわしいが、
この回に限りナックルジョーのカラーリングが敵キャラ時のもの(紫色)を基調としている。
更に言えば、顔のつくりもゲーム版とは全く異なるので表情も豊か。
アニメ版に慣れ親しんだ人にはこちらの方が印象深いかもしれない。



あと、強いて突っ込みどころを挙げるとすれば
ゲーム版でも突出して強いという程ではないニードルを「究極の奥義」などと言い切っちゃった所か。
もっと強そうな姿だったら多少は説得力もあるのだが・・・



余談

ナックルジョーがデリバリーシステムを介して城に転送されるシーンのBGMは、
デデデ大王が魔獣をダウンロードする際に流れる「魔獣配信」のアレンジ版。
原曲と違い、未知の敵の襲撃を予感させる緊迫感に満ちた雰囲気に変わっている。

しかし、それよりも驚くべきは何と全100話通してこの場面でしか使われていないこと。
更にアレンジという立場も絡むのか、同じ一発曲の「裏切り」に対して公式サントラにも一切収録されていない
良アレンジなだけに勿体無い限りである。





追記・修正はツッパリ小僧の方にお願いします。

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