まぼろしの紫外線!(星のカービィ)

登録日:2014/06/03(火) 23:54:02
更新日:2018/08/15 Wed 21:26:28
所要時間:約 7 分で読めます







「まぼろしの紫外線!」とは、テレビアニメ版『星のカービィ』第85話のエピソードである。
プププランドに由々しき紫外線問題が発生するという話。




内容


デデデ城のベランダにて日光浴をたしなむパーム大臣一家。
そんな中、パーム夫妻は若き日の思い出のアルバムを子供達に見せ始める。





写真に写っている二人はイケイケの若者で、特に昔のメームは今よりも意外と活発的だ。
共に青春時代を謳歌してきたことが伺える。

二人が昔の思い出話を語っていると、カービィがあるものに気付いてしまう。



・・・メームの顔にできたシミ。




「あ“あ”~~~~ッッ、若い時の蛮行が祟ったぁ!!天罰よ!呪いよ!!因果応報じゃあ~~~~~!!!」




フームにその事を指摘された途端、今までになく騒ぎ始めたメーム。
シミぐらいで大袈裟だと呆れるパームだが、美容に人一倍気を遣うメームにとってはシャレにならない。
あっという間に一家は室内に撤収させられてしまう。



一方、デデデ大王は呑気にたっぷり日光浴をたしなんでいた。
だがエスカルゴンと対照的に日焼け対策を一切しなかった為、
サングラスで隠した部分以外だけこんがり焼けるという滑稽な格好が出来上がってしまう。
これにはカスタマーサービスも一瞬お化けと勘違いする始末。

日光浴の事を聞いたカスタマーは「そんなおぞましい行為はお止めになったほうがいい」と忠告する。
何故なのかデデデが問い質すと、説明のついでに儲け話を切り出した・・・



その後、チャンネルDDDで特別番組が放送される。
おかしな焼け方をしたデデデ大王の顔に村人達は大笑いだが、デデデは「たった一時間で」こんがり焼けたと説明。
理由は太陽光に含まれる紫外線で、これがシミ、そばかす、カラスの足跡なぜ怖いの原因になるという。
そしてUVカットの化粧品や、ひきこもりになるためのクーラーを購入するように宣伝した。
恐らく、カスタマーが吹き込んだ儲け話とはこういう事なのであろう。



すぐさま購入を決断するメーム。
フームは不安を煽り立てて買わせる「不安商法」だと警戒するが、メームはすっかり聞く耳持たない。
それどころか


「姉ちゃん、遊びに行こう!」

「ダメぇ~~~~~~~~~~~~!!!!絶~~~~ッ対に!!許しませぇぇ~~~~~ん!!!!」


外に遊びに行こうとするブンに激しく怒り、一切の外出禁止を命じる。
挙句の果てには「太陽の光が入るから」とカーテンまで締め切ってしまう。
シミの件でメームは何から何まで、すっかり神経質になっていたのである。


「なんだよ・・・シミの1つや2つでさ・・・(小声)」


この異常ぶりにはブン達も呆れ果て、カービィを連れて勝手にデデデ城から抜け出す。
しかし・・・フームをはじめ、人々は日差しの強さに違和感を覚えていた。
屋外に出た村人達はあっという間にこんがり焼け、カービィも例外なく焼きピンクボールになるほど。



更に城に帰ると、メームの行動は輪をかけて酷くなっていた。
昼夜の生活を逆転させるとまで言い出したのである。
しかもその晩、部屋からいなくなって家族を心配させたかと思えば、木の上でフクロウのクーと談笑・・・
これでは完全に夜行性動物の仲間入りだ。




だが、メームだけに限った話ではない。
ププビレッジに降りると、村人達も夜の生活にシフトしきっていた。
夜明けが来ると恐れるように家へ帰る様はまるで吸血鬼。



と、そこにコンビニ帰りのメタナイト卿が現れた。
彼は最近の日光に起きている異常を調査する必要があると主張する。
事実、誰でも日の光を浴びて暮らしてきたのに、本当に有害なら人はとっくに死に絶えているはず。
このププビレッジで何らかの異常が起きていることは明白だった。






翌日、フームやメタナイト卿らは調査のために気球を作成。
カービィとブンを呼び戻して作業を手伝わせた後、遥か高い空に向かって浮上した。


デデデカーがちっぽけに見え、ププビレッジ全体が見る見るうちに小さくなるまで高度は上昇。
高度1万kmに達した時、バイザーをつけた一同は驚くべきものを発見する。
青く不気味に渦巻く、巨大なオゾンホールだ。
今まで強力な紫外線が降り注いでいたのは、バリアの役目を果たすオゾン層に何者かが穴を開けたせいであった。



メタナイト卿はデデデ大王が販売したエアコンに何かがあると踏み、地上に連絡メッセージ入りの筒を投下。
村人達が早速エアコンの排気口を調査すると、それはエアコンに偽装したフロンガス発生装置であることが判明した。
ここから排出されたフロンガスが上空のオゾンホールを生み出し、助長していたのである。



そして、オゾンホールの出現は間違いなくホーリーナイトメア社の陰謀であった。
カービィの肌は柔らかく、紫外線に弱い。
彼らはそこにつけ込み、オゾンホールで紫外線を降り注がせたのだ。

無関係の村人達まで巻き込んだジュラル星人並に回りくどい陰謀に憤るフーム。
更にナイトメア社が関わっているとなれば穏便に済むはずが無く、恐らく空中戦は避けられない。
その空中戦もこなせるのは、この場においてカービィただ一人。
フームはワープスターを呼び、カービィに戦いを任せることにする。



オゾンホールに接近するカービィ。
すると、穴の中から光り輝く大蛇のような怪物が姿を見せる。
これこそがオゾンホールに巣食う魔獣「オゾマシー」だった!







口から強烈な紫外線のビームを吐き、長い尾で強かに打ち据えるオゾマシー。
カービィは辛うじてビームの直撃だけは免れたが、まともに浴びれば無事では済まない。

とは言え、このままでは攻めようがない。
そこでフーム達は気球を浮かせていたバーナーを取り外して投下、カービィに吸い込ませた。
変身したのは・・・ジェットカービィだ。


ジェットカービィは紫外線ビームを華麗にかわし、胴体に突進して大きな風穴を開けてみせる。
勝利を確信したフーム達。
だが・・・直接ダメージを受けたはずなのに、オゾマシーの身体は何事もなかったかのように再生。

普通の攻撃では効果が無いらしく、またも防戦一方に追い込まれる。
しかも紫外線を浴びすぎた為、ジェットカービィはとうとう満足に動けず変身が解除されてしまった。




一方、城ではデデデ大王達が巨大な対空砲の準備を進めていた。

気球を確認して城に帰った後、彼らもカスタマーからオゾンホールのことを聞かされた。
しかし、カスタマーはカービィ達がオゾンホールを発生させた犯人だとウソを吹き込んだのである。
そんな安っぽいウソにも気付かず、デデデは準備が整うとカービィ成敗のために発射を命令。
砲弾が勢いよく飛び出し、すぐに気球と同じ高度にまで達する。

だが、カービィにとっては逆転のチャンス。
あれを飲み込むようにフームが助言し、言われた通りに砲弾を口に入れるカービィ。
今度の変身はボムカービィだ。



放たれる紫外線ビームをかわし、オゾマシーの傍に爆弾を投下するカービィ。
すると、爆風に晒されたオゾマシーの身体が大きくブレ始める。
先程のジェットカービィの直接攻撃より手応えがあるのは明らかだった。

好機と見たカービィ、すかさず爆弾を大量に投げつけて連鎖爆発を引き起こす。
度重なるダメージに自己回復が追いつかず、遂にオゾマシーは肉体を掻き消される。
あの魔獣の力によるものだったのか、消滅に呼応するかの如くオゾンホールも閉ざされていった。



解決後、紫外線の心配も無くなったププビレッジ。
大臣一家とカービィは浜辺で再び日光浴を楽しむのであった。





・・・デデデ大王は自分が解決したと思い込んでいるようだが。









我々が住む地球の目下の問題でもある、オゾン層と紫外線について取り上げた風刺回。
現実のエアコンとは仕組みが違うのだろうが、大胆に「フロンガス発生装置」と言い切る辺りはさすがと言うべきか。
しかし、カービィ世界と違って本来のオゾン層は修復に何十年単位もの時間を要する。
今回のケースは魔獣が原因だったのですぐに収まったが、現実は甘くないのだ。



ちなみに魔獣の名前については、実は作中で全く明かされていなかった。
そのため長らくの間、モグラの魔獣(70話)や銀河大戦のモブ魔獣みたいに名無しの魔獣と思われていたが
2012年に発行されたプププ大全の設定資料で「オゾマシー」という名前であったことが判明。
実に放送から9年越しの発覚であった。



余談

サブタイトルの元ネタはフランスの有名な映画「まぼろしの市街戦」から。
いわば「市街戦」と「紫外線」をかけたダジャレの類だが、実際の内容はカルト映画とも言われるほどの異色作。
多くは語らないが、興味があれば各自探してみて頂きたい。






追記・修正は美白美人にお願いします。

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