達人王

登録日:2009/06/22 Mon 21:21:39
更新日:2025/10/03 Fri 23:24:54
所要時間:約 5 分で読めます






達人」という戦いの歴史が

刻まれている頃、

無限に広がる大宇宙の片隅で

同じ運命を背負おうとしている

戦いがあった












それがその戦いであった。




達人を超えて王となれ!!

達人王」とは、タイトーが1992年に販売した縦画面縦スクロールシューティングゲーム。
ゲーム開発は、STGにおけるボムの基礎を築いた偉大なメーカー・東亜プラン
同社の出世作となった名作「TATSUJIN」の流れを汲む作品である。
東亜プランとしては後期に発売されたタイトルで、同期には「ドギューン!!」や「フィグゼイト -地獄の英雄伝説-」が発売されている。


  • 概要
現在まで発売された全シューティングゲームの中でも屈指の超高難易度を誇るゲームであり、
高難易度シューティングを挙げろと言われれば、大体は本作の名が挙がる程。
実際、ゲームラボのシューティングクロニクル難易度ランキングでも1位に輝いている。

その難しさを箇条書きすると…

道中の緻密なパターン化はもちろん、弾封じ・張り付き連射・地力での的確な見切りや避け能力など様々な高等テクニックを要求される。
@ミスすると一定地点まで戻される戻り復活を採用しているので、残機数でのゴリ押しは不可能。一回死んだらそのまま全機やられてゲームオーバーなんてザラ。
ザコ敵自体が1面からすでに堅く、中型機以上は非常に耐久力が高い上に、そんな敵達からは速度の速い大量の弾が放たれる。
@まだ弾幕シューティングの概念がある時代のタイトルではないため自機の当たり判定が大きく、嘘避けや詐欺避けが通用しない。
面の一つひとつが非常に長いため一周クリアにも短くて1時間はかかる。
@当時としても既に少数となっていたループゲームタイプなので、殆ど休憩らしい休憩は与えられていない。面クリアのリザルト画面やエンディングの類も一切なく、延々と集中を要求され、じわじわと精神力を擦り減らされる。
@そして1周クリアでさえ強烈な難しさを誇るのに、2週目以降は難易度こそそれ以上上がらないものの、更にパターン自体が変わっていたり弾速・弾数が更にヤバくなっていたりと、東亜プランが隠していた真の本気を発揮して殺しにくる。既に後のケイブに通じる面がこの時点で…

つまり、文字通りゴリ押しなどの力技が通用しない超ストイックなシューティングゲームであり、
自分の持つテクニックと、トライ&エラーを繰り返して築いたパターンを最大限に活かしたプレイを求められる。

1面から敵が自機を本気で殺しにかかってくるため、遊びが一切許されず、生半端な腕では1面のボスにすら辿り着けないその跳ね上がりすぎた難易度のため、当時多くのシューターを絶望に陥れたばかりか初心者ユーザー離れをも起こしてしまった。
この当時の同期タイトルには「グラディウスⅢ」「R-TYPEⅡ」「雷電Ⅱ」と…錚々たる激ムズタイトルが名を連ねており、STGを文字通り衰退させた元凶と言われてしまった事も。
更には東亜プラン自体もこの後ユーザー離れで失速してしまい、東亜プラン倒産の一因を作ってしまったタイトルとも言われている。


その一方で難易度自体は実は決して理不尽ではない事や、ミスをしても復活がきくステージ設計のレベルの高さなどから、上級シューター達ややり込んだプレイヤーからは今なお根強い人気とカリスマ性をを誇っている。
2017年のファミ通STG総選挙で本作が8位に入賞したのは、その人気の賜物と言えるだろう。


  • 作品構成
全6面構成のループゲームで、難易度上昇は2周目で打ち止めとなる。
ミス時は一定のポイントまで戻されて復活。

8方向レバーで自機「ハイパーファイター号」の操作、
ショットボタンはフルオート連射のショット、ボムボタンで弾消し効果のある達人ボムを放つ。

途中現れるアイテムキャリアーを破壊すると以下のアイテムが出現し、
取得することによってハイパーファイター号を強化できる。

  • アイテムリスト

@ショット強化&ショットチェンジアイテム

パワーアップなしの状態で取得すると最初にサイドオプションが装備され、色に対応したサブショットが放たれる。
同じ色を続けて取得することで、メインショットとサブショットが強化される。
色は時間経過によって緑→赤→青…と変化する。

@スピードアップ

自機の移動速度が速くなる。
5速で最高となり速度は非常に俊敏になり、扱い・微調整ともに難しくなるが、達人王の攻略に最高速は必須である。

@ボム

達人ボムを1発補給する。キャリアー破壊すると32個周期で出現。
弾消し能力は高いが無敵効果が一切無いボムなので、弾が消せても敵機に突撃されて死ぬことがある。



隠し要素

@1UP

3面・4面・5面にある特定のコンテナを対応した色のショットを装備した状態でボムを放って破壊すると現れる
残機MAX時はパワーアップアイテムになる。

@ピピル星人

「ゼロウィング」よりゲスト出演。
インストカードにてキャッチコピーとともに載せられてもいる。
5面の特定の位置に潜んでおり、ショットを当てるとアイテムをばらまく。

@スーパーファイター号

前作「TATSUJIN」よりゲスト出演。
6面にて残機がゼロになると後方より出現し、敵弾を消しつつアイテムをばらまいて助けてくれる。



  • 自機のショットの種類

自機は常に真正面から4連装ショットが発射でき、サイドオプションから対応したサブショットが発射される。

ノーマルショット

サイドオプションから貫通性のない弾を発射する
強化するとかなり広範囲を攻撃できるようになるが、火力が低めで攻撃が集中しないという欠点がある。
一部ボス戦などで有効な面はある。

サーチレーザー

サイドオプションから敵を捕捉して攻撃し続けるレーザーを発射する。
東亜プランでは優遇され続けてきた誘導系武器だが、本作品では弱いものとなっている。
火力が非常に低い、左右や後方の敵を補捉するのが極端に遅い、攻撃範囲が狭いといった弱点を抱えているため、地雷アイテム扱いされる。

ナパームボム

サイドオプションから斜めに発射され、一定距離を進むか着弾すると爆風を起こすミニボムを発射する。
強化すると飛距離が伸び、攻撃方向が増えていくため左右・後方も攻撃でき、爆風の効果も相まって攻撃範囲が広い。
1発あたりの威力がショット5発分に相当し、非常に高いものとなっている。
達人王はこの武器をメインとしての攻略が基本となる。

  • 移植について

とにかく不遇。東亜プランの作品は移植がMDを中心に割とある方なのに、本作は本当に恵まれていなかった。
稼働当時から全く家庭用ハードへの移植に恵まれておらず、当時に移植されたのはホビーパソコンのFM-TOWNS版のみ。
本作の後にリリースされた「ヴイ・ファイヴ」ですらMD版あるのに…
その後2022年に発売されたミニゲーム機「アストロシティミニV」でやっと初の完全移植版が登場…したはいいが、入力遅延問題に泣かされる羽目に。

現在は海外の会社であるビットウェーブが2024年にリリースしたSteam版と、
それの移植版であるSwitch/PS4/PS5/XSX「東亜プランアーケードコレクションVOL.2」(発売はシティコネクション)、
そして現在東亜プランタイトルの版権を持つ株式会社TATSUJINがスマートフォンでリリースした「Amusement Arcade TOAPLAN」でプレイ可能。

ところでM2さん、東亜プランタイトルほぼ全部移植するとか言ってましたけど…達人王マダデスカ?


  • 余談

@何でこんな難易度になってしまったのか?…という疑問については、「ロケテ版をプレイしたシューターから『こんな簡単なゲームじゃTATSUJINの続編として認めない』という趣旨の感想を受け、難易度を挙げた結果」という噂話が存在している。真偽は定かではないが、続編タイトルへの匙加減の難しさを物語っているエピソードであるのは確かではある。

@海外版は「TRUXTON II」という名前でリリースされており、難易度がちょっと落とされている。

@1999年3月のゲーメストにおいて8周目2面で実質的なカンストスコアとなる1000万点が達成された。1000万点が達成されるまで稼働から実に8年かかっており、これを越えるものはつい最近達成者が出たグラディウスIIIのみ。なお、丸一日かかったそうな。

@東亜プランスタッフが同社倒産後にタイトーで開発した『逆鱗弾』に今作の名残が見え隠れしている(主にサブショットのナパームなど)。

@2023年、本作の続編となる「TATSUJIN EXTREME」のリリースが電撃発表された。開発はTATSUJINで、ハードはPS5(後にPC(Steam)も追加)。

@2025年には、「東亜プラン×exA-Arcadia」の第3弾として、ついに達人王がexA-Arcadia基板タイトル「達人王 EXAレーベル」として移植されることが発表された。


達人を超えて王になりたい方は最高速、ナパームボムを装備して追記・修正をお願いします。


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最終更新:2025年10月03日 23:24