世界樹の迷宮II~六花の少女~

登録日:2014/10/26 (日) 21:14:31
更新日:2018/05/15 Tue 00:47:52
所要時間:約 8 分で読めます




◆概要

『世界樹の迷宮II~六花の少女~』はアトラスの3DダンジョンRPG『世界樹の迷宮Ⅱ 諸王の聖杯』の公式コミカライズ作品。作画はFLIPFLOPs。
2008年にComicREXにて一年の集中連載され、発売された単行本は上下巻構成となっている。
ゲームのコミカライズではあるが、「世界樹の謎を解き明かす」という原作ゲームのテーマからは外れ、世界樹を舞台とした一冒険者達の物語という、いわゆる外伝作品となっている。
世界樹の根幹に関わる設定には触れないため、この作品を読んでも原作の重要なネタバレになることはない。
FLIPFLOPsによるかわいらしい絵柄は原作のキャラクターデザインに近く、後のシリーズのコミカライズの中でも原作の雰囲気が掴み易い部類。
基本的に明るめな作風ながら、迷宮内の過酷なサバイバル要素もしっかりとあり、原作ではゲーム画面の関係で掴み辛かったモンスターの大きさや驚異が伝わりやすい。ゲームでは想像するしかなかった各クラスの戦い方を始め、ガンナーが使う術式弾の設定等も登場する。

ちなみに作画のFLIPFLOPsも前作「世界樹の迷宮」からのファンである。


◆あらすじ(単行本上巻より)

ハイ・ラガード公国の天空高くまでそびえる“世界樹の迷宮”――。
無数の危険な動植物が生息するその広大な迷宮には、数多の冒険者が様々な目的を胸に群れ集う…。
そんな迷宮と冒険者の街ハイ・ラガードを、新たに一人の少女が訪れる。
少女の名はマナリィ。幼い頃に、この街を離れた彼女が、新米ガンナーとして帰って来たのだ。
彼女が命を賭して迷宮に挑む理由とは何か? 少女の冒険が今、始まる!


◆登場人物

主人公のマナリィをリーダーとしたギルドメンバーを中心に物語は進む。
原作ではなかった複数のギルドの登場や、協同ミッションの様子も描かれている。

●主要人物
マナリィのギルドは、ギルド登録の際にギルド名で揉め、結局そのまま保留となっている。
パーティ構成は「ガンナー」「ブシドー」「ドクトルマグス」「ペット」「カースメーカー」の5名。

マナリィ
今作の主人公。職業はガンナー。容姿は原作での「ガンナー♀」
4年前に迷宮で『吹雪を呼ぶ魔獣』に襲われたところを名も知らないガンナーの男に助けられた過去を持つ。そして4年の修行の末、因縁のある『吹雪を呼ぶ魔獣』を探すために世界樹の迷宮に入る。
性格は明るくややお調子者なものの、義理人情に厚く、自ら危険の中に入ることも厭わない。ガンナーとしての腕前は高く、作中で幾度も狙撃に成功させている。
銃の腕はともかく、最初は冒険者として未熟な部分が多かったが、経験を積んだ後は師も瞠目する程に冒険者として成長した。

クロウド
達人級の腕前を持つブシドーであり、マナリィの最初の仲間。容姿は「ブシドー♂」
ブシドーだが性格はやや軽く、酒屋のオヤジにはツケまで貯めているなど結構なダメ人間。とはいえ探索中は冷静な判断力を備えており、かつては三階層に行ったこともあるなど、冒険者としての経験も豊富な人物。
かつては人斬りとしてただ生きていたが、ある人物に誘われて世界樹に挑んだのだという。回想では二刀を持つシーンがあるが、たぶんショーグンではない。

シノン
マナリィから「シノン姉」と慕われるドクトルマグス。容姿は「ドクトルマグス♀」
マナリィにはやや過保護気味であり、師に黙って迷宮に挑んだマナリィを追ってペット(虎)のルークと共にハイ・カラードに入る。
最初はマナリィを連れ戻そうとしていたが、ある事件を経て考えを改め、かつてのマナリィとの約束通りパーティに入った。

ルーク
シノンと行動を共にする剣虎。容姿は「ペット(虎)」
見た目は大きな虎だが、扱いは猫そのものでとても可愛い。かつて怪我したルークをシノンが拾ってこれまで育てた。マナリィにも懐いている。
マナリィ曰く、「完全装備の聖騎士並の防御力とハルバードを装備した重戦士並の攻撃力を備えているサーベルタイガー」とのことで、終盤に見せた機動力も考えれば中々の壊れ性能を持っている。
これで即死攻撃もあれば……いや、ないけどね。

ブルーレイン
マナリィ達を観察するカースメーカーの少女。容姿は「カースメーカー♀」
かつて所属していたギルドを『吹雪を呼ぶ魔獣』によって彼女以外が全滅した過去を持つ。『吹雪を呼ぶ魔獣』への復讐を望んでおり、同じく魔獣を探すマナリィ達の力を計っていた。
一悶着あった後はマナリィのパーティに入り、ようやくギルドは推奨の5人パーティとなった。


●フレースヴェルグ
現時点でハイ・ガラード最強と名高いギルド。ガンナーである『隻眼のセルグリム』がリーダーを務める。
パーティ構成は「ガンナー」「ブシドー」「パラディン」「メディク」「カースメーカー」の五名。

セルグリム
ギルド「フレースヴェルグ」のリーダー。通称『隻眼のセルグリム』。
ベテランの風格を持ち、性格も慎重かつ知的と最強のギルドのリーダーに相応しい要素を持つ。
マナリィの師であるイチカとは知己であるらしい。

サコンジ
フレースヴェルグのメンバーの一人。老練のブシドーで、両脇に刀を差している。
終盤に『吹雪を呼ぶ魔獣』との戦闘で死亡し、死体はセルグリムによって故郷に帰された。


●グレイホーク
探索と採取を専門としているギルド。ベテランのレンジャーであるロカがリーダーを務める。
パーティ構成は「レンジャー」「メディック」「バード」の四名。

ロカ
ギルド『グレイホーク』のリーダー。レンジャーであり、ギルドメンバー共々マナリィ達とは知己。
危険は極力避けるのが信条だが、危険と分かっている救助任務を引き受けるという一面も持つ。
探索スキルも確かだが、弓の腕も突進してくるフォレストウルフの眼球に2本狙撃できる程に高い。

セロン
グレイホークのメンバー。メディクであり、容姿は「メディク♂」
穏やかな性格の優男だが、鎚を使った戦闘もこなす殴りメディックである。
その漢らしい鎚捌きでギルド『イワフネ』のアリアと地味にフラグを建築した。

プラム
グレイホークのメンバー。弓を使うバードで、容姿は「バード♀」
元気な性格をしており、マナリィと仲が良い。

●イワフネ
救助任務に参加したギルドの一つ。女ブシドーのイズナがリーダーを務める。
パーティ構成は「ブシドー」「パラディン」「ドクトルマグス」「ダークハンター」の四名。

イズナ
ギルド『イワフネ』のリーダー。容姿は「ブシドー♀」
任務の途中にフォレストウルフの大群に襲撃され、グレイホークと共に防衛戦を展開する。
状況判断能力に優れ、窮地の中で状況を読んで一か八かの正面突破を敢行した。

ガウェイン
イワフネのメンバー。パラディンを務めるおっさん。容姿は「パラディン♂」
パラディンとしてフォレストウルフの大群を相手に盾になり、防衛の要として活躍した。

アリア
イワフネのドクトルマグス。容姿は「ドクトルマグス♀」
防衛戦では窮地のセロンを救い、そして直後に今度はセロンに窮地を救われ背中を預けあうというヒロイン属性を持つ。
防衛戦の最中、グレイホークに「(全員無事にこの場から帰れたら)ウチのギルドに入らない?」と勧誘し死亡フラグを立てる。
そして士気を取り戻しその勢いのまま籠城していた洞窟を抜けてアリアは安堵する、そこにはモンスターの姿は見当たらなかった。しかし――

「アリア!避けろォ!」
「…え?」

既に彼女の頭上には標的を定めたフォレストウルフの牙が迫っていた……。

クレイ
イワフネのダークハンター。容姿は「ダークハンター♂」
防衛戦では鞭でフォレストウルフの脚を封じてセロンを救った。


●他の冒険者

イチカ
マナリィとシノンの師匠。引退したがかつては冒険者であり、公宮にも名が知れ渡っている程の実績を持つ。
かつて火竜の巣から公王の治療薬の材料を持ち帰るという任務を全うしたギルドの一員ということで、王宮からの信頼も厚い。
終盤にハイ・ガラードを訪れ、公女に『吹雪を呼ぶ魔獣』の驚異を知らせ、三層へ行くマナリィへ竜槍銃を託した。
ちなみに原作で竜槍銃を作るめの素材は四層以降でしか入手できなかったりする(この漫画の時系列ではまだ二層までしか踏破されていない。三層は途中)。

ガンナーの男
幼いマナリィを『吹雪を呼ぶ魔獣』から助けたガンナーの男。
マナリィを逃がすために自ら囮になり、最後は角で体を串刺しにされながらも、至近距離から特別製の弾丸を喰らわせて魔獣の右目を潰した。この傷は魔獣の大きな弱点となる。
その後、マナリィは彼が死亡したという話を聞いている。


□吹雪を呼ぶ魔獣

この物語のキーパーソン。物語の始めに迷宮の入り口付近まで進行してマナリィを襲った謎の多いモンスター。この魔物が現れた場所は必ず吹雪が吹き荒れる。
見た目は原作の第一階層のボス「キマイラ」に酷似している他、多数のスノーウルフの理性を失わせて操ることができる。
モンスターでありながら氷結術式を操り、さらに防御にも使用する。一撃でももらったら終わりの氷結術式の連発と、通常攻撃の殆どを無効化する氷の防御(アイスシールド?)という原作で出てきたら数多の冒険者をhageさせること請け合いのスペックを持つ。
現にブルーレインのパーティは彼女を残して全滅、最強のギルドと名高いフレースヴェルグとも戦い、彼らが逃げに徹した戦いをしていたにも関わらずリーダーのセルグリムを負傷させ、少なくともメンバーの一人を殺害している。

□六花の少女

三階層にある氷漬けの洞窟で眠る少女。生きているのかは不明だが氷の棺の中で眠るように佇んでいる。今作のタイトルにある『六花の少女』がおそらく彼女。
理由は不明だが、吹雪を呼ぶ魔獣はこの少女の眠る場所を守るために戦っており、現にその棺の前では一切攻撃しなかったどころか知性すら感じる表情で大人しくしていた。


▽残った謎

物語としては纏まっているが、魔獣が守る六花の少女のことや、マナリィの師匠であるイチカの過去など、幾つか謎も残っている。
とはいえそこは主人公であるマナリィと魔獣の因縁にはあまり関係がないとも言え、「世界樹の迷宮」のコミカライズということで意図的に明かさなかったのかもしれない。
君は魔獣と少女の関係について想像を膨らませてもいいし、謎のまま本を閉じてもいい。

▽冒険者の絆

2014年に発売された原作ゲームのリメイク作品「新・世界樹の迷宮2 ファフニールの騎士」にて、22階到達後に発生するクエスト「冒険者の絆」では彼女らと思われるブシドーの男とガンナーの少女が登場。
ファミ通では6年ぶりにFLIPFLOPsによるマナリィたちの雄姿が描かれた。



「ああ、そっか」

「彼女が眠る場所で貴方は戦えないよね」

「私もお墓を荒らすつもりはないからさ、一緒に外へ行かない?」

「4年越しの決着をつけよう」


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