翼は永遠に(海賊戦隊ゴーカイジャー)

登録日:2011/11/13(日) 22:11:08
更新日:2021/10/12 Tue 10:10:36
所要時間:約 6 分で読めます




※推奨BGM:次~回!!



次回……第28話。


俺は納豆と男が大嫌いなんだ!!

この俺が恐怖を感じるなんて……!

話にならん、消え失せろ!

ウソ……変身した!


第28話

翼は永遠に


今のレッドはこんなもんか!?






これ以上、ジェットマンを捜すな。いいな!

何なんだ、お前は!?


結城……凱だ。


「翼は永遠(えいえん)に」は、海賊戦隊ゴーカイジャーの第28話のサブタイトル。


【概要】

鳥人戦隊ジェットマン』のレジェンド回であり、事実上のジェットマン完結編
登場したレジェンドは、ブラックコンドル/結城凱

脚本は『ジェットマン』でメインライターを務めた井上敏樹氏が担当。
凱役の若松俊秀氏は「凱は死んでいる」と考えゴーカイジャーへ参加する気は無かったものの
ある日の夜に電話で「俺が書くからお前が凱として出ろ」という井上氏のオファーにより出演を承諾した。
また、若松氏の依頼で、凱が変身したブラックコンドルのスーツアクターを、当時のスーツアクターである大藤直樹氏が担当した。

ちなみに、メインライターの荒川稔久氏は最後までレジェンド大戦へのブラックコンドルの参戦に反対していた。彼曰く、「ジェットマンのレジェンド回は絶対に書かないだろう」との事。



【あらすじ】

何処かのバーでポーカーに興じる男女……男の名は、結城凱。

「フルハウス。私の勝ちね」
「……悪いな、ストレートフラッシュだ。“この勝負に勝ったら何でも言う事を聞く”。そういう約束だったな?」
「…何をして欲しいのかしら?」
「……ここの酒は不味い。もっと美味い酒が飲みたいもんだ……」


――その頃ゴーカイジャーは、無数の巨大スゴーミンの相手をしていた。そして、いつもの様に華麗に勝利。

夕食の話題をしながら、意気揚々と家路に就いていた。その時、マーベラス達の前に謎の敵が現れる。

男の名はキアイドー。かつて、マーベラスに勝利した賞金稼ぎだった。

「知っているか?退屈というのは嫌な病気だ」

「薬は2つ。金か……戦いか」

かつてマーベラスは実力を大きく上回るキアイドーに圧倒され、あまりの手応えのなさに自らの胸を傷付ける狂気をも目の当たりにしていたのだ。
そして、トラウマに震えながらもゴーカイレッドにチェンジする。

キアイドーと対決するゴーカイジャー。バイオマンマスクマンにゴーカイチェンジするが、圧倒的な戦力差の前に敗北する。
が、何故かキアイドーはゴーカイジャーを逃がす。そんなキアイドーにマーベラスの心は恐怖で支配されていた。


ガレオンに戻ったマーベラス達は、悔しさを現わにする。そんな中、ナビィが突然お宝ナビゲートを。

「メラメラメラ~っと火の鳥が~邪悪な敵を打ち倒す~」

そのナビゲートから、ジェットマンの大いなる力がキアイドーを倒すヒントだと知ったゴーカイジャーは、ジェットマンを捜す。
ジェットマンを捜していたジョールカハカセの前に、謎の男が現れた。

「乗れよ」

とルカをナンパし、誘う資格があるのかと言うと

「あるさ。女は全て、俺の物だ」

ジョーはおかしいんじゃないのかと言い、ルカをナンパしたその男に触ろうとすると

「触るんじゃねぇ!俺は納豆と男が大嫌いなんだ!!」

と言ってジョーを殴り、モバイレーツを奪い去った!

その直後、マーベラス、アイムの前にもその男が現れた。
しかし、鎧にはその男の姿が見えておらずマーベラスが1人で動いているようにしか見えない。


「今のレッドはこんなモノか!?落ちたもんだなぁ!!」
「俺の知ってるレッドはな、パンチに魂が篭ってたぜ!こんな風にな!!」
「これ以上、ジェットマンを捜すな。いいな!」

結城凱と名乗るその男はそう言って、マーベラスからもモバイレーツを奪って立ち去った。

その後、鎧から結城凱はかつてブラックコンドルとして戦った人物であること。
彼の現在の消息は不明で、「消えたブラックコンドル」と世間では噂になっていること。
何故自分には凱の姿が見えなかったのかと不思議に思う鎧。

一人で特訓するマーベラスの前に、再び凱が現れた。
マーベラスの要求を断りながら、凱は今の彼に戦う資格がないと告げる。

「偉そうに海賊なんて名乗ってるクセに、お前ビビってるだろ?全く情けない奴だ」

掴みかかるマーベラスの目を見据えて「ガキだな。自分の弱さと向き合えないとはな」と冷たく突き放し、更に

「今のお前じゃ、ジェットマンの大いなる力を……使いこなせやしねぇがな」

と告げる。

どこかへと立ち去る凱を追うマーベラスは、ある墓地にたどり着いた。

ある墓石に刻まれていた名は……



結城(YUKI) (GAI)

Black wing sleeping here forever.



そう、凱は既に死亡していたのだ。 
墓石の周りにはマッカランと煙草花束野菜アコちゃんラーメンが……。
達は、凱の墓を毎日訪ねていたようだ。

そんな仲間達を……仲間の平和な日常を守る為に、凱は蘇っていたのだ。


そして一人、キアイドーと対峙する凱は、生身でゴーミンと渡り合う。そして、自らの意思でクロスチェンジャーを右腕に宿しブラックコンドルに変身。レンジャーキーはゴーカイジャーの手元にあるにもかかわらず、である。
ブリンガーソードでキアイドーと戦う黒き翼の戦士の姿を見たマーベラスは、新たな思いを胸に戦いに赴く。

「お前の相手は俺たちだろ……?」
「お前……ようやく恐怖を乗り越えたようだな」
「自分に勝つ力、自分の壁を打ち破る力、死をも乗り越える……意志の力!!」
「分かったみたいだな、大いなる力が。さっさとアイツを倒してこい!」

マーベラスの姿を見て変身解除する凱。
ジェットマンの大いなる力に気づいたマーベラスは恐怖を乗り越え、キアイドーと再び対決する。

「ジェットマンで決めろ!ゴーカイジャー!」
「ああ!ゴーカイチェンジ!!」

「ジェーーットマン!!」

「ジェットマン?ジェットマンだ!ジェットマン!ジェットマ~ン!!ジェ、ジェットマ~ン!!」

そしてジェットマンにゴーカイチェンジしたゴーカイジャーは、ジェットフェニックスでキアイドーを見事に撃破した!!


その後、ベンチに座った凱は……。


「何も言うな。ケツが痒くなるからな……」
「綺麗な空だ…目に染みやがる。分かってるな?お前らが守る番だ。あの空を……!」

「海賊にそんな事を任せていいのか?」

「……あばよ」

そうゴーカイジャーに告げて、姿を消した――。


「行っちゃったね…」
「全く……。気障な奴だ……」
「でも、まぁ…いい男だったなぁ……。もっと早く会いたかったかも」
「うーん、わたくし的には微妙です……」
「結局…最後まで見えませんでした……。どうしてですか!?俺が!俺が地球人だから駄目なんですか!?」

「結城凱…。確かに受け取ったぜ、ジェットマンの…大いなる力……!」


――再び、バーでポーカーに興じる凱。 

「どうだった?地上のお酒は」
「ああ…。美味かったぜ、最高にな……!」
「ストレートフラッシュ。今度こそ私の勝ちね」
「……悪いな、ロイヤルストレートフラッシュだ。アンタ神様のくせに弱すぎだぜ……!」

凱とポーカー対決をしていた美女(演:川村りか)は、何と天国の女神だったのだ。

「ねぇ、1曲聞かせてくれない?凱……」

女神の頼みで、凱は天国のバー「Heaven's Gate」中にサックスの演奏を響かせた……。

尚、この時のポーカー勝負では凱が勝っている為、再び地上に降りてくる可能性がある……かもしれない。



【備考】

凱の生死とジェットマンのその後が明かされたこのエピソードは、ジェットマンの真の完結編と捉える事が出来る。ラストに残した凱の言葉は、全てのジェットマンファンが涙した。
井上氏の戦隊シリーズの登板はタイムレンジャー以来11年ぶりとなった。(タイムレンジャー以降は同時期に始まった平成ライダーシリーズへの参加がメインとなる)

脚本ではマーベラスと凱がバーにいるシーンがあり、実際に撮影されていたが、放送ではカットされた。


ジョーを殴るシーンでは、ジョーは簡単に殴られるキャラクターではないからハカセに変えてくれとの要望が挙がったが、井上は凱は戦隊史上一番喧嘩が強いと主張し、一番強い相手こそ殴るべきであり、ハカセを殴ったのでは弱い者いじめになってしまうとしてこれを譲らなかった。また、脚本では変身シーンで「クロスチェンジャー」と叫ぶセリフがあったが、若松は井上がこれを納得してはいないと感じ、現場で申し出て無言での変身に変更した。


今回登場した敵であるキアイドー(該当項目参照)は、恐るべき戦闘狂で、一部の視聴者にトラウマを与えた。マーベラスが恐怖するのも無理は無い……。

いつもは「次ィィィ?回!第〇話!」とハイテンションで予告を行う関智一氏だが、この回の予告は普段とは違う落ち着いた演技で行われている。

ゴーカイジャーのヒロイン達からの評価は、ルカが「いい男だったなぁ……。もっと早く会いたかったかも」と好意的だったのに対し、
アイムは「わたくし的には微妙です……」と芳しくない様子。どうやら20年経ってもお嬢様キャラには不人気な運命のようだ。

レジェンド回では主題歌のインストを流すのが定番となっているが、この回とゲキレンジャーの回では流れなかった。(どちらも中澤祥次郎監督が担当)
この件に関しては流してほしかったという意見とあの雰囲気では流さなくてもよかったという意見でネット上でも賛否が分かれている。
因みにジェットマンにゴーカイチェンジしてからキアイドーとの戦闘終了までの時間はちょうどジェットマンの主題歌がOPサイズでぴったり収まる時間である。

本回は他のメンバーは役者が引退しているため登場こそしないもののバイラムとの戦いを終えた後の生活が、作中で語られている。
レッドホーク/天堂竜とホワイトスワン/鹿鳴館香は結婚し、ブルースワロー/早坂アコはアイドル歌手になったことは原典と同じだが、
イエローオウル/大岩雷太はインターネットでの無農薬野菜の通販で成功して社長になったことが新たに設定された。
原典最終回では幼なじみと結ばれ、総集編では父親になることが明かされ、今回の話では社長になると、雷ちゃんはジェットマン一の勝ち組かもしれない。
尚、鎧曰く世間的には「風変わりな人たちだった」とのことだが、まぁ、竜以外はイレギュラーだったので、そう呼ばれても致し方なしか。

凱の墓に刻まれた墓標“Black wing sleeping here forever”は日本語訳すると“黒き翼、ここに永遠に眠る”となる。
凱に安らかに眠ってもらいたいという、仲間たちの思いが込められているが、凱は天国で女神と仲良くなり、現世と変わらぬ日々を過ごし、
レジェンド大戦やキアイドー戦では、現世に降り立って戦うと、凱らしさは健在であった。

番組冒頭と終盤で凱のサックスとして使用されたBGM「Rhapsody in Blackwing」はこの回の為だけに書き下ろされた楽曲である。
ジェットマンの劇伴を使用する案もあったが、中澤監督のイメージが違うとの意見で新規に作曲する事となった。

何故か、伊狩にだけは、結城が見えなかった理由は明らかになっておらず、伊狩自身は「地球人だから見えなかった?」と考えたが、
実際には、ガイ読みのキャラが2人もいるとややこしくなることや、いつものように、レジェンドに会ってはしゃぐ姿を描くと、話の雰囲気を損ねてしまうことを懸念してのものだったと思われる。
とはいえ、マーベラスたちにジェットマンのその後や結城が行方不明なことを説明したり、結城の心情を察して語るなど、狂言回しとして機能したので、全体的に不遇というわけではなかった。

結城が伊狩に見えていないのは、地球人には結城凱が見えていないという設定であり、それを説明するシーンも存在したが尺の都合でカットされた。
「鎧が一度死にかけているため」、「ジェットマン当時は6人目が存在しないため」との説もあった。


【ジェットマン以外のチェンジ】

両方ともジェットマンとは「メンバーが男性3人と女性2人」という共通点がある。

超電子バイオマン
グディーンヅゥー以外は初チェンジ。本編では無敗のスーパーエレクトロンを使ったが、キアイドーに跳ね返されてしまう。
これは、スーパーエレクトロンは精神力に左右される技のためマーベラスの恐怖心から全力が出せなかった為と思われる。

光戦隊マスクマン
イエローマスク以外は初チェンジ。メディテーションを使うも弾き返されてしまう。大いなる力未所持に加え、上記と同じく精神状態の問題もあったからか。
本来ならダメージを受けるとチェンジが解除されるが、今回はマーベラスのみ変身解除されず、レッドマスクの姿のままキアイドーに殴り掛かっていた。
この戦隊も「レッドと敵幹部の恋愛」が描かれている。

また、ジェットマンも含めて、3戦隊ともレギュラーではない6人目の戦士が登場している。

バイオマン:6人目のバイオマンと思われた山守正太が新帝国ギアの手で変身させられたマグネ戦士
マスクマン:飛鳥リョオが変身するプロトタイプマスクマンのX1マスク(脚本は井上敏樹が担当)
ジェットマン:漫画版続編『時を超えて』において、ジェフリィ・剣崎が変身するグリーンイーグル

グリーンイーグルに関しては、6人目でありながらも、ブラックコンドルの後任として配属されたという複雑な経歴。
さらに、偶然にも、きれいなゴーカイジャーにおいて、ブラックコンドル担当のハカセの位置に、6人目の戦士の鎧がいたという構図が描かれた。

ちなみに、3戦隊とも、ブルーが小柄であり、ジェットマンも含めて、ゴーカイチェンジでブルーの体格が大きくなるという現象が起きている。


【余談】

かねてよりスーパー戦隊シリーズファンであり、ジェットマンファンを公言していた声優のひと美氏は「子供と一緒に見て、感動して大泣きしました」とコメントしたり、
同じく声優の沖佳苗氏も「近年稀に見る、スーパー戦隊シリーズ屈指の良作」と評価している。




綺麗な項目だ…目に染みやがる。
分かってるな?
お前らが追記・修正する番だ、あの項目を……!

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2021年10月12日 10:10