バルトライン帝国(将国のアルタイル)

登録日:2015/3/12(金曜日) 06:24:30
更新日:2022/09/03 Sat 06:03:54
所要時間:約 17 分で読めます




バルトライン帝国とは将国のアルタイルに登場する国家。 本作における敵勢力に当たる。

概要


ルメリアナ大陸の北西に位置する軍事大国。本作の敵勢力に当たる。貴族的な文化を有し、出身者の多くはフランス系かドイツ系の名前が付けられている。
内乱が続いていたが、バルト地方を束ねたゴル王国によって統一され、ライン地方の国々を併合してできた。被征服者であるライン地方の人々は常に搾取される立場にあり、戦争では前線に送られる。軍備拡張政策が行われ続け、他国からその軍事力は恐れられている。
南ルアリアナへの遠征で12万の兵を失ってもなお、本国に職業軍人からなる常備軍7万5千と60万の徴用兵、計68万がおり、トルキエとの戦力比は8倍以上を誇る。
他国から恐れられる一方内政面では軍備拡張、領土拡大の出費により帝国の辺境部では産業や教育が立ち遅れるといった深刻な格差が生じている。
被征服者であるライン地方には不満が溜まっており国内が不安定化しやすく、常備軍の力と農業を単作にして商業的に国に依存させるという政策で抑え込んでいる。
財政も逼迫しており、エイゼンシュテイン公爵曰く「財政を埋めるために戦争を起し、その出費を埋めるために戦争を繰り返すどうしようもない国になってしまった」と嘆き、兵士の中には食べ物を作るより他から奪う自分たちを、盗賊の集まりみたいだと自嘲する者もいる。

エルルバルデスブルク
レレデリクたちの故郷。領地の殆どが痩せた山岳地な上に1年の半分は冬に支配され、ロクな作物も育たない貧しい国。
作物は麦ということにされていたが当然立ち行かなくなり、反乱を起こし鎮圧されるもレレデリクにより救われている。



出身者


帝室・貴族とその関係者


ゴルドバルト11世(54歳)
バルトライン帝国の国家元首たる皇帝。実務はルイ大臣の思惑を見抜きながら、あえて何も言わずに勝手にやらせている節がある。

ビルヒリオ・ルイ(33歳)
バルトライン帝国筆頭大臣(帝国宰相)。本作の黒幕。飄々としているというよりは胡散臭い人物だがキレるとこわいらしい。
宰相として、ルイ家がこれまでも帝国の財政を助けたこともあって皇帝すらもルイに強くは出られない。5年前に大臣となったため、エイゼンシュテイン公爵など敵も多い。
領土拡大、軍備拡張政策を推し進め、サロス王国と修好通商条約を結び、海軍を整備している。配下の赤蛇の教団(ロットウルム)を使い、ヒサール反乱や四将国の乱など様々な陰謀を画策している。チェスを嗜んでおり、ポイニキア戦争や南ルナリアナの遠征にも兵士を駒と見なすような発言が見られる。ピノー率いる帝国軍の敗北、ザガノス将軍(パシャ)のライン地方の独立工作で帝国が絶体絶命の窮地に陥るもその余裕とした態度は崩していない。
小姓の話によれば誰よりも遅く寝て、誰よりも早く起き、地図を描き、毎日皇帝に献上することを日課としている。

シモン・ブランシャール(27歳)
バルトライン帝国財務大臣の女性。ルイが信頼を寄せる腹心であり同僚。
セミロングだったが、後にショートヘアにしている。

エイゼンシュテイン公爵(95歳)
バルトライン帝国元老。車椅子に乗った小柄な老人。先代皇帝エルドライン1世の代から仕え、70年余りに渡り要職を歴任してきた重鎮。
帝国の貧困を憂いてピノーと共に内政の充実を訴えているが、聞き入れてもらえない。

エルルバルデス公爵レレデリク(26歳)
帝国海軍央海艦隊陸戦隊長。ゴルドバルト11世の姪。女盗賊のような風貌で皇帝からお転婆すぎて嫁の貰い手が無くなると言われている。ルイ大臣の戦略に従っているが、あくまで利害関係の一致に過ぎない。
理念はないが弱肉強食の信念を持っており、ルイ大臣の救援物資の申し入れを施しはいらないと語り、コンスタンティノスには栄える資格があるのは力がある奴だけと言っている。砦の町(ヒサール)の反乱ではではルイ大臣の戦略にのって領民保護を名目に攻め入ろうとするがその前にマフムートが片付けてしまい失敗。
第一次ポイニキア戦争では自ら決死隊に加わり、ポイニキア陥落に導く。その際、挑んできたコンスタンティノスを負け犬と一蹴して、殺している。サロスでの海の都(ヴェネディック)の戦いによる講和会議の使者としても赴いている。

グララット・ベルルリック(25歳)
レレデリク直属の部下で帝国海軍央海艦隊陸戦隊長付副官。ククリ刀を武器にした熟練の兵士。長髪の穏やかな風貌をしているが、好戦的な性格で戦いの中で生き、その中で死ねればいいと語り、利き腕を骨折しても戦意を喪失しない。砦の町(ヒサール)では態度のでかい赤蛇の教団(ロットウルム)の人間をムカつくと殺している。レレデリクとは軽口をたたき合える仲。第一次ポイニキア戦争では崖を登る決死隊の目を逸らすための囮役を引き受ける。

エルルバルデス山岳兵
貧しい故郷を救うため命を惜しまず戦う屈強さで知られる山岳兵で、ククリ刀を使う。10分の1が死ぬ決死隊にも参加し、ポイニキア陥落の最殊勲を挙げる。その甲斐あって、ポイニキアから得られる税収の5割を恒久的に与えられる。
しかしポイニキアが完全に孤立してしまったため、盟約は有名無実となってしまった。

海軍


5年前から整備され、特に央海艦隊は増強されてきた。歴史が浅く、他の国の海軍よりも弱い。
軍港として港の一部割譲を拒否したポイニキアと第一次ポイニキア戦争を引き起こす。12万を率いて攻め込み、5万超の損害を出しながら、エルルバルデス山岳兵の決死隊の活躍によりポイニキアを手に入れる。
サロスで小麦のトラブルから海の都(ヴェネディック)と交戦し敗北し、賠償金5万ドゥカードなど不利な条件で講和。
その後島の都(リゾラーニ)と手を組み連合艦隊600隻でポイニキア-サロス間を海峡封鎖し西央海の制海権を握る。しかし、海の都(ヴェネディック)艦隊に敗れ、ポイニキア、サロスの港も封鎖され、無力化されてしまう。



陸軍

5百人で1組の方陣からなる密集陣形を利用した戦術を取る。1軍団あたり5千でできている。これは、他の殆どの国の兵力が5千いくかいかないかの所を見ると多い。ウラド王国を保護下に入れる事に失敗したため、ルイ大臣主導により南ルナリアナに侵攻。しかし、天上の都(シエロ)と囁き(ムルムリョ)盆地の戦い、剣の都(エスパーダ)での戦いで総指揮官コランタン・ピノー大将を含む将兵5万2千が戦死したため、侵攻を停止。手に入れた南ルナリアナの過半を南領(スュッド)としてヨハン・フレンツェン大将が管理している。

新貴族(ヘルマン)

ゴル王国によって併呑された国々の旧王族。
陸海軍ら常備軍団と双璧を成す勢力ではあるが、常備軍団が実力主義なのに対し新貴族は世襲であるため、実力面では常備軍団には及ばず実戦には赴かない。
このため長らく冷や飯を食っており、闘技場の見世物にしかならないと揶揄されたり売官する者までいる。
しかし時代遅れと言われながらも重装騎兵部隊を擁しており、その機動力と突破力は目を見張るものがある。


赤蛇の教団(ロットウルム)

ルイ大臣の配下の集団で工作員として暗躍する。4千年前、最初に製鉄技術を発明し、よりよい環境を求めてはるか東方からバルト地方の赤蛇山に住み着いた一団を祖とし、その高い製鉄技術を守るため教団化したのが始まり。製鉄から派生して、高い土木技術、建築技術を持つ。出身者は男は左目、女は右目に眼帯か傷がある。レレデリクは腕はそこそこ立つがヘンテコな武器が取り柄の三流戦士と評している。

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最終更新:2022年09月03日 06:03