赤い女の惨劇(名探偵コナン)

登録日:2015/03/28 (土) 12:19:47
更新日:2020/07/08 Wed 21:37:44
所要時間:約 10 分で読めます





そう…あれは15年前…
この近くの貸別荘で殺人事件があったのよ…

殺害されたのはどっかの会社員で
浮気相手と、その貸し別荘にお忍びで旅行に来てたところに
包丁を持った奥さんが乗り込んできて…

騒ぎを聞いて警官が駆けつけた時には
部屋の中は辺り一面、血の海で…

奥さんが着ていた白いレインコートが真っ赤に染まるぐらい…
何度も何度もご主人を刺し続けていて…

付いた(あざな)が「赤女」…


「赤い女の惨劇」とは『名探偵コナン』において、江戸川コナンと世良真純が解決した事件のうちの1件。
単行本第82巻と第83巻に収録されている。
テレビアニメでは第754話~第756話として、2014年10月11日~25日に放送された。
コナンには珍しいサービスシーンがあったり、ホラーチックな演出があったりと見所が多い。


以下、ネタバレにご注意ください。


【ストーリー】
コナン、蘭、園子の3人は世良に誘われ、長野の森の中にある貸別荘を訪れる。
世良には2人の兄がいて、今回は2番目の兄が高校時代の同級生から貸別荘の謎を解いてほしいという依頼を受けたのだが、その兄が忙しいらしく世良が代わりに依頼を受ける事になったらしい。
貸別荘へ向かう途中で蘭と園子は赤いレインコートを着た女を目撃し、その事を別荘にいた4人に話すと途端にその場の空気が重くなる。
15年前にこの近くにある別荘で殺人事件があり、その犯人の「赤女」と呼ばれている女が現在も逃走中だったため、蘭達が目撃した人物はその女かもしれないと4人は思ったようだ。

12年前にこの貸別荘を訪れた時に、彼らの同級生の伊元聡子も赤女を目撃したらしいのだが、その女を捜している途中で行方不明になり、後に近くの沼で遺体となって発見される。
それ以来彼らは聡子が亡くなった日にこの貸別荘を訪れる事にしているが、おととしからこの別荘でリンゴを大量に放り込まれたり玄関の扉に赤いペンキをぶちまけられたりという、赤にまつわる怪事件が立て続けに起きていた。

その怪事件の謎を解いてもらおうと世良を呼んだらしいのだが、そんな最中に風呂場の浴槽に大量のトマトが浮かんでいるのが発見され、その湯船の中から別荘客の1人・薄谷昌家の遺体が……


【事件関係者】
※人名の元ネタは野菜から。

  • 峰岸珠美(みねぎし たまみ)
CV:伊倉一恵
世良の兄の同級生。28歳。
コナン達に15年前の赤女の事件のあらましを教える。
今回の犯行推定時刻にはキッチンで食事の後片付けをしていた。
名前の由来は『タマネギ』から。

  • 河名澄香(かわな すみか)
CV:田野めぐみ
世良の兄の同級生。28歳。
人見知りらしく、初めて会った世良に事件に関する写真を渡した時も素っ気ない態度をとる。
2階で掃除をした後で、蘭や園子と風呂に入ろうとした時に風呂場の異変に気づく。
事件が発生した後に起きた停電の際に何者かに背中を斬りつけられるが……
名前の由来は『ナス』から。

  • 仁田甚輔(にんだ じんすけ)
CV:志村知幸
世良の兄の同級生。29歳。
赤女の撃退用にバットを毎年持ち込んでいる。
犯行推定時刻には、1キロ先の店まで買出しに行っていた。
名前の由来は『ニンジン』から。

  • 薄谷昌家(はくや まさいえ)
CV:沼田祐介
世良の兄の同級生。28歳。
赤女の話題になった途端、「聡子が生きているワケがない!」と言って怯えだす。
風呂場とトイレの掃除をしていたがその途中で何者かに殴られ、トマトが大量に浮かんだ浴槽の底に沈められ溺死する。
名前の由来は『ハクサイ』から。

  • 伊元聡子(いもと さとこ)
世良の兄の同級生。故人。
12年前に別荘の近くにある底なし沼にはまり、1週間後に遺体が発見された。ちなみに発見された彼女は丈の長い赤いコートを着ていたらしい。
その沼の近くで赤女が使っていた包丁が発見されたため、森に潜んでいた赤女に追いかけられた挙句に沼にはまってしまったのではと考えられていたが……
名前の由来は『サトイモ』から。

  • 嶽野駒世(たけの こまよ)
15年前に猟奇殺人を犯した長髪の女性凶悪犯。
動機は会社員だった夫の浮気。自宅を放火した後で夫が浮気相手を連れこん貸し別荘に乗り込むと夫を包丁でメッタ刺しにし、駆け付けた警官を退けて逃走する。
着ていたレインコートが血まみれになりながらも夫を刺し続けていたおぞましい姿から、巷では「赤女」という通称で呼ばれている。
現在も逃亡中だと思われていたが、12年前に聡子が沈んでいた沼で女の白骨遺体が見つかり、1週間前にやっと嶽野本人のものと確認されたため、長野県警で明日行われる記者会見でその事が公表される予定だった。
名前の由来は『タケノコ』から。

  • 嶽野の母親
事件の1週間前に死去。
嶽野の臍の緒を保管していたが、「娘の死を認めたくない」との理由で警察に提出しなかった。
この臍の緒により白骨遺体が嶽野のものだと断定された。


【レギュラー陣】
ご存知主人公。
風呂場から悲鳴が聞こえて思わずそこに駆けつけるが、そこで蘭の裸を見てしまい鼻血を出してぶっ倒れる。
アニメ版ではその鼻血の跡を警察に弄られる事に……

ご存知蘭姉ちゃん。
今回はお色気担当。風呂場でバスタオル1枚になっており、遺体発見時にタオルを落としてしまい、コナンに裸姿を見せてしまう羽目に。
今回はホラー染みた事件だったが、そこまで怖がる様子は見せなかった。

ご存知蘭の親友。
停電前に窓の外にいる長髪の女を目撃したため、蘭よりも赤女の亡霊を怖がっていた。
ちなみにコナンが鼻血を出した原因が「蘭のヌードを見て興奮したからじゃない?」と推測した上、アニメでは「マセガキ鼻血ボーイ」呼ばわりしていた。(笑)

ご存知ボクっ娘女子高生探偵。
今回で兄が2人いる事が判明。2番目の兄は高校で起きた事件や謎をたちどころに解決していた新一のような人物だった。
色々と事情があって兄弟3人とも名字が違っているらしいが……

長野県警の刑事。
単独で事件の初動捜査を担当。
コナン達の冗談を真に受けて、得体の知れない影に思わず怯える意外な一面を見せた。
その様子にコナンは「あんた刑事だろ…」と突っ込んでいたが、たとえ刑事であっても怖いものは怖いと思う。
しかも、冗談が冗談で無くなってしまうとは……

長野県警の警部。
12年前、警察学校の研修中に聡子が沈んでいた沼の近くで凶器の包丁を発見する。
この事から「白骨遺体は赤女じゃない」と推理したが、諸伏との行動で15年前の事件に関わった元警官の話を聞いていた時にある事に気づき……

長野県警の警部。
大和と共に凶器の包丁を発見したが、その包丁がさびにくい素材で出来ている事などから「白骨遺体は赤女に違いない」と推理する。
大和と意見が食い違っていたため、それ以来事あるごとにその件で言い争っているらしい。


【以下、事件の真相…さらなるネタバレにご注意ください】

























ええ、そうよ…

赤いレインコートに赤いブーツをはいて
赤女に成り済ましたわよ…

聡子を見殺しにした…
あの卑怯者をあぶり出す為にねぇ!!

  • 河名澄香
今回の事件の犯人。
動機は12年前に亡くなった聡子の敵討ち。
数年前に警察から聡子が赤いコートを着て亡くなっていた事を聞き、彼女の死の真相に気づく。

12年前に聡子は赤女を見たと主張していたが実際には目撃などしておらず、他のメンバーと外に探しに出てきた時にはぐれたふりをして、その後赤女に扮して皆を驚かすためについた他愛のない嘘だった。
そのイタズラには皆を誘導する協力者がいたはずだと推測した澄香は、その協力者を炙り出すために数年前から貸し別荘で赤にまつわる様々な事件を起こす。そうする事で赤女の存在を匂わせようとしたのだが、誰もそれに反応を示す事はなかった。
業を煮やした澄香は、今回は赤女の格好をして別荘の周囲をうろつく。すると薄谷がその人物を聡子だと勘違いする発言をしたため、彼を聡子の協力者だと断定する。
薄谷を殺害する前に12年前の事を問い詰めると、「約束の場所に聡子がいなくて、怖くなって言い出せなかった」と弁解していたようだが、どうせ道に迷って約束の場所が分からなくなったからだろうと澄香は解釈し、そのまま彼を殴って湯船に沈めて溺死させる。

薄谷を殺害した後は犯行推定時刻をごまかすために、バスソルトを使った湯船に遺体と大量のトマトを沈めてその場を後にする。
蘭と園子に何も浮いていないのを確認させた後で、彼女達と風呂に入る直前にもう一度バスソルトを加える。すると湯船の塩分濃度が高くなって大量のトマトが浮かび上がるので、犯行推定時刻が風呂場に入る直前だと錯覚させる事に成功した。

だが森の中で赤女に扮していた時に、世良達の会話を盗み聞きして世良が女子高生探偵だと確信し、初めて会ったはずの世良に何も聞かずに話しかけた事で、事件が起きる前から世良やコナンに何か怪しいと睨まれていた。
そして、風呂にバスソルトを入れてかき混ぜた時に袖に付着した塩の結晶が決定的な証拠となった。

「イタズラの事をもっと早く話してくれていれば聡子は…」と涙ながらに訴える澄香だったが、だとしたら停電の時に彼女を襲った人物とは一体……



1人いるじゃない…

事件に深く関わっているのに…


その生死が語られていない…

女が…

  • 赤女の正体
停電の騒ぎに乗じて澄香を襲ったのは、15年前に殺害された嶽野の夫の浮気相手・香川志信(かがわ しのぶ)だった(CV:笹島かほる)。
(不倫だったとはいえ)愛していた男性が目の前で惨殺されたショックと恨みで嶽野が既に死亡しているとも知らずに15年間森の中に潜んで復讐の機会を伺っていたようだ。
澄香を狙ったのは、彼女が薄谷を炙り出すために森の中で赤女の格好をしていたからで、その格好から彼女を赤女だと思い込んで貸し別荘までつけていたらしい。
12年前に聡子が約束の場所にいなかったのは、当時赤いコートを着ていた彼女を赤女だと勘違いした志信に襲われて逃げまくった事が原因かもしれないとコナンは推測している。

澄香の殺人罪が告発された直後、窓ガラスを破って侵入。そのまま彼女に包丁を振り下ろそうとするが、間一髪で駆けつけた大和に阻止され、諸伏から嶽野が既に死亡している事を聞かされると犯行を思い止まり、殺人未遂の現行犯でそのまま逮捕された。

15年前の事件の報告書には誤りがあり、本当は赤女が逃走する時に包丁を投げつけてきたのを書き間違えて、包丁で斬りつけてきたと当時の現場に駆けつけた警官が報告していたらしい。その警官は事件後、投げつけられた包丁がトラウマとなり、パチンコ店のスタッフに転職していた。

包丁を投げつけたのなら拾っている暇なんてないし、警察がいるかもしれない現場にわざわざ戻って回収するはずもない。それなのに3年後にその包丁は沼の近くで見つかり、それを使っていた嶽野が既に死亡していたとなると、その包丁を回収したのは殺人現場に居合わせた愛人しかいないとコナン達は考えたようである。ただし、志信が回収した包丁をなぜ落としたか、最後に所持していた包丁がどこの物なのかは語られていない。

上記にもあるとおり、15年間も赤女に復讐する機会を伺っていたわけだが、その復讐相手は12年前に事故死していたので、そう考えると無意味な行動を15年も続けていた彼女が赤女事件における一番の被害者なのかも……
ちなみに「香川志信」の名前の由来は『カブ』から。

原作でも結構怖い演出がなされていた今回のエピソードだがアニメ版ではさらに拍車がかかり、特に終盤で澄香に斬りつける時の「ミツケタ…」のシーンは恐怖の一言。

  • 薄谷昌家
聡子の協力者として、赤女にまつわるイタズラを12年前に他のメンバーに仕掛けようとした。
だが赤女に扮した聡子が約束の場所に現れなかったため、怖くなってそのイタズラの事を言い出せなかったらしい。
後に聡子が沼にはまった原因が志信にあるかもしれないと判明するため、彼もまた赤女事件に振り回された哀れな被害者と言えるのかもしれない。


【その後…】
事件が全て解決した後、世良はコナンに失くした携帯電話を探す手伝いをしてくれるよう頼む。
コナンは自分の携帯電話で世良の携帯を鳴らし、食器棚の下でそれを見つける。
その携帯の画面には、世良と見たことのない少女が一緒に写っている写真が表示されていた。
世良はその携帯をコナンから受け取ると、2番目の兄にその電話で事件の報告をする。
「あの写真を表示した状態でわざと放置し、オレにわざわざそれを見せたかったのか?」とコナンは勘ぐるが、世良と一緒に写っていた少女の正体とは一体……?


追記・修正は、赤い端末を使ってお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/