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エミリー(ゴルゴ13)

登録日:2015/08/27 (木) 23:35:45
更新日:2023/08/05 Sat 19:29:26
所要時間:約 6 分で読めます







……私を置いて、出て行ってしまうなんて許せないッ!!……




エミリーとは、『ゴルゴ13』の146巻に収録されたエピソード「ブーメランを持つ女」に登場するゲストキャラクター。

概要

オーストラリア北部の砂漠において一人で住んでいた白人女性。
セスナで何者かと空中戦を繰り広げた末、相棒の白人男性の操縦士の死亡によって重傷を負ったゴルゴを蛇が襲った際に救った。
そして、砂漠で眠っているゴルゴを家に連れて行って介抱したことで関係を築くようになる。

ブーメランを容易く操り、馬を所持しており乗馬も行える。
アボリジニから薬草の作り方も教わっていて、作中でゴルゴの治療の為にその薬を飲ませている。
ゴルゴの反応から裏世界の人間であることを察するなど、洞察力も高い。

彼女の家がある砂漠は一番近い医者を尋ねるにも150キロ離れており、一日経っても誰もセスナ機の事故に気が付いていないほど。
どうやら彼女が知らせないと誰も来ないような場所らしく、二か月に一度配達のエアーサービスが来る程度らしい。
ついでに言うと住んでいる家には絵画が複数飾っているが何故か日本人の女性の絵画があったので、ゴルゴへの反応を見るに元々東洋に関心があったのかもしれない。

ちなみに、エピソードの最後まで何故砂漠に住んでいたのかという詳細は明らかになっていない。
ただ、作中では彼女のブーメランで殺されたことを示唆するような白骨の遺体をゴルゴが砂漠で確認している。
『一人ぼっちにしていた他の男達と共に荒野の土になるのね』という台詞からも、エミリーはこれまでも複数の男性を殺害をしている可能性が高い。
『異端の人間』『ありふれた生活なんて出来ない』とも語っているので、何らかの原因はあるのだろう。

裏世界の人間らしいゴルゴへの関心や一人で住んでいて退屈だったのか、彼に興味を抱く。
ゴルゴに女として扱われたいと思ったのか、下着が丸見えのランジェリーでゴルゴの部屋に入ってきたりした。
案の定ゴルゴには適当に扱われ、救われておきながらそんな態度のゴルゴに怒りを見せる。

一方で、自身のカールした髪の毛が気に入らなかったのかと考え、東洋人好みと思った直毛にしようとする努力も見せていた。
まっすぐにならない髪の毛に怒りをぶつけるなど、恋をする女の姿も見せている。
惚れた男にはかなりの甘えたがりらしく、ゴルゴと関係を持った後はすぐにセックスを要求するなど性依存症にでもなったような描写もあった。

実はゴルゴは作中でエミリーと二回も性交渉をしているが、ゴルゴが同一人物の女性と複数回も性交渉するのは、シリーズを通しても数少ない例なのである。
実際にゴルゴは過去のエピソードで『二度三度味わえる女はそういない』と語っている。
ゴルゴはエミリーを「味わえる女」として気に入っていた可能性があるが、重傷の身体と相手が恩人という状況的に単に彼女の性的要求に応じるしかなかった可能性も否定できない(しかもよく見ると二回目はゴルゴはほぼ動いていない)ので真意は不明。

劇中の活躍

ゴルゴと性的関係を結んで激しい性交渉の末に朝を迎え、充実した表情で目を覚ますエミリー。
ところが、机には大量の札束が置いてありゴルゴの姿は既になかった。
このことに彼女は怒りを見せ、家の玄関を飛び出たが……。

エミリーの家を出て砂漠の川沿いを馬に乗って移動するゴルゴは、川を下っていけば町に出られると
炎天下の中、水筒を飲みながら馬と共に川を下っていくゴルゴだったが、万全の体調では無いからか、汗を流しながらも岩場を歩いていく。

すると、岩場で白骨化している首の外れた遺体が放置されているのを見て驚くゴルゴ。
しかもその遺体の近くには、ゴルゴと読者はどこかで見たことのあるブーメランが突き刺さっているのも見える。

すると、大きな音を発しながらゴルゴの元にブーメランが飛んできたのだ。
ゴルゴは辛うじてブーメランを避けるが、馬の首にブーメランは突き刺さってしまう。
ゴルゴが見上げると、そこにいたのは馬を用いて彼を追ってきたエミリーだった。

エミリーはゴルゴに与えていた薬草について語りだし、長期的に使用すれば大きな効果はあるが、飲み始めは代償として自律神経に変調をもたらすという副作用があることを伝える。
ゴルゴの視力は異常状態にあり、最初に飲む前に確認したことで薬を安全と思い込んでしまったか、ゴルゴにしては珍しく飲食物の不注意で力を奪われる状況に陥った。
とにかく、今のゴルゴの視力ではブーメランを避けられる状態ではなかった。

自分を置いて出ていくことにエミリーが怒る一方、ゴルゴにはエミリーが三人に見えるようになっていて苦しんでいた。
エミリーは、今まで自分を一人ぼっちにしていった他の男と共に荒野の土になるのだと吐いたのだった。

するとゴルゴはジャージのチャックを開けて傷口に手を入れ、歪んだ表情で激痛に耐える。
エミリーは恨み言を吐いた後にブーメランを飛ばすが、ゴルゴは苦痛の表情でブーメランの一瞬の隙を見つけてブーメランを撃ち落とすことに成功する。
ゴルゴは傷口の痛みを利用して幻覚を取り払うことに成功しており、焦ったエミリーは馬の鞍に取り付けていた予備のブーメランを取り出し投げようとした。
しかし、ゴルゴの射撃はそれを許さず、彼女の胸を弾丸が貫いたのだった。

地面に倒れたエミリーはゴルゴが己の傍に近寄る中、悟ったような表情で『自分にありふれた普通の生活がなんて出来やしないという事は分かっていた』と笑った。
馬鹿な女だと悟りながら、自分のような異端の人間は破滅するしかないという事だよねとゴルゴに問いかける。
だが、自分が倒れている場所の近くに咲く野花を見ながらこう呟く。


で、でも……普通の女並みに美しいモノは、好き……


彼女はゴルゴに、自分のような女はこの世に生まれて幸せを求めてはいけなかったのかと問いかける。
悲痛なその台詞に対し、ゴルゴは静かにこう答えた。


……お前のような人間を……
俺はもう一人、知っている……


その答えに彼女は安心した表情を見せて、一人ぼっちじゃないんだと喜ぶ。
エミリーは野花に必死に手を伸ばしたが、力尽きて絶命したのだった。

その様子を見たゴルゴは一本の野花を摘み、血の広がるエミリーの胸にその花を添えたのだった。
エミリーの連れていた馬はゴルゴに利用されることになり、彼が立ち去った後にエミリーに添えられた野花は軽い風で胸元から離れた。

余談

  • エミリーが登場したエピソード「ブーメランを持つ女」はシリーズでも異色な描写やゴルゴが語った「お前のような人間」という発言の考察などで話題になりやすい。







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最終更新:2023年08月05日 19:29