比企谷八幡

登録日:2015/11/07 Sat 05:59:24
更新日:2025/10/13 Mon 07:16:57
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皆でやる事が素晴らしくて、皆でやる事が良い事で、じゃあ、一人でやる事は悪い事なのか?

どうして、今まで一人でも頑張ってきていた人間が否定されなきゃいけないんだ。


『比企谷八幡』とは『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』の主人公。


■概要

アホ毛が特徴の普通の高校2年生。
文系の成績は良いが理系は悪い。
幼い頃から友人の1人もおらず、小学校時代は同性からの軽いいじめ、中学校時代は異性とのすれ違い(主に比企谷の自意識過剰さから)を経て大小数多くのトラウマを抱える。
トドメに高校の入学式の日に交通事故で入学が遅れ、完全にクラスでぼっちになった事から完全に捻くれた精神になってしまった。

捻くれ者で叱られる際にも屁理屈を並べることも多く、
人情や正義といった現実の世界で良いとされているものですら全否定してしまうほど。
作文に「リア充爆発しろ」などと堂々と書くその捻くれっぷりを見かねた平塚に「奉仕部」に強制入部させられた所から物語は始まる。
平塚曰く「高二病」。こうなったのも上記の人生経験、父親の(かなり残念な)英才教育の賜物であり、特に女性に対しては(過去のある悲しい経験も相まって)とりあえず近づいたら警戒する。
男性でも警戒する。

反面、根は年不相応なレベルで実直……言い換えれば純真ですらあり、何よりも人間関係の欺瞞を嫌う。
しかしその性分から他人のためにこの信条を破る事がある。

同時に自身の信条・信念と真っ向から背反する為にジレンマに陥るという悪循環を起こす要因ともなっている。

顔立ちは悪くないらしいが「目(根性)が腐ってる」とよく言われ、自覚もある。挿絵、漫画やアニメでも基本的に濁っている。
(しかしその言葉通り、目の腐ってない彼の姿は確かに紛うことなきイケメンである)
奉仕部に持ち込まれた問題解決の際は由比ヶ浜曰く「くっだらないバカな斜め下の解決法」。

雪乃とは別の意味で頭のキレと回転が良く、
家族以外の人間から疎んじられ迫害され続けてきたという、
修羅場を長年くぐり抜けてきた経験に裏打ちされた観察眼や知識がそれに加わったことで、
表面的な正義や私情に囚われることなく、状況を正確に分析・判断した上で心理的、構造的に脆弱な点を責めたてたり、問題そのものを原因ごとなかったこと、もしくは盤面をぐちゃぐちゃにして有耶無耶にする方法を取ることが多い。とは言え、勿論何でもかんでもうまく行くわけもなく、想定と異なる動きを相手がしたりキャパオーバーで手が回らなくなると失敗もする。
自身の信念や行動理念をいかなる時も貫き通し、たとえ自身が悪人扱いされようとも、それを曲げることはない。

よく勘違いしている人も多いが、陽乃が八幡との電話口で発した「理性の化物」という言葉は理性を隠れ蓑に自分の感情や人の気持ちと向き合うことから逃げようとする彼のヘタレっぷりを揶揄したものであり、決して褒め言葉などではない。

ともあれ、平塚先生は彼の「相手の人間の性格特性と行動の裏にある心理的要因を見破る」分析能力に感心したほどである。

ただ問題を解消するとはいえ、偽悪的な行動に出て自分を犠牲にするやり方、
周囲の人間・仲間たちの気持ちや心配を一切汲み取ることなくそれを躊躇なく実行するやり方には雪ノ下・由比ヶ浜ともに難色を示しており、
平塚先生からは「感情という部分をいとも簡単に切り捨ててしまうことが君の弱点だ」と指摘されている。

またストーリーが進むにつれ、雪ノ下・由比ヶ浜・戸塚・材木座といった信頼できる友人(仲間)ができ、
一生分かり合えないと壁を感じていた同じクラスの葉山グループの面々ともそれなりの関係が築けた
(相模南侮辱事件以降も、葉山グループのメンバーが八幡と接触を図ることも少なくなかった)ことにより、
それまでの「家庭の外では誰にも愛されず孤独の日々を送っていた」八幡が彼らの存在により初めて人に恵まれる経験をしたため、
八幡自身も揺らぐことが多くなり、ストーリーの中盤以降は、
それまで培ってきた自身の信念と生まれて初めて経験する周りの仲間たちに囲まれた幸せな境遇の狭間に揺れ動く場面も増えつつある。
特に後半では互いを理解し合える、人間関係に嘘を挟まない「本物」が欲しいと青臭い願いを吐露し奉仕部との仲が深まるもその純粋すぎる願いは現実で貫くには厳しく、いったい「本物」って何なんだと苦しむ事となる。

ラブコメ主人公らしく、女性関係に対しては奉仕部の2人、クラスメイトの川崎、後輩の一色などそれなりに縁があるが警戒心が強く例えデート的な物に誘われても付き合おうなどとは到底思わない。
そんな彼が、終盤に誰を選んだかはーーーー。

妹、小町に対してはかなりのシスコンで、彼女に近づく男には冷たい対応を取る。
将来の夢は専業主夫。自分の性格や能力を挙げては事あるごとに働きたくないと愚痴っていたりするが、奉仕部の活動を通して最近社蓄ソウルを身に着けつつある。
小町曰く「捻デレ」ており、人の好意を素直に受け止めずに遠回しな表現で褒める事が多い。
また結構なオタクでプリ◯ュアシリーズは欠かさずチェックしており、彼のモノローグ内では様々なアニメの小ネタが披露される。

千葉愛にも溢れており、千葉県のことを語らせたら彼の右に出る者はいない。

■余談

某『フリー素材の彼』はヒッキーがメスになる本で抜いた事があると江口氏に対して公言した事がある。

名字の由来は鎌倉市の寺院・妙本寺付近の地名(豪族・「比企氏」が住んだ谷戸であることより)。ただしこちらの読みは「ひきがやつ」。
名前は鶴岡八幡宮からか?

その独自の魅力からか、作品人気全盛期の二次創作では彼を主人公にしたクロスオーバーSS、漫画などが大量に生まれ中には本編の彼と乖離してしまった作品も多かった事からそういった作品は
『HACIMAN』と揶揄されている。


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最終更新:2025年10月13日 07:16