ロッテ・ミュンヒハウゼン(ドラえもん)

登録日: 2016/03/26 Sat 14:01:21
更新日:2021/02/13 Sat 22:52:21
所要時間:約 7 分で読めます




「生まれ育ったこの城がなつかしくてときどきくるのよ」


【概要】
ロッテ(ないし、クリス)・ミュンヒハウゼンはドラえもんに登場するキャラクター。俗に言う美少女キャラである。
しかしながらドラえもんに登場する美少女としては、知名度では鉄人兵団のリルルなどに劣り、
一発のインパクトでは水田版ドラえもんの「のび太を愛した美少女」で登場したくぎゅ……げふんげふんルリィなどに分があるため、
知る人ぞ知るマイナーキャラクターという立ち位置に収まっている。
一方で、登場エピソードの3度に及ぶアニメ化及び水田版ドラではまさかのOPに登場するなど、地味に制作側のプッシュを受けているキャラクターでもある。
なお、抽象的に言えば美少女ではあるが、エピソード毎に若干の違いがあり、その違いを考慮すると
エピソード毎にかわいい・かっこいい・美しいなどの評価が分かれるキャラとなっている(後述)。

CV.横沢啓子(1979年)→鷹森淑乃(1986年)→桑島法子(2008年)

【登場エピソード】
てんとう虫コミックス・短編第12巻第20話『ゆうれい城へ引っこし』
少年サンデー増刊1976年6月号『古城の幽霊』
大山版ドラえもん「ゆうれい城へ引っこし(前編・後編)」
水田版ドラえもん「ゆうれい城へ引っこし」


【登場エピソードのあらすじ】
借家暮らしから持ち家が欲しいと思うのび太のパパとママだったが、中々条件に見合った物件が見つからずに溜息をつく。
そんな時、管理が大変で買い手もつかないという理由からドイツの約一万五千あると言われる古城の一部が格安で売りに出されている事を知ったのび太とドラえもんは、パパが出せるギリギリの金額の物件として「ミュンヒハウゼン城」に目をつける。
その下見としてドイツへと向かったのび太とドラえもんの目の前に現れたのは、城の持ち主であるロッテであった。
のび太とドラえもんを快く受け入れてくれるロッテであったが、突如彼らの前にロッテの叔父で弁護士のヨーゼフが現れる。
そして二人は、ロッテとヨーゼフからこのミュンヒハウゼン城に幽霊が出るということと、
それが理由で城に買い手が付かず安く売られているという事を知る。
しかしその幽霊騒ぎには、実は裏があり……。


【設定】
500年以上の歴史を誇るドイツのミュンヒハウゼン男爵家の末裔となる若い女性。
よくよく考えると、由緒正しき貴族の末裔・先祖代々の城の所有者・美女……と相当のハイスペックレディである。なお、元々帝国だったのが革命を経て共和制になったドイツでは、こういう人が結構いる(「エロイカより愛をこめて」のエーベルバッハ少佐など)。
両親とは既に死別しており、ストーリー上確認可能な肉親は叔父ないしは伯父のヨーゼフのみである。
なお年齢不詳だが、バイク(ドイツだけあって車種はBMWモトラッド)を運転出来ることや、ヨーゼフとは一緒に住んではおらず自活しているなどの描写から年齢は20代前後だと思われる。

初代ミュンヒハウゼン男爵エーリッヒの直系の子孫であり、代々受け継がれてきたミュンヒハウゼン城で生まれ、そして幼少の頃を過ごした。
しかしながら、「税金(固定資産税)がバカにならない」などの現実的な理由からミュンヒハウゼン城を手放そうとしている。
その一方、生まれ育った生家ミュンヒハウゼン城への愛着も強いため、片道80kmの道をバイクで走ってときどき城の様子を見に来るなどしている。
ところが、そんな彼女の愛着虚しくミュンヒハウゼン城は「幽霊が出る」という理由からのび太のパパでもギリギリ手が届くほど格安で売りに出されてしまっている。

のび太曰く「かなりのおてんば」な女性。
その評はなかなかに的を射ており、実際作中では80kmの山道をバイクで駆け抜ける肉体的なタフさと、
長時間光もなく悪臭の立ち込める狭い地下牢に幽閉されていたのに自我を保つだけのメンタルの強さを見せてくれている。
因みにドラえもん達が救出しに来たとき、彼女はベッドに寝そべっており、普通に意識もあった。

この「かなりのおてんば」な性格は、大山版ドラえもん「ミュンヒハウゼン城へようこそ」でのロッテ……ではなくクリスがかなり顕著であり、
のび太・ドラえもん・静香の前で男前にソファの背もたれに肘をかけ、足を組んでふんぞり返るなど、相当な男勝りである様子を窺わせている(なお、注釈しておくとこれは原作版の描写を踏襲したれっきとした原作再現であり、大山版の最初の方のアニメでもロッテは同じポーズで椅子に座っている……のだが、クリスの場合にはその見た目の所為なのか、とにかく迫力があってとても男前に感じるように映ってしまっている)。
また、ヨーゼフとの関係もクリスの時が最も険悪さを滲ませており、言葉の端々からヨーゼフが嫌いで仕方のない様子が感じ取れる。

ちなみに、エピソード毎にかなりキャラデザに違いがあり、全体では「長い金髪で碧眼の美女」くらいしか共通項がない。三度のアニメ化でも全部顔(特に目)が違う
(似たような事例に静香の父とジャイアンの父がいるが、あちらは完全に別人のレベルである)。
原作版は藤子キャラ定番な感じの美少女であり、一番淡白な顔つきをしている
(とは言うものの、どうやら単行本化に当たって加筆がなされているとの事なので、雑誌掲載時には違った感じだったのかも知れない。詳細な情報を知っている人求む)。
大山版ドラえもんでは若干子供っぽい顔つきで、口調からも無邪気さが感じ取れる。かわいい。
大山版ドラえもん「ミュンヒハウゼン城へようこそ」は、絵こそ原作版に最も近く見えるが、どういうわけかめちゃくちゃかっこいい。
水田版ドラえもんでは大山版ドラえもんを大人びた感じにした感じである。美しい。
原作では関わらなかったしずかちゃん達との交流もあり、どら焼きを口にして「美味しい」という場面も。

いずれの場合も美女であることは変わりないので、各エピソードを見比べてそれぞれのロッテ(クリス)の良さを吟味してみてはいかがだろうか。


【関連キャラクター】
・エーリッヒ・フォン・ミュンヒハウゼン男爵
ロッテ(クリス)のご先祖様。ミュンヒハウゼン男爵家の創始者として名を残すだけあって相当な人格者である。
「子孫の危機だ、完全武装で一緒に来てくれ」とのび太・ドラえもんに500年前から連れて来られる。
なお、男爵の弁によればロッテは「年月を隔てても我が妻の面影が残っておる」とのこと。
ちなみにコロコロ顔の変わるロッテと違い、男爵の顔は時代を経てもほとんど変化がない(ように見える)。
彼の遺した莫大な遺産とミュンヒハウゼン家再興の意志はロッテにちゃんと受け継がれたと信じたい。

・ヨーゼフ
ロッテの叔父で弁護士。藤子キャラにありがちなケチな悪役の顔をしている。
しかし悪役としてやってのけた事は、ミュンヒハウゼン城の悪評を自ら作り出して評価額を下げたり、
それに感づいた実の姪を罠にかけ、狭く暗い悪臭に満ちた地下牢に監禁したりするなど、歴代悪役キャラの中でもトップクラスに陰惨で外道なものだった。
その外道な行為によって「情けなや、子孫もここまで落ちぶれたか。家名を汚す者め!」とご先祖様の怒りを買った彼がその後どうなったかについては定かで無い。おそらく逮捕されたと思われる。
水田版では彼についてフォローされており、ロッテは「両親を失った私を育ててくれたおじさんは生来悪人ではなかった」と彼を許しており、ヨーゼフ自身最後は涙を流して後悔(懺悔)している

・ドラえもん
のび太も驚くほどの流暢なドイツ語で、ロッテと小粋なトークを楽しむ(実際にはほんやくコンニャクを食べていただけなのだが)。
なお、幽霊騒ぎに対して「こっちも幽霊を出すんだ。しかも本物を」という実に小粋な解決方法を提案したはこの我らが愛する素晴らしきネコ型ロボットである。

・のび太
お城を買う為に(勝手に)下見にやって来たため、ロッテにとってはお客様である。
ちなみに作中での描写から、日本からわざわざドイツにまで城を買いに来てくれたのび太達への心象はかなり良いものだったようで、
「何日でも住んでみて、気に入ったら買ってちょうだい」などと恐ろしいほど太っ腹な事を言われていた(結局購入話はロッテが家再興を決めたため夢に終わるわけだが)。

本エピソードではミュンヒハウゼン城の幽霊騒ぎの真相を見抜いたりするなど、勘の働く所を垣間見せる。





追記・修正はミュンヒハウゼン城をお買い上げ可能な方のみお願いします。

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最終更新:2021年02月13日 22:52