時空の魔神(ザ☆ドラえもんズ)

登録日: 2016/04/27 Wed 09:08:45
更新日:2020/03/29 Sun 12:14:22
所要時間:約 14 分で読めます




『時空の魔神』とは、漫画『ザ☆ドラえもんズ スペシャル』第2巻収録の長編エピソード(全5話)である。
発表されたのは1997年。当時、日本中を騒がせていた1999年の予言にまつわるエピソードであり、
後年に発表されたドラえもん映画『のび太の宇宙漂流記』と同じくあの男に関する物語となっている。

あらすじ

白亜紀に冒険旅行に行った帰り、超空間の中を航行していたドラえもんとのび太だったが、突然時空震に巻き込まれてしまう。
なんとか現代に帰り着いた二人だったが、野比家の居間では、チョンマゲ頭のパパがキセルをふかしていた!
しかもテレビでやっているのはなぜか古風な名前に古風な装束の男たちによる蹴鞠中継。
街ゆく人々は江戸時代さながらの暮らしを続け、路上を走るのは人力車…。
「頭をツルツルにそり上げているということは…」「わかったわ!犯人はフサフサ頭をうらやましがってる人にちがいないわ!」
時空改変の影響を懸念したドラえもんは、他の国や時代に暮らすドラえもんズを呼ぶことに。
やって来たキッドのベストには、克明に記されてはずの星条旗が白抜きにされており、
時空間にいたドラえもんとのび太、愛国心の強いキッド以外のメンバーから、アメリカに関する記憶が消えていた…。


第1章



大海原の反乱
魔性の瞳が偉大な船長を狂わす
星の大陸は発見されず 火星(マルス)は蠍座に留まる
異邦人は帆柱に吊るされるであろう


アメリカ合衆国が歴史上から消滅した。
時空改変の影響を探るため、ドラえもんズが向かったのは震源地、西暦1492年の大西洋上。
一行はそこで帆に十字架を刻んだ大帆船を目撃する。
船名はサンタマリア。そう、冒険家クリストファー・コロンブスの船だった。
誰かがサンタマリア号の航海を邪魔したことでアメリカが独立できなくなり*1、アメリカの歴史が消滅してしまったというのだろうか。
日本の異変も、アメリカの消滅によって黒船来航から端を発する鎖国解除が遅れた影響なのではないかとドラえもんズは推測する。

ドラえもんズはサンタマリア号に乗り込むが、中は不気味な静寂に包まれていた。
乗組員は一人もおらず、探している間にのび太は突然失踪、更にポルターガイスト(あれ?窓に腕が)やラップ現象地団太まで発生。
キレたキッドが空気砲で天井をぶち抜くと、空いた穴から見えたマストからは消えたのび太が吊り下げられていた。
助けに行こうとするドラえもんズだったが、そこに武器を構えた船員たちが襲いかかる。
彼らの目は赤く染まり、咆哮しながら剣や斧を振り回してドラえもんたちに殴りかかってきた。
何十人もの軍勢が狭い甲板で暴れ回るものだから、ドラえもんズは船尾に追い詰められてしまう。
しかしキッドの機転で船員たちの制圧に成功し、周囲に暴徒がいないことを確認したドラえもんとキッドは船員を起こして情報を聞き出そうとする。

ところが、船員が目を覚ました瞬間、突然ドラメッドが近くにあった剣を振り回し暴れ始めた!
船員と同じ真っ赤な目になったドラメッドは、目を覚ました他の船員たちと共にドラえもんズに襲いかかる。
船室に逃げ込んで扉にバリケードを立てた一行は、なんとかして船乗りたちの正気を取り戻させ、コロンブスの航海を成功させようとする。
とりあえずまずは船長のコロンブスを探そうということで船内を探し回る6人だったが、コロンブスの行方は陽として知れず、
いたのは聖母像を抱えた少女一人だけ。
少女の言うことには、突然航海中に船員の一人が「赤い目」に襲われ、瞬く間に「目」は船員たちに広がり、
暴走した船員たちは次々に自分たちの乗るサンタマリア号を破壊し始めたという。
彼女は「目」への感染と船員たちの暴走を恐れ船内の倉庫に逃げ込んでいたのだ。
しかし、サンタマリアに女性船員なんていたのだろうか。名前を尋ねようとするドラえもんだったが、彼女は船に乗る前の記憶を全て失っていた…。

直後、倉庫の扉と天井を破壊し、船員軍団とドラメッドが殴り込みをかけてきた。
ドラメッドを従えた黒い帽子の男がリーダー格だと悟ったキッドは、サンタマリアの座礁を防ぐために力づくでも暴走を止めようとするが、
その黒い帽子の男こそがコロンブス当人であることを告げられ、手詰まりに陥ってしまう。

「ワハハハ! 我々はこの身を【あなた】に捧げます! これで歴史は【あなた】のものです!!」

ドラメッドに攻撃魔法を使わせながら、コロンブスは狂喜する。
サンタマリア号の最期を悟ったコロンブスは壮大な自殺ショーの最後を飾るべく、船乗りたちに命じ船を岩礁に叩き付けようとする。
しかし、船員の一人が突然正気に返った。
彼の足元に転がっているのは、大長編お決まりの「あれでもない」でドラえもんが四次元ポケットから出した鏡「はいりこみミラー」
自分の姿を見れば「目」の感染は収まるのではないか…そう考えた王ドラは「フエルミラー」で鏡を増やし、
コロンブス一味とドラメッドに鏡を見せて正気に返そうとする。

その時突然少女は駆け出し、鏡を踏みそうになってしまう。
キッドは間一髪鏡をどけて惨事を防いだが、果たしてそんなに大きく船は揺れただろうか?
今は気にしている暇はない。ドラえもん達は増やした鏡を見せてコロンブス軍団を全員正気に返すと、
読者の大半が忘れていたであろうのび太もついでに救い出し、船員たちと共に海に飛び込む(ドラメッドは金槌なのでは?)。
その直後、サンタマリア号の巨体は岸壁に衝突し、バラバラに砕け散って轟沈していった…。

ドラえもんズとコロンブス一味が辿り着いたのは、ちょうどサンサルバドル島(現エルサルバドル共和国)だった。
史実通りの場所にコロンブスは辿り着いたのだ! やったねイザベルちゃん*2領土が増えるよ!
…が、「目」に感染しっぱなしだったコロンブスは、自分が新大陸に着いたことなど全く気付いてくれない。
このままじゃコロンブスが新天地を発見したことにならないじゃん!と危惧したドラえもんとキッドは「ムード盛り上げ楽団」を使い
なんとかコロンブスに自覚してもらおうとする。

「おめでとう! あんたはえらい!!」
「キャーヒーローだー!! サインして~っ!!!」

かくしてテンションが上がったコロンブスは、ようやく自分がどこに辿り着いたか自覚する。
そう、彼が弟と共に夢見ていた黄金と香辛料の国、イン…

「そうか!! わしは新大陸を発見したのか!! 植民地! 莫大な利益!! これでわしの名は歴史に永遠に残る!!!」

…大丈夫かコレ。『南北コロンビア大陸』『ネイティブコロンビアン』とかになっちゃうんじゃないかオイ。
ともあれアメリカの歴史はこうして無事に修復され、ドラメッドや王ドラもアメリカのことを思い出し、キッドのベストにも星と縞が戻った。
サンタマリア号は復元光線で修復され、コロンブスの航海は成功を遂げたのであった…。



第2章


偉大なる黄金の国
牡牛の猛る国の前に
悠久なる時の流れを止め
日没を迎えるだろう


歴史改変者の正体と目的は分からなかったものの、アメリカの歴史は無事に修復された。
これで一件落着ということでドラえもんズは現代に戻ろうとするが、突如として再び時空震が発生。
その影響を受けてか、マタドーラの角が砕け散ってしまう。
ということは今度はスペインの歴史が改変されたのか? ドラえもんは時空震カウンターを取り出すが、震源地は1533年のペルー。
そう、そこには南米最大の国家、インカ帝国がある!

1533年に辿り着いたドラえもんたちは、スペイン軍の騎士に追われていた少年を間一髪で助ける。
少年の名はエルド、インカ帝国の皇子だった。
コロンブスの新大陸発見後、南北アメリカに開拓を求めたスペインはインカと友好を結ぶためにやって来た(少なくとも本作ではそういう設定)のだが、
謎の少女が現れたとたん、兵隊たちは「赤い目」となって暴れ狂い、インカに攻め入ったのである。

なぜ歴史改変者はインカ滅亡を早めようとしているのか? 疑念に思うドラえもん達に、エルドはインカ王朝に伝わる言い伝えのせいではないかと言う。

赤き魔眼を操る悪しき予言者『ノートルダム』 其を封じる秘術 我が国に在り」と。

ノートルダム…それが今回の黒幕ではないかと考えたドラえもんズは、エルドに秘術の正体について教えてもらおうとするが、
王位を継いでいない彼には解らないと言う。

その直後、遺跡の影から聖母像の少女が現れる。コロンブスの航海と、全く同じ姿のまま。40年も経っているのになぜ少女のままなのか!? 
絶対にカタギではないと悟ったドラえもんズは問いかけるが、矢張り記憶が無いと少女は告げる。
その姿を見たエルドは、彼女こそが件の「魔眼」を流行らせた少女であると弾劾した。
しかし少女が一切の記憶を有していないのも事実。ということは、彼女をさらに操るものがいるのだろうか。
考えがまとまらない中、スペインのコンキスタドールの軍勢がエルドを抹殺するため襲いかかる!

対処法を知っていたドラえもんたちは増やした鏡で洗脳を解こうとするが、あまりにも感染者が多すぎるため、
正気に直してもすぐに別の感染者から「目」を移されてしまいラチが明かない。
戦いの最中、マタドーラはスペイン兵に突き飛ばされて地割れに飲み込まれてしまう。
助けに行こうとする一行だったがスペイン兵は雲霞の如く湧き出るばかりで手が出せず、
提督(たぶんフランシスコ・ピサロ)の命により増援部隊が一斉攻撃を仕掛けてくる…!

あわや一巻の終わりかと思われたその時、地割れを引き裂いて地底からビラコチャ(インカの神様)の石像が現れた。
奈良の大仏ほどもあろうかという巨体を震わせ、ビラコチャはスペイン兵を蹴散らしていく。
これには参った提督は全兵に退却を命じ、蜘蛛の子を散らすかの如くコンキスタドールは逃走していった。

ビラコチャを操っていたのは勿論マタドーラ。
地割れの底で偶然地下神殿を見つけたマタドーラは、これまた偶然見つけた神像に「ロボッター」を付け、リモコンロボに変えたのだ。
これでひとまずコンキスタドールに襲われることもないので一安心かと思ったその時、
少女の体から光が放たれたかと思うと、突然ビラコチャが主人であるマタドーラを振り落とし、怪獣のように暴れ回った!
ビラコチャの目は赤く染まり、マタドーラの言うことを全く効かずに大暴走を続ける。
ドラメッドに魔眼が効いたように、どんなに単純でも目さえあれば機械にすら魔眼は有効だったのだ!

強敵ビラコチャがいなくなったどころか味方したと知った提督は退却命令を破棄し、再びエルド一派に襲いかかる。
タケコプターで逃げようとするドラえもんズたちだったが、バッテリーが切れてしまいチチカカ湖沿岸に追い詰められてしまった。
でかい鏡でもあれば全員を無力化できるのに、と悔しがるドラえもんの独り言を聞いて、
マタドーラは「モーゼステッキ」でチチカカ湖を割り対岸までの道を作る。
これで逃げ場が出来た一行は対岸まで逃げようとするが、提督は騎兵に命令を出し、先回りさせようとする。
ドラえもんの短足で馬に勝てるわけがなく、スペイン軍はあっという間にドラえもんズを挟み撃ち!
しかしこれこそがマタドーラの策であった。
狭い道に大量の兵士が殺到することで、右を向いても左を向いてもすべて水面…すなわち鏡を見ることになるのだ。
こうしてコンキスタドール(と大魔神ビラコチャ)は正気を取り返し、すごすごと退却していった。

なんとか逃げ切った一行だったが、突然のび太が水面(紛らわしいが垂直である)に石造りの建物が沈んでいるのを発見。
エルドは父(アタワルパ?)から聞いていた「古代神殿」ではないかと推察し、そこにインカの秘術が残されているのではないかと考えた。
神殿の中には歴代皇帝のミイラ(そんなもんを大量の湿気が伴う水中なんぞに保管すな)が眠り、
その中で最も高い祭壇に祀られていた初代インカ皇帝(すごく恥ずかしい名前のため作中では初代皇帝としか呼ばれず)は部屋に辿り着いたエルドの身体に乗り移り
口寄せを始めた。

初代インカ皇帝(恥ずかしい名前)は、インカ帝国の人々が2万年前の大西洋上に存在した大陸「アトランティス」の末裔であることを告げる。
アトランティスは高度な文明と平和を保っていたが、突然ノートルダムが現れ、魔眼で人々を操り民を支配していたのだ。
それを怒った神はアトランティスに大嵐を巻き起こし、アトランティス文明は滅亡を遂げた。
神を呪うノートルダムは死を悟ると予言を残し消えたという。
「我は死なず、転生を繰り返し2万年後の七の月に世界を終焉に導き、新たな世界の支配者となる」と…。

もうお分かりだろう。
予言者ノートルダムの正体とは、世界史史上最大の予言者ミシェル・ド・ノストラダムスその人だったのである!
ノートルダム…否、ノストラダムスは、自らにとって都合のいいような予言を実行するため、歴史そのものを改変しようと企んだ。
しかしドラえもんたちは2112年に出来たのだから、本来ならば1999年の予言は外れるはずだった。
ノストラダムスはその歴史を認めず、何が何でも1999年のハルマゲドンを実現しようとしていたのだ。
完全に本末転倒である。
+何? よくわからん? じゃあ諸君らに分かりやすく同人作家で例えてみよう
大人気漫画『れきし』の熱心な読者であるノストラダムス君は、『れきし』の二次創作同人誌『大予言』を描いて大人気を博していました。
しかし『れきし』の公式側が、加熱する『大予言』人気に苦言を呈し、「これ以上勝手に二次創作をしないでくれ」と言い出しました。
自分の描いた『大予言』こそが『れきし』の公式であると疑わなくなったノストラダムス君は、ファンをSNSで煽り立てて公式に凸しました
『れきし』の公式スタッフは怒って『大予言』を差し止めにして、ノストラダムス君を厳重注意しました。
ノストラダムス君は逆切れして「俺は悪くない! 悪いのは『れきし』のスタッフだ!」と怒鳴り散らします。
そんなある日、ノストラダムス君は『れきし』の後の展開についてネタバレ情報を知りました。
その展開は『大予言』と違う展開で、『大予言』こそが『れきし』の公式だと思い込んでいたおバカなノストラダムス君は堪忍袋の緒が切れました。
「公式が俺と解釈違いなら、もう『れきし』に公式スタッフなどいらん! 『れきし』のファンは俺の『大予言』だけ読んでいればいいんだ!
こうしてノストラダムス君は公式スタッフを皆殺しにして版権を奪い、自らが『れきし』の作者になろうと考えたのでした。

~おしまい~

しかーし! アトランティス文明は滅んだが、国民たちは地球全土に散っていった! インカがそうであるように。
ノストラダムスの予言を阻止する方法も、まだ地球には残されているのである。
初代皇帝(恥ずかしい名前)はそれを伝えようとするが、とつぜんスイカくらいあろうかと言う石がエルドに直撃! マンガじゃなかったら即死である。
そこに現れたのは、やはり聖母像の少女。怪しいことがあったらゴルゴムの仕業ばりにいつもいる彼女に、ドラえもんズの疑心暗鬼が爆発。
かばおうとするドラリーニョとのび太を尻目にドラメッドは彼女を雷魔法で気絶させ、拘束する。

ところが、突然彼女の腕の中から聖母像が浮き上がり、柔和な笑みを崩したかと思うと、その双眸を紅く爛々と輝かせる。
少女ではなく人形こそがノストラダムスの器だったのだ。
インカの秘術が絶えたことを確信したノストラダムスは現代へと飛び、滅亡へのカウントダウンが始まる!!


第3章


一九九九年 七の月
空から恐怖の大王が舞い降りる


「美しき箒星よ! 我が理想郷のために汚れた世界を掃き清めるがいい!!」

遂に本性を現したノストラダムスは、地球の周辺を回る巨大彗星の軌道を魔眼で操り、地球にぶつけようとする。
世界中が大パニックに包まれる中、ドラえもんズは最後の切り札であるインカの秘術による一発逆転を狙う。
初代皇帝(恥ずかしい名前)とエルドのリンクはリセットされてしまったが、初代皇帝(恥ずかしい名前)の記憶が刻まれたエルドは、
世界各地に残る封印を解くことで、ノストラダムスを無力化することが出来ると宣告。
エルドが精神波を送ることにより、アトランティスの末裔が遺した遺跡のいずこかに存在する「封印の石」が光り輝き、
それを破壊することで秘術は完成するという。
遺跡の場所は三つ。

ペルー、ナスカの地上絵。
エジプト、ギゼの三大ピラミッド。
チリ沖、イースター島。

ナスカにはマタドーラとドラメッドとドラニコフが、エジプトにはキッドと王ドラとドラリーニョが、
イースター島にはドラえもんとのび太と記憶を取り戻した少女が向かうことに。
「テレパしい」で連絡を取り合いながら、ドラえもんズ+2はどこでもドアで世界各地に散った。
しかし、待ち受けていたのは魔眼に操られた大軍勢!!
テレビ画面を使って全世界の人々を魔眼化させたノストラダムスは、遺跡をすべて破壊しドラえもんズを抹殺せんと目論む。
転生を悪魔に願い続けたことで得た魔眼の力は最大限に増幅され、刻一刻と彗星は地球へと迫る!

人波を掻き分けてドラえもんズはなんとか遺跡に到着し、エルドの送った精神波で三つの石は光り輝く。
ペルーではドラニコフの牙が、エジプトではキッドの空気砲がそれぞれ封印の石を打ち砕いた。
しかしイースター島では3人の前に魔眼で操られた人々と、ノストラダムスの起こした雷の雨が襲いかかっていた。
3つ全ての封印を解かねば秘術は発動しない。このままでは遺跡と共に3人は海の藻屑と化し、彗星が地球に衝突してしまう。
遺跡と島の全壊が目前に迫り慢心するノストラダムスだったが、少女が記憶を取り戻したことを知ると突然焦りだす。
彼女は「時の巫女」と呼ばれる存在であり、ノストラダムスの封印に携わった人物だったのだ。
ノストラダムスは彼女に雷をぶつけようとするが、逆に少女の結界に阻まれ、動きを封じられる。
その隙にドラえもんは自慢の石頭で封印の石を打ち砕き、全ての封印が解かれた!

轟音とともに島が揺れ、膨大なエネルギーの奔流が吹き上がる。
奔流はやがて三つの姿を取り、ノストラダムスを追い囲む。
モロにスフィンクスとモアイとコンドルの形をとったその奔流とは、地球の自然エネルギーそのものだった。
そしてアトランティス人が遺した遺跡は封印の道具ではなく、道しるべにすぎなかったのである。
どんなに遺跡を破壊しようが、地球に眠るエネルギーを止めることなど1個人の手でできるわけがない。
自らの予言…否、愚かな誇大妄想に憑りつかれたノストラダムスは必死で抵抗するが、三つの「気」はその邪悪なエネルギーを浄化してしまう。


「今こそ2万年前の戦いに終止符を打つ時!!」
「時を乱す影、悪しき予言者! 今ここに、時空の裂け目に封印する!!」


空に空いた漆黒の孔に、ノストラダムスは吸い込まれていく。
絶叫と共にノストラダムスのどす黒い力は消え去って行き、大彗星は間一髪で地球を反れていった…。



戦い済んで、朝が来て。
人々は正気に戻り、マタドーラの角も修復された。
時の巫女とはノートルダムの専横を封じるためのアトランティス最後の切り札であり、彼女もまた2万年前の住人だったのだ。

「しかし、彗星の軌道まで曲げてしまうとは地球の『気』の力はすごいであ~る」

素直に感心するドラメッドに対し、エルドと巫女は告げる。
地球の力だけではなく、8人の友情の力が無ければ今回の困難は乗り越えられなかった、と。
エルドと巫女は元の時代に戻ることを約し、ドラえもんズはまた元の時代へ、元の世界へと戻っていった。


狂った予言など消え失せた、元の平穏な時代に。








「俺は最初から追記・修正していたぜ!」「うそつけ。」

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