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デギウス(星獣戦隊ギンガマン)

登録日:2017/02/01 Wed 12:24:06
更新日:2026/03/23 Mon 23:12:13
所要時間:約 10 分で読めます







活きがいいだけじゃ勝てねえよ、坊や?



デギウスとは『星獣戦隊ギンガマン』の第四十章「哀しみの魔人」に登場する怪人である。


声:小林清志


【概要】

バットバス魔人部隊の老兵で、デザインの武器モチーフは鉄球。
自身も鎖のついたトゲ付きの鉄球を武器に使い、地面を叩いて衝撃波を発生させることも可能。
タフさも驚異的で、星獣剣を片手でつかんで防いでしまう。

魔獣ダイタニクス復活させるために、巨大化させた魔人の命と引き換えに彗星のエネルギーを送り込む作戦が提案される中、破王バットバスから死ぬくらいしか役に立たない奴として、白羽の矢を立てられた。
左腕に誘導装置を埋め込まれ、早速作戦に取り掛かるが、最初から捨て駒にされていることは承知の上で、それでも最期に思い切り戦いがしたいと巨大化せず海岸で破壊活動を始める。

元々はギンガマンと同じ星を守る戦士だったがバルバンとの戦いで家族や故郷を失い、疲れ果てて気がついた時にはバルバンに入っていたという経緯を持つ悲劇の魔人。
バルバンの中でもかなりの老兵だが、生粋の悪党ではなく元々は星の戦士だった。
そのこともあり、組織の中では作戦で死んでも惜しくはない奴とかなり軽んじられており、計略を見抜けなかったブドーや掟を破ったイリエスはともかく、基本的に船員の命を最初から捨て駒にするようなことはなかったバルバンの中ではかなり異質な存在といえる。
心身共に疲れ果てていたとはいえ自発的にバルバンに加入し、既に幾多の星で多くの人々を殺しすぎているとしてもう後戻りはできず、あたかも死に場所を追い求めてるような素振りを見せている。



【活躍】


案の定誘き出されたギンガマンと戦闘を始めるが、果敢に先陣を切り立ち向かうギンガイエローに冒頭のセリフと共に鉄球の猛攻撃を浴びせるが、ふとした拍子に共々海へ転落してしまう。

海底洞窟で目を覚ましたヒカルは足を怪我してしまったが、デギウスから傷薬を渡され洞窟を出るために一時休戦し、自身がヒカルの足になる代わりに俺の目になれと提案される。
洞窟にはガスが吹き出しており、負傷しているヒカル1人では逃げきれないのと同時に、デギウスも昔の戦いで目を怪我しており、暗い洞窟の中では右も左もわからなくなっていたのだ。

ヒカルは警戒心をむき出しにするも、「洒落で敵に背中は預けない」とまで言われた事で渋々デギウスにおぶってもらい、後ろから目となって道案内することになった。
デギウスはそんな彼の姿を気に入り「おめぇが最期の勝負の相手だ」と言う。

無事に洞窟を抜けた二人だが、いつまでたっても巨大化しないデギウスに痺れを切らしたバットバスが待ち構えており、
「早ぇとこダイタニクスを復活させてとっととくたばっちまえ!」と、出陣前とは裏腹な身も蓋もない暴言を投げつけられる。
デギウスはやはりそれが本音かと呆れ、両者は交戦。老兵とは思えないパワフルな戦いでバットバスを退けたデギウスは、自身を庇ったヒカルを連れて逃亡する。

作戦通りにデギウスが死ねばダイタニクスは復活する……地球のために自分の手で倒すと戦士としての強い使命感を見せるヒカルに、懐かしさを感じたデギウスは前述の自身の生い立ちを語る。

星獣剣の戦士に選ばれたあの日、ヒカルも一度は憧れの戦士であるヒュウガを、そして故郷たるギンガの森をバルバンに襲撃され長老オーギ共々喪っている。
若き戦士には過酷ともいえる状況が重なり続けてもなお、星のために戦い続けているヒカルはデギウスに叫ぶ。


全部失くしたからって……星も、それを守る自分も捨てるのかよ!? いいのかよそれで!? やり直せよ!! 星を守る戦士に戻れよ!!

そうするには俺は人を殺しすぎた。元に戻ったんじゃあ虫が良すぎるんだよ!


自分を捨てる事はただの逃げでしかないというヒカルの言葉を肯定し、あくまで若き戦士との最期の決闘に固執し、自身のケジメのためにダイタニクスを復活させようとするデギウス。
ヒカルはとうとう意を決してギンガイエローに銀河転生し星獣剣を抜き、身構える。
星を守るために戦う若き戦士とバルバンに堕ちた星を守れなかった老兵。
寸分の隙を逃さず互いに太刀を入れていく激闘が開始される。ギンガイエローと戦うデギウスは何処か嬉しそうな顔を見せる。

戦いの果てに満身創痍となった二人は互いに睨み合い、そして渾身の雷一掃を受けて倒れ、戦いはギンガイエローの勝利に終わる。
お前に殺されるなら本望だ、と覚悟を決めるデギウスに対し、ギンガイエローは剣を収める。

敵に情けをかけるのかと呟くデギウスに対しヒカルは、その太刀筋はバルバンの剣ではなく星を守る戦士の剣だと気づき、心にまだ戦士の誇りがあると見抜き手を差し伸べた。
デギウスもそれに応え手を取ろうするが、見兼ねたビズネラが、死角を突いて無慈悲な狙撃を放つ。


これは……バルバエキス!

その弾丸にはバルバンの魔人を巨大化させるバルバエキスが入っており、デギウスは強制的に巨大化。ビズネラが誘導装置に取り付けていたコントロール装置により、かつての鋼星獣のごとく操り人形にされてしまう。
駆けつけたギンガレッドらと共にギンガイオーを駆り、ギガライノスの援護を受けて必死にデギウスのコントロール装置を止めようとするギンガイエローだが、デギウスのパワーを止められず苦戦する。
無情にも彗星がすぐ傍まで近づいており、このままではギンガイオーとギガライノスもろとも直撃を受けてしまう。
両者を庇う形でデギウスはコントロールを振りほどき……


危ねえっ!


彗星に直撃してしまった。


すまねぇ……結局俺は、星を裏切り続けちまったな……


デギウス―――――――――ッ!!!

悲しげな言葉を残して倒れ、炎の中に消えるデギウス。絶叫するヒカル。
星を守る戦士として、もう一度やり直せたかもしれなかった老兵は、星を喰らう魔獣復活の捨て駒にされるという、あまりにも残酷な形でその辛い生涯を終えた。


仲間になれたかもしれない戦士を失ったヒカル。
リョウマたちがその背中を無言で見つめる中、デギウスの遺品の剣を掲げ、墓標に見立てる形で地表に突き刺しながらヒカルは誓う。

デギウスみたいな奴は一人で十分だ。バルバンは、絶対に倒す!!

バルバンに人生を狂わされ、最期には捨て駒にされるという哀しき魔人だったが、最後にヒカルに胸の内を打ち明け、戦士として戦うことができたのが唯一の救いかもしれない。


【解説】


第四十章は、これまで純粋悪として描かれていた、宇宙海賊バルバンの魔人の一人にスポットが当たった珍しい回であり、
同時に戦隊物恒例のヒーローと怪人の交流回でもある。

ただ、今回のデギウスについては、善も悪もわからなかったり渋々悪事をしていた怪人達とは違い、
全てを失ったからとはいえバルバンという組織で長きに渡り悪事を働いていた経緯があり、単純な怪人の中にもいい奴や可哀想な奴はいるんだという話の枠に縛られていないのが特徴である。
そんな彼がどうケジメをつけるのか、どうヒカルと対峙していくのかが今回の見所の一つ。
幹部でもない一介の怪人が、どういう経緯で悪の軍団に入ることになったのか、語られる描写も特撮全体で見てもあまり類を見ない珍しい描写である。

この話で忘れてはいけないのが、ギンガマンもデギウスと同じ末路を辿っていたかもしれないということである。
もし、リョウマ達仲間がバルバンに負け、命を落としヒカルただ一人が生き残り、勇太や晴彦など親しい人々が蹂躙されていくのをただ見ていることしかできなくなり絶望の淵に立たされたとしたら……?
何も守るものが無くなり、無気力のままにバルバンの軍門に下ったデギウスや、故郷と肉親への復讐のために他の犠牲を厭わなった黒騎士ブルブラックのようになっていたかもしれないだろう。

つまり、デギウスはギンガマンのIFといえる存在なのだ。

彼にも仲間がいれば、もう少しはやくギンガマンと出会えていれば、7人目の戦士としての姿がありえたのかもしれない。
これはギンガマンに限ったことではないが、だからこそ絶対に負けられない、こういった悲劇を繰り返さないためにもヒーローは勝ち続けなければならないのだ。
デギウスのような思いをする者は一人として居てはいけないのだから……

この哀しみの余韻に浸る間もなく、彗星からの強大なエネルギーはダイタニックへと伝わり、魔獣ダイタニクスが復活。
次の回である第四十一章から魔獣ダイタニクス決戦の前後編へと突入していく。
年末商戦と言ったら身も蓋もないが、善悪双方の総力戦という面でも怒涛の展開に見逃せない。



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最終更新:2026年03月23日 23:12