メイショウタバル(競走馬)

登録日:2025/08/31 Sun 01:17:18
更新日:2025/08/31 Sun 09:03:01NEW!
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メイショウタバル(Meisho Tabaru)とは日本の競走馬
ゴルシ産駒初の平地GI牡馬。

目次

【データ】

誕生:2021年4月20日
父:ゴールドシップ
母:メイショウツバクロ
母父:フレンチデピュティ
調教師:石橋守 (栗東)
馬主:松本好雄
生産者:三嶋牧場
産地:浦河町

【誕生】

2021年4月20日生まれの鹿毛の牡馬。
父は2012年クラシック世代問題児皐月・菊二冠馬ゴールドシップ。
母メイショウツバクロはスプリンターのダート馬であるが、父フレンチデピュティはダートもステイヤーも出し、母父ダンスインザダークもステイヤー特性を併せ持っていたりする。

調教師の石橋守師は現役騎手としての最後の勝利がメイショウツバクロであり、現役時代の代表的なお手馬がメイショウサムソンであると文字通りの調教師ゆかりの血統。
そしてメイショウの総帥である松本好雄氏をして、趣味である放牧に出した母馬と子馬が夕方一緒に馬房へ帰ってくる風景を眺めていた所、母メイショウツバクロとこの仔馬が目につき、母仔ともに呼び寄せたところ「いい馬」だなぁと評した上で「もらうから」と即決した経緯があったりする。

【戦歴】

2023年10月9日に京都競馬場の3歳新馬戦芝2000mでデビュー。新馬及び2戦目は若手の角田大河を鞍上に迎えるも、それぞれ4着と5着。
これを受け浜中俊へと乗り替わったことで未勝利を突破、若駒Sに向かうが出走直前に歩様が乱れて除外。仕切り直したつばき賞をアタマ差で制すと皐月賞を目標にスプリングSへと矛先を向けるが今度はフレグモーネで直前回避。
幸いにも軽い物だった為翌週の毎日杯へとスイッチすると坂井瑠星鞍上*1で参戦すると、シンザン記念覇者ノーブルロジャーを向こうに回して逃げて上がり最速6馬身差の大圧勝
石橋調教師にも調教師11年目にして初の重賞制覇を捧げる事となった。
問題は勝ちタイムであり、勝ちタイムの1分46秒0は歴代2位タイのタイム、しかも他条件は全て良馬場56kgでの物であるにもかかわらず今年の条件は重馬場57kg*2
さらにそれまでの勝ちタイム歴代トップ5の3歳時の主な勝ち鞍がダービー*3ダービー*4ダービー*5有馬記念*6皐月賞*7と言う事実から将来が大きく切望されている。

しかしそうは言ってもこの馬、坂井瑠星曰く乗りやすい馬とは言うもののオヤジ程ではないがそこそこの気性難であり、レースになると気性が荒くなる言う
ある意味「らしい」産駒であった。結果、浜中鞍上に戻った皐月賞ではダノンデサイルの検査→除外で神経が高ぶったのか先頭に立つも、浜中も制御不能な程に掛かってしまい
前半1000m57秒5と言う、マイルレースのような狂気のペースで大暴走。結果、直線で逆噴射して最下位17着となってしまった。
その様はまるでツインターボを彷彿とさせ「実はマイラーなのでは」と言う説まで飛び出すほど。
奇しくもこれが1着ジャスティンミラノの皐月賞レコード1:57.1を生み出す遠因になり、それどころか最下位の筈の当のメイショウタバルすら1:59.3と
2022年皐月賞のジオグリフ(と2着イクイノックス)すら上回る異常事態に発展した。
ダービーでも台風の目となる事が目されていたが、挫跖が発覚し、前日に無念の回避。
そこから改めて菊花賞を目指し、まずは前哨戦として神戸新聞杯へ出走し、浜中を鞍上に逃げを選択。
稍重の中を1000m62秒60秒ジャストというペースで走り、最後こそバテたが2着ジューンテイクを半馬身差で躱して1着。
父子制覇と共に石橋師へ重賞2勝目のプレゼントとなった。
しかし本番の菊花賞では、1周目から目まぐるしく先頭が入れ替わる激戦となったこともあり16着大敗。
その後は有馬記念出走を予定していたが、ファン投票枠を取れなかった(30位)上、秋古馬三冠に王手をかけていたドウデュース(枠順確定後に出走取消)や同期のダービー馬ダノンデサイルなど有力馬が多数集まったことで、カラテ・ホウオウビスケッツに次ぐ補欠3番手という厳しい状況となってしまう。
それでも陣営は回避馬の発生に賭けて準備を続けていたが、結局出走はかなわず、不完全燃焼のままクラシックシーズンを終えることとなった。

古馬となったタバルは、有馬記念除外からスライドする形で年明けの日経新春杯(GII)に出走。
前年から続く阪神競馬場の改修工事に伴い、自身が制した神戸新聞杯同様中京芝2200mでの開催となっており、ハンデも57.5kgとさほど重くなかったことから、2番人気に推されることとなる。
そして好スタートを決め、スムーズにハナを切ったのだが……

後に鞍上の浜中が「コーナーに入ってからガッツリかかって」と振り返るように大暴走
1000m通過が57秒7というハイペースで後続を大きく引き離した大逃げとなるも、直線で逆噴射して11着と菊花賞に続きこれまた苦い結果に*8

その後、陣営はUAE・メイダン競馬場で行われるドバイターフ(G1)への招待を受諾。
当初目標としていた大阪杯(GI)に有力馬が集まり除外濃厚となっていたため、追加登録料を払っての遠征であったが、メイショウタバルを所有する松本氏から「(追加登録料がかかってもいいから)行ってきなさい」という鶴の一声があり遠征が決定。
かつてのメジロマックイーンの主戦騎手&祖父ステゴの香港ヴァーズ騎乗騎手で、逃げでの実績も多い武豊を鞍上に迎え、香港最強馬ロマンチックウォリアー*9に挑むこととなった。

現地では、海外遠征の経験が豊富なソウルラッシュと共に調教を行い、後ろから追走して折り合う練習を行った。同時に馬具を変更して白いシャドーロールを着用したところ、大きく体を使えるようになったという。
その上、普段と違う環境に身を置いたことで人を頼ることも覚えており、後に担当の上籠助手が「ドバイ遠征がなければ今のタバルはない」と振り返る程に、心身共に大きな成長を果たす転機となった。

本番では絶妙なラップ*10を刻んでペース逃げを打ち、
最終的にはソウルラッシュが8mm差でロマンチックウォリアーを撃破するのを後ろで見届ける形となったが、本馬も逆噴射する事なく粘って5着掲示板入りと、
既にGI馬となっていたブレイディヴェーグとリバティアイランドに先着する健闘を見せた。
後日投稿された武豊のブログでは、ドバイターフでの本馬について「ピッタリ折り合えたわけではない」と前置きしつつも、今後の成長への期待が語られていた。

そして帰国初戦となった宝塚記念も武豊騎手の継続騎乗。
開催前日からの雨で馬場が重くなることが予想されたため、前走での好走や本馬の道悪適性もあってか、馬券販売開始時には一時単勝1.4倍の1番人気まで踊り出るも、結局7番人気に。
本番は晴れ稍重馬場でスタートし、父と異なりすんなりゲートを出るなりハナを切ると、即刻内ラチを走り、ジューンテイクとベラジオオペラに突かれる展開になるも、
武豊騎手の絶妙なペースコントロールと内ラチ際のグリーンベルトを逃さない騎乗で、先頭を譲らないどころか後続を突き放したまま3馬身差で逃げ切りゴール(2着ベラジオ オペラ )。
120億円事件からちょうど10年目にして宝塚記念の親子制覇を父の日に成し遂げ、武豊に19年ぶり*11の宝塚最多勝となる5勝目を、石橋厩舎にとって初のGI制覇を、
そして24年前と同様、オペラ の名を持つGI馬を撃破し、馬主の松本氏へ12年ぶりの芝GI勝利プレゼントした*12ついでに父のやらかした120億の負債の折り返しにもなった。
なおこのレースで関西テレビの岡安アナとアンカツから父ゴルシとは全く違うと頻りに言われたのは先述の通りである。

宝塚記念の後は9月後半まで放牧に出され、天皇賞(秋)へ直行することが決定。松本氏と石橋調教師によると、秋天の後ジャパンカップには出走せず、前年出走できなかった有馬記念を目指す方針のようだ。

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最終更新:2025年08月31日 09:03

*1 浜中は同日中山開催の日経賞でボッケリーニの先約があった。

*2 2024年より斤量が軽かった2歳3歳限定戦等が1kg増えるようになっている

*3 シャフリヤール:2021年ダービー、22年ドバイシーマクラシック勝ち馬

*4 ディープスカイ:2008年ダービー、NHKマイルカップ勝ち馬

*5 キズナ:2013年ダービー勝ち馬

*6 ブラストワンピース:2018年有馬記念勝ち馬

*7 アルアイン:2017年皐月賞、2019年大阪杯勝ち馬

*8 ちなみに本馬の1600m通過タイムは、中京芝1600mのコースレコードに0秒2と迫る1:32.2であった。

*9 2018年生の香港調教馬で、2022年から2024年にかけて香港カップ(G1)及び香港QEII世C(G1)を3連覇した他、2024年に日本へ遠征して安田記念を制するなどG1・10勝を挙げた「浪漫勇士」。また2着となった2025年のサウジカップでは、フォーエバーヤングと最終直線で壮絶なマッチレースを繰り広げたことでも知られる。

*10 600mから1000mまで11.57-11.57-11.58と誤差わずか0.01秒という精密ぶりであり、武豊の体内時計が50代半ばを過ぎてなお衰えていないことも示している。と同時に(武豊の手を以ってしても暴走した2歳年上の大逃げ馬のデシエルトよりは)馬の制御も効く事が証明された。

*11 2006年のディープインパクト以来。ちなみに宝塚記念の最年少勝利と最年長勝利記録を同時に持つこととなった。

*12 ちなみに前回芝GIを勝ったのはメイショウマンボ。主戦は武豊の弟武幸四郎。