糾罪巧(遊戯王OCG)

登録日:2025/08/31 Sun 00:09:43
更新日:2025/09/13 Sat 04:40:31
所要時間:約 20 分で読めます





裁誕(リバース) 始導(リリース)


糾罪巧(エニアクラフト)とは、『遊戯王OCG』に登場するテーマの一つである。



【概要】

第13期の初期である2025年8月23日に発売されたデッキビルドパック「ファントム・リベンジャーズ」にて登場したテーマ。
同期テーマは【ヘカトンケイル】【キラーチューン】。

遊戯王では珍しく「リバースモンスター」テーマであると事前告知があり、その独自性や特徴を予想しづらい紹介文などから憶測と予想も盛んであった。
先行して公開されたイラストのサイズからPモンスターであるとも予想され*1、そして蓋を開けると既存のリバーステーマとはまるで異なる仕様が判明
これまた話題となった。


テーマ名の「糾罪」はそのまま「罪を(ただ)す」を意味する。
また「エニア」はギリシャ語の「9」であり、「(きゅう)」とかけているものと思われる。
他にも全てのモンスターのイラストに九芒星(エニアグラム)が描かれていたりと、テーマの至る所で「9」に関わるものが使われている。

所属するモンスターは「人々の罪を糾すべく顕れる」存在であり、「罪」深き近未来的都市を裁こうとしている……とのこと。
公式Xで公開されている設定資料によると、多面体の無機質な形状から動物の如き姿に「変形」するようだ。
ぶっちゃけて簡単に例えるとラミエルである。

もうひとつの元ネタと考えられているのが、「環境破壊」。
人類が行ってきた環境破壊は大きく9種類に分類され、「地球温暖化」「オゾン層の破壊」「熱帯林の減少」「公害」「酸性雨」「砂漠化」「生物多様性の減少」「海洋汚染」「有害廃棄物の越境移動」であるという。
これらが総括して「9大地球環境問題」と呼ばれていること、それから未来都市が「罪深い」とされていることから、
環境を破壊する人類への報復のために現れた大自然の抑止力というデザインなのだろう。
サーチやら墓地効果やらに反応するデザインであるところを見る限り、十中八九遊戯王OCGの大会環境を破壊してきた罪深きカードへの皮肉も籠っていると思われるが……。

【テーマの特徴】

【糾罪巧】の特徴・戦法を大雑把に説明すると以下の通りになる。
  • 手札からモンスターを大量に裏側守備表示でセット。
  • 相手が何かしらの行動をした際にリバースしてその行動を咎める。
  • その後はリバース時の効果で追撃。

手札のモンスターを大量にセット?
相手の行動をリバースして咎める?
そんなのどうやって?
これだけだと簡素過ぎて、この様な疑問も出るだろう。

ここからは具体的な解説に入る。
所属するモンスターは全員が「機械族・リバースモンスター・Pモンスター・スケール0」で統一されており、レベルは1or9となっている。
つまりPテーマでもあるのだが、全員がスケール0で固定されているためテーマ内だけでのP召喚は不可能。
また後述する制約の関係で、テーマ外と組み合わせてもP召喚は全く行えない。
それに伴い、Pテーマではお約束ですらあった仲間は採用できなくなっている。
しかしその分、今までのリバーステーマには無かった「大量展開」と「手っ取り早いリバース手段」を両立させる効果を持つ

その効果だが、全員がP効果2つ/モンスター効果3つの計5つを持っている。
こう書くと憶えることが多くて取っ付きづらいテーマにも思えるが、実際はほとんどが共通効果で各自の固有効果は2つしかない。
以下に「糾罪巧」モンスターの効果を表形式で記載する。

レベル1 レべル9
P効果(1) モンスターがリバースする度に、このカードに糾罪カウンターを1つ置く。
P効果(2) 900LPを払って発動できる。
デッキから「糾罪巧」カード3枚を相手に見せ、相手はその中からランダムに1枚選ぶ。
その1枚を自分の手札に加え、残りをデッキに戻す。
自分・相手のバトルフェイズ終了時、
もう片方の自分のPゾーンに「糾罪巧」カードが存在する場合、
このカードより攻撃力が低い相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを破壊する。
モンスター効果(1) 手札のこのカードを相手に見せて発動できる
(この効果を発動するターン、自分は裏側守備表示でしかモンスターを特殊召喚できない)。
手札からモンスター1体を裏側守備表示で特殊召喚する。
モンスター効果(2) (固有の発動条件を満たした時)、裏側表示のこのカードを表側守備表示にして発動できる。(固有の効果)
モンスター効果(3) (リバースで適用される固有の効果)

P効果の(1)は全員共通で、モンスターがリバースする度に糾罪カウンターを貯めていく効果。
現時点で糾罪カウンターを参照するカードは《糾罪都市-エニアポリス》1枚のみだが、【糾罪巧】の勝利に直結するため重要となる。
詳細は後述するが各種行動や進行の「合間」でリバースすることが多く、また相手モンスターのリバースにも反応する。
うっかり置き忘れることがないように注意。

P効果の(2)はレベルによって共通する効果。
内容はそれぞれのレベルの冒頭部分で触れていく。

モンスター効果の(1)も全員共通で、手札から見せることで手札の任意のモンスターを裏側守備表示で特殊召喚する効果。
モンスターである事以外は何の条件も無く、なんでも裏側守備表示でセットできる。
見せた自身以外のモンスターでも「糾罪巧」モンスター以外でもセット可能。更にセットするモンスターの内容は相手に公開しない*2
そのため相手は何をセットされたか不明のままゲームを続けることになる。
そしてさらにいわゆる「名称ターン1」どころか「1ターンに1度」といった回数制限も一切付いていない
つまり「糾罪巧」モンスターを1枚手札に持っていれば、手札のモンスターを一斉にセットで放出できるのだ。
しかしそんな美味しいだけの話は無く、「発動するターン」はどこからでも裏側守備表示でしかモンスターを特殊召喚できない重い制約も課せられる。
「発動するターン」指定なので、既にモンスターを一度でも表側表示で特殊召喚していた場合はそもそも発動ができなくなってしまう。
またP召喚やEXデッキからのモンスターの特殊召喚は基本のルールで表側表示限定なので、これらも全てダメである。
よって【糾罪巧】ではほとんどこれによるセットのみで展開を行う事になる。

モンスター効果の(2)は特定の条件が満たされた時、自身をリバースさせることで発動できる効果。
条件は各モンスターで異なるが、現時点で全員が「相手が何かしらの行動を起こした時」に反応するものとなっている。
コストとして自身をリバースさせるため、効果を無効にされても「リバースすること」自体は止められない
トリガーこそ相手依存だが、これによりリバースすることが非常に止めにくくなっている。
それぞれで固有の発動条件と内容については個別の解説部分で触れていく。

モンスター効果の(3)はリバースで適用される効果。
モンスター効果の(2)で自力でリバースできるため、そのままこちらも適用することが可能。
それまで「リバースモンスター+リバースさせる用のカード」を別々で用意していたリバース系デッキにとって、1枚で完結しているのは革命的。
これにより初動の細さを軽減している。
それぞれで固有の内容については個別の解説部分で触れていく。

これらを踏まえて、【糾罪巧】の動きを補足を加えた上で説明すると以下のようになる。
  • 「糾罪巧」モンスターのモンスター効果の(1)を使い、手札のモンスターを大量にセット
  • 相手が何らかの行動を起こした際に、モンスター効果の(2)で「自力で表側守備表示にリバースすしながら」その行為を咎める
  • その後はモンスター効果(3)で追撃

低速にならざるを得なかったリバーステーマとしては画期的な要素が多く、それでいて妨害・制圧も十分。
相手からすれば仔細不明の地雷原を走らされるような感覚で、ゲームが続くにつれ疑心暗鬼に陥る。
反面、使い手側としても「糾罪巧」モンスターの発動条件が上手く相手に直撃することを祈る場面が多い。
総じて互いに心理的な負担の大きいテーマとなっている。



【カード一覧】

以降、モンスターカードの既に解説した共通効果部分は省略する。

メインデッキのモンスター

下級モンスター

下級モンスターは全てレベル1・地属性・機械族・攻守100/1000で統一されている。

P効果の(2)は以下で共通している。
このカード名の(2)のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(2):900LPを払って発動できる。
デッキから「糾罪巧」カード3枚を相手に見せて、相手はその中からランダムに1枚選ぶ。
その1枚を自分の手札に加え、残りをデッキに戻す。
3枚の「糾罪巧」カードを見せ、その中から相手にランダムに選ばせた1枚を手札に加えるサーチ効果。
形式は《パワー・ツール・ドラゴン》などと同じ。見せるものは同じ種類が被っていてもよく、結果として手札に入ったものは公開しない。
3枚全てを同じカードにすれば確実に狙ったものをサーチできるが、相手に結果の確定した情報アドを与えることになる。
この形式はこれで確定サーチをするのが基本だが、【糾罪巧】においては戦法の関係上「手札に加わったものは相手に知られない」ことも利用できる。
わざとバラバラの3枚を見せて選ばせることで、相手の猜疑心を煽ることも可能。
そして「糾罪巧」モンスターの効果の中では唯一回数制限が付いている。どれを使用済みでどれが未使用かの把握漏れが無いようにしたい。

またモンスター効果の(2)の内容部分も以下で共通している。
2):(固有の発動条件を満たした時)、
裏側表示のこのカードを表側守備表示にして発動できる。
デッキから「糾罪巧」カード1枚を手札に加える。
「糾罪巧」カードを確定でサーチできる効果。
相手に内容がバレるとはいえ確実にアドバンテージを稼ぐことができる。
こちらの方は回数制限付いていないので、同じ種類が並んでいれば同じ条件のトリガーで一気に手札が増やせる。
ただし今のところ「糾罪巧」カードには手札誘発のような手札から即座に使えるようなカードはないため、直接的な妨害にはならない。
そのあたりはモンスター効果の(3)に任せよう。

イラストは八面体の無機質な形状をしている。「変形」前の姿なのだろう。
カード名にはどれもアポストロフィー付きのギリシャ文字が付いている。
これは古代ギリシャで使われていた、27のギリシャ文字を1/2/3桁目の1~9に当てはめて組み合わせで数字を表記する「イオニア式」というものである。
またその部分のルビはギリシャ語での序数詞になっている。
他にも「」の内部は「エニアグラム性格論」という人格論における9つの人格タイプに対応する「悪徳」が表されている。
正確にはそれをギリシャ語にしたうえで末尾2文字が「IA」で終わるように改変されている。

糾罪巧(エニアクラフト)α'(プロト)「orgIA」(オルギア)
ペンデュラム・リバース・効果モンスター
星1/地属性/機械族/攻 100/守1000
【モンスター効果】
(2):手札のモンスターの効果を相手が発動した時、
裏側表示のこのカードを表側守備表示にして発動できる。
デッキから「糾罪巧」カード1枚を手札に加える。
(3):このカードがリバースした場合に発動する。
相手フィールドのモンスター1体を破壊する。
緋色の表面に水色のラインが走る「糾罪巧」。他と比べるとちょっと平べった気味。

モンスター効果の(2)の条件は「手札のモンスターの効果を相手が発動した時」。
いわゆる手札誘発に限らず、手札から発動する効果で展開を行うデッキは多い。
そのためトリガーは緩い部類だが、モンスター効果の(3)も一緒にと欲張るとタイミングを掴み辛い点はある。

モンスター効果の(3)は相手モンスターを対象に取らずに破壊する効果。
貴重な直接的な除去。場合によってはモンスター効果の(2)で起きることを待たず《糾罪巧-裁誕》で無理に起こすことも必要となる。
ただし破壊は強制なので場合によっては注意が必要。

「α'」はイオニア式での「1」。エニアグラム性格論の悪徳では「怒り」に該当する。
ギリシャ語部分は「プロト」が「1番目」を意味し、「オルギア」は「激怒」を意味する「オルギー」が元だと思われる。

糾罪巧(エニアクラフト)β'(デフテロ)「alazoneIA」(アラゾニア)
ペンデュラム・リバース・効果モンスター
星1/地属性/機械族/攻 100/守1000
【モンスター効果】
(2):デッキからカードを手札に加える効果を含む、カードの効果を相手が発動した時、
裏側表示のこのカードを表側守備表示にして発動できる。
デッキから「糾罪巧」カード1枚を手札に加える。
(3):このカードがリバースした場合に発動する。
相手の手札をランダムに1枚選んでエンドフェイズまで表側で除外する。
金色の表面に同じ様な金色のラインが走る「糾罪巧」。他と比べると縦に細長い。

モンスター効果の(2)の条件は「デッキからカードを手札に加える効果を含む、カードの効果を相手が発動した時」。
サーチやドローを多用するデッキは昨今非常に多いため、これもトリガーとしてはかなり緩い。
モンスター効果の(3)はフィールドの状況を問わず使えるため、相手がトリガーに触れたならすぐに使ってもよい。

モンスター効果の(3)は除外によるランダムハンデス効果。
モンスター効果の(2)のトリガーとも合致しており、運が良ければサーチしたカードをそのまま除外できる。
ただし表側表示で除外するため、デッキによっては「除外された時」の効果を使われる可能性に注意。

「β'」はイオニア式での「2」。エニアグラム性格論の悪徳では「傲慢」に該当する。
ギリシャ語部分は「デフテロ」が「2番目」を意味し、「アラゾニア」は「激怒」や「誇大妄想」を意味する。

糾罪巧(エニアクラフト)ϝ'(エクト)「tromarIA」(トロマリア)
ペンデュラム・リバース・効果モンスター
星1/地属性/機械族/攻 100/守1000
【モンスター効果】
(2):モンスターを特殊召喚する効果を含む、カードの効果を相手が発動した時、
裏側表示のこのカードを表側守備表示にして発動できる。
デッキから「糾罪巧」カード1枚を手札に加える。
(3):このカードがリバースした場合に発動する。
相手フィールドの効果モンスター1体の効果をターン終了時まで無効にする。
紺色の表面に緋色のラインが走る「糾罪巧」。正八面体にかなり近く色味も相まってラミエル感がすごい。

モンスター効果の(2)の条件は「モンスターを特殊召喚する効果を含む、カードの効果を相手が発動した時」。
発動を伴わない特殊召喚には反応しないとはいえ、これも昨今であればトリガーとしては緩い部類。

モンスター効果の(3)は対象を取らずに相手モンスターの効果を無効にする効果。
モンスター効果の(2)の条件的にリバースした時点でだいたい何らかのモンスターはいるため、無効にする相手が不在という事態はまず起こらない。
ただしこの効果は「強制効果」であり、それ故の問題点が発生しうる。
特にモンスター効果の(2)のトリガーになったモンスターの効果をモンスター効果の(3)で無力化させる場合。
この際、そのモンスターが「特殊召喚した場合に発動できる任意の誘発効果」を無効にできない
理由は「同時に発動した効果をチェーンする場合、強制効果が先にチェーンを組む」というルールのため。
つまり
強制効果である《糾罪巧ϝ'-「tromarIA」》のモンスター効果の(3)→特殊召喚された相手モンスターの任意効果
の順にチェーンを組み、逆順処理で
相手モンスターの任意効果を処理→その後《糾罪巧ϝ'-「tromarIA」》でそのモンスターの効果を無効にする
という流れになるため、どうやっても止められないのである。
そのため、トリガーになったモンスターの起動効果や永続効果を止めたり別のモンスターを無効にするように使うのがよい。

「ϝ'」はイオニア式での「6」。エニアグラム性格論の悪徳では「恐怖」に該当する。
ギリシャ語部分は「エクト」が「6番目」を意味し、「トロマリア」は「恐怖」/「強い恐怖」を意味する「トロモス」/「トロメロス」が元だと思われる。

糾罪巧(エニアクラフト)θ'(エナト)「oknirIA」(オクニリア)
ペンデュラム・リバース・効果モンスター
星1/地属性/機械族/攻 100/守1000
【モンスター効果】
(2):墓地・除外状態のカードの効果を相手が発動した時、
裏側表示のこのカードを表側守備表示にして発動できる。
デッキから「糾罪巧」カード1枚を手札に加える。
(3):このカードがリバースした場合に発動する。
相手の墓地・除外状態のカードを3枚までデッキに戻す。
緑色の表面にピンク色のラインが走る「糾罪巧」。色味のせいか非常に毒々しい印象。

モンスター効果の(2)の条件は「墓地・除外状態のカードの効果を相手が発動した時」。
他のレベル1「糾罪巧」モンスターと比べると使わないデッキは使わない条件であり、トリガーの緩さが相手次第の所が非常に大きい。

モンスター効果の(3)は相手の墓地・除外状態のカードを3枚までデッキに戻す効果。
《糾罪巧β’-「alazoneIA」》と組み合わせれば、一時的なハンデスを通常のハンデスにすることができる。
ただ平時では相手が墓地や除外を活用しないデッキだった場合、強制な点も相まって相手のデッキリソース回復になる恐れもある。

総じて効きが相手に左右されやすいため、セットせずP効果やモンスター効果の(1)要員として使うことが多くなりがち。
そのため、汎用カードを詰め込むスロット確保のために1枚のみの採用が基本とされやすい。

「θ'」はイオニア式での「9」。エニアグラム性格論の悪徳では「怠惰」に該当する。
ギリシャ語部分は「エクト」が「9番目」を意味し、「オクリニア」は「怠惰」を意味する。

最上級モンスター

最上級モンスターは全てレベル9・光属性・機械族・攻守3000/2500で統一されている。

P効果の(2)は以下で共通している。
(2):自分・相手のバトルフェイズ終了時、
もう片方の自分のPゾーンに「糾罪巧」カードが存在する場合、
このカードより攻撃力が低い相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを破壊する。
もう片方のPゾーンに「糾罪巧」カードが存在することを条件とした、自身の攻撃力を参照したモンスター除去効果。
レベル1「糾罪巧」モンスターと異なり、こちらには回数制限が付いていない。
レベル9「糾罪巧」モンスターは全て攻撃力3000と高く、各妨害で展開を満足に行わせなければ十分狙える範囲である。
一方で
  • バトルフェイズ終了時というタイミングの遅さ
  • 除去方法が「対象を取る破壊」
  • もう片方のPゾーンに「糾罪巧」カードが必要=片方の除去を許したら自動的に効果を封じられる
と不安要素は多い。

またモンスター効果の(2)はレベル1「糾罪巧」モンスターと異なり共通部分が無く、内容が比較的苛烈な妨害になっている。

イラストは生物の様な姿形をしている。同じ色のレベル1「糾罪巧」モンスターが「変形」した姿なのだろう。
カード名には「変形」前に対応すると思われるレベル1「糾罪巧」モンスターのイオニア式で使われたギリシャ文字が使われている。
また先頭が1文字が「A」でギリシャ文字の後にピリオドが付き、その後ろ部分が大文字でイラストの生物の名称や特徴を表している。

糾罪巧(エニアクラフト)Aizaβ.LEON(アイザレオン)
ペンデュラム・リバース・効果モンスター
星9/光属性/機械族/攻3000/守2500
【モンスター効果】
(2):自分の効果の発動にチェーンして、相手がカードの効果を発動した時、
裏側表示のこのカードを表側守備表示にして発動できる。
フィールドのカードを3枚まで手札に戻す。
(3):リバースしたこのカードがモンスターゾーンに存在する限り、
相手は自身のカードの効果で自身の手札にカードが加わる度に、1枚につき900ダメージを受ける。
獅子の姿に変形した《糾罪巧β'-「alazoneIA」》。

モンスター効果の(2)は対象を取らずにフィールドのカードを3枚まで手札に戻す効果。
条件は「自分の効果の発動にチェーンして、相手がカードの効果を発動した時」。
3枚「まで」なので融通が効き、対象を取らないバウンスなので単純な除去性能は高い。
特に《糾罪巧-Atoriϝ.MAR》で裏側守備表示にできないLモンスターを除去できる点は優秀。
一方でトリガーになった相手の効果を素通しする他、相手の盤面次第では効き目が悪いなど相手依存故の欠点も目立つ。
特に条件的に「自分の「糾罪巧」カードの発動を無効にしたり逃れるだけ」の効果を相手が発動している場合に無力な点が痛い。

モンスター効果の(3)は相手がカードを手札に加える度に効果ダメージを与える効果。
相手の「サーチ」「サルベージ」「ドロー」の全てが当てはまるため範囲は広い。ダメージ量も1回につき900と高い。
直接的な妨害ではなく相手依存だが、これら行為の多用は昨今の多くのデッキで行われるため、ダメージ量の期待値は高い。
特に《糾罪都市-エニアポリス》での特大効果ダメージが控えているとなればプレッシャーも大きく、間接的な抑止力になる。

糾罪巧(エニアクラフト)Archaη.TAIL(アークテイル)
ペンデュラム・リバース・効果モンスター
星9/光属性/機械族/攻3000/守2500
【モンスター効果】
(2):フィールドのカードを破壊する効果を相手が発動した時、
裏側表示のこのカードを表側守備表示にして発動できる。
このターン中、自分フィールドのモンスター及び「糾罪巧」魔法カードは効果では破壊されない。
(3):リバースしたこのカードがモンスターゾーンに存在する限り、
モンスターが相手の墓地へ送られる度に、相手は900ダメージを受ける。
蠍の姿に変形したまだ見ぬ「η’」の「糾罪巧」。

モンスター効果の(2)は1ターンだけ自分フィールドのモンスターと「糾罪巧」魔法カードに効果破壊耐性を付与する効果。
条件は「フィールドのカードを破壊する効果を相手が発動した時」。
《サンダー・ボルト》などの全体除去や、《糾罪都市-エニアポリス》の破壊を阻止するのが主な役割。
「自分フィールドのモンスター」指定なので裏側守備表示のモンスター全員が破壊されない点も嬉しい。
《糾罪巧Astaγ.PIXIEA》と異なり、耐性が発動したターン限定である点は忘れずに。
なおこの条件は「相手が相手フィールドのカードを破壊する効果」を発動した場合でもOK。
破械】などの「自他のカードを破壊するテーマ」であればそこそこ有効。

モンスター効果の(3)はモンスターが相手の墓地に送られる度に効果ダメージを与える効果。
方法や場所を問わないため、S召喚やL召喚といった各種召喚だけでなくカード発動の墓地送りコストや墓地肥やしなどでも反応する。
こちらもダメージ量は1回につき900と高く、《糾罪巧-Aizaβ.LEON》と同様に間接的に展開の抑止を行える。

糾罪巧(エニアクラフト)Astaγ.PIXIEA(アスタピクシア)
ペンデュラム・リバース・効果モンスター
星9/光属性/機械族/攻3000/守2500
【モンスター効果】
(2):自分フィールドのカードを対象とする効果を相手が発動した時、
裏側表示のこのカードを表側守備表示にして発動できる。
その効果を無効にする。
その後、相手の手札をランダムに1枚裏側で除外できる。
(3):リバースしたこのカードがモンスターゾーンに存在する限り、
相手はフィールド・墓地のカードを効果の対象にできない。
九尾の狐の姿に変形したまだ見ぬ「γ’」の「糾罪巧」。

モンスター効果の(2)はトリガーとなった効果を無効にしながら相手の手札をランダムハンデスする効果。
条件は「自分フィールドのカードを対象とする効果を相手が発動した時」。
除去や無効化などで対象を取る効果は多く、トリガーとしては緩い方。無効にしてくれるのも有り難い。
更に追い討ちとしてハンデスを、最も再利用しづらい「裏側除外」で行ってくれる豪華特典付き。
ランダムハンデスなので過信はできないとは言え、存在そのものが強いプレッシャーとして機能している。
サーチで相手に見せた場合は存在がバレて対象を取らない効果を使われる恐れはあるが、そこは他のカードで補おう。

モンスター効果の(3)は、相手がお互いのフィールドと墓地のカードを対象に取れなくなる効果。
単に自分のカードが対象耐性を得るだけでなく、相手は相手自身のカードも対象に取れなくなる
墓地のカードを対象に取る蘇生や、自身のフィールドのカードを対象に取る必要がある装備魔法などを一辺に無力化させられる。
効き具合は相手次第だが、大きな影響力を持つ。

糾罪巧(エニアクラフト)Atoriϝ.MAR(アトリマール)
ペンデュラム・リバース・効果モンスター
星9/光属性/機械族/攻3000/守2500
【モンスター効果】
(2):自分ターンに相手がフィールドでカードの効果を発動した時、
裏側表示のこのカードを表側守備表示にして発動できる。
その発動を無効にし破壊する。
(3):このカードがリバースした場合に発動する。
相手フィールドのモンスターを全て裏側守備表示にする。
この効果で裏側守備表示になったモンスターは表示形式を変更できない。
クジラの姿に変形した《糾罪巧ϝ'-「tromarIA」》。

モンスター効果の(2)はトリガーとなった効果を無効にして破壊する効果。
条件は「自分ターンに相手がフィールドでカードの効果を発動した時」。
他のレベル9「糾罪巧」モンスターと異なり、無効にしたうえで破壊までするためパーミッション性能は高め。
その分「自分のターン中限定」「フィールド上の効果限定」と縛りがあり、他のレベル9「糾罪巧」モンスターとは使い分けが必要になる。

モンスター効果の(3)は相手モンスターを全て裏側守備表示に固定する効果。
モンスターは表側表示でなければ効果の発動・適応ができないため、裏側守備表示で固定されたモンスターは実質効果が無効になったようなものである。
また裏側守備表示で固定されたモンスターはデッキによっては非常に処分がし辛く、モンスターゾーンを圧迫させることができる。
特にS召喚・X召喚・L召喚を多用するデッキに効く。融合召喚の素材やA召喚のリリースなどには使えるため、そういったデッキにはあまり刺さらない。
直接的なボードアドバンテージは稼げないものの、相手モンスターを一斉に無力化させるので盤面捲りの性能は高い。
戦闘ダメージを与えづらくなる点も【糾罪巧】ではダメージソースは《糾罪都市-エニアポリス》などの効果ダメージが担うため大事には至らない。

他のレベル9「糾罪巧」モンスターと比較すると、後攻時の捲り札として特に適性が高い
【糾罪巧】はテーマカードを多く採用する都合で手札誘発の枚数を抑えるため、後攻になった時に相手の先攻1ターン目の展開を妨害しづらい。
そのため後攻になった時は「捲り札」で相手の盤面を突破することが求められるが、このモンスターのモンスター効果の(3)はそれにピッタリである。
自分ターン中なのでモンスター効果の(2)のトリガーを自然に狙いやすく、そのままモンスター効果の(3)で相手モンスターを一気に無力化できる。


魔法カード

糾罪都市(きゅうざいとし)-エニアポリス
フィールド魔法
このカード名はルール上「糾罪巧」カードとしても扱う。
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドの「糾罪巧」Pモンスターカードを任意の数だけ対象として発動できる。
そのカードを手札に戻す。
(2):自分フィールドの「糾罪巧」Pモンスターがメインフェイズにリバースした場合に発動できる。
その内の1体を選び、手札に戻すか自分のPゾーンに置く。
(3):自分・相手のエンドフェイズに発動する。
自分フィールドの糾罪カウンターを全て取り除き、相手はその数×900ダメージを受ける。
「糾罪巧」が襲っているであろう都市が描かれたフィールド魔法。

(1)は自分の「糾罪巧」モンスターカードをバウンスする効果。
非常にリバースしやすい「糾罪巧」モンスター達だが、どれも自力で裏側守備表示に変更する効果を持たない。
そのためこちらで一度手札に戻すころで、「糾罪巧」モンスターのモンスター効果の(1)で再セットからのリバースを狙うことができる。
また「モンスターカード」指定なのでPゾーンに置いた「糾罪巧」モンスターも手札に戻せる。
レベル1「糾罪巧」モンスターのP効果の(2)でサーチした後、別のレベル1「糾罪巧」モンスターを置いて再度サーチといった動きに役立つ。

(2)はリバースした「糾罪巧」モンスターを手札かPゾーンへの移動させる効果。
戦闘破壊されやすいレベル1「糾罪巧」を逃すのが主な使い道となる。
また(1)と同じ様に、レベル1「糾罪巧」モンスターのモンスター効果の(2)で別の「糾罪巧」モンスターをサーチした時の動きにも役立つ。
サーチを発動したレベル1「糾罪巧」モンスターを退かして枠を空けつつ、「糾罪巧」モンスターのモンスター効果(1)でセットまで行える。

(3)は糾罪カウンターを全て取り除くいてその分の効果ダメージを与える効果。。
ダメージ量は1個につき900と高く、カウンターを9個取り除けられれば初期ライフ8000を一気に削り切ることが可能。
両方のPゾーンに「糾罪巧」モンスターを置けば5回のリバースで達成できる
モンスターの戦闘が起きづらい【糾罪巧】では重要なダメージ源となる。
ちなみに「糾罪巧」モンスターの糾罪カウンターを置くP効果の(1)は、「糾罪巧」モンスター以外のモンスターがリバースした場合にも置かれる。
そのため(実用性は低いが)テーマ外のモンスターと組み合わせれば致死量の糾罪カウンターを置いて先行1ターンキルもできたりする*3

サーチなど直接カードアドバンテージを稼ぐ効果は持たないが、3つの効果全てが【糾罪巧】に欠かせないものとなっている。

糾罪巧(エニアクラフト)始導(リリース)
通常魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):デッキから「糾罪巧」Pモンスター1体を自分のPゾーンに置く。
(2):このターンに墓地へ送られていないこのカードを墓地から除外して発動できる。
自分のEXデッキ(表側)から「糾罪巧」モンスター1体を手札に加える。
天より現れる《糾罪巧β'-「alazoneIA」》が描かれた通常魔法。

(1)はデッキから「糾罪巧」モンスターをPゾーンに設置する効果。
言うまでもなく便利で、レべル1「糾罪巧」モンスターを設置すればサーチで展開の起点になる。

(2)は墓地から除外してEXデッキから「糾罪巧」モンスターを回収する効果。
戦闘破壊されたレべル1「糾罪巧」モンスターや不慮の除去を受けたレべル9「糾罪巧」モンスターを再利用できる。
墓地に送られたターンには発動できないため、自分ターンで除去を通してしまった場合はそのラグに困ることになる。

糾罪巧(エニアクラフト)裁誕(リバース)
通常魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分の手札・フィールド(表側表示)から「糾罪巧」モンスターカードを任意の数だけデッキに戻す。
その後、自分は戻した数だけドローする。
(2):このカードが墓地に存在する状態で、相手がモンスターを召喚・特殊召喚した場合、
このカードを除外し、以下の効果から1つを選択して発動できる。
●手札から「糾罪巧」モンスター1体を裏側守備表示で特殊召喚する。
●自分フィールドの裏側守備表示の「糾罪巧」モンスター1体を表側守備表示にする。
光を放ちながら変形しようとしている《糾罪巧ϝ'-「tromarIA」》が描かれた通常魔法。

(1)は手札とフィールドの「糾罪巧」モンスタカードをデッキに戻してその分ドローする効果。
早い話が「糾罪巧」モンスターのシャッフル。手札交換の他に存在が露わになった「糾罪巧」モンスターをデッキに戻すことで対策を躱すことができる。
レべル1「糾罪巧」モンスターのP効果の(2)でサーチした後ならば、多めの枚数の手札交換が見込める。
ドローなので「糾罪巧」以外の汎用カードを引きやすくなる側面もある。

(2)は相手の召喚・特殊召喚に反応して「糾罪巧」モンスターを特殊召喚するかリバースさせる効果。
特殊召喚の方はサーチが間に合わなかったレべル9「糾罪巧」モンスターを直にセットすることで妨害数を補うことができる。
リバースさせる方は各種「糾罪巧」のモンスター効果の(3)を各々のモンスター効果の(2)の条件限定されずに適用させやすくなる。
トリガーは緩く、相手からすればリバース条件を増やされたような感じになる。



相性が良いカード

下級「糾罪巧」モンスターのサーチの形式の関係上、「糾罪巧」カードの3積みを増やして結果を確定させることが望ましい。
テーマカードの種類の多さもあってデッキの半分以上は「糾罪巧」カードで占められるため、必然的に他のカードを採用する枠は少なくなる。
また独特すぎる制約から他のテーマとの混合構築も容易ではない。
純構築寄りが基本とはなるが、その上で採用できるカードを列挙する。

リバースモンスター・リバースサポート

「糾罪巧」モンスターのモンスター効果の(1)で簡単にセットできるため共存は現実的。
ただし【糾罪巧】は既存のテーマに見られるようなテーマ外カードのリバース補助まではしてくれないため「自発的にリバースできない」遅さは残る。
そのため劇的に相性が良いというほどではない。

  • 《裏風の精霊》
召喚時にリバースモンスターをサーチできるモンスター。
【糾罪巧】の展開は召喚権が不要なので、召喚権を割いても問題にならない。
強力なレベル9「糾罪巧」モンスターを直接手札に加える手段して有力。
難点はサーチしたモンスターが相手にバレることと、《裏風の精霊》がモンスターゾーンに残る(=「糾罪巧」モンスターを置くスペースが減る)ことか。

  • 《禁忌の壺》
リバースで《強欲な壺》《ハリケーン》《サンダー・ボルト》《強引な番兵》からどれか1つを使用できる、文字通り「禁忌」のリバースモンスター。
特に全体除去とハンデスが強力でく、仮に一番効くタイミングを逸してもドローで「糾罪巧」モンスターの補充ができる。
レベル9な点も「糾罪巧」モンスターのモンスター効果の(1)で簡単に無視してセットできる。
ただしやはり自発的にリバースできない故の遅さは否めない。

リバーステーマの先輩である「クローラー」の大型リバースモンスター。
「裏側守備表示のこのカードを対象に取る効果を相手が発動した時」に自力でリバースし、その発動を無効にして破壊する効果を持つ。
条件がやや限定的ながらも「糾罪巧」モンスターと同様「自力でリバースできるリバースモンスター」である。
更にリバース後は自身がフィールドに居る限り相手フィールドで発動したモンスター効果をすべて無効にすることができる。
天霆號アーゼウス》による一掃を防げるなど制圧手段の選択肢に一つにはなるが、抜け穴も多いため注意。
また破壊されると地属性・昆虫族でないレベル9モンスターをサーチできる。
レベル9「糾罪巧」モンスターは全てサーチ範囲に収まっているので、一応後続の確保としても使える。

表示形式関連

  • 《サン・アンド・ムーン》
お互いのモンスター1体ずつの表示形式を表側表示なら裏側守備表示に、裏側守備表示なら表側守備表示にする速攻魔法。
対象を取る欠点は有れど、フリーチェーンで能動的なリバースと相手モンスターの無力化を同時に行える。
「糾罪巧」モンスターのモンスター効果の(2)(3)には回数制限が無いため、裏側守備表示に戻すことで再び妨害の圧を飛ばすことができる。

フィールド上の表側表示モンスター全てに「裏側守備表示化or墓地送り」のいずれかを強制する通常罠。
表側表示になった「糾罪巧」モンスターを裏側守備表示に戻して再利用を狙いつつ、相手モンスターの無力化できる。

  • 《太陽の書》《星遺物の傀儡》
自分フィールドの裏守備モンスター1体を表側表示に変更するカード達。
《太陽の書》は通常魔法なので引いて即座に使えるものの、使い切りかつ相手ターンに使用できない。
対して《星遺物の傀儡》は永続罠なので引いてもすぐには使えないが、相手ターンでも使用できて維持できれば往復で使える。
いずれにしろ「糾罪巧」モンスターを含むリバースモンスターの能動的なリバース手段になり得る。

Pモンスター関係

【糾罪巧】はまずP召喚を行えないが、Pモンスターであることに変わりはない。
なのでPモンスターをサポートする効果そのものは問題なく受けられる。

  • 《ペンデュラム・パラドックス》
EXデッキからPスケールが同じでカード名が異なるPモンスター2枚を手札に加える通常魔法。
「糾罪巧」モンスターは全員がスケール0であり、またP召喚がまずできないため何らかの除去を許してEXデッキに行った場合に再利用が困難になる。
そのため採用すれば、再び手札に戻す回復手段として使える。
テーマ内の《糾罪巧-始導》でもEXデッキからの回収ができるが、あちらは発動までにタイムラグがあり1枚だけなため即効性と枚数ではこちらが上。

その他

  • 《次元の裂け目》
お互いの墓地へ送られるモンスターを墓地へ行かせずに除外させる永続魔法。
【糾罪巧】はフィールド上で表示形式を変えたり手札に戻るだけなため特に影響を受けない。
そして手札誘発の受けが良くない【糾罪巧】では、相手の手札誘発を封じられるという強力な防御手段になり得る
無論、相手が墓地利用デッキだった場合はそのまま優位を奪い取ることも可能。
似たようなメタカードには《ディメンション・アトラクター》も存在する。
こちらは相手の先攻1ターン目に発動でき、残存効果なので後から邪魔されない点で勝る。
一方で自分の魔法・罠カードも除外してしまうため、《糾罪巧-裁誕》《糾罪巧-始導》の墓地効果が使えなくなるという小さくない欠点もある。
相手が《糾罪巧-Atoriϝ.MAR》が効くレベルで墓地メタが有効だと分かれば、この欠点を受け入れてでも採用するのはアリだろう。

相手が5回以上召喚・特殊召喚をしたターンに豪快な除去を行う手札誘発モンスター。
後攻対策が重要な【糾罪巧】では当然相手の展開を抑止できる点も重要なポイント。
しかしもう一つ重要な点があり、《原始生命態ニビル》は表側表示モンスターしかリリースしない。
つまり裏側守備表示の「糾罪巧」のモンスターを場に残しつつ除去を行うことができる。
「糾罪巧」モンスターを構えつつ相手ターンを凌ぐ手段として有力な候補になる。

相手モンスター3体をリリースすることで相手フィールド上にA召喚させる「後攻捲り札」の一種であるモンスター。
召喚権が余る【糾罪巧】ならば負担は軽く、モンスターによる制圧盤面をひっくり返してくれる。
特に【糾罪巧】の制約で「壊獣」や《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》を使用できないため、その代わりとしても重要な役割を担う。

デッキからカードを手札に加える効果を無効にし、更に強い制約さえ許容できるなら手札から発動できる通常罠。
「糾罪巧」モンスターは地or光属性なので手札からの発動後の制約を回避できるため、後攻時の重要な牽制手段になる。

光属性モンスターをリリースしてA召喚した際に自爆して強力なEXデッキ破壊を行う最上級「帝」モンスター。
レベル9「糾罪巧」は光属性なので、テーマギミックを用いれば《轟雷帝ザボルグ》用に召喚権を温存してリリース素材を出すことは容易。
「糾罪巧」の制約上EXデッキのモンスターはほとんど使わないため、《轟雷帝ザボルグ》の為と割り切るのも手である。
見返りは大きいが出張採用に際して手軽なサーチ手段が無いことや、先攻時にしか機能しないなどの欠点もある。



欠点・弱点

効果ダメージメタ

【糾罪巧】のダメージソースはその大半を《糾罪都市-エニアポリス》による効果ダメージに頼っている。。
後は特に刺さる相手に《糾罪巧-Aizaβ.LEON》《糾罪巧-Archaη.TAIL》で効果ダメージを与えるくらい。
そのため何らかの効果ダメージメタが働いている場合、相手にダメージを与える術がほとんどなくなってしまう。
また「糾罪巧」カードの効果ダメージは全て強制効果なので、《No.14 強欲のサラメーヤ》などの効果ダメージを跳ね返すモンスターがいると自分が死ぬ。
各種「糾罪巧」モンスターによる妨害で、何としても出されないようにする必要がある。

サーチメタ

このテーマはレベル1「糾罪巧」モンスターのP効果の(2)で「糾罪巧」カードを何度もサーチし、手札を整える動きを基本とする。
そのためサーチを止められてしまうと手札の補強が滞り、また盤面も素引きした「糾罪巧」のみで詰めなければならないため強度が落ちる。
特に危険なサーチメタなのが《ドロール&ロックバード》。
適用されるとレベル1「糾罪巧」モンスターのモンスター効果の(2)が発動できなくなり、それに連動してモンスター効果の(3)も自力では発動できなくなる。
更に《糾罪巧-裁誕》も発動できない(=墓地に置けない)ため、《糾罪巧-Atoriϝ.MAR》のモンスター効果の(3)を相手ターンで発動しにくくなる。

手札誘発受け

他の欠点と少し重なるが、【糾罪巧】はサーチと特殊召喚を多用するため手札誘発受けが良くない。
特に展開手段であるモンスター効果の(1)が律儀にも「手札から見せて発動する効果」なので、《増殖するG》等をチェーンして発動されやすい。
昨今のデッキでは《増殖するG》受け対策を備えているものも多いが、【糾罪巧】でドローを抑えるためには
《糾罪都市-エニアポリス》《糾罪巧-裁誕》を確保してモンスター効果の(1)で1体だけセット→召喚権を使ってレベル1「糾罪巧」モンスターをセット
で展開を終えることになる。
それだけ妨害の手数が減ってしまうため、相手に強行突破される恐れも大きい。

Pモンスターメタ・魔法カードメタ

「糾罪巧」モンスターは全員Pモンスターなので、Pモンスターメタに非常に弱い。
またそれに付随して《糾罪都市-エニアポリス》諸共潰す魔法カードメタでもデッキが機能停止する。
こちらが後攻の場合、《魔封じの芳香》を発動されるとサーチも手札調整もほぼできずに盤面が大幅に弱体化してしまう。
そして最悪のメタカードが《次元障壁》。
残存効果のために後から無効・破壊もできず、Pモンスターとして効果を何も使えないため文字通り何もできなくなる。

ライフ枯渇

1回につきライフが900減るレベル1「糾罪巧」モンスターのP効果の(2)を序盤から大量に使用して手札を整える都合上、ライフの減りが早い。
相手から妨害を貰わなかった場合、4種類のレベル1「糾罪巧」モンスターを全て使用するため初期ライフ8000の半分近くをあっさり消費することになる。
ここで《神の宣告》などのライフコストを要する汎用カードも使えば、相手から攻撃を受けずともあっという間にライフは危険域に突入する。
相手の効果ダメージに怯えるだけでなく、ライフコストを消費するカードが多いため最悪は効果を使用できないという状態に陥ることも。
しかしそれを嫌って《神の宣告》等ライフコストを要する汎用カードを蹴れば、それだけ対応範囲を狭める事にもつながる。

「相手ターン中に・対象を取らない・破壊しない」除去効果

レベル9「糾罪巧」モンスターの効果で相手を妨害しながらゲームを優位に進めるのが狙いの【糾罪巧】だが、致命的な欠陥を抱えている。
それは「相手ターン中に・対象を取らない・破壊しない」除去効果を発動された場合、それを止める方法がテーマ内には無い事。
汎用的なカードに絞っても《天霆號アーゼウス》《拮抗勝負》などが該当し、成すすべなく盤面を更地にされてしまう。
モンスター効果の(1)の制約から《フルール・ド・バロネス》などの汎用モンスターに頼ることもできず、方法は汎用のカウンター罠で止めるくらい。
そしてその代表例である《神の宣告》系統がよりによってライフコストを要するというのも大きな悩みどころ。



追記・修正はモンスターをセットしまくってからお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2025年09月13日 04:40

*1 PモンスターはP効果欄がある関係で通常のカードとイラストのサイズが異なる。

*2 条件が無いが故に「セットしたモンスターがちゃんと条件に適しているか」をお互いに確認する必要が無いため。

*3 一例:何度も自身を裏側守備表示にできる《WAKE CUP! モカ》+裏側守備表示モンスターを強制的に表側攻撃表示にさせるる《軍神ガープ》