今田の用心棒、乳眼/Opal-Eye, Konda's Yojimbo(MtG)

登録日:2018/01/25 (木曜日) 21:48:50
更新日:2025/05/17 Sat 19:00:16
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今田の用心棒、乳眼とは、マジック・ザ・ギャザリングの神河謀叛で登場した白の伝説のクリーチャーである。レアリティはレア。

【Opal-Eye, Konda's Yojimbo / 今田の[[用心棒]]、乳眼 (1)(白)(白)】
伝説のクリーチャー — 狐(Fox) 侍(Samurai)
防衛(このクリーチャーは攻撃できない。)
武士道1(このクリーチャーがブロックするかブロックされた状態になるたび、それはターン終了時まで+1/+1の修整を受ける。)
(T):このターン、あなたが選んだ発生源1つが次に与えるダメージは、代わりに今田の[[用心棒]]、乳眼に与えられる。
(1)(白):このターン、次に今田の[[用心棒]]、乳眼に与えられるダメージを1点軽減する。
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英語名を見て分かる通り、白色のをしているから『乳眼』という名前を持っている。
決しておっぱいに眼がついているわけではない。なので、英語名の「l」を「i」にしてはいけない。
なお読みは「にゅうがん」ではなく「ちちめ」。パルコ・フォルゴレかな?

何を隠そうこの伝説の用心棒、なんと2019年現在、マジックで唯一防衛持ちの伝説クリーチャーである。
まさに全ての防衛持ちクリーチャー憧れの星。


それに加えて秘められし三つの能力も用心棒の名に恥じないものである。
一度彼がブロックすれば武士道によって2/5に。とても3マナのクリーチャーとは思えないタフさ。

さらに彼のタップ能力により、用心棒としての責務を果たすかのごとく、ダメージを引き受ける。
この身代わり能力の前では飛行も攻撃を通すことはできない。

極めつきは、そういったダメージですらもマナ能力によって軽減し、耐え切ってしまうのだ!


彼さえ戦場に立たせておけば、あなたは安心、安全、快適!
これを機に、あなたのデッキに伝説の用心棒を雇っては如何だろうか。







追記・修正お願いします。




















さて、そんな伝説の用心棒さんだが、実は残念なことに彼を雇い入れるデッキはまずない。
そもそも現環境でこうした防御クリーチャーの需要自体が低いのだが、このカードを考察するにあたってその点は無視することにする。


大体、先程は「マジック史上唯一防衛持ち伝説クリーチャー」などと書いていたが、こんなの名誉どころか不名誉の証だと言ってもいいくらいだ。
マジックを知らない諸兄に説明しておくと、「防衛」というキーワード能力は即ち
「このクリーチャーは攻撃できない」というデメリット能力である。

つまり先程の言い方を言い換えるならば「マジックで唯一攻撃できない伝説クリーチャー」となる。
一気にショボく感じてしまう...。





このデメリットのお陰でせっかくの武士道も半分しか効力が発揮できないも同然。
一応《突撃陣形》や《覚醒石のガーゴイル》などで無理矢理攻撃させることもできなくはない。


タップでダメージを引き受ける能力も、はっきり言って使いづらい。
軽量クリーチャーゆえにタフネスがたったの4では、大半の攻撃に対して耐えきれず討ち死にするだろう。
逆に乳眼で耐えられる程度のダメージだったら、それはそれでわざわざ防ぐ意味ある? と感じてしまう。




何? タップ効果でダメージを身代わりするなら飛行も防げる?
それならね、《天使の壁》っていう飛行持ちで乳眼と同じタフネスの壁がいるんだ。乳眼より1マナ軽いんだよ。


何? ブロックとタップ能力を併用すればクリーチャー2体を同時に防げる?
それならね、《輝きの壁》っていう壁はね、2体どころか10体でも100体でも1億体でも同時に防げるよ。
《天使の壁》と同じで乳眼より1マナ軽いけど、タフネスは乳眼より大きい5だよ。




...とまあ、こんな感じで「用心棒」よりも「壁」の方が守りとして優秀なのは否めない。
一応、能力でのダメージ呪文も引き受けられるが、やはりそれにしては頼りないタフネスが不安である。



こうした弱点を補う為につけられたと思われる3番目のダメージ軽減能力は、
白含めた2マナ払ってようやく1点軽減と、余りにも重すぎる。


例えば、赤を代表するカードとも言える《稲妻》は赤1マナで3点のダメージを与える。
この1マナで放たれた呪文に対し、我らが乳眼は6マナを使用することでようやくダメージを打ち消すことができる。
う、うーん...
実際には3点すべてを打ち消す必要はなく、致死ダメージにならない域にとどめればよい。つまりタフネス2のクリーチャーを保護するなら4マナで済む。
それでも重い?そうだね。
ただ裏を返せば、4マナ立っている状態なら相手は《稲妻》を打つのをためらうかもしれない。つまり除去に対する抑止力になるのだ。
《恐怖》打たれたらどうするのって?あきらめるしかないね。


赤の中でも最高クラスの効率を持つダメージ呪文と比べたのは少々酷かもしれないが、
それでもマジックにおいては、フォーマットによって多少価値観は前後するも、
基本的に3マナでパワータフネスが3、5マナならパワータフネス5あれば合格点といった感じで
1マナ=1点という感覚が基本に近いところがある。
そこに2マナ=1点軽減という価値観を引っさげてやってきた狐の用心棒君は、少々厳しい戦いを余儀なくされることだろう。


とまあ散々こき下ろしてしまったが、そんな彼も限られたカードで戦う『リミテッド』では優秀な部類。
戦闘が戦略の中心となる環境では、相手に思うような攻撃をさせないためなかなか優秀。
前述した価値観で言うならば3マナでタフネスを4も持つ彼は立派な用心棒なのだ。

逆にそんな彼が苦悩するポジションは『統率者戦』の統率者である。
彼も立派な伝説のクリーチャーであるため、統率者にすることも出来るのだが、如何せん、歴史ある禁止カードたちが蠢く統率者戦では乳眼の能力は力不足であり、
それに加えて攻撃ができないため、「装備品付けまくって強化して統率者ダメージで倒しきる」ことすらできない。
こちらは何もかもが地味すぎるせいで本当にどうしようもない。乳眼の雇い主である家のワンちゃんよりも弱いことになってしまう。
防衛持ちとして唯一の称号も統率者2019で登場した《天空塁壁、プラミコン》のせいで失ってしまう始末。あちらはマジック初の伝説の壁であり、いかにも壁らしい攻撃制限の能力を持っているのでEDHで組むプレイヤーもいる。
ぶっちゃけ色のある統率者では最弱候補筆頭、最弱統率者の話題になると必ず顔を出す。
ただでさえドローが不得意で、大量除去でお茶を濁しながら戦うせいで不評になりがちな白単統率者において、その代表的な勝ちパターンである統率者ビートダウンすらできないのを苦行といわず何というか。

用心棒は適材適所。環境とフォーマットをよく見て雇おう。






追記、修正はタップしてダメージを代わりに受けてからお願いします。
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最終更新:2025年05月17日 19:00