イチョウ色の初恋(名探偵コナン)

登録日:2019/10/22 (火) 16:52:54
更新日:2019/10/26 Sat 10:16:21
所要時間:約 11 分で読めます





彼女との思い出はこのまま触れず…

きれいなまま、ワシの心にしまっておくよ…


『イチョウ色の初恋』とは、『名探偵コナン』のエピソードの1つ。
単行本第40巻に収録。テレビアニメでは第421話・第422話として、2005年11月21日と28日に放送された。
阿笠の小学校時代が初めて描かれたエピソードで、阿笠の初恋の人捜しに少年探偵団が奔走する。


※以下ネタバレが含まれますので、未読・未視聴の方はご注意ください。


【ストーリー】
11月24日。
阿笠邸を訪れた少年探偵団は、阿笠が無くした結婚式の招待状探しを手伝う。
コナンの推理で招待状は難なく見つかるが、その際に子供が書いた古いハガキも見つかった。
それは阿笠が小学校の頃に、初恋相手の少女から受け取ったものだった。
ハガキには思い出の場所で10年後の再会を約束する言葉が書かれており、その時に会えなければまた10年後に同じ場所で待つと書かれていた。
ハガキの裏には再会の場所を示す暗号が書かれていたが、その答えが分からなかった阿笠は、40年間一度も彼女と再会出来ていないという。
今日が40年目のその日に当たる事から、少年探偵団は今年も彼女がそこで待っていると考える。
そして暗号が動物園を示していると推理し、帝丹小学校のOBが園長をやっていた東都動物園に向かうが…


【ゲストキャラクター】

  • 木之下(きのした)
CV:本多知恵子
阿笠の初恋相手で当時は帝丹小学校の4年生。
クリクリっとした目が特徴のそばかすの女の子で、いつも帽子を目深に被っていた。
瞳は黒だったが両親のどちらかが外国人だったので髪の色は金色だった。学校の皆と違う髪色を冷やかされるのが嫌でいつも帽子を深く被っていた。
小さい頃に飼い犬に噛まれてそれ以来動物嫌いとなったが、阿笠と一緒に動物に触れあううちにすっかり動物好きとなり、小学校のニワトリの世話も大好きになっていた。
11月24日の雨の日に阿笠に別れを告げずに引っ越す。だが引っ越す前に阿笠の家のポストに、10年後の再会を約束する言葉と、再会の場所を指し示す暗号を書いたハガキを入れていた。
ちなみにハガキには彼女のフルネームが書かれていたが、雨で滲んで読めなくなっていた。だが阿笠の話では「ミサ」のような名前だったらしい。

  • 小畑与一郎(こばた よいちろう)
東都動物園の初代園長。
帝丹小学校の卒業生で、子供達に長生きしてほしいという願いを込めて、長生きの象徴であるカメを寄贈している。ちなみにこれまでに3匹のカメを贈っている。

  • 野井(のい)
CV:京田尚子
阿笠が小学生の頃に大型犬を飼っていた女性。
その犬の孫犬が先月死去したらしく、寂しくなって動物園に来ていた時に阿笠と再会する。
彼女の家の前が阿笠と少女が出会った場所だったので、阿笠は彼女が引っ越した10年後にそこで1日中待っていたが、初恋の相手は現れなかった。

  • 蝶野晴男(ちょうの はるお)
CV:二又一成
40年前にハムスターを飼っていた蝶野家の少年。阿笠より6歳年下で当時はハナタレ坊主だった。
当時の阿笠は少女と一緒に彼の家を何度か訪れており、ハムスターに触れさせて彼女の動物嫌いを克服させている。
現在はオカマに変貌しており、夜の動物館で彼氏と待ち合わせをしていた時に阿笠と再会する。
阿笠は彼女が引っ越した20年後に彼の家に前の日から泊まり込んでいたが、初恋の相手は現れなかった。


【レギュラー陣】

ご存知主人公。
ハガキに書かれていた暗号が、初恋の相手が阿笠を待っている場所を示していると考え、阿笠を初恋の人と会わせるために解読に挑戦する。

ご存知天才発明家。今回のメイン。
小学校6年生の夏休み明けの登校日、野井家の前で犬を怖がっている少女と出会う。
その後は蝶野家に通って彼女の動物嫌いを治すが、出会った3か月後に突然彼女と別れる事となる。
その日に彼女から暗号付きのハガキを貰うが、暗号が解けなかったので未だに彼女と再会できていない。
たまたま今日が約束の日に当たっていたので、事情を知った少年探偵団と再会の場所探しを始める。

ご存知哀ちゃん。
少女が阿笠に「サヨナラ」を言わなかった理由を「「サヨナラ」はお互いの気持ちに針を刺す哀しい言葉だから」と推測している。
母親が英国人なので、アメリカにいた頃は東洋系の顔だという理由で嫌がらせを受けていたらしい。

ご存知少年探偵団。
暗号の最初の「4163」が「与一郎さん」と読めたので、与一郎が初代園長だった東都動物園に初恋の相手がいると考える。
しかし阿笠は彼女と動物園には行った事がなかった。

ご存知蘭姉ちゃん。
フサエ・ブランドの限定品を買うために園子と朝から出かけていった。
小学校1年生の頃にある人と約束をしていたので、その約束を果たすためにフサエ・ブランドを買おうとしているらしい。

ご存知迷探偵。
沖野ヨーコと中山美紗のジョイントライブに出かけていた。

ご存知蘭の親友。
蘭と一緒にフサエ・ブランドを買いに出かけている。
アニメ版では元太に「やかましい園子姉ちゃん」と呼ばれていた。


【その他の人物】

  • フサエ・キャンベル
CV:増山江威子
イチョウの葉の柄で有名なブランド「フサエ・ブランド」のデザイナー。
今は日本を訪れており、来日記念にフサエ・ブランドの限定品が発売されている。
名前は声優の緒方賢一(阿笠博士役の人)の奥さんから取られている。

  • ビリー
CV:小林清志
髭とサングラスが特徴の外国人男性。
終盤に登場する。


【用語】

  • ハガキの暗号

4163 33 6 0
ヒントは動物だよ

この暗号が示す場所で少女は10年ごとに阿笠を待っているはずだが、阿笠はこの暗号を解く事ができず未だに彼女との再会を果たせていなかった。


以下真相につき、さらなるネタバレにご注意ください

























わかったぜ博士…

彼女が待っている思い出の場所が…


オレ達もよーく知ってる…

あそこだって事がな!!!


  • 暗号の答え
ハガキの裏に書かれた待ち合わせ場所の暗号「4163 33 6 0」は、ヒントのとおり動物の事を表していた。
この数字はそれぞれ「動物の鳴き声」を意味していたが、日本語ではなく英語表記に直さなければ解けないようになっていた。

例えば暗号の「6」はネズミの鳴き声であり、英語にすると「squeak」と6文字になる。
ネズミ以外にも鳴き声が6文字の動物は多くいるが、阿笠の思い出の中の彼女に関わる動物にハムスターがいたので、これは当時ハムスターを飼っていた蝶野家を示している事になる。

同じ要領で「4163」と「33」を英語表記の鳴き声に当てはめると、「4163」は「Cock a doodle doo」でニワトリ、「33」は「bow wow」で犬となる。
ニワトリは彼女がニワトリの世話をしていた帝丹小学校、犬は当時大型犬を飼っていた野井家を示していた。
そして「0」は動物がいない場所、つまり彼女の親が動物を飼うのを止めていた木之下家という事になる。

これだけでは彼女がどこで待っているのかまだ分からないが、この4つの場所を書いてある順番に繋げば、彼女が待つ思い出の場所が分かるようになっていた。

小学校 野井 蝶野 木之下


小学校のイチョウの木の下

帝丹小学校の学校裏はイチョウ並木となっており、40年前の気持ちが薄らいでなければ彼女は今日もそこで待っているはずだとコナンは言う。
今から車を飛ばせば帝丹小学校まで20分もかからないので、彼女が待っていると信じ阿笠は車を出すが…

  • 初恋・再会・別れ
日が暮れる前に小学校裏のイチョウ並木に到着したコナン達は、阿笠の初恋の人がいると信じてイチョウの木の下を見て回る。
だが彼女らしき女性はおらず、阿笠は「いなくて当然じゃよ…」と諦めかける。
すると歩美が「まだ停まってる…」と、イチョウの木の下に停められていた車を指差す。灰原の話では、今朝灰原と歩美がウサギの様子を見に小学校へ来た時にも停まっていたという。
元太は中に初恋の人がいると思い車の中を覗くが、車の中には誰もおらず、まだ湯気の立っているコーヒーと、3人分のファーストフードを食べ終えたゴミだけが残されていた。

その直後、阿笠はイチョウの木の下で佇んでいた女性を発見。
女性は金髪のショートで帽子を被っており、コナンが思わず見とれるほどの美人であった
「まさか、あれじゃねーだろーな」「も、もったいないです…」と元太と光彦が言う中、阿笠は「まだ彼女と決まったわけじゃないし…」となかなか彼女の前に行こうとしない。
すると阿笠は元太に背中を押され、よろめきながら彼女のところまで行った。

女性はすぐに阿笠に気づくが、彼女の後ろから外国人男性のビリーが姿を現す。
女性はビリーに英語で何かを伝え、ビリーは離れたところに停めていた車へと戻っていく。
そして女性は阿笠に「可愛いお孫さんですね」と話しかけた。

阿笠は女性が初恋の人かどうか確かめようとするが、女性は「今朝偶然ここを通りがかったらこのイチョウが目に止まり、あまりにも鮮やかだったので再びここへ来た」と話す。
その様子を見ていたコナンは、10年前に女性をここで見かけていた事を思い出した。


それはコナン(新一)が小学校1年生だった頃。
当時は雨が降っており、傘を忘れた蘭は雨が止むまでイチョウの木の下で雨宿りをしていた。
そこに女性が現れ、「今日は濡れたい気分だから」と言って蘭に傘をあげる。
蘭が傘を貰うのを躊躇っていると、女性は「傘の代わりにお嬢ちゃんが大きくなったら、おばさんがデザインしたアクセサリーかバッグを1つだけ買ってほしい」と提案する。
彼女がデザインしたブランドの目印はイチョウの葉。女性はまだ無名のデザイナーだったが、いつか人気デザイナーになると蘭に約束する。そして新一と一緒に帰っていく蘭を笑顔で見送った。
女性の名前はフサエ・キャンベル・木之下。後にイチョウの葉をデザインしたブランド品で成功を収め、「フサエ・ブランド」の創始者となる人物であった。


フサエが10年前にもここにいた事を思い出したコナンは、彼女こそが阿笠の初恋の人だと確信。
だが阿笠とフサエの会話はすぐに終わり、フサエは「主人がヤキモキしているみたいで…」と言って車へと戻っていった。
40年の時を経てようやくフサエと再会した阿笠だったが、なぜかその後で考え込む様子を見せる。
一方、自分の正体を明かさずに別れたフサエは、子供達と一緒にいる阿笠を見て、彼は既に結婚し幸せな家庭を築いていると誤解する。
40年間も自分を待たせていたと知ったら、きっと彼は心を痛めるだろうと思い、あえて素性を明かさなかったのである。
ビリーに「40年間も会っていない男性の事を随分と理解しているんだね」と冷やかされると、フサエはここで帽子が飛んだ時の事を話し始めた。


突風で帽子が飛ばされたフサエは、「見ちゃダメ!!!」と言って髪を押さえながらしゃがみ込む。
自分の髪が皆と違って金色だった彼女は、コンプレックスだった金髪を阿笠に見てほしくなかったのである。
その場にしゃがみ込み泣きだすフサエだったが、阿笠は「そうかなぁ」と言って落ちていたイチョウの葉を拾った。

ボクは好きだよ…

イチョウの葉っぱみたいできれいじゃないか!

今までコンプレックスだった髪の色を阿笠が褒めてくれた事が嬉しかった彼女は、今でも当時の事を鮮明に覚えていた。
今回で阿笠と40年ぶりの再会を果たした後もこの事を思い出していたが、今の阿笠を見て「たぶん彼はもう忘れちゃってると思うけど…」と寂しそうに呟いた。

実は彼女と一緒にいたビリーは母の再婚相手の友人*1であり、フサエは本当は独身であった。
今までビリーに無理を言って10年ごとにこの場所に来ていたが、形はどうあれ今回で阿笠と再会できたので、今回で終わりにすると告げて車を出すように言った。

フサエの車が動き出した事に気づいた阿笠は、しばらく眺めてからこう叫ぶ。

今でもイチョウは大好きですよーー!!!

やはり阿笠は彼女が初恋の相手のフサエだと気づいていたのである。
阿笠の声が聞こえたフサエはつい目に涙を浮かべ、後ろを振り返って阿笠を見つめる。
そして照れた様子でビリーに「また10年後もお願いしようかしら…」と伝えた。

するとビリーはバックミラーで阿笠達を見ながら「たぶん次に会うのは、そんなに時間はかからないんじゃないかな…」と意味深な事を言うのだった…


【余談】
今回で初登場したフサエ・ブランドは、登場人物の会話の中や事件に関する小物等で登場するようになる。
ちなみに灰原はフサエ・ブランドのファンで、コナンに交換条件としてフサエ・ブランドの品物をねだった事もある。




追記・修正は思い出の場所で初恋の相手を待ちながらお願いします。

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