鬼太郎魚と置いてけ堀(ゲゲゲの鬼太郎)

登録日:2020/01/16 (木曜日) 12:17:02
更新日:2020/01/20 Mon 20:10:30
所要時間:約 8 分で読めます




ここはとある釣り堀。

「なあ、置いてけ堀の話って知ってるか?」

「置いてけ堀?」

「ああ。昔の東京には堀が張り巡らされててね、そこには魚がうようよいて、
釣り糸垂らした先から釣れたんだそうだ。」
「でも、あんまり魚を釣りすぎると……」
「どこからともなく声がするんだ。『捕った魚置いてけ~』ってね…」
「それでふと魚籠の中を覗いたら釣った魚は一匹も入ってなかったんだってよ。
まあ妖怪だよな、妖怪の仕業…」

「魚籠に穴でも空いてたんじゃねーの?」

「「ハハハハハハハ…!」」

ちょうど釣りをしていた少年・達也。

「うっせーなァ、魚が逃げちゃうじゃねぇか……!」




置いてけぇ~~~~~  置いてけぇ~~~~~……………




『鬼太郎魚と置いてけ堀』は『ゲゲゲの鬼太郎』アニメ版第4期の第94話。
脚本は武上純希、作画監督は出口としお、演出はあの細田守


【あらすじ】


「バカだなーコイツ、人間に騙されて簡単に釣られちゃって……」
「魚はいいよなー、何も考えないで気楽に海の中泳いでりゃいいんだもん」

達也のトロ箱は既に釣った魚で溢れていた。

にわかに水面が波打ち、


置いてけ~~~~~置いてけ~~~~~~………


と不気味な声がするが、達也はウォークマンを聴いており、一切耳には入っていなかった。


「おやおや、若いのに耳が遠いのかのう…」


達也が後ろを振り向くと、浦島太郎のような格好をしたヒゲ親父が立っていた。

「お前、ここの漁師か?」

「別に…」

「じゃあ魚が大好物なんじゃな」

「なワケないっしょ」

「そうか。じゃあこの魚はワシがもらおう」

「えっ!?」

見知らぬおっさんからの突然の頼みに当然渋い顔をする達也。
それならとおっさんは達也にソフトボールほどの赤くてブヨブヨした丸い玉を渡してきた。


「これは『魚眼丸』じゃ。海のそばで飲むとアッと驚く事が訪れる」

そう言っておっさんは魚をもらい去っていった。



いつものように腹をすかせたねずみ男は、渡された魚眼丸を飲もうか飲むまいかためらっている達也を発見。
あわや達也が魚眼丸を海に捨てようとしたため……


「ちょっと待たんかワレェェェ!!!」

「な、なんだよおっさん!?」

「このバチあたりが!食い物を粗末にしやがって!!」
オレ様が代わりに食ってやるゥゥッ」

達也はねずみ男に「スゴい薬」だと説明するが、ねずみ男は

「おれァ嘘つくガキと医者の薬は大嫌いなんだよ!」

と言って帰ってしまう。


「ウソじゃないぞ!」といって魚眼丸を飲み込む達也。
すると達也の身に異変が起きる。

顔面が紅潮して滝のような汗が流れたかと思うと、体中にウロコがびっしりと生え……




ねずみ男が海の方を見やると、そこには立派な鯛が飛び跳ねているではないか!
達也は「魚眼丸」の力で鯛に変身したのだ。

ねずみ男は駆け寄って鯛を捕まえようとするが、すんでのところで逃げられてしまった。


ゲゲゲハウスで食事をご馳走になりながら、先ほどの一部始終を鬼太郎に話すねずみ男。

目玉おやじはそれは魚眼丸の仕業だと推理した。
魚眼丸は一部の妖怪にしか作れない仙薬らしい。



目を覚ました達也鯛は、周囲が海である事に気づき狼狽するが、苦しくはない。
水面に顔を写してみると自分が魚になっている事が分かった。



仲間の井戸仙人を呼び、達也が消えた釣り堀へと向かった鬼太郎一行が
達也をもとに戻す方法はないか井戸仙人に尋ねると、
井戸仙人はたちどころにもとに戻れる「回復丸」を差し出す。
井戸仙人は魚眼丸を渡した犯人にも心当たりがあるというが、いつものクセで忘れてしまったらしい。


「魚になった者を見分けられるのは同じく魚になった者だけ」と言われ、井戸仙人の魚眼丸を飲んで入水した鬼太郎とねずみ男。

「全くなんでオレまで、冗談じゃねぇよ~!」


その頃達也は海中を優雅に泳いでいた。
しばらく魚達と戯れ続け、ふと後ろを見れば巨大な鮫の姿が!
恐怖で逃げ出し岩場に隠れる達也。

だが、その岩場には大蛸が住み着いていた。
達也は大蛸の足に捕らえられてしまう。
なんとか足に噛み付いて逃げ出すが、先程の鮫が再びやってきた!
あと少しで食われそうになったが、鬼太郎の手によって助けられる。

気絶した達也をねずみ男に託し、鮫を髪の毛針で牽制する鬼太郎。
目を覚ました達也はねずみ男にビビって逃げ出してしまった。

達也は海中に何者かの一軒家があるのを発見。
ふと見ると、自分に魚眼丸を渡したおっさん・水仙人がハンモックで眠りこけていた。
目を覚ました水仙人。

「おや?お前さんどっかで見たような顔じゃな」

「ば、バケモノぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

一目散に逃走した達也を、すぐさま水仙人の伸びる腕が追う!
水仙人に捕まっている達也を発見した鬼太郎達。

鬼太郎は水仙人めがけて髪の毛針を発射!
ねずみ男もオナラの追撃をかます。

「いくらワシが東京湾の主と言っても、魚すべてに甘いわけではないぞ!」

激怒した水仙人は大口を開けて鬼太郎とねずみ男を吸い込んでしまった。
水仙人は達也に回復丸を飲ませようと声をかけるが、突然激しい腹痛を訴えた。
どうやら鬼太郎とねずみ男が腹の中で暴れているようだ。

痛みで水仙人は東京湾の海上に浮かび上がっているのを発見した一反木綿達。
井戸仙人と水仙人は旧知の仲であり、井戸仙人が回復丸を飲ませたところ、鬼太郎とねずみ男はもとに戻った。

「あの子供を食べようとした」と怒って水仙人の胸ぐらをつかむねずみ男。
水仙人は「もとに戻そうとしただけ」と弁解する。
鬼太郎に頼まれ、水仙人は東京湾中の魚に力を貸して欲しいと呼びかけた。

井戸仙人「やつは昔から釣り人を脅かして魚を助けとった妖怪じゃよ。」
「世間では置いてけ堀という名も持っとるが、元々危害を加えるつもりはない優しいやつじゃ」


すっかり暗くなり、空腹になった達也は小エビが漂っているのを見つけて食べるが、
それは運の悪いことに釣り針であり、達也は漁船に釣り上げられてしまった。


寿司屋の大将「おっこの鯛イキがいいねぇ」

オネェ卸売商「さっき捕れたばかりの江戸前よ!活け造りにはもう最高!」

「イヤだ、活け造りなんてイヤだぁ~~~~!!」

「…ちょっとイキがよすぎねェか?」


達也鯛が寿司屋に売れた事を伝えるオネェ卸売商。
一反木綿はその寿司屋「魚ま」のトラックを追うが、途中で「魚ま」のトラックが乱入したため見失ってしまう。
ねこ娘は「魚まさ」に電話をかけようとするが、電話帳には都内中の「魚まさ」がズラリ!仕方なく店を虱潰しに探すことに。


その頃「魚まさ」では達也鯛が今にも捌かれんとしていた。


「なんでもします~、宿題もお手伝いもちゃんとします、もうおばあちゃんのサイフからお金をくすねたりしません!!お願いします助けて下さい~!!!」


達也の叫びも虚しく振り下ろされる包丁!
その時ガラッと店の戸が開き…

「その鯛、食べちゃダメです!!」

「おたくら、保健所の人……?」







「なあ、置いてけ堀の話って知ってるか?」

「置いてけ堀?」

「ああ。昔の東京には堀が張り巡らされててね、そこには魚がうようよいて、
釣り糸垂らした先から釣れたんだそうだ。」
「でも、あんまり魚を釣りすぎると……」


置いてけ~~~~~~置いてけ~~~~~~~……



釣り人達は恐れをなして逃げ出した。



「置いてけ♪」
「海の世界は厳しいけど、人間なんかに負けるなよ!」

達也は釣り人達が釣った魚を海へと帰すのだった。


【登場人物】

・水仙人(CV:石森達幸)
細長い顔に糸目、ヒゲを生やして浦島太郎のような格好をした妖怪。
東京湾の主であり、一声かければ東京湾中の魚が集まる。
釣り人に「置いてけ~」と声をかけて魚の気持ちを分からせようとしていた。
そのため別名置いてけ堀。

・沢井達也(CV:大塚瑞恵)
釣りが好きな小4の少年。
おばあちゃんのサイフからお金をくすねるなど悪ガキっぽい所もあるが、根はいい子のようだ。
体中にウロコがびっしりと生えるところはトラウマもの。

・井戸仙人(CV:八奈見乗児)
グロテスクな顔をした中国出身の仙人。
かつて大海獣にされた鬼太郎を元に戻す方法を目玉おやじたちに教えたり、鬼太郎達とともに中国妖怪と戦ったことがある。
物覚えが悪く、いつも肝心な事を思い出せない。
水仙人とは旧知の仲で、魚眼丸と回復丸を作ることが出来る。

・鬼太郎
主人公。今回は珍しく妖怪以外に髪の毛針を放っている。

・ねずみ男
特に悪いことはしていないが、預けられた達也が逃げ出してしまったため鬼太郎に責任を負わされかけた。

  • 目玉おやじ
魚眼丸の事を知っており、今回も知識面で光る。

  • ねこ娘、砂かけ婆、子泣き爺、一反木綿
達也の捜索に協力した。

  • 鮫、蛸
達也を捕って食べようとした。

・オネェ卸売商(CV:子泣き爺)
クレヨンしんちゃんに出てきそうな魚市場の卸売商。

・魚まさの大将(CV:増谷康紀
達也鯛を「東京湾の神様がくれた」と言って調理を渋るが、客の懇願に負けて捌こうとした。そこは折れるなよ…

  • 魚まさの客(CV:幸野善之、稲田徹
一人は「鬼太郎の地獄流し」に登場した大黒に似ている。

  • 釣り人(CV:一反木綿)
冒頭とラストに登場。同じセリフを言っているのはそれぞれ別の友人といるから。


追記・修正は魚の気持ちが分かる人がお願いします。


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