オレが社長で仮面ライダー(仮面ライダーゼロワン)

登録日:2020/01/19 Sun 17:40:33
更新日:2020/02/01 Sat 02:37:42
所要時間:約 5 分で読めます




「オレが社長で仮面ライダー」とは、『仮面ライダーゼロワン』第1話のサブタイトルである。

監督:杉原輝昭  脚本:高橋悠也

概要

『ゼロワン』の第1話にして、令和ライダーシリーズの記念すべき最初のエピソードである。

平成ライダーシリーズで培われたノウハウを受け継ぎつつも、昭和ライダーシリーズの原点回帰も意識したかのような、斬新さと伝統の両方を兼ね備えたかのような独特の作風と演出の数々に、多くの視聴者が興奮・熱狂した。

また、単一のエピソードながら、この時点で既に
  • 或人の人を笑わせるという夢とゼロワンとしての役割のつながり
  • お笑いを理解するなど従来のAI像を覆すヒューマギアの高度な技術。
  • ヒューマギアからマギアに変貌させられる要因「シンギュラリティ」。
    • 主人公と同じ様な夢を持ちながらもマギアに変貌させられて破壊され、それを顧みられることのないヒューマギアという存在の無情さ。
  • 悪の組織である滅亡迅雷.netの手口。
  • 必殺技時の文字演出。
  • 或人の寒いギャグとそれを解説してしまうイズという夫婦漫才定番のネタ。
といった『ゼロワン』という作品を物語るほぼ全ての要素がつぎ込まれており、ストーリー面も非常に濃密なものとなっている。

話の流れ

時は、ヒューマギアという職業用多目的アンドロイドが人々の生活に密接に関わる新時代。

飛電或人は、そんなヒューマギア開発を独占する大企業「飛電インテリジェンス」の今は亡き初代社長にして、全てのヒューマギアの生みの親「飛電是之助」の孫であった。
しかし、或人はその経営には携わらず、お笑い芸人「アルト」として遊園地「くすくすドリームランド」で働きながら日々細々と暮らしていた。

今日も寝坊し、大慌てで自転車で爆走しながら遊園地へ向かう或人。
何とか出番に間に合い、七三分けにラメ入りのジャケット、大きな蝶ネクタイ姿という何ともステレオタイプな芸人の姿で舞台に立つ。


ハーイ、ライズフォン。今日の笑い天気予報は?


今日は1日中、寒くなるでしょう


ブルブル震える…


「はいっ!アルトじゃ~~~ないとッ!」


渾身のギャグを放つが、客席には1組のカップルを省いて誰もおらず、そのカップルもアルトのことなど一切に気に留めていなかった...
このように、或人は芸人でありながら、人を笑わせる才能が皆無であった。


君、クビね。


余りの取れ高の無さに、遂に支配人の根津から無慈悲に解雇を言い渡される或人。
そんな根津の目線の先にいるのは、お笑い芸人型ヒューマギア「腹筋崩壊太郎」だった。
或人の時とは打って変わってそのギャグによって満席の客席からは溢れんばかりの笑顔が飛び交っていた。
根津の夢は「誰もが笑える遊園地を作ること」。
或人も同じく「大勢の人を笑わせられる芸人になる」ことが夢であったが、根津は「君より笑いとれるやつもういるから。別の夢、見つけなさーい。」と言い渡し、その場を去ってしまった。

そうして或人が途方に暮れていると、そこに一台の車がやってきた。
その中から出てきたのは、女性型ヒューマギアのイズだった。
飛電インテリジェンスの社長秘書を名乗る彼女によって、或人はその本社ビルへと連れられた。

その頃、舞台袖で、先程の観客の笑いを思い出していた太郎は、笑みを浮かべていた。
突然の自分の異変に困惑する太郎であったが、その直後、突如現れた『滅亡迅雷.net』のによってゼツメライザーを装着され、暴走プログラムを強制インストールされてしまう。


「君は僕の友達だ。この場所を破壊して?」

「ううっ……できません!私の仕事は『人を笑わせること』だから……!」

「フフッ…違うって。君の仕事は……『人類滅亡』だよ?」

「あああぁーーっ!!」

観客を笑顔にさせるのが自分の仕事と必死に迅の命令に抗おうとするも、プログラムを上書きされて彼の支配下に堕ちてしまった。

滅亡迅雷.netに接続...


一方、或人を待っていたのは、福添准を始めとした会社の重役達。
これから是之助の遺言状を読み上げるため、是之助の意志によって或人もまた、同席することになっていたのであった。

或人渋々ながら遺言状を開くが、その内容を一目見て仰天する。
硬直する或人に業を煮やし、福添が遺言状を奪い取ると、それを朗読し始めた。


「そう遠くない未来、我が社は重大な危機に直面する」


「我が社が派遣している大量のヒューマギアが心なき存在に悪用され人類を襲う」


「対抗手段は、ただ一つ。ゼロワンドライバーとプログライズキーだ。我々、人間の手によってヒューマギアをコントロールするための新時代セキュリティーシステムが内蔵されている。使用権限があるのは我が社の社長のみ」


「そして、二代目社長に…孫である飛電或人を任命する」!?


何と遺言状によって或人は図らずして二代目社長に任命されてしまった。
呆然とする或人に福添は「同族経営で会社を私物化する気か!」と責め立て、周囲の重役達も口々に批難を浴びせた。

しかし、或人は「社長にはならない」ときっぱり宣言し、その場を離れた。

会社を出ていく或人の脳裏によぎるのは、幼少期の記憶。
ヒューマギアの父親・其雄に育てられた或人は、あの手この手で其雄を笑わそうとしたが、中々うまくいかなかった。
そんなある日、謎の爆発事故「デイブレイク」が起こり、其雄は或人を庇い大破。


或人…夢に向かって…飛べ…


そう言い残し、其雄は機能を停止した。
これこそが、或人の夢のルーツであった。


(俺の夢…悪いな、じいちゃん)


心の中でそう呟き、或人は会社を去った。


そして、或人は再雇用の為、再び根津のもとに向かうが、別の芸人によって大笑いする客席にご満悦な根津の姿を見て、踏ん切りがつかなくなってしまう。
その後、再び腹筋崩壊太郎が舞台に出るが、警備員ヒューマギアを押しのけて現れる姿に周囲はざわついた。


「私の仕事は人間をわら……ワ……」

「滅亡させること!」

ベローサ!


ゼツメライズ!


「はぁ……はぁ……人間を皆殺しにする!」


何と、太郎はゼツメライザーとベローサゼツメライズキーを使って「ベローサマギア」に変身してしまった。
周囲のヒューマギアをトリロバイトマギアに変えながら暴走し、遊園地で破壊の限りを尽くす。

先程とは打って変わって阿鼻叫喚の地獄絵図と化す遊園地。
自身の夢があっけなく崩れていく様に逃げることも忘れて悲しみに暮れる根津。
そんな根津をベローサは、「人類に夢を見る未来は来ない」と嘲笑い、殺そうとする。
しかし、その言葉は或人の心に火をつけた。


笑うなよ……!何も分かってない癖に、人の夢を笑うんじゃねえよ!!


分かっている。夢とは、将来の目標や希望、願望を示す言葉...


人の夢ってのはなあ…!検索すればわかるような、そんな単純なものじゃねえんだよ!


意を決した或人は駆け付けていたイズからドライバーを受け取り、装着。
その瞬間、或人の脳はヒューマギアを管理する通信衛星「ゼア」と接続し、人工知能と同じ思考速度を手に入れた。

それにより、超高速で戦い方をラーニングした。
そして...



「ラーニング完了」


ジャンプ!

オーソライズ!


「変身!!」


プログライズ!


飛び上がライズ!ライジングホッパー!

A jump to the sky turns to a rider kick.


遂に或人は仮面ライダーゼロワンに変身。
人間の時とは比べ物にならない身体能力にやや戸惑いながらも、その軽やかな動きや、イズから投げ渡されたアタッシュカリバーを使った戦いはベローサやトリロバイト達を容易に蹴散らしていく。

ベローサの斬撃攻撃も全て躱し、戦いはいよいよクライマックスへ。


「お前を止められるのはただ一人!俺だ!」


その決め台詞の後に放たれた「ライジングインパクト」でベローサは跡形もなく砕け散った。

戦いが終わって一件落着。
しかし、或人はドライバーは使用したことで、否応なしに社長に任命されてしまった。

戸惑う或人だが、彼の目に入ったのは、子供と話す根津の姿だった。
「この遊園地やめちゃうの?」と問う子供に対し、根津は「いいや、謎の黄色いヒーローがここを守ってくれたんだ。だから、これからもこの遊園地はお客様に笑顔を届けます!」と宣言し、子供たちを喜ばせると、密かに或人にウインクした。

その姿に笑顔を多数検出するイズ。
或人は「こういう笑いのとり方もあるってことか」と納得。
改めて社長となる決心をした。

車の中で社長専用のライズフォンに映る名刺を見て、或人はギャグを思いついた。


名刺を見つめる名シーン!


はいっ!アルトじゃ~~~ないとッ!


これは、伝統的な言葉遊びで、「名刺」と「名シーン」という…


しかし、イズにそれを解説され、「お願いだからギャグを説明しないで~!」と、嘆くのであった。



追記・修正は遺言状で社長になった人がお願いします。

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