真犯人からの届け物(名探偵コナン)

登録日:2020/02/24(月) 22:46:00
更新日:2020/03/27 Fri 01:28:32
所要時間:約 12 分で読めます





ああ…間に合わねぇかもしれねぇな…

今から行ったんならね…


『真犯人からの届け物』とは、『名探偵コナン』において江戸川コナンが解決した事件の名称である。
単行本第61巻・62巻に収録。テレビアニメでは第526話として、2009年2月23日に放送された。


以下、ネタバレにご注意ください。


【あらすじ】
喫茶ポアロで食事をしていたコナン・蘭・小五郎の一行。
証券マンの殺人事件の話をしていた時、コナン達は梓の様子がおかしいことに気づき、同時に目つきの悪い人達で席が埋まっていることに気づく。
さらに、カウンターに座っていたのが変装した高木である事に気付き、話を聞くと梓の兄・杉人に殺人容疑がかかっていることを知る。
殺害された証券マン・鳥平貴文は杉人の上司であり、現場にあった凶器のライフルから杉人の指紋が出てきた事で警察は彼を重要参考人として追っていた。
杉人は逃走中であり、梓に連絡が入る可能性があったため、刑事達は喫茶ポアロで張り込んでいたという。
梓は杉人の無実を信じており、杉人の同僚の河瀬透治も杉人のことを庇っていた。
杉人は今朝に一度だけ梓に連絡をしてきているため、警察は引き続き梓の監視を続けることになる。

しかし、夜に梓の自宅に杉人名義の贈り物が宅配便で届く。
中身はただのクッキーの詰め合わせだったが、受け取った後の梓はどことなく様子がおかしかった。
そして、梓は買い物に行くと言ったため高木が監視として付き添うことになるが、その先で梓は高木を撒いて逃げてしまったのである。
はたして、事件の真相は、そして梓はどこへ行ってしまったのか……


【事件関係者】

  • 榎本杉人(えのもと すぎひと)
CV:柴本浩行
証券会社社員であり梓の兄。28歳*1
気さくで駄洒落好きな男性であり、昨夜も梓に「ドテラを着て着ドッテラ♡」という写メールを送っている。
なお、写メールに雪が写っており、当時杉人の住む神奈川のアパートの方では初雪で結構降っていたという。
また、旅先で変なお土産を買っては梓に送っており、梓も下らない物ばかりだったため包装紙から開けずに放置していた。

現在、上司である鳥平の殺害容疑がかかっており、住んでいるアパートももぬけの殻で会社も無断欠勤している。
かなり慌てて出て行ったようであり、玄関の鍵は開けっ放し、キャッシュカードや財布も置いたままだったという。
凶器のライフルには杉人の指紋が付いており、住んでいるアパート近くのゴミ捨て場から返り血を浴びた杉人のYシャツが見つかっている。Yシャツの返り血は被害者の鳥平のものであり、ボタンから杉人の指紋が見つかっている。
杉人はクレー射撃をやっているようだが、梓に電話をかけてきた時に、普段使っている銃は競技用の散弾銃であり、凶器で使われた狩猟用のライフルは簡単に扱えないと話している。
だが、河瀬の話では凶器で使われた狩猟用のライフルを興味津々に触って銃口を覗き込み、触るのが初めてで興奮していたらしい。
また、被害者の鳥平をいい人だと慕っていたが、同時に厳しかられたこともあり、みんなの前でこっぴどく怒られてた事もあるという。
杉人が行方をくらませた後、梓宛にリボンをつけた贈り物をしているが、中身はクッキーの詰め合わせで特に変なものは入っていなかった。
名前の由来は「ギフト」から。

  • 河瀬透治(かわせ とうじ)
CV:古澤徹
証券会社社員。28歳。
杉人の同僚であり、先月から会社の部署が一緒になって急に仲良くなった。
最近は、杉人が住むアパートが会社の近くということもあり、杉人のアパートで寝泊まりすることもあったという。

仕事で米花町に来ており、心配だからと喫茶ポアロに顔を出している。
警察が杉人のことを疑っている時も、度々杉人を庇うような発言をしている。
会社に戻るのにここからだと1時間かかるため、梓の様子を確認後に帰っている。
その際、梓に逃げ回らずに警察に行くように杉人を説得するからと、杉人から連絡があったらメールで連絡してほしいと伝えている。
名前の由来は「為替」と「投資」から。

  • 鳥平貴文(とりひら たかふみ)
証券会社部長。
杉人の上司であり、とても厳しい人物だったがいい人だった。
特に杉人はできる人間だと特別に目を掛けていたという。
狩猟が趣味であり、狩猟用のライフルを持っていた。

だが、昨日の22時から23時の間に自宅マンションで殺害されている。
第一発見者は鳥平の妻であり、今朝旅行から帰宅した時に遺体を発見している。
凶器は鳥平が持つ狩猟用のライフルであり、凶器には杉人の指紋が付いていたという。
なお、凶器はライフルであるが、死因はライフルの柄で殴られたことによる撲殺である。
名前の由来は「取引」と「株」から。


【レギュラー陣】

ご存知主人公。
事件の話を聞いていた時に、加害者が来ていたYシャツの写真から何かに気づいている。
そして、鳥平を殺害した真犯人もすぐに特定して、梓を呼び出した方法も見抜いている。

喫茶ポアロのウエイトレス。
杉人の無実を信じており、警察に対して邪険にはしないものの、杉人を容疑者扱いしているためいい目では見ていなかった。
だが、マンションに帰ってきた後、杉人名義でクッキー詰め合わせが到着した後に少し様子がおかしかった。
その後、近所のスーパーに食材とか色々買いに行くと言って、高木を付き添いにして出かけているが、高木を撒いてどこかへ行ってしまった。

なお、高木を撒いた方法は、買い物の途中で「下着コーナーに行くから待っていてください」といった内容だった。
その際、高木も付いて行こうとしたが、「ついてきてもいいですけど、選んでいる所をあまり見つめないでください」と頬を赤らめて困った顔で言われたため、高木もさすがに躊躇してしまったという。

ご存知蘭姉ちゃん。
梓を心配して、住んでいるマンションに付いて来ている。

ご存知おっちゃん。
杉人とは顔見知りであり、とても殺人ができるような人間ではないと話している。
そのため、今回の事件はすぐに杉人が犯人だと決めつけずに真犯人が別にいると考え捜査を行っている。

ご存知警部殿。
梓を取り逃した高木に雷を落としている。
だが、梓が取った行動と高木の迫力に押されて、それは仕方がないと認めている。

ご存知高木君。
梓がいる喫茶ポアロで変装して張り込んでいたが、コナン達にはバレバレで、コナン達に事件の概要を説明している。
梓と共に行動をしていたが、梓に撒かれてしまう。

ご存知千葉君。
喫茶ポアロの張り込みにはいなかったが、高木と共に梓の住むマンションへ来ている。
梓と高木が買い物に行っている最中に、事件の状況などをコナン達に説明している。
なお、昨日は神奈川県警に捜査資料を取りに行っていたが、高速道路は通行止め、電車もずいぶん遅れていて、東京まで帰るのに大変だったと話している。
原因は事故ではないようだが……

ご存知一課のマドンナ。
高木たちとは別行動をしているが、解決編で活躍する。


【以下、事件の真相…さらなるネタバレに注意】






















ああ…あれはこの世にあっちゃいけない写メなのさ…

せっかく殺人犯に仕立て上げた…お前のアリバイが写ってるからねぇ…


  • 河瀬透治
この事件の真犯人。
杉人を殺人犯に仕立て上げ、罪を擦り付けた後に杉人を殺害する計画を企てていた。

河瀬は以前に杉人の部屋に泊まった時、杉人のYシャツを借りていた。
そのYシャツをそのまま保管しておき、事件当日に杉人のYシャツを着て鳥平を殺害。
このYシャツには杉人の指紋が付いているため、犯行後に杉人の住むアパート近くのゴミ捨て場に捨てておけば、犯行時に着ていた服を杉人が捨てたと警察に推測される。
そして、警察には杉人を庇うふりをしながら、「ライフルを持って興奮していたこと」「杉人は会社で鳥平に怒られていたこと」を話し、ライフルに触り常軌を逸していて鳥平に恨みがあるように誘導していたのである。
このように杉人に不利な証拠を作っておき、杉人には「以前ライフルに触ったことがあるから、今捕まったら犯人にされてしまう」と伝え、用意しておいた奥穂町の空き倉庫に身を隠すように指示していたのである。

そして、このまま身を隠している杉人を殺害すれば計画は完了だったが、一つ誤算があった。
それは、杉人が事件当日に梓に送っていた一枚の写メールである。
写真は杉人が住んでいる神奈川県のアパートで撮影したものであり、背景には雪が写っていた。
だが、この雪が原因で高速道路も使えず電車も遅れており、犯行時間の22時から23時の間に神奈川県内は交通マヒしていたのである*2
犯行現場まで急いでも1時間もかかるため、その写真がアリバイになる可能性を考えた河瀬は、杉人が送った写真を持っている梓の携帯からデータを消す必要が出てきてしまったのである。
そこで、梓を呼び出すために使った手段が、杉人名義のプレゼントだった。
プレゼントにはリボンが付いており、リボンの裏側に杉人が隠れている奥穂町の空き倉庫の住所が書かれていたのである。
杉人は毎回お土産を送るときにリボンをつけず送るため、杉人名義で送られた時にリボンを不審に思った梓がリボンから住所を見つけるという寸法だったのである。
梓には杉人から連絡が入ったら自分に連絡するように伝えていたため、リボンのメッセージに気づいたら自分に連絡が入ると予測していた。
こうやって梓を空き倉庫に呼び寄せて、梓の携帯電話から写メールのデータを消し、杉人を自殺に見せかけて殺害しようとしたのである。
なお、目暮の話では、デジタルの写真は証拠になりにくいため、河瀬の杞憂だったという。

殺害の動機は会社の金を使い込んでいたことがばれたから。
河瀬は会社の金で株を買って小遣い稼ぎをしていたが、欲をかきすぎて泥沼にはまり1億も穴をあけてしまっていた。
それを鳥平にバレ、一生かけて返させると言われたため殺したという身勝手な動機だった。

コナンが河瀬を犯人だと推測したのは、返り血を浴びた杉人のYシャツの写真を見た時だった。
通常ライフルで射殺した場合は、ライフルを構える際に脇や肘が遮断されるため、脇や肘に返り血は浴びることはない。
だが、写真を見た時にYシャツに返り血が満遍なく飛んでおり、撲殺によって浴びた返り血だと見抜いていた。
新聞発表では凶器はライフルとしか書かれておらず、高木たちも凶器はライフルとしか話していなかった。
しかし、河瀬は庇うふりをする際に、「銃口も覗きこんでいた」と銃身についていた指紋についてフォローを入れてしまった。
警察と犯人しか知りえない、撲殺した時に付いてしまう可能性がある銃身についた指紋のことを河瀬が口にしてしまったため、コナンは河瀬が犯人だと推測していたのである。

事件の全容が解明して、リボンのメッセージにも気づいた小五郎達。
奥穂町の空き倉庫は奥穂町の警察署から離れた場所にあり、小五郎は今から行っても間に合わないかもしれないと焦っていた。
だが、コナンだけは大丈夫だと確信しており…

  • 事件の顛末
偽のメッセージで奥穂町の空き倉庫まで来た梓は杉人と再会する。
だが、梓が河瀬から聞いた内容と杉人が河瀬に言われた内容がかみ合わず困惑していた時に、梓は河瀬にスタンガンで眠らされてしまう。
河瀬は杉人に鳥平を殺害した動機を話した後、梓を人質にして杉人に遺書を書いた後に自殺するように強要してきた。
鳥平の悪口や逃亡を断念した心情など馬鹿な警察がもらい泣きするような名文句を遺書に書くよう迫る河瀬だったが…


ダメダメ!そんなんじゃ泣けないわ…

もっとも、そんな茶番笑っちゃって…涙がちょちょ切れちゃうかもしれないけど?

なんと、空き倉庫に佐藤や他の刑事達が到着していたのである。
実は、コナンはリボンのメッセージに気づいており、小五郎達に事件の真相を伝える前に、予め佐藤に空き倉庫の住所をメールで伝えていたのである*3
その後、原作では特に描かれていないが、アニメでは河瀬が刑事に囲まれたため観念した描写が描かれている。

  • 鳥平貴文
河瀬の保身のために殺害されてしまった気の毒な被害者。
河瀬が1億円横領したが、訴えずに一生かけて返させると言って河瀬にやり直せる機会を与えるなど、杉人が言うように本当にいい人だったようである。

  • 榎本杉人
杉人が逃げていたのは、河瀬に今捕まると犯人にされてしまうから空き倉庫に隠れるように指示があったからだった。
その後、河瀬に自殺を強要されるが難を逃れ、容疑も無事晴れている。
なお、本編には再登場していないが『ゼロの日常』に登場しており、証券会社に今でも務めていることが確認できる。

  • 榎本梓
偽のメッセージを受けた後、高木を撒いてメッセージに書かれた空き倉庫に向かっていた。
河瀬にスタンガンを当てられ気を失ってしまうが、特に怪我などはしていなかったようである。
事件解決後、高木を撒いたことで警察にちょっと怒られたと話している。
『ゼロの日常』ではこの事件以降、護身術を調べており、ストーカーに狙われていた栗山緑に掌底を教えている。


【その後】
事件解決後、ようやくいつもの喫茶ポアロに戻ったと安心するコナンと小五郎。
だが、喫茶ポアロにまだ刑事が来ており、梓に話を聞くと、張り込みしていた刑事達が喫茶ポアロで食べた特製パスタが美味しかったからリピーターになったという。
常連客ができて嬉しそうにしている梓だったが、小五郎は刑事に囲まれると刑事部屋みたいで落ち着かないと思い、コナンも苦笑いをするのだった。


追記・修正は、会社のお金に手を出さない方にお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/