プラント(ガンダムSEED)

登録日:2025/08/10 Sun 00:57:51
更新日:2025/08/10 Sun 03:40:03NEW!
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プラントとは、『機動戦士ガンダムSEED』及びその続編に登場する組織。





概要

L5宙域に位置する天秤型スペースコロニー100基前後で構成されるコロニー国家。人口は約6000万人。
コーディネイターの総人口は約5億人であるため、実はプラント国民のコーディネイターは全体の約8%に過ぎず、つまり全てのコーディネイターがプラント住まいな訳では無いどころか実はプラントに属するコーディネイターは超少数派である。



……という設定はSEEDファンの間ではよく知られているが、初期設定との大きな矛盾があり、一部の設定整理が行われたHDリマスター後も解決されていない
実は『SEED』開始前のナチュラルとコーディネイターの対立が深刻化して行く中で「地上のコーディネイターはほとんどがプラントへ移住した」との記述があり、しかもリマスター後の年表でもこの記述は残ったままになっている。
にも拘わらずプラントの人口については「6000万人」と設定されたままなため、「プラント住民以外のコーディネイター人口」か「プラント総人口」か「プラントへ移住したコーディネイターの割合」のどれかが誤りということになるが未だはっきりとはしていない。

ともあれ、「21世紀のファーストガンダム」たるガンダムSEEDにあって、プラントは簡単に言えば「21世紀のジオン公国」「SEED版スペースノイド国家」に当たる存在であるが、「プラント市民のコーディネイターは極一部」設定を採用するとプラントはあれらとは些か性質が異なっている面もある*1


プラントの正式名称は「Productive Location Ally on Nexus Technology」。
これは「技術によって結び付く生産拠点」の意味と、プラントの原点である「工業密集地域([英]Plant)」に掛かっている。

『SEED』後に正式に独立した後は「Peoples Liberation Acting Nation of Technology(技術に立脚した民族解放国家)」と改めている。

因みに、ストーリー開始以前にジョージ・グレンが木星遠征で拾得した「エヴィデンス01」はプラント首都、アプリリウス・ワンに設置されている最高評議会に展示されている。



構造

プラントを構成しているコロニーは、『SEED』を含む1stを始めとしたガンダムシリーズの多くで主流のシリンダー型(島3号型)とも、
『W』や『00』で主流のトーラス型(島2号型)やバナール球型とも異なる、「ファーストコーディネイター」ジョージ・グレン設計の「天秤型」と呼ばれるものである。
その外見から、「砂時計」や「バカでブザマな物体」などと表現される事もある。

複数のコロニーと連結する中央のシャフトを中心に、「センターハブ」と呼ばれる約2km四方の立方体状の基部に二つの細長い円錐状の構造体が付属した形状をしており、
センターハブを起点に回転する事で遠心重力を発生させる仕組みで、センターハブには他コロニーに移動するための港や宇宙船ドック等も設置されている。

シャフトの先端とセンターハブの周囲には円盤状(CDっぽくもある)のミラーが設置されており、シャフト先端のものが1次反射ミラー、センターハブ周囲のものが2次反射ミラーである。
このミラーで太陽光を集約・反射し昼夜を再現すると共に、プラントの主な発電方法である太陽光発電を稼働させる。

底面からセンターハブ辺りまでの高さは約30kmあり、居住区は直径約10kmの円錐底面部分に存在する。
水源とするため居住区の7割は海または森となっており、コロニーの回転によるコリオリ力により「海流」も発生する。
センターハブから地上までの移動には通常「センターシャフト」内のエレベーターを用いる。
非常に長大なエレベーターなため、長時間の昇降に備え籠内には座席も完備されている。

遠目には水色~紫色っぽく見える外壁は、内圧等々によって自己増殖する性質を持ち多少の穴が開いても直ちに修復される「多層超弾性自己修復ガラス」で覆われている。
『SEED DESTINY』劇中に於いても、ガイアが放ったビーム攻撃に数発は耐えるなど非常に頑強で、飛来物や有害な宇宙線等から住民を守っている。



体制

1つ1つの「プラント」が10基で一つの「市」を構成し、12の市が合わさり「国家としてのプラント」を構築している。
市の名前は暦に由来しており、それぞれに得意分野が存在している。
各プラントは市の名前と通し番号で呼称される。例えば「ユニウスセブン」なら「ユニウス市第7区」の意。

この事から単純計算すると、プラントを構成するコロニーは全部で120基、プラント一基当たり人口約50万人という事になる。
一方で資料集によるとC.E.71年時点のプラントのコロニーの総数は92基とされており、「10基で1市」というのは実際の数ではなく定数を指しているのかもしれない。
また「血のバレンタイン事件」の犠牲者=ユニウスセブン総人口が約24万人である事から、「50万人」というのはあくまで目安でプラントによっては人口は変化する模様。

プラントはその1つ1つが独立都市の様に運営されており、行政も市が取り纏める・司るといった構造ではなく、個々のプラント(区)ごとに独自に運用されている。
その為、「市長」「市議会」といった制度も存在しない。
代わりに各区の代表としての「区長」という制度が存在し、これは各区の成人した住人から学業・仕事の成績等からAIによって自動的にリストアップされた人物の中から投票、最も得票数の多かった者が選出される形で決定される。
このリストアップは立候補ではなくAIが勝手に候補者を選出し、また区長に選ばれた者は「健康上の理由」「非常に重要な研究に関わっている」といったやむにやまれぬ事情が無い限り辞退できないという現代の現実社会の感覚では信じられないような仕組みとなっている。
区長を補佐する「行政チーム」も存在し、これも成人市民が特別な事情が無い限り持ち回りで担当する義務がある。行政チームはプラント住民であれば一生の内に数回は経験するという。
区長及び行政チームの任期は3年かつ有事の際を除いて連続就任はできないと定められている。行政チームのメンバーも1/4以上が新人になるように選出される仕組みであり、これらはいわゆる「腐敗」を防ぐ目的がある。

なおプラントの成人年齢は15歳。この低さは「コーディネイター故の能力の高さ」に因んでいる。
このため少年兵ばかりに見えるクルーゼ隊の面々も、最年少のニコルを含めて何れもプラントでは法律上は「大人の仲間入り」を果たしている。
とはいえアスランも弟分の様に見ていたニコルが戦死した際に「まだ15」と表現している事から「十代の若者」という認識自体は残っている模様。

プラント全体の運用のために「プラント60人議会」も存在し、区長同様自動(かつ特殊な事情が無い限り拒否できないシステム)で選ばれた一つの市につき5人の議員が、それぞれの市の住民を代表して他のプラント各市と調整を行う。
そしてその5人の中の1人が「最高評議会」に参加する。

最高評議会はプラントの最高意思決定機関であり、またその一部のメンバーは同時に軍事組織「ザフト」の管理を行う「国防委員会」も兼務する。
各市を代表する評議会メンバーは全員同格であるが会議を円滑に進めるための便宜上のリーダーとして「最高評議会議長」が存在し、これがプラントの国家元首に相当する*2
議長の任期は1年で評議会メンバーで持ち回りであるが、議員自体の任期が3年なので評議会メンバーなら必ず一度は議長を経験する、とは限らない。
また、第1次大戦終盤のパトリック・ザラの暴走の反省から、以降はザフトのトップである国防委員長とプラントのトップである最高評議会議長は兼任できないことが新たに定められた。

議長は専用の執務服を着用する権限があるようで、パトリック・ザラは紫服の上にケープを羽織り、デュランダルは制服とは異なる専用の衣装を着用していた。
しかし着用しなければならない訳でもないらしく、シーゲルとラメントは通常の青緑服のまま議長を務めていた。

なお劇中でも設定資料でも基本的に「国防委員会」しか話題にならないので非常に地味だが、最高評議会には設定上は他にも様々な委員会が存在しており、
カナーバ議員が担当する「外交委員」や、エザリアやタッドが属する「立法委員会」、プラントの警察組織のトップに当たる「司法委員会」などがある。

詳細は不明だが、「司法局」なるものの存在も言及されている。
フリーダム強奪やオペレーション・スピットブレイク情報漏洩の容疑がかかったラクス及びクライン派を拘束するに当たり、パトリックが言及する形でのみの扱いなので具体的には登場していない……というか登場していないのかすらも不明
ザフトの設立経緯からして、その警察部門とかであろうか。

政治体制は実質的に「ザフト」の一党独裁。最高評議会メンバーもほぼ全員がザフトに所属しており、ザフト党員以外が最高評議会に居たと推測可能な時期は『SEED』中盤、シーゲルがパトリックに議長を交代した直後の時期くらいしかない。
「ザフトってプラントの軍隊じゃなかったっけ?」と思われるかもしれないが、個別項目にもある通り、ザフトとは軍隊であると同時に政治結社(更に同時に警察組織)であり、「ザフト軍」はザフトという組織の一側面・一部門に過ぎない。

コーディネイターは世代を経るごとに生殖能力が低下し、第二世代(コーディネイター同士の子供)以降は出生率が大きく低下、第三世代(第一世代コーディネイター同士の孫世代)に至っては子供を持つのが困難なレベルにまで至ってしまう。
そのためプラントは新興の多民族国家としては早くも行き詰まりかけており、対策として事前の遺伝子相性検査で子供を作れる夫婦と証明できなければ結婚ができない婚姻統制が敷かれている。
世代が進むにつれ出生率が大幅低下して行くことは一般には伏せられており、また解決のための研究も進められてはいるのだがほぼ効果は出ておらず、一刻も早く解決しなければプラントの命運は今後数十年で尽きてしまうことが大きな課題となっている*3
シーゲルは「ナチュラルへの回帰」というコーディネイターが精々一、二世代止まりの新種と認め(敢えて悪く言えば)諦めに近い形を受け入れてでもプラントの精神を残そうとしているのに対し、
パトリックは「それも今まで何度もぶつかり、そして乗り越えて来た壁の一つ」とあくまでコーディネイターの英知がいずれ解決すると考えていた。
また『SEED DESTINY』のデュランダルとタリアはこの婚姻統制が原因で、タリアの「赤ちゃんを生みたい」という思いを優先する形で破局している。


プラント各市の詳細


  • ヤヌアリウス市
微細工学担当。
『SEED DESTINY』にてレクイエムでワンからフォーを破壊された。

  • フェブラリウス市
医学・生化学・生物学・生体工学担当。
ナチュラルとコーディネイターの対立史のターニングポイントの一つ「S2型インフルエンザのワクチン開発成功」を(結果的には良くも悪くも)成し遂げている。
ディアッカの父、タッドはここの代表。

  • マティウス市
航空宇宙・造船工学担当。
MSの武装製造メーカーの一つ、「マティウス・アーセナリー社」はここに所在する。
イザークの母、エザリアはここの代表。

  • アプリリウス市
天文学とその関連学問担当。
暦では四番目に当たる番号が振られているが最初に完成したプラントであり、アプリリウスワンはプラントの首都であり中枢に当たる。
エヴィデンス01が展示されている(C.E.75年ではレプリカ)最高評議会や、『SEED FREEDOM』のコンパス本部もアプリリウスワンに設置されている。

  • マイウス市
機械工学・冶金学・材料工学・ロボット工学担当。
MSの武装製造メーカーの一つ、「マイウス・ミリタリー・インダストリー社」はここに居を構える。

  • ユニウス市
農林水産学・社会工学担当。
未開理事会事件以降、地球への輸出停止を決行した後にセブンからテンが農業コロニーに改造され、理事国から禁止されていた食料生産を許可無きまま開始した。
「血のバレンタイン」で破壊されたユニウスセブンもこのユニウス市の一つである。
ユニウスセブンは破壊後はL5を離れデブリ帯に流れ着き、その後は100年単位で安定軌道にあると言われていたが、後にサトーらテログループにより地上に落下させられた。
また『SEED』後半、ラクスがアスランと密会する為に一時滞在していた取り壊し・農地転用予定の劇場「ホワイトシンフォニー」はユニウスファイブにある。

  • クインティリス市
化学担当。
話題に上る事も関連する主要登場人物も無く、地味。

  • セクスティリス市
物理学担当。
同じく地味。

  • セプテンベル市
電子・情報工学担当。
アイリーン・カナーバ議員はここの代表。

  • オクトーベル市
人文科学担当。
やはり地味。

  • ノウェンベル市
多目的実用生産工学担当。
ここも地味。

  • ディセンベル市
初等教育・ザフト関連担当。
パトリック・ザラはここの代表。
またレクイエムで破壊された市の一つ。
こちらは直撃を受け吹き飛ばされたヤヌアリウスの残骸に巻き込まれる形でセブンとエイトが崩壊した。



軍事

プラントは少なくとも表向きは「常備軍」を持たない国家となっている。
事実上の「プラント軍」であるザフトの兵はいずれも普段は一般の職業に就いている「義勇兵」である。

この特殊な性質に加え、仮想敵である地球連合軍に比べて圧倒的に規模が小さい事から呼称で部隊規模を悟らせないことを目的に、ザフトには長らく「階級や「小隊・師団」といった部隊編成が無い」という軍隊としては非常に珍しい体制を取っていた。
また「陸軍」「海軍」といった区分も存在せず、全軍が全領域に対応しているのも特徴。

『SEED FREEDOM』では多国籍軍であるコンパスとの連携の為に便宜的に階級が導入され、「階級の無い軍隊」という点は改められる事となった。
おそらくは「本職を持つ義勇兵」という面も同様で、参謀本部の情報将校を務めるイザークなど、「本職」があるとは思えないようなメンバーも散見される。

詳細、及び兵器・軍事拠点などはザフトを参照。


兵器開発はマイウス市に設置されている国営部局「MS設計局」と、各市の軍事企業が行っている。
国営の「開発局」がそれぞれ独自に兵器開発している点は旧ソ連とジオン公国がモチーフと思われる。
各設計局はSF作家の名前に由来している。
……が、後にフリーダムを設計したハインラインという名の男が本編に現れたため、メタ的な由来はともかく設定上は「設計局の局長の名前」から取られている可能性が出て来た。

ハインライン設計局

シグー・ディンを開発した設計局。実際この二機は脚部など一部が共通している。
機動力重視のMSが得意と見受けられる。
名前の元ネタはガンダムの原点こと『宇宙の戦士』などで知られるロバート・A・ハインライン。

アシモフ設計局

バクゥ・ラゴゥを開発した設計局。
四脚機の開発元である模様。
名前の元ネタは「ファウンデーションシリーズ」や『アイ・ロボット』が代表的なアイザック・アシモフ。

クラーク設計局

グーン・ゾノ・ザゥート・ガズウートを開発した設計局。
どうやら重MSが得意な様子。
名前の元ネタは『2001年宇宙の旅』『幼年期の終り』で有名なアーサー・C・クラーク。

ヴェルヌ設計局

ウェルズ設計局

カタカナで書くと非常に紛らわしい名前だがそれぞれ別物。
よりによってこの二つが協同開発してミーティア・エターナルを開発している。

名前の元ネタは『海底二万里』『十五少年漂流記』でお馴染みのジュール・ヴェルヌと、同じく『宇宙戦争』『透明人間』のH・G・ウェルズ。

ザフト統合設計局

ゲイツ・ファーストステージシリーズを開発した、各設計局を統合した設計局。
その後『SEED DESTINY』の時代ではどうなったかははっきりしていない。

マティウス・アーセナリー社

MS用の武装を開発する民間企業の一つ。
ジン・シグーの重斬刀や、ザフト製MS各機のビームサーベル・ビームライフル等々MS用ビーム兵器を開発している。
型番は「MA-」から始まる。

マイウス・ミリタリー・インダストリー社

MS用の武装を開発する民間企業の一つ。通称「MMI」。
こちらは実弾銃器を一手に引き受けており、ジン・ディンの重突撃機銃や、ゲイツ・ファーストステージシリーズのピクウス、フリーダムのクスィフィアス等はここが開発している。
型番は「MMI-」から始まる。

アーモリーワン

プラント本国が置かれているL5ではなくメンデル等があったL4に設置されている、その名の通り工廠(アーモリー)のコロニー。
『SEED』の後で新造されたプラントで、セカンドステージシリーズやミネルバが建造されていた。
ファントムペインのセカンドシリーズ強奪事件に際してコロニーでありながら大気圏内用MSのディンが出撃する場面があるが、建造され地上に降ろされる前の機体を緊急出撃させたものと考えられる。


歴史

発祥

プラントの前身はL5に建設されていた、たった1基の研究コロニーZodiac(ゾディアック)から始まる。
Zodiacがいつ頃建設されたものかは不明だが、C.E.29年に木星から帰還したジョージ・グレンが持ち帰った「羽クジラ」の化石をそのままZodiacに運び込んで研究を開始しているため、少なくともこの時期には既に研究コロニーとして完成し稼働し始めている。

C.E.31年にはジョージ・グレンも研究に参加、やがて地球外生命の研究所から宇宙に於ける大規模研究施設に成長して行き、C.E.38年までにZodiacは大規模化かつ複雑化して行く。
そこでジョージ・グレンは新型の「天秤型コロニー群」の構想を発表、大西洋連邦・ユーラシア連邦・東アジア共和国を始めとした「プラント理事国(理事国)」の出資を受けて建造が開始された。
後の黄道同盟の設立メンバーであるシーゲル・クラインとパトリック・ザラが出会ったのも、この時のコロニー建設に共に従事していたのが切っ掛けである。
それから数年が経過したC.E.44年、10基の天秤型コロニー群の第一陣が完成、「大規模生産拠点」の意味で「プラント」と命名され、この時に名実共にプラントは誕生した。

時系列が前後するが、C.E.40年から「コーディネイターとナチュラルの能力格差の顕在化と、それによる対立の活発化や過激派反コーディネイター組織の誕生」「第2世代コーディネイターへの能力継承発覚、それによる新たな火種の発生」が起きており、また、アズラエルやムウが誕生したのもこの辺りの時期。


発展、そして独立運動

話は戻って、元々大規模研究拠点だった時点でそれなり以上の人口は抱えていたのだろう、第一陣完成の翌年にて早くもプラントの人口は一千万人を突破と推定、引き続き理事国からの出資を受けてプラントは更なる大規模化を進めて行く。
やがて「プラントでの従事はコーディネイターでなければ無理」と評されつつも、コーディネイターの能力と無重力を生かした生産力は「プラントで作れないものは無い」と謳われるようになった。
……唯一、「食料」という例外を除いて。
理事国がプラントの首根っこを掴むために理事国はプラントに食料だけは生産を禁止しており、特に穀物は厳重に禁じられていたためほぼ完全に地上からの輸入に頼らざるを得なかった。
また同時にプラントには自治権が無く、武装も禁じられていたのだが、この時期から反コーディネイター組織によるテロ攻撃が発生するようになり、自力で防衛することができないプラントの市民には不満が蓄積され始める。


対立激化へ

C.E.50年、シーゲルとパトリック、その他プラントに住まうコーディネイター達は「自治権」「貿易自主権」「自衛権」「食料生産禁止の撤廃」を求める政治結社「黄道同盟」を結成、活動を開始する。
理事国もすぐにこの動きを察知、その活動を抑え込みにかかったことでコーディネイターからは反発され、またこれしきで折れる黄道同盟でもなく、地下に潜って活動を続行、徐々に勢力を拡大して行く。
またC.E.53年にはジョージ・グレンがナチュラルの少年に暗殺される事件が発生、それとの因果関係ははっきりしていないが同年以降プラントの運営は「プラント評議会」が行うようになる。

その翌年、C.E.54年~55年にかけてS2型インフルエンザの大流行が発生する。
あくまで歴史上何度もあった世界的な感染症大流行なのだが、ナチュラルの多くが犠牲になったこととコーディネイターの死者が一人も出なかったこと、前年のジョージ・グレン暗殺事件によりグレン暗殺の報復を目的とした、ナチュラル殲滅作戦との陰謀論が広がってしまう。
おまけにこのパンデミックを「神罰」と解釈・主張したことで一度は失墜した宗教界が復権、その勢いでナチュラル間の反コーディネイター感情も最悪になり、地球に於ける遺伝子改造を禁止する「トリノ議定書」が制定される。

55年末にはプラントがS2型インフルエンザのワクチンを開発に成功、地球に供給し始めるが、薬学の分野は地球サイドの方が進んでいるのにコーディネイターが先に開発成功したことは、先述の疑惑を却って強めることとなり、
両者の溝は埋まるどころか更に広がってしまい、地上のコーディネイターも避難するが如くプラントへの移住が進んで行く。

C.E.60年頃から、プラントは「理事国の為の巨大生産拠点」としての性格を強めて行く。
プラントの高い生産力で供給される物資とエネルギーで理事国は見る見る潤って行ったが、理事国からプラントに課せられる重い生産ノルマはプラントを圧迫し、また理事国がプラント運営で得られる利益を丸ごと独占したことで非理事国との格差も拡大、理事国への非難と不満が高まって行く。

更にC.E.61年にはパトリック・ザラがプラント内で反コーディネイター組織のテロに遭い、C.E.63年には過激派反コーディネイター組織ブルーコスモスのテロ行為でプラントのエネルギー生産部門が破壊されてしまう。
この事態を受け評議会は理事国に輸出停止を申し入れるが理事国は拒否、理事国の為の生産を続けることを余儀なくされたためプラントは深刻なエネルギー危機に見舞われる。

「一向に絶えない反コーディネイター組織のテロ」「しかし未だ持てない自衛権」「理事国のまさに植民地(コロニー)的な扱い」……プラントの不満はここで一つの限界に達し、エンジニア達はサボタージュを開始する。
だが理事国の対応は懐柔策でも増してや譲歩でもなく、「モビルアーマー部隊の動員による威嚇」という武力をちらつかせた圧力であった。
最早事を穏便に済ませるのは不可能と判断したのだろう、黄道同盟を始めとした独立運動推進派は活動を活発化、また同時に作業用機械であるモビルスーツの軍事転用に関する研究も開始する。
C.E.65年頃には最初の試作MS「ZAFT」が完成、また同年拡大しつつあった黄道同盟は「自由条約黄道同盟」に改称した。

C.E.67年から68年にかけて、遂に最初の実用機「ジン」が完成、極秘裏にマイウス市の一部でMSの生産を開始し、またプラント評議会議員の過半数をZAFTが占めるようになった。
プラント評議会では「自治権と貿易自主権の獲得を最優先とする」ことが決議され、翌月の理事会にて発表されるが、案の定理事国からは猛反発され、またしても武力を用いて威嚇するがプラントも負けじと軍拡を進め対立は更に深まって行く。


決定的な決裂

C.E.68年、ブルーコスモスもまた巨大化して行き地球に於けるコーディネイターへの迫害が激化、公式年表によればこの時期に地上に住んでいたコーディネイターは「ほとんどがプラントに移住した」とある。

また、プラント議長となっていたシーゲルは、非理事国である南アメリカ合衆国と大洋州連合との間で密約を交わし、食料と工業製品の貿易の取り引きを行う。
しかし理事国もこれを即座に察知、理事会にて「シーゲルの評議会議長解任」と「プラント評議会解体」と「プラント自治権の完全放棄」を命令する。
要求ではない。『命令』である。

プラントも当然というべきか反発するが、すると理事国はプラントへの食料供給を制限、同時に南アメリカ合衆国から食料輸入を行おうとしていた輸送船を撃沈した。「マンデルブロー号事件」である。
「独立派の中心人物を解任し、何より生きる為に必須の食料を絞れば、プラントは根を上げるだろう」――理事国はそう考えたのだろうが、実際の反応は真逆だった。
マンデルブロー号事件により数百人のコーディネイターが犠牲になったことでプラント側の態度も一気に硬直、パトリックの主導の下、自由条約黄道同盟は政治結社に加えて保安組織と軍事組織を複合する「ZAFT」に組織改編される。
更に翌年、シーゲルによりユニウスセブン~テンを食料生産プラントに改造する。
既に交渉の余地は無いと判断したのだろう。命令に従わないばかりか、禁止されていた食料生産を堂々と開始したのである。

当然黙って見過ごす理事国ではなく、「実力による排除」を宣言し威嚇を行うがプラントもまたこれまで極秘だった「軍事組織としてのZAFT」と「軍用MSジン」を公表、圧倒的少数でモビルアーマー部隊、延いてはL5に駐留していた理事国の宇宙艦隊を撤退に追い込んで見せた。
「最早プラントは理事国の飼い犬ではない」――プラントもまた実力を見せ、シーゲルは改めて自治権と自由貿易権を理事国に要求した。

ようやくと言うべきか、理事会で何度か話し合いが行われるが尽く平行線で終わり、プラントは9月1日の時点で遂に「C.E.70年1月1日までに回答を得られなければ輸出停止を決行する」と発表した。プラントから突き付けられた最後通牒である。

やがて迎えたC.E.70年1月1日、理事会に向かうプラント評議会議員がテロ行為で1名が死亡する「未開理事会事件」が起こる。
犯行声明はブルーコスモスから出されたが、その背後に理事国があったことが判明したことでプラントは先の宣言通り輸出を停止、
プラントの恩恵にあずかるを通り越してプラントに頼り切りの状態にあった理事国は一転、窮乏の危機に陥ってしまう。


戦争へ

C.E.70年2月5日、国連主導で改めて交渉の機会が設けられるがまたしても爆弾テロ事件「コペルニクスの悲劇」が発生、国連と理事国の代表メンバー全員が死亡した。
……だがプラントの代表、シーゲルは機材トラブルにより会議に遅刻しており難を逃れていた。

理事国はこの結果を「地球側の代表は全滅しプラントの代表はたまたま(・・・・)難を逃れられたのは、即ちプラントのテロ行為、延いては地球と全ナチュラルへの宣戦布告である」と断定、理事国は国連に代わる組織として「地球連合」を設立した。
そして2月11日、地球連合の宣戦布告により第1次連合・プラント大戦が幕開けしたのである。

月面基地から出発した地球連合軍艦隊をプラントは圧倒的少数ながら撃滅、しかし密かに持ち込まれていた1発の核ミサイルがユニウスセブンに直撃、全住民24万3721人が死亡する惨事に見舞われる。
百歩譲って軍事施設ならまだしもユニウスセブンは農業プラントであり、住人も一般市民。
その尽く(中にはパトリックの妻、レノアも含まれていた)を殺戮された本件は「血のバレンタイン」と呼ばれ、その慰霊式典にてプラントもまた徹底抗戦を表明した。

差し当たり、パトリックら急進派勢力は核報復を提案したが、穏健派はそれをどうにか宥めすかし、代わりに採択されたのがニュートロン・ジャマーの地球全土への散布であった。
化石燃料の枯渇により原子力発電(とプラントの太陽光発電による電力供給)に依存していた地球は深刻なエネルギー危機に直面、全人口の1割とも言われる凄まじい餓死・凍死者を出し、地球のナチュラルからもコーディネイターへの反感は最高潮に高まった。

「核エネルギーを全て封印し地球国家をエネルギー危機に陥らせ、そして宇宙港を全て押さえることで連合を地球に閉じ込める」、オペレーション・ウロボロスを発動したプラントは、新たに投入した大気圏内用MSや水中用MSなどにより、少しずつ宇宙港を制圧して行く。

本編の約半年前のC.E.70年6月の「新星攻防戦」の末に東アジア共和国の資源衛星「新星」を奪取、プラント本国を防衛する宇宙要塞ボアズに改造しつつ移送して行くが、これ以降は地球連合とプラントの衝突は膠着状態に陥り、直接戦闘は散発的になって行く。
この機にと地球連合のオルバーニ事務総長とシーゲル、そしてその間を取り持ったマルキオ導師による秘密会談「10月怪談」が行われたが、結局話は纏まらず再び戦線は活発化して行く……・

ここまでが本編以前のプラント史である。


『SEED』本編

第一話冒頭の数日前に当たるC.E.71年1月、カオシュン(台湾)のマスドライバー基地をZAFTが制圧、オペレーション・ウロボロスで最初に制圧した宇宙港となる。
更にクルーゼ隊が中立コロニー「ヘリオポリス」を襲撃し地球軍の試作MSを強奪に成功しその実機とデータ、地球連合もまた、ジンを遥かに上回る性能のMSの開発に成功、今はまだ試作段階と言えどここまで来れば量産は目前であることを持ち帰り評議会にて報告したことで議会は紛糾、後にオペレーション・ウロボロスの更なる強化が決定される。
やがて2月中旬、「血のバレンタイン」から一年を目前にしてアフリカ、ビクトリア基地のマスドライバーも制圧に成功、残る地球連合のマスドライバーはパナマ基地のみとなった。

しかし、この頃になるとあくまで融和路線のシーゲルと、妻を奪われた怒りからナチュラルに対する蔑視と復讐心を先鋭化させて行くパトリックの間で対立が深まって行き、パトリックは地球連合ひいてはナチュラルを殲滅するべくクルーゼと組んで独自の陰謀を進めるようになる。
4月にはシーゲルの任期切れによりパトリックが新議長に就任、強硬派であるパトリックの方針が強く打ち出されオペレーション・ウロボロスの強化案としてオペレーション・スピットブレイクが可決された。
更に5月には地球連合から出された和解案「オルバーニの譲歩案」が評議会に提出されるが、これは「ある程度は自治権を認める」「しかしプラントは開戦前同様理事国が管理する」というプラント、特にパトリックらタカ派からすれば噴飯ものの「譲歩案」とは名ばかりの無条件降伏勧告に等しいものであった。
実際「オルバーニの譲歩案」は提出はこのタイミングだったものの提案自体はウロボロス発動直後、「Nジャマーが撃ち込まれ、プラントによる本格的な地球降下作戦が開始された頃」であり、深刻なエネルギー危機とMSの意外な実用性の高さに地球連合サイドが驚いたタイミングでこのようなプラント圧倒的不利の降伏勧告同然の講和案を出すなどというナメ腐った態度を、プラント側は受け入れられる訳がなかった。
一応シーゲルやアイリーン・カナーバといった穏健派議員からは「犠牲は避けるに越したことはない」「話し合いの機会を全部拒絶していては講和できるものもできない」との意見もあったが、
タカ派のパトリックが議長に就き、穏健派だったユーリ・アマルフィ(ニコルの父)が息子を喪ったことでタカ派に転じるなどにより穏健派の勢いは弱体化しており、急進派の「この状況で自分が勝ったつもりのような譲歩案など飲める訳がない」「こんなのは(スピットブレイク発動直前の)ザフトへの時間稼ぎと見え見えの釣り餌でしかない」という反発を抑え切る事はできず、結局却下される運びとなった。

5月5日、スピットブレイクは実行に移されるも、パトリックの策略により評議会にもザフト全兵士にも無断で攻撃目標を地球連合アラスカ本部「JOSH-A」に変更された。
おそらくは「『連合をエネルギー危機の地球に閉じ込めてチンタラ降伏を待つ』より、頭を潰して一気に終わらせる」つもりだったのだろうが、この情報はクルーゼによって極秘裏にリークされており、結局スピットブレイクはザフトは投入戦力の8割が壊滅、しかも地球駐留部隊の方々からかき集めた戦力の大半を失ったことで各地の戦線が縮小を余儀なくされる、そのせいで後にビクトリア基地も奪還されオペレーション・ウロボロス自体が頓挫するという戦術的にも戦略的にも最悪と言う他ない大失敗に終わってしまう。
おまけに同時期にシーゲルの娘ラクス・クラインによる最新鋭機フリーダムの強奪が重なり、パトリックは全ては穏健派のスパイ行為と決めつけ、穏健派議員を拘束した挙句にクライン親子を国家反逆罪で指名手配という強硬手段に出る。
一方穏健派も強硬な態度を取り続けるパトリックらに地下で対抗、「クライン派」として終戦に向けての地道な活動を続けるが、ラクスは新造艦エターナルを強奪しプラント脱出に成功するもシーゲルは暗殺されてしまう。

後にパナマのマスドライバーは破壊に成功するも先述の通りビクトリアを奪還されたことで、プラントは再び地球に上がれるようになった地球連合が近々実行するであろう総攻撃に備え始める。
新型量産機「ゲイツ」の生産及び配備、そして最終兵器ジェネシスの準備である。

9月23日、地球軍の「エルビス作戦」によりプラントへの総攻撃に出た地球軍は、これまたクルーゼによって漏洩したNジャマーキャンセラーによって使用可能になった核ミサイルで宇宙要塞ボアズを瞬時に壊滅させた。
だが「核兵器」に対する強い拒否感を持つプラントとザフトは1年半振りに再度実施された核攻撃に激怒、パトリックはジェネシスの使用を決断する。

ジェネシス第一射で地球連合艦隊の40%を壊滅させ、第二射で月基地からの増援艦隊の約半数と月基地そのものを消滅に追い込み、更に三隻同盟の奮闘で地球連合の核攻撃艦隊も全滅していたため、
「本国を守備するもう一つの要塞ヤキン・ドゥーエと途轍もない破壊力を持つ最終兵器が残っているプラント」と「『主力艦隊の半分』と『切り札たる核攻撃隊』と『宇宙に於ける拠点』の全てを同時に失い指揮系統が崩壊、組織的な行動は勿論、攻撃はおろか撤退すらできなくなった地球軍」という構図となったこの時点で既に決戦の趨勢はプラントの勝利で決した。

しかし戦争終結やプラントの独立を飛び越えナチュラルを殲滅し尽くすという妄執に憑りつかれていたパトリックはジェネシス第三射で大西洋連邦首都、ワシントンへの攻撃を命じる。
だがパトリックを止めようとして彼に撃たれた側近レイ・ユウキもパトリックを射殺しワシントン攻撃を止めたこと、直後にヤキン自爆シークエンスが作動し要塞としての機能を失ったこと、ジェネシスも発射直前にジャスティスの自爆により破壊されたこと、そしてクライン派により拘束を逃れた穏健派議員のクーデターが成功したことでカナーバらに立ち上げられた臨時評議会の停戦を申し入れを行い、1年半に及んだ大戦は終結した。


『SEED』~『SEED DESTINY』の間の出来事

宇宙に於ける最終決戦はプラントの勝利と言える形で終結したが、実は地球ではかなりギリギリの戦いを演じていた。
スピットブレイク失敗の影響で弱体化した地上部隊は、ビクトリア基地は全滅、アフリカ戦線は縮小、ジブラルタル基地も放棄、残るカーペンタリア基地に戦力を終結させるも地球軍の攻撃にじわじわ押され陥落は時間の問題……という所で臨時評議会の停戦申し入れという形になったため、結局プラント側有利で停戦条約を結ぶことはできなかった。

結局地球連合から引き出した最大限の譲歩と言える停戦条約「ユニウス条約」は、「旧理事国に関税を優遇する」「地球連合に対して圧倒的に少ない武力しか持つことを許されない」といったプラント不利のもので、当時暫定議長だったカナーバも悩んだものの最終的に受諾、
一応は自由と平和への第一歩と言えなくはないものだったものの結局1年半も戦争した末に不利な条約を結んで帰って来たカナーバへの風当たりは強く、『SEED DESTINY』の時代までに議長を辞任した。
とはいえプラントはようやく悲願だった独立国家としての承認を得ることに成功、ひとまずプラント市民の安寧への一歩という意味では無意味でもないと言って良いだろう。

この辺りは長らく文字設定でしか語られていなかったが、長い長い時間を経た2025年、『SDガンダム Gジェネレーション エターナル』にて公開された外伝『機動戦士ガンダムSEED Recollection』にて詳しく描かれることとなった。


『SEED DESTINY』

プラント評議会は以前から一新され、議長には『SEED Recollection』にて当時青服だったことが判明した穏健派議員ギルバート・デュランダルが就任した。

前大戦末の「オーブ解放作戦」の影響でオーブ市民の一部が移住して来たり、それらが持ち込んだ技術が軍事転用されたり、更にそれを採用した新型MSとその専用運用艦が建造されたり、それをオーブ代表のカガリに抗議されたりなどしつつも一応は平和に向かいつつあったプラントだが、
C.E.73年10月3日、プラントと地球が融和に向かいつつあることを「死者を忘れ、報復をやめようなど許せない」「惰弱なクライン派に乗っ取られ、プラントは変わってしまった」「パトリック・ザラのナチュラル殲滅思想こそが唯一正しかった」「欺瞞に満ちた世界を、虐殺されたユニウスセブンの霊を以て変える」と主張するザラ派残党のザフト軍脱走兵らが、ユニウスセブンの残骸を落下させ地球を壊滅させることを目論むテロ事件、「ブレイク・ザ・ワールドを引き起こす。
駆け付けたジュール隊と別任務で偶然近くにいた新造艦ミネルバは急行するも、結局止めることはできず地球全土で深刻な被害が発生してしまう。

これを好機と捉えたブルーコスモスの支持母体、延いては大西洋連邦の黒幕たる秘密結社ロゴスの代表ロード・ジブリールは、「ザフトの脱走兵(つまりはコーディネイター)が地球殲滅を企ててテロ行為に及んだ」ことを利用し地球に於ける反コーディネイター感情を再燃させ、プラントに対する二度目の戦争第2次連合・プラント大戦を仕掛ける。
長きに渡る対立激化の末に戦争に突入してしまった前大戦とは異なり完全に言いがかりでいきなり喧嘩を吹っ掛けられた形である。
デュランダルは姿を消した穏健派の象徴的人物ラクス・クラインに代わる替え玉のラクスを投入して市民を宥めるなど当初は全面戦争を避けようとするも、宣戦布告と同時に核攻撃(未遂)までされては流石に見過ごせず、結局評議会は地球降下作戦「オペレーション・スピア・オブ・トワイライト」を承認する。
しかしデュランダルは「あくまで領土的野心の無い『積極的自衛権の行使』に過ぎない」という姿勢を徹底、無暗に大規模な作戦を行わず、ブレイク・ザ・ワールドの被害を受けた一般市民への支援やその様の広告戦略も積極的に打ち出したため、
地球軍が武力による強引な支配を連発していたこととの対比もあってプラントとザフトは地球市民からの人気を早期に獲得、地球の市民のプラントに対する反感はほどなく沈静化して行った。

反コーディネイター感情で団結するどころか時期を経るごとに綻びが生じる地球連合の現状に苛立ちを募らせるジブリールは、遂にザフトに無血開城したユーラシア連邦の都市にデストロイガンダムを放って壊滅させ、プラントに降ったらどうなるかの見せしめにするという暴挙に出る。
当然それで地球連合が団結する訳もなく、それどころかデュランダルはロゴスの横暴振りを糾弾し世界を反ロゴス感情で纏め、プラント(というかデュランダル)がその旗振りを担うというジブリールがやりたかったであろうことをそっくりそのままし返してみせる。
戦争を煽って煽って煽りまくり、市民の血で美味い飯を食う悪の集団ロゴスとその親玉ジブリール切に平和を願い、傷付いた市民に手を差し伸べる正義のプラントとその指導者デュランダルという分かりやすい構図を一般市民に焼き付けることに見事に成功したデュランダルは今や世界のリーダーであり、ロゴスメンバーが立て籠もる地球軍新地上本部基地ヘブンズベース攻撃作戦「オペレーション・ラグナロク」を発動、
ザフトに加えてロゴスに見切りをつけた地球軍から馳せ参じた義勇軍まで取り込んだ「反ロゴス同盟軍」の総攻撃により基地を陥落させ、ジブリールこそ取り逃すも他のロゴスメンバーを逮捕し実質的に壊滅に追い込む。
更にジブリールが逃げ込んだオーブに対してもジブリール逮捕作戦「オペレーション・フューリー」にて攻撃を仕掛けるもジブリールは戦闘のどさくさに紛れて宇宙に脱出、反ロゴス同盟軍の旗艦を担ったミネルバの「オーブの武力制圧が目的ではない以上、ジブリールを逃してしまった今となっては戦闘続行は無意味」という判断でこの場は撤退した。

……実はデュランダルの目的はロゴスの壊滅(ジブリールの逮捕)ではなく、「ロゴス壊滅によって引き起こされる世界的な政治と経済の混乱」であった。
デュランダルは一般市民向けに分かりやすく「ロゴスとは軍事企業のトップの集まりであり、世間が戦争してくれれば戦争してくれるほど嬉しい連中。要するに『いわゆる平和の敵』」のように宣伝していたが、これは市民の支持と人気を得るための方便でしかない。
実のところロゴスとは世界中の様々な国と企業に関わりがあり、戦争だけで儲けている訳ではない。
しかし秘密結社故にその辺りの詳細を知らない市民に敢えてその辺りを伏せつつ「平和への願い」としてロゴスへの反感を煽り短期間で壊滅させた結果、世界各地で暴徒と化した市民にロゴスメンバーが襲撃され、世界中のあらゆる国家とあらゆる産業が大混乱に陥ってしまった。
オーブへの攻撃もまた、デュランダルとしてはジブリールの逮捕以上に「後々自身の計画の邪魔になるであろうオーブを、「ロゴス退治」という分かりやすいお題目が効く今のうちに叩き潰しておきたかった」というのが本意であろう事があちこちの描写で窺える。
以上の様々な不自然点から「いかにも平和主義の穏健派っぽいデュランダルは、何か独自の陰謀を進めているのではないか?」という疑惑や違和感を覚える者はプラントやザフトの内外から生じ始めるが、流石にこの時点でそれに気付ける者は少なかった。

月面ダイダロス基地に逃げ込んだジブリールは、一発逆転を狙い軌道間全方位戦略砲レクイエムでプラント首都、アプリリウスワンの破壊を目論む。
地球軍部隊の妙な動きを察知したザフト部隊が急行、首都への攻撃だけは阻止するもヤヌアリウスワン~フォー、ディセンベルセブン・エイトの6基が破壊される(推定犠牲者数百万)というおそらくは血のバレンタイン10回分以上の大惨事となる。
直後に宇宙に上がって来たミネルバが奮闘の末にダイダロスを落とし、ジブリールの殺害にも成功したことでいよいよロゴスは名実共に壊滅、そしてデュランダルの邪魔をするものは居なくなった

既に地球連合の主戦派を煽っていたロゴスは無く(そればかりか一部はザフトに合流してさえいる)、元々大西洋連邦は本当はBTWの被害の復興を優先したいのにロゴスに煽られて仕方なく戦争していた身、最早「積極的自衛権の行使」で戦争を開始したプラントは講和条約の申し入れをするだけで良いようにも思えるが、デュランダルにとっては違った。
ブレイク・ザ・ワールドとロゴス壊滅の余波という二重のカオスが発生した今でなければできない事、デスティニープランの発表である。
人類社会のシステムを根本から変える政策を全世界で同時に導入させるには、政治も経済も人心も何もかもが荒んだ時期に、世界のリーダーたるプラントと、その指導者である平和主義のデュランダルが必要だった。
保有戦力MS数機とMA数機という小規模組織であるザラ派残党がコロニー落としなどという大それたテロを起こせたのも、市民のロゴスに対するヘイトを煽りつつ壊滅させたのも、先にオーブを落としておきたかったのも、ジブリールが「レクイエム」などという巨大兵器を発射に漕ぎ着けたのも、今まで「あくまで仕方なく防衛戦争をしている」というポーズを取っていたのも、全てはこの時の為の布石であった。
実際デスティニープラン実施の演説は完全なるデュランダルの独断だったようで、演説放送を見た他の最高評議会議員たちが困惑する様子もあるなど、プランはまともな手段の施工ではなく色々なドサクサと勢いに紛れて押し通したのは明白である。

ジブリールと現地の地球軍部隊を排除しレクイエムを手中に収めたデュランダルはデスティニープラン発表の直後、地球軍のもう一つの月面基地アルザッヘル基地をレクイエムで破壊した。
ここまで来ると、デュランダルが穏健派に見えたのは単なる猫かぶりであり、今やプランに反対する者はレクイエムで滅ぼすという無言の警告を発する過激派ということに勘付く者が少なからず現れ始める。
それでもミネルバを始めとしたデュランダル(デスティニープラン)が本当に世界を平和に導くと信じてプラントの為に戦う者は少なくなかったが、
プランに明確に反対している故に次の攻撃目標になることは明らかだった母国を守るべく出撃したオーブ艦隊、それに着いた地球軍部隊残党、そして穏健派の皮を脱ぎ捨て本性を現したデュランダルを見限ったジュール隊等のプラントから離反した一部のザフト戦力がレクイエムとZAFTの機動要塞メサイアを落とし、これ以上の戦闘続行が無意味となったオーブは停戦を申し入れプラントも受諾。
C.E.74年、第2次大戦は終結した。
同時にデュランダルも死亡、デスティニープランは中止された。


『SEED DESTINY』~『SEED FREEDOM』

第1次大戦と僅か2年後の第2次大戦、二度の大戦争によって大きく疲弊したのは地球軍もザフトも同様であった。
第1次大戦とブレイク・ザ・ワールドで厭戦気分が高まっていた所に更に第2次大戦、ロゴス壊滅……と世界的大事件が連続したことで、プラントはオーブ代表、カガリからの大西洋連邦とオーブとの三国連合対テロ即応部隊「世界平和維持機構コンパス」の設立提案を受諾、精鋭兵士やコンパス向けの新型MSやその運用艦ミレニアムなどを提供している。

ZAFTの体制も改めて改編され、コンパス共同設立に当たりオーブ軍・大西洋連邦軍との連携のために階級制度が導入されている。
また「参謀本部」が設置されているなど「職業軍人がいない義勇軍」という体制も名実共に変化したと思われる。

コンパスの総裁には大戦後にプラント評議会に招聘されたラクスが就任し、コンパス本部もアプリリウスワンに設置された。
プラント最高評議会議長も中道穏健派のワルター・ド・ラメントが就任、「コロニー国家」だった以前とは異なり地球に「プラント特別自治区」の都市がいくつか設置されるなど、地球とプラントの対立は以前と比べて遥かに軟化していると思われる。

……が、ザフトの総責任者である国防委員長に就任したのは(表向き「タカ派寄り」くらいに装っている)超タカ派のハリ・ジャガンナート中佐、残党化したブルーコスモス派地球軍部隊による特別自治区へのテロ行為が連発している現状、「オーブ主導で設立されたコンパス」や元が巨大故に回復も早い地球連合など「ナチュラル寄り」になりつつある世界の潮流など、燻っている不満や火種は未だ少なくない。
また第2次大戦では友好的だったユーラシア連邦との関係も悪化している。
勢いでザフトに無血開城していたら大西洋連邦に攻撃され、構成国のあちこちで独立の機運が高まり地球連合からの独立どころか「ユーラシア連邦そのもの」が消滅の危機という状況でのプラントの進駐はプラントによるユーラシア連邦への影響力強大化、延いては領土の切り売りを迫ろうとしているように見られている模様。

ともあれ、状況は以前と比べて遥かにマシと思われ、平和実現に向けた努力が重ねられていたが……。


『SEED FREEDOM』

先述の通り、ブルーコスモス残党部隊により冒頭で攻撃を受けたオルドリン市を含む少なくとも四つの都市が被害に遭っている模様で、現地部隊や上層部の残党部隊指揮官ミケール大佐への恨みは相当なものである。
無理もないことという面はあるものの「同胞を殺された報復心」は二度の大戦を経てなお完全には捨て去れていないのが現状であった。
ラメントやラクスは彼らを必死に宥めてはいたものの、彼らの我慢の限界は目前ということも理解しており、「一刻も早くどうにかせねばならない」と悩んでいたのが冒頭の戦い直後の会議の様子である。

その後物語の主題はユーラシア連邦から独立したファウンデーション王国に移るため、以降中盤まで出番はほぼ無い。

+ 中盤以降のネタバレ
……が、ファウンデーションの陰謀に巻き込まれたコンパスがユーラシア連邦の核を発射させ、ファウンデーションの首都が消滅、死者5万、負傷者10万人以上の犠牲が発生という大事件を(結果的に)引き起こしてしまい、さしものラメントも大西洋連邦のフォスター大統領と共にカガリに猛抗議する。
おまけにフォスターからは「この事態はプラントがユーラシア連邦に介入する絶好の機会」と勘繰られ、更にカガリも「事態の原因」と目されたキラがこのような事態を起こすはずが無いと信じたいあまりに思わず熱くなってしまい、フォスターがコンパスから降りると宣言したことに続き、ラメントもまた「痛くもない腹を探られるくらいなら」と同調してしまう。

しかしこの後物語に直接関わらない大西洋連邦とは異なり、プラントは直後にまたしても大事件が発生する。
実はジャガンナート国防委員長はタカ派なばかりか、過激なナチュラルに対する優生思想と同胞を殺されたことへの復讐心を持ついわば隠れザラ派とでも言うべき思想の持ち主であり、ファウンデーションと密通し彼らの行動開始と連携してプラントでクーデターを開始した『SEED』のラストから数えて4年間で3度目である
クーデター発生の情報をいち早く掴んだ、今は参謀本部直属の情報将校となっていたイザークとその部下によって逃がされたことでラメントの確保には失敗したものの、プラント評議会の制圧には成功し更に兵器としては解体することが決定していた*4レクイエムをファウンデーションに提供、ユーラシア連邦首都モスクワをレクイエムの攻撃で消滅させた上、クーデターに同調したザフト戦力の一部をレクイエム防衛に回させる。
ジャガンナートはファウンデーションが再び建設しようとしているデスティニープランが実施され、コーディネイター優位のナチュラルを切り捨てた新世界に協力しようというのであった。

ここまではおそらくラメントを取り逃したこと以外は筋書き通りだったのだろうが、やがて偽装シートで姿を隠しながらこっそり移動していた(本土を攻撃されたことで怒髪天を衝く勢いの)オーブ艦隊がレクイエムに到着、レクイエム守備部隊と戦闘に突入し、更にバルトフェルドが指揮する正規軍が評議会を占拠していたクーデター部隊を鎮圧、ラメントからもクーデター軍に戦闘停止を呼び掛けられる。
此度のクーデターは、非常に呆気ない形で早くも失敗に終わってしまったのである。正にコズミックイラの三日天下であった。

ラクスが有事に備えて残しておいた戦力、近代化改修されたデュエルとバスターを受け取ったイザークとディアッカも共にクーデター部隊の説得に向かい、ジャガンナートの座乗艦ブルクハルトに向けて戦闘停止を直接呼び掛けるが、
クーデターが失敗してなお怒りと報復心に凝り固まったまま部下に無駄死にを強いるジャガンナートの心を動かすには至らず、結局ファウンデーションの凶行を止めようとするミレニアムの足を引っ張ろうとする始末。
結局イザークとディアッカは説得に失敗したことに忸怩たる思いを抱えたままブルクハルトを撃沈、ジャガンナートに引導を渡した。

この後のプラントの詳細は語られていないが、ファウンデーション艦隊中枢はミレニアム隊によって壊滅、レクイエムも破壊され、クーデターも先述の通り失敗に終わったことで、おそらくはラメント議長が再び評議会に戻ったと思われる。
ただ、今回ばかりは全てをファウンデーションとジャガンナートに押し付けるにはあまりに事が大き過ぎること、少なくとも一度は大西洋連邦やオーブ(というかカガリ)への不信感からコンパスを脱退した身、平和と穏健派の象徴であるラクスもほとぼりが冷めるまで身を隠す必要に迫られる事態となったため、今度という今度は国際社会への復帰やナチュラル国家との融和には時間がかかりそうである……。

また、短期間に2回も本土を攻撃されたことで「侵略され慣れすぎている」オーブが(色々な意味で)話題を呼んだが、プラントもプラントで上でも触れられているように「クーデター起き過ぎ」「起こされる方も対策に慣れすぎ」なことが色々ネタにされた。
今回クーデターの被害に遭ったラメントを救出したのは1次大戦末期にクーデターを起こしたカナーバとその時クーデターを起こされたエザリアの二人だったことは感慨深い思いをもって受け止められることも多い。
エザリアに至ってはクーデターからの避難の最中に息子の嫁候補を品定めする余裕を見せたこともネタにされる要因の一つ




関連人物

ザフト軍兵士についてはザフト(ガンダムSEED)の当該部分を参照。

CV:有本欽隆*5
ザフトの前身である黄道同盟の創設メンバーの一人にしてアスラン・ザラの父。

『SEED』に於けるディセンベル市代表の国防委員長であり、また後半からは議長を兼務する。
政治結社だったザフトを立て上げた最初期メンバーであると同時に軍事組織を兼ねるものに改編した主導者というザフトとプラント史的にはかなりの重要人物ということにはなる。
……が、いつしかコーディネイター至上主義思想とナチュラル蔑視思想を強めて行き、プラントの独立という当初の目的から徐々に脱線、プラントの超タカ派の筆頭として戦争の目標はナチュラルの殲滅にすり替わって行く。

詳細は個別項目を参照。


  • レノア・ザラ
CV:(台詞無し)
プラントの一般市民。故人。
パトリックの妻にしてアスランの母。黒髪といい緑色の瞳といいアスランは不機嫌な時の顔以外は母親似である。
ユニウスセブンに勤めていた農業研究者で、キャベツの研究をしていた。息子の友人関係の縁でキラの母カリダとも仲が良かった。
ナチュラルとコーディネイターの対立が相当激しかった時期にあってナチュラルに対して偏見等を持たなかったということであり、相当出来た人物だったのだろう。
しかし「血のバレンタイン」の犠牲となる形で死亡、パトリックは彼女を失った怒りと憎しみから過激派化して行き、アスランもまたザフトに入隊することを決意した。


  • シーゲル・クライン
CV:秋元羊介東方不敗マスター・アジアと同一)
ザフト創設メンバーの一人にして、同じくラクス・クラインの父。
『SEED』本編の前半までのプラント評議会議長。アプリリウス市代表。青緑服。
専門は天文学系。
議長退任後はザフトの制服を着用せず茶色のスーツ姿で評議会に参加しているため、ザフトそのものから脱退した可能性がある。

プラントの自由と独立の為の活動は本編開始以前や外伝が主となっており、本編での活躍はどちらかと言えば地味。
パトリックとはザフト創設以前からの同志であったが、過激派思想とコーディネイター至上主義思想を強めて行く彼とは対照的にこちらは「コーディネイターの限界」を踏まえたどちらかと言えば融和思想の持ち主。
ラクスやキラと会話する場面もあるが、親子でありながら(上司と部下になる公的な場はまだしも、一応はプライベートということになっている場ですら)緊張感の漂うザラ親子とは異なり、こちらは幾分「穏やかなおじさま」といった柔らかな感がある。
それでもプラントの独立運動に早くから身を投じ政治結社を結成し圧力にも負けず活動を続行、おそらくはプラントにナメ切った態度を取っていたであろう理事国(当時)を相手の交渉が「長らく平行線」だったことを見るに、決して惰弱なだけという訳でもなく、プラントとコーディネイター市民の自由を勝ち取ろうとする意志自体は強かったと見える。
また互いの子供同士を政略結婚とはいえ婚姻させるなど決して関係は悪くはなかったはずである。
しかしタカ派になって行くパトリックとは逆の穏健派代表格として両者は徐々に政治的対立を深めて行き、最終的にスピットブレイク失敗の原因をクライン派と断定したパトリックが差し向けた特殊部隊により暗殺された。

「穏健派の代表格と目されながら、地球各地にNジャマーを散布を決定し、地球全土に深刻なエネルギー危機を招き総人口の1割もの死者を出させたのはシーゲルであり、本当に穏健派と言えるのか?」という疑問は視聴者から度々呈されるが、
パトリックら過激派から提案されたのは「地球各地への報復核攻撃」であり、Nジャマー散布後はプラントからのエネルギー供給を交渉カードとしようとしていたことや非理事国への「積極的中立勧告」、「オルバーニの譲歩案」の検討など、あくまで武力制圧を強硬に主張していたザラ派と比べて「外交による有利な状況構築と講和」を積極的に目指していた点で間違いなくシーゲルは穏健派である。
結果的に甚大な人的被害が出たのも地球各国がエネルギー不足の解消よりプラントへの再反撃を優先したためという面もある。
少なくとも劇中で「シーゲルも十分過激」というような扱いはコーディネイターからは勿論ナチュラルからもされてはいない。

+ 劇場版のネタバレ
『SEED FREEDOM』にてラクスの正体がメンデルで作り出されたアコードの一人である事が判明し、そして生後間もないラクスをメンデルから連れ出していたことが判明した。
そのためラクスの秘密を知っている可能性が非常に高いが、ラクスは自分の正体を全く知らなかったためシーゲルは何も語っていなかったと思われる。
更に言えばアウラ(とデュランダル)の計画を知っている可能性も高いが、にも拘わらず計画とは無関係なパトリックの息子アスランとラクスを許嫁関係にすることに同意しているため、アコード計画には反対の立場だったと思われる。

実際コーディネイターの未来と可能性にある意味現実的な姿勢のシーゲルの思想的にコーディネイター至上主義思想を拗らせ切ったような世界征服計画であるアウラの野望はそれと真反対であり、良く思っていなかったとしても不思議ではない。
尤もこの辺りは情報が少な過ぎるため詳細は各々の視聴者の想像に任されている部分が大きい。


  • アイリーン・カナーバ
CV:進藤尚美(カガリと兼役)
『SEED』時のプラント評議会議員。セプテンベル市代表。青緑服。
専門は電子系・情報系人工知能工学。
実質穏健派(クライン派)のナンバー2的な存在であり、シーゲル共々何かと過激な発言の多いタカ派と激論を交わす場面が散見される。
スピットブレイク失敗を受けたパトリックの暴走により一時は拘束されるも、大戦終盤にクライン派の手引きにより脱出、クーデターを起こし臨時評議会議長として停戦を申し入れた。
その後は臨時議長として地球連合と交渉に臨むも、結局プラント不利の停戦条約を結ばざるを得なかったことで引責辞任した。
『SEED Recollection』では、不利な条約締結はカナーバとしても相当苦悩した末の決断だった事が描かれている。

『SEED DESTINY』では直接は登場しておらず評議会にも姿はないが、本編までに微妙な立場のアスランの名誉をある程度回復させオーブ亡命を補助したことが示唆されている。

+ 劇場版のネタバレ
『SEED FREEDOM』にて久々に再登場、再び青緑服議員となっている。
かつてクーデターにより打倒したエザリアと共にラメント議長の脱出を手助けした。
台詞は無く、後ろ姿だけという形ではあったが意外な再登場と組みあわせは多くの長年のファンからサプライズプレゼントと受け止められた。


  • エザリア・ジュール
CV:三石琴乃(マリューと兼役)
『SEED』時のプラント評議会議員。マティウス市代表。青緑服。イザーク・ジュールの母。
専門は航空宇宙・造船工学。設定には無いが、もしかしたらザフト軍艦艇の開発にも関わっていたのかも。
こちらは逆にザラ派のナンバー2的人物で、コーディネイターの優位性を主張するパトリックと同様の発言が多かった。
またあくまで強硬な態度を取り続けるパトリックとは異なり、穏健派の意見を多少は汲み取るような態度を取ったり国家反逆罪で指名手配されたラクスのことを「穏健派に騙され利用されているだけ」と同情を引こうとするような演説を行うなど、硬軟織り交ぜた主張を行う。
また戦勝を通り越してナチュラル殲滅を企てるパトリックと比べるとまだ理性的であり、ジェネシスの凄まじい威力を前に呆然とする場面もあった。
1次大戦終盤には軍事ステーションに居たが、カナーバら穏健派のクーデターにより失脚する。

親としては息子に対して比較的真っ当寄りに愛情を持って接しており、最早趨勢は決しつつある大戦終盤には「あなたの仕事は戦後の方が多くなる」と親心から彼を後方に回した。

『SEED DESTINY』では最高評議会議員ではなくなっており登場もしないが、ドラマCDにてとんでもなくはっちゃけた姿を披露、
資産家であり名門のジュール家の跡取り息子であるイザークが仕事に現を抜かして浮いた話を一つも持って来ないこと、そればかりかドルオタ疑惑やゲイ疑惑まで浮上して来たことから息子の好みのタイプを探ろうといろいろな性癖に対応した女性のホログラムを自宅に大量に設置、更にその一つ一つに自ら声を当て、しかも途中から段々楽しくなり当初の目的から脱線してアテレコを楽しみ始める(しかもイザークの発言から以前も度々無理矢理休みを取らせようと横槍を入れていることが示唆されている)という本編からは全く想像のつかない(しかし親バカ加減はある意味本編通りの)奇行の数々はイザークを心底閉口させた。

+ 劇場版のネタバレ
なんと紫服議員として再登場、かつてクーデターで失脚させられたカナーバと共にラメントを脱出させた。
しかも「国防委員長のクーデターにより、後々復権の為に準備するとしても今は一旦身を隠しつつ静観せねばならない」という緊迫した状況下で、イザークの隣にいたシホを一瞥し(その子がお嫁さんなの?)という視線をイザークに送り、イザークから(ただの部下です。やめてください)との視線を送り返されるという余裕のあり過ぎる様子を見せた。

なお、『SEED FREEDOM』では同じくCVが兼役のキャラクターは独立する形で声優が変更される中、三石氏は「エザリアの声は自分がやる」と聞かなかったという。


  • タッド・エルスマン
CV:中嶋聡彦(マードックと兼役)
『SEED』時のプラント評議会議員。フェブラリウス市代表。青緑服。
専門は医学・生化学・生体工学系。
ディアッカ・エルスマンの父。ウェーブのかかった茶髪の長髪の人物。
当初は過激派だったが、息子ディアッカがMIAとの報告を受けて中道穏健派に転向した。
小説版によると、ディアッカのザフト軍入隊は「向いていない」との理由で反対だったらしい。


  • ユーリ・アマルフィ
CV:千葉一伸(ノイマンと兼役)
『SEED』時のプラント最高評議会議員。マイウス市代表。紫服。
専門は機械・ロボット・材料工学と冶金学系。MS開発にも深く関わっているという。
ニコル・アマルフィの父。ニコルより濃い緑色の髪をオールバックにした人物。
こちらはタッドとは逆に愛息の戦死の報を受けて穏健派から過激派に転じた。
フリーダムの強奪を手引きしたラクスのことも(立場上仕方ない面もあるが)多くの若者がプラントの為に命を張る中で何故それを裏切る真似ができるのか分からないと怒りを滲ませていた。
血のバレンタイン以来根強い「核の恐怖」よりも一度は忌避した「核の力」を取り「Nジャマーキャンセラー」の投入を決定したのも彼で、それは息子のような犠牲はもうたくさんという悲痛な思いからでもあった。

なお、ネット上では「NJCの開発者」との記述が散見されるがソースが不明。
上記の通り劇中では「NJCの投入に踏み切った」という台詞や、下記のようにNジャマーの開発者には設定があるがNJCの開発者の設定は不明瞭。
情報求む。

+ 劇場版のネタバレ
直接は登場していないが、なんとデュエルブリッツとライトニングバスターの改修に関わっているという設定がある。
喪った息子の愛機を象った武装を、その戦友の愛機に組み込んだ彼の心境は如何なるものだったのであろうか……。


  • ロミナ・アマルフィ
CV:永島由子
ニコルの母にしてユーリの妻の一般市民。ボリュームのある長い緑色の髪の女性。
息子と似て穏やかで優しい人柄だったが、ニコルの戦死の報を受け彼のピアノの前で泣き崩れる場面がある。
おそらくはその少し前にヴェサリウスの本国帰還時の休暇で一時帰宅した時が最後の会話だったと思われる……。

アニメでは以降の言及は無いが、小説版ではジャスティスを受領したアスランとユーリの会話の場面にて、ニコルの戦死以降塞ぎ込んでしまったことが語られている。


  • アリー・カシム
CV:諏訪部順一(スティングと兼役)
『SEED』時のプラント最高評議会議員。ヤヌアリウス市代表。青緑服。穏健派。
専門は微細工学。名前からして中東系なのだろう。

『SEED DESTINY』の時代でも最高評議会メンバーに留任している。台詞があったのも同作から。


  • ルイーズ・ライトナー
『SEED』時のプラント最高評議会議員。ユニウス市代表。青緑服。急進派。
専門は農業系・社会工学。
レノア・ザラと親友同士だった壮年女性。

『SEED DESTINY』の時代でも最高評議会メンバーに留任している。資料によってはこの時点までに穏健派に転じている。
これといった活躍は無いが、実は終戦協定締結時にカガリと握手している人物である。
もしかしたらデュランダル亡き後の臨時議長になっていたのかも。


  • ジェレミー・マクスウェル
CV:(台詞無し)
『SEED』時のプラント最高評議会議員。クインティリス市代表。青緑服。急進派。
専門は化学系。
ストライクの強奪に失敗したクルーゼ隊の赤服メンバーの一人、ラスティ・マッケンジーの父。ザラ派。
苗字が異なるのはナチュラルに対する意見の相違により離婚しラスティは母方に引き取られたため。

……との情報がネット上ではまま見られるがこれまたソースがはっきりせず、大概の資料集では詳細なプロフィールが何も乗っていないという扱いが多い。
情報求む。


  • オーソン・ホワイト
CV:田中一成
角刈りとがっしりした輪郭の男性。
『SEED』時のプラント最高評議会議員。セクスティリス市代表。青緑服。中道急進派寄り。
専門は物理学・数学系。
画像検索しても全く出て来ないくらい地味だが、実はNジャマーの開発者というC.E.史の非常に重要な人物の一人。「21世紀のトレノフ・Y・ミノフスキー博士」……というには流石に地味過ぎるか

『SEED DESTINY』の時代でも最高評議会メンバーに留任している。


  • ヘルマン・グールド
CV:川津泰彦(アデスと兼役)
『SEED』時のプラント最高評議会議員。オクトーベル市代表。紫服。急進派。
専門は人文科学。『SEED』時の評議会議員で唯一の文系である。
ザラ派を通り越して「パトリックの熱烈なシンパ」との設定があり、オルバーニの譲歩案が提出された際は他の急進派共々「こんなのは(スピットブレイクを遅らせるための)時間稼ぎに過ぎない」と強い語気で一蹴した。


  • パーネル・ジェセック
CV:望月健一(イケヤと兼役)
『SEED』時のプラント最高評議会議員。ノウェンベル市代表。青緑服。穏健派。
専門は多目的実用生産工学。
実はパトリックとシーゲルの旧友。もしかしたら黄道同盟設立メンバーかもしれない。

『SEED DESTINY』の時代でも最高評議会メンバーに留任しており、時々デュランダルに名前を呼ばれる場面がある。


CV:池田秀一 (説明不要)
『SEED DESTINY』時の最高評議会議長。専用の執務服を着用しているがどうやら青服に当たる模様。
カナーバ臨時議長から評議会議長を引き継ぎ、新たなプラントの元首として平和に向け邁進……しようとしたところで二度目の大戦という難事に直面する。
「あくまで自分は(パトリック・ザラ元議長などとは違う)穏健派であり、戦争は本意ではない」という姿勢を徹底したことでプラントは勿論地球の市民からも人気と信頼を獲得するが……。

詳細は個別項目を参照。


  • ノイ・カザエフスキー
CV:早水リサ(シンの母と兼役)
『SEED DESTINY』時のプラント最高評議会議員。青緑服。穏健派。
金髪をオールバックにしており、台詞や名前を呼ばれる場面もままあるなど比較的目立つ。

『SEED FREEDOM』にもチラっと登場、最高評議会メンバーに留任している模様。


  • タカオ・シュライバー
CV:今村直樹
『SEED DESTINY』時のプラント最高評議会議員にして国防委員長。
口ひげを蓄えた男性。
仮にでもザフトの全権を預かる者の筈だが、「連合が理不尽な理由で宣戦布告し、月艦隊が今にも動き出そうとしている状況でも対話路線のデュランダルに言い負かされる」「デストロイの前に壊滅状態のユーラシア部隊の撤退を進言するも『下がってどうする。下がれば解決するのかね?』と言い返され二の句を繋げられなくなる」「(ミネルバが急行してはいるが)『インパルスしか稼働機が無いミネルバが行ったところで……』と不安がる」など、デュランダルの圧に負ける場面が目立ち覇気や威厳は無い。
前任者と後任者が滅茶苦茶濃いこととそれらと違って物語に絡んで来ないこともあって非常に地味。
尤もこれはプラント始まって以来、少なくとも劇中で描かれている範囲ではクーデターも暴走もしでかさなかった唯一の国防委員長ということでもあるので悪いことばかりでもない。いやまぁそれが普通なのだが


  • ジョージ・アダマン
  • クリスタ・オーベルク
  • エドアルド・リー
  • アセン・クラーゼク
  • リカルド・オルフ
その他の『SEED DESTINY』時のプラント最高評議会議員。
前者2名は青緑服、後者3人は紫服。いずれも穏健派。
『SEED』時のような主要キャラとの関わりも重要な裏設定も目立つ場面も無いためほぼ外見と名前の設定があるだけの人物。


  • ワルター・ド・ラメント
CV:藤真秀
『SEED FREEDOM』時の最高評議会議長。51歳。中道穏健派。
灰色の口ひげを蓄えた温和な壮年男性。青緑服。
デュランダルの後を継ぐ形で議長となり、プラントの運営を務めている。
「穏健派寄り」故に相次ぐブルーコスモスの攻撃に激怒するジャガンナートを宥めつつも彼らの怒り自体は尤もと考えており、相手が相手故に受動的にしか動けない現状を苦々しく思っている。
キラを争いごとは似合わなそうなのに、ブルーコスモス残党との闘いを全て一人で抱え込もうとしているように見える、少し不思議な雰囲気の男と評するなど人を見る目は中々。

しかしフォスター大統領からあらぬ疑いを掛けられた上にカガリの無駄に強気な発言には流石に腹に据えかね、コンパス脱退を示唆し……。


  • ハリ・ジャガンナート
CV:江頭宏哉
『SEED FREEDOM』時の国防委員長。39歳。あれだけのことがあって尚未だ急進派
薄茶色の髪とちょび髭の男性。ザフト軍中佐。
一言で表せばパトリック・ザラの亡霊
プラントでの会議では度重なるブルーコスモスのテロ攻撃に激怒し、更にそれに反撃しようとする現地ザフト軍をキラが制止したのを激しい口調で非難するも一応は相手を役職付きで呼ぶなど最低限のラインは弁えていたが、
その実は「コーディネイターこそが新人類、コーディネイターこそが優良種」「コーディネイターを虐げて来たナチュラルへの恨みは決して忘れない」という思考に凝り固まっており、これまでの二作品でキラ達が戦って来た「差別問題」と「復讐の連鎖」という二大難問が未だ解決され切っていないことを示すキャラクターと言える。
実はファウンデーション王国と内通しており、中盤約1年振り3回目のクーデターを起こす。



作品外のプラント

例によって例の如くスーパーロボット大戦シリーズ初参戦作『第3次スーパーロボット大戦α~終焉の銀河へ~』での扱いがかなり強引なのは語り草。
本作でも原作と同様にL5のコロニー国家だが、三部作+外伝一作の第三部で急遽参戦した関係でコーディネイター共々世界から隠蔽され、αナンバーズさえその存在を知るものは僅かだったという宇宙世紀やマクロスシリーズ、『トップをねらえ!』等々が参戦し宇宙進出や異星との交流も盛んなα世界では些か無理があると言わざるを得ない設定になっている*6
つまりバルマー戦役や封印戦争といった地球規模の大騒動を誰にもその存在を勘付かれることなく自力で凌ぎ切った訳で……
『SEED』の本編以前の歴史を語る上で決して欠かせない「Nジャマー散布」も実施されず、プラントの周辺に設置されているのみという扱い。

天然モノの新人類も地球以上の技術力を持った異星人も当たり前に存在するα世界にあってパトリックは原作と同様「コーディネイターこそ進化した人類である」「ナチュラルは全て敵」という持論を曲げず、
「地球のゴタゴタがやっと片付いたので、いよいよ外宇宙から迫る脅威に備え団結しよう!」という流れでいきなりしゃしゃり出て「外宇宙の脅威の前にまずはナチュラルという脅威を取り除く!!」と主張して同じ地球人に攻撃し始めるパトリック(と原作通りザラ派に支配された原作後半のプラント)は、
劇中のキャラからもプレイヤーからも「この有様では何のための『人の心の光』だか分からん」「これではシャアもハマーンもガトーも浮かばれん」と顰蹙を買っており、概ね空気の読めないハタ迷惑な連中のような認識で一致してしまっている。
パトリック・ザラの当該部分も参照。
長きに渡ったαシリーズもいよいよクライマックスというタイミングでの急遽参戦だったので仕方ないと言えば仕方なくもあるのだが。


作品世界そのものが『SEED』を中心に構築された(なんと年表自体が『C.E.』である)『スーパーロボット大戦J』ではいくらか自然かつ原作に忠実な描かれ方になっており、
原作通り連合・プラント間の戦争が始まりやがて膠着状態になっていた所に木星トカゲ等が乱入、更に混沌とした状況に……という所から物語が始まっている。
コーディネイターとナチュラルの長きに渡る対立も最初から存在することになっているのと、αの様に外宇宙との交流が盛んな世界でもないため、「異星からの侵略を受けている以上地球人同士で争っている場合ではなく、これからは皆一丸となって頑張りましょう」……とは素直には行かないことが作中の登場人物からも理解を示されている
終始KYな連中と見做され続けた前作とは真逆の扱いである。
因みに本作にはガンダムシリーズの参戦が『SEED』だけなので宇宙世紀組を始めとする他のガンダム勢からのプラント評はない。

珍しい事にNジャマー散布は前史ではなく本編中の出来事(正確にはストーリー自体が『SEED』の前日談の裏話的なところから始まっている)となっており、一度火星に行っていた主人公部隊が地球に戻ってみればNジャマーが散布されていた……という珍しい描かれ方になっている。
……が、原子炉動力機や必殺技が核ミサイルのロボが何の影響も受けていなかったり

因みにNジャマー散布は『スーパーロボット大戦W』でも行われており、こちらは日本こそ光子力エネルギーゲッター線のお陰で被害は抑え込まれているが世界的にはC.E.同様エネルギー危機に陥っている。


スーパーロボット大戦Z』では新地球連邦*7に対抗する目的でエゥーゴアクシズ、宇宙革命軍とデュランダル政権プラントの連合というZ』、『X』、『SEED DESTINY』の宇宙側勢力オールスターと言うべき勢力「アプリリウス同盟軍」を、その名の通りアプリリウスで結成している。
更には主人公部隊ZEUTHとも同盟し、一時はその監督的立場すら務めていた。
ゴタゴタの多いZシリーズだけあって、デュランダルの広報戦略によって地球市民の多くから支持を得るものの、後にデスティニープラン発表とデュランダルの強硬派転向に反対したエゥーゴが脱退、ZEUTHとも険悪になり、ifルートではアクシズも同様の理由で脱退したことで最終的には宇宙革命軍残存勢力をデュランダルが掌握、実質ザフトに吸収される。

以降徐々にザラ派の流れを汲む過激派が勢力を増して行き、『天獄篇』ではなんとレイが国防委員長に就任、しかも事実上のプラントの元首のような立場になるが、最終的にはレイはZ-BLUEに合流、原作通りクライン派による清浄化が為される。


スーパーロボット大戦UX』ではなんと『SEED DESTINY』後に最高評議会に招聘されたラクスが議長になっている設定。
ラクスの指示によりレクイエムの修復が行われているが……。


F.E.A.R.のTRPG『メタリックガーディアンRPG』に登場するコロニー国家「聖ティプトリー共和王国」はプラントがモデルと見られる。
宇宙に進出し新たな感覚を芽生えさせた特異能力者「スターゲイザー」の最初の一人、「アーシュラ・ティプトリー」を信仰する宗教国家に近い性格を持つという点は独特だが、
「L5宙域に存在する」「天秤型コロニー国家」「少ない国力を補うために『他の機種を再現できるバックパックを装備する』事と『実弾武器をほぼ無効化する装甲』を持つ独自ロボを持つ」「そのパイロットは『天然の新人類』or『遺伝子調整された人工の超人』」といった点はプラントを思わせる。

宗教国家的な部分は「ザンスカール帝国」の要素かもしれない。








目標はプラント(ガンダムSEED)だ!
あの忌々しいクソ項目! 一文字残らず全消しするんだ!

だからさっさとクソ項目を削除して、早く次の楽しいステップに進みましょうよ。
我々ロゴスのための美しいwiki、『新たなサイトシステムの構築』という、ね!!

さあ行け! 我らの項目よ!
嘆きの声を忘れ、真実に目を瞑り、またも欺瞞に満ち溢れる記事を! 今度こそ追記修正するのだ!


追記修正はプラントとコーディネイターを想い、そして過激な行動に出ない方にお願いします。



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最終更新:2025年08月10日 03:40

*1 そもそも『SEED』の世界では「宇宙市民」そのものと地球市民の間にそこまで大きな軋轢は描写されていない。

*2 因みに国家元首が「評議会議長」の国は共産・社会主義国家でよく見られる。また「首相」の正式名称が「閣僚評議会議長」の国家もフランス・イタリアなどヨーロッパを中心にままある。

*3 一部の設定が整理・変更されたHDリマスターを経た『SEED FREEDOM』公開後現在でも有効か無効かは不明だが、画集『RGB』によるとキラの世代が老境に差し掛かった時代では結局コーディネイターはその数を大きく減らし、「自然保護団体」に回帰したブルーコスモスに保護されているという現在と真逆の有様になっている。

*4 動力源だけは設置箇所の問題で解体できなかったため、ビーム砲としての機能だけ無効化しエネルギープラントとして運用することになっていた。

*5 ガンダムシリーズでは『V』以来端役で何度か登場しており、今回が初(そして結果的に最後)の主要登場人物役となった。

*6 プラントの歴史がα世界でも完全に同一とすると、プラントが大規模化し始めたC.E.40年前後は、ルナツーが月軌道に持ち込まれたりジオン・ダイクンがジオン共和国を宣言した時期辺りに相当する。その後の約30年間で様々な勢力が火星や小惑星帯に基地を建設したり資源用の小惑星を開発・地球に移設したり(おそらくプラントもその一つ)マクロスが落下して来たりと、せめて月軌道辺りまでの宇宙はよく監視する必要があっただろう時期にあってL5という目立つ位置にあるプラントが「気付かずに通り過ぎる・見逃す」「遮蔽物に隠れて見えにくかった」とは考えにくい。

*7 本作ではA.W.の新地球連邦を中心に、U.C.の地球連邦とC.E.の地球連合と『交響詩篇エウレカセブン』の塔州連邦が合体した組織となっている。