SCP-1645-JP

登録日:2020/04/25 Sat 16:10:10
更新日:2025/02/13 Thu 00:17:14
所要時間:約 5 分で読めます




—警告—

当報告書の説明セクションにはミーム異常を有する情報が含まれているため、指定された対抗ミームの接種を行った職員にのみ閲覧が許可されます。

アクセスが承認されました。


SCP-1645-JPとは、シェアード・ワールド『SCP Foundation』に登場するオブジェクトのひとつである。
JPのコードが示す通り、日本支部生まれである。オブジェクトクラスは「Euclid」。
無のコンテスト19の「虚無賞」受賞作品でもある。

特別収容プロトコル

  • このオブジェクトに関する情報は見つけ次第削除。
  • このオブジェクトによるミームの感染者を見つけたら確保して記憶処理、二次感染を阻止。
  • ██町および1000日以上無死亡事故記録を継続している全ての地方公共団体で発生した事件・事故の情報を監視。
お分かりの様にミーム系のオブジェクトである。どこか危険な雰囲気を感じないでもないが、取りあえず対処は可能らしい。
最後が何か気にならんでもないが。

概要

SCP-1645-JPは2019年8月1日に北海道██町の役場前交差点で発生した交通死亡事故である。走行中の軽トラックに、██町在住の雪島君葉(以後SCP-1645-JP-1と表記)が跳ねられ死亡、運転手の男性も怪我を負った。事故現場は見通しが良く、SCP-1645-JP-1の飛び出しが事故の原因とみられている。

この事故以前に██町で交通死亡事故が発生したのは1992年3月15日が最後で、以後9999日間死亡事故は1回も発生していなかった。そのため8月3日と4日に交通死亡事故ゼロ記録10000日達成を記念するイベントが開かれる予定だった
が、SCP-1645-JPが発生したため中止された。

どう見てもただの交通事故である。一見すると財団が介入する余地は無いようだが、しかし悲劇はここから始まった。

概要その2

SCP-1645-JPは事件の概要を認識した人物に、SCP-1645-JP-1やその近親者に対する強い憎悪・害心を発生させるミーム的な異常性を有している。このミームは適切な対抗ミーム処置が行われていない限りは98.7%の確率で感染する。

つまりほぼ影響からは逃れられない

やがて感染者はSCP-1645-JP-1やその近親者に対して様々な形で危害を加える様になるが、何故か加害者である男性に対しては見向きもしない。
ちなみに危害を加えた理由を聞くと
『交通死亡事故ゼロ記録』10000日達成を妨害した罪は重い
と言うコメントを残す。以下はその二次被害の一例である。

  • 口頭会話やインターネット上でのSCP-1645-JP-1や関係者に対する誹謗中傷、デマの拡散。被害者であるSCP-1645-JP-1をネタにしたネットスラングの発生。
  • SCP-1645-JP-1の母親への殺害・傷害未遂*1
  • SCP-1645-JP-1が住んでいた住宅への建造物破損行為、および放火未遂。
  • 町民の男性が「今度は10000日連続交通死亡事故達成を目指そうとした」と言う理由で中央通り周辺を通行中の町民7名を次々とはねる。
  • 大阪府██市で29歳の女性が8歳の娘を殺害する事件が発生。容疑者は動機について「娘が車好きで██市もまた無死亡事故記録を更新中なので、いつか娘もあのような犯罪を起こすのではないかと怖くなった」と供述している。
そのほか消防署に苦情が殺到したり役場の職員が無許可でSCP-1645-JP-1とその家族に関する記録を全消ししたり・・・

ど う し て こ う な っ た。

しれっと全国に影響広まってるし・・・。

発見経緯

北海道██警察署に潜入中の職員が署員や町民の異変を報告したこと、同時期にインターネット上でSCP-1645-JP-1への誹謗中傷が圧倒的に増加したことから財団の注意をひき、収容へと繋がった。
既に影響は北海道全域はおろか日本全国に拡大していたが、財団は北海道全域へのクラスB記憶処理剤の散布と大規模なサブリミナル記憶処理を実行。12日でSCP-1645-JPの情報とミームの影響を完全に消去した。
自動的に事故の事実は無かったことになるため、財団は記録を改ざんして██町が2019年8月1日に死亡事故ゼロ記録10000日を達成した事にした。


補遺

SCP-1645-JP-1の母親である雪島天子氏が首を吊って自殺しているのが発見された。遺書にはSCP-1645-JPを連想させる記述がある。

記憶処理とカバーストーリーの適用があったにも関わらず、である。

以下は遺書に書かれていた文章である。
君葉の人生と、皆さんが27年間積み重ねてきた「何も無い」が一瞬で台無しになったあの日の事を、私には無かった事にはできません。

ちなみに財団の調査によると、██町で自殺者が発生したのは999日ぶりである事が判明した。つまり██町は自殺者ゼロ記録1000日達成を逃した訳である。

財団は確かに「異常」を消し去る事が出来た。
だが「日常」を消し去る事は出来なかった。

何ともやり切れない結末だ…。













‎・・・ん?





またゼロ記録の達成に失敗した?

999日で?





















SCP-1645-JP
・██町交通死亡ゼロ記録9999日達成




追記・修正は9999日間お願いします。


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最終更新:2025年02月13日 00:17

*1 なお、SCP-1645-JP-1の父親は2015年に死亡しており、SCP-1645-JP発生時点では母子家庭だった。