東京タワーに白旗あげろ(マイティジャック)

登録日:2020/07/01 (水曜日) 13:14:52
更新日:2020/07/02 Thu 00:49:01
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恐怖の一夜が明けた!今、東京は突然姿を現したロボットによって、完全に支配されています

東京は、チェコ・スロバキアと同じ運命にさらされたのです!


『戦え!マイティジャック』の第22話。

家族、恋人、仲間。誰であっても大切な人はいる。
例えそれが、悪党や悪の秘密結社の一員であっても。


【ストーリー】

レストランで、ボーイと何やらやり取りをする女性。
それを見ていた泥棒・黒井(演:世志凡太)はボーイに大金を渡してその情報を買い上げ、手下に重要そうな荷物を盗ませる。
果たして、中身は金塊か、それとも麻薬か……。期待に胸踊らせながら開けてみると、中に入っていたのは正体不明の機械の部品であった。
落胆し、泣きたい気持ちになる黒井だったが……

ようし…。こうなったら、舌先三寸……!

シルクハットにタキシードという怪しい出で立ちで防衛庁に自転車で乗り込んで売り付けようとするが、あえなく玉砕。
続いて、情報屋を名乗ってマイティジャックに近づくが、やっぱり相手にされずに去られてしまう。
がっかりしながら隠れ家に帰ると、何と手下たちが何者かの襲撃を受けて殺されていた。
マンションのエレベーターの中で居合わせた女性にハンカチを渡されて慰められた黒井は、行動を開始し、再びマイティジャックの元へ向かう。

マンションの一室では、怪しい女性たちが集まって何かを報告していた。

赤羽工場は、例の取り返した部分の組み立てを急いでいます

青山工場、池袋工場は各パーツの組み立て終わりました。羽田工場、上野工場は動力系統の部分ですので、2時間後に

あの泥棒紳士のために予定が狂ったわね……、ギリギリよ

この報告を受けている女性ボスは、先ほどのエレベーターの中にいた女性だった。
実は、彼女らはマイティジャックとの戦いで命を落とした「秘密結社Q」のメンバーの妻や恋人たちであり、マイティジャックへの復讐を目論んでいたのだった。

そして、ついに彼女らの切り札である巨大ロボット「ビッグQ(クイーン)」が完成し、深夜の街に出現する。
黒井たちが盗んだ部分は、このビッグQの部品だったのだ。

マイティジャックは、ビッグQの内部に潜入して小型爆弾を仕掛ける作戦を立てるが、ビッグQはビルを破壊し、マイティジャックに降伏を迫る。

マイティジャック、降伏しなさい

朝まで待ちます。降伏の合図に、東京タワーに白旗を上げなさい

当然、このような要求に屈するはずもなく、マイティジャックは攻撃を開始。
ビッグQは全くこたえずさらに進撃を続けるが、道路に撒かれた油で滑って動けなくなってしまう。
先ほどの攻撃は囮で、その間に道路に油を撒いていたのだ。
そして、ビッグQが停止した隙を狙って源田が内部に潜入する事に成功するが、連絡が途絶えて朝になってしまう。

その後、朝までは沈黙していたビッグQだったが、黒井が勝手に白旗を上げてしまう。

私たちの目的は終わったわ……

マイティジャックのために、南の海で散った私たちの夫や恋人たちもこれで……

それを見た女ボスは勝利を確信するが、黒井が白旗を上下させるという挑発を行ったために本格的に破壊活動を開始してしまう。
自衛隊の戦車部隊の攻撃をものともせずに暴れ回るビッグQだったが、そこに脱出した源田が現れ、小型爆弾のスイッチを入れるとビッグQは倒れ、機能を停止した。
手下たちの仇を討った黒井は、大喜びでマイティジャックの元を訪れるのだった。


【登場怪獣】

◆鋼鉄巨人ビッグQ(クイーン)

出典:戦え!マイティジャック/円谷プロ/第22話「東京タワーに白旗あげろ」/1968年11月30日放送


身長:55m
体重:7万8000t
出身地:Qの秘密基地


【概要】

マイティジャックとの戦いで命を落とした夫や恋人の復讐を企む「秘密結社Q」の女性メンバーが、秘密裏に造り上げた巨大ロボット。
マイティジャックに察知されないように、パーツごとに赤羽、青山、池袋、羽田、上野と各地に分散して組み立てていた。
搭乗口は右足に乗降用のタラップがあって、そこから搭乗する。
操縦するのは4人の女性メンバーで、モニターで外を見ながらダイヤルとボタン操作で操縦する。
外部へのマイク機能や、侵入者を知らせる警報装置も完備している。

姿形はレトロなロボットのおもちゃのようで、光線やミサイルのような武器は搭載されておらず、頭の巨大サーチライトで周囲を照らしながら、ペンチのような両手を振り回して破壊活動を行う。
動きも決して素早いとは言えず、鈍重だが防御力は非常に優れており、自衛隊の戦車部隊の一斉攻撃を受けてもびくともしなかった。

最後は、源田隊員が内部に仕掛けた爆弾が爆発し、内部崩壊を起こしてうつ伏せに転倒して完全に機能を停止した。


【その他】

この作品は、世志凡太氏演じる黒井の走る時にタラちゃんのような効果音が鳴る、やたらと大げさな芝居がかった演技、ビッグQに踏み潰されてもカートゥーンのように元に戻るという、過剰にも見えるコメディー的な演出に隠れているが、その本質にあるのは「復讐の連鎖」である。
マイティジャックとの戦いで未亡人となった女性メンバーの復讐から、それに関わってしまって手下を殺された黒井の復讐に繋がっているのだ。

一見、100%コメディーにしか見えない黒井の行動は、実は全て「マイティジャックを利用して復讐しようとしている」という事に繋がっている。
それは、白旗を上下させる挑発行為に特に現れており、一見意味不明な行動に見えるが手下の復讐をしたい黒井にしてみればあのままマイティジャックとビッグQがにらみ合いをしていては困るわけで、何としても戦ってもらわなければいけないのだ。

マイティジャックは黒井の正体や目的を最後まで知らず、結果だけ見れば見事に復讐を成し遂げた黒井の一人勝ちとも言える。
ラストだけ見ると悪のロボットが倒れたハッピーエンドに見えなくもないが、実際はマイティジャックを利用した黒井の復讐が成功しただけとも言え、決して単純なハッピーエンドとは言えないものである。

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最終更新:2020年07月02日 00:49