ベリアロク(ウルトラマンZのエピソード)

登録日:2020-10-24 12:22:04
更新日:2020/11/22 Sun 14:22:15
所要時間:約21分で読めます






「ベリアロク」とは『ウルトラマンZ』第17話のサブタイトルである。
劇中に登場する剣の名前でもあるが、此方では同名のエピソードについて扱う。武器の方のベリアロクについてはデルタライズクローを参照。
脚本:中野貴雄 監督:越知靖

概要

獅子の声の続編…というか直後の話であり、タイトル通り、まだまだ謎の多い幻界魔剣ベリアロクにスポットを当てたエピソードで、バロッサ星人とジャグラーを交えた剣の争奪戦を描く。
しかし、ご存知宇宙の大悪党であるベリアルに似たベリアロクは「悪党には仕えない」と言う様なタイプではなく……

あらすじ

悪意と機械による暴走からホロボロスの魂を救ったゼットとハルキ。
しかし、余韻に浸る間もなく上空から弾丸の雨が強襲。
見上げた空からは見覚えのある影が飛来し……

バァールバルバロッ…(グキッ!) いってぇ!?

アイタタタ……腰痛めた………あっ。

……聞いて驚けェ!俺は宇宙の大海賊・バロッサ星人!!

銀河のお宝を奪い尽くす…それが俺達の、掟だ……!

見覚えのある羽を生やしてこれまた聞き覚えのある魔人でも登場しそうな時のBGMをバックにしながらヒーロー着地に失敗し生々しい音と共に足腰を痛め、思わずゼットも困惑せざるを得ない出オチを披露したが、仕切り直して現れたのは海賊宇宙人バロッサ星人
転がっていたギルバリスの腕をグローブよろしく装着すると派手に行くぜとばかりに襲ってきた。
メツボロスとの戦いで既にカラータイマーも限界であり、バロッサ星人の戦闘スキルとギルバリスの武器も相まって苦戦を強いられるゼット。
バロッサ星人が狙いであるベリアロクに手を掛けた瞬間稲妻が走り…

俺様に手を触れる前に一つ聞く。俺様を手にしてお前は何をする?

よくある意思のある武器としてはここで「正義に背くものに使わせてたまるか」と突っぱねる所だが、どういう訳かベリアロクは自身を狙うバロッサ星人にすら「自分を手に入れて何をするか」を尋ね始めた。
「邪魔する者はぶった斬り、宇宙の全てを手に入れる」と聞いたベリアロクはそれに興味を示し、バロッサ星人をも新しい主と認めてしまう。
ベリアロクのおかげで何とか満身創痍でも戦えていたのに武器を奪われては一溜りもない。

剣にエネルギーを溜め衝撃波を飛ばす伸ばさないしウェーブでもないファイナルブレイクを繰り出されたちまち防戦一方になり、剣を持ってんのにパンチでトドメを刺されそうになった瞬間急に剣が重くなり叩き付けられるバロッサ星人。

お前の攻撃はつまらん。もっと面白いものを斬らせろ。

気に入れば気まぐれに力を貸すが、逆に言えば機嫌を損ねれば突っ撥ねるのがこのベリアロク。
もっと面白い物を斬りたいと飛び去っていかれた上にゼットにもこの隙に逃げられてしまった。



フッ…おいおいセレブロ。グズグズしてるから尻尾を掴まれてるじゃないか。

一方ストレイジのメインルームでは、ヘビクラ隊長がベリアロクに興味を示しながら本部からの連絡を眺めていた。
今までの不審な行動が祟って服務規律違反者として防衛軍からマークされたカブラギの手配書を見てほくそ笑んでいる所にユカが戻ってくる。
救護班から聞いたユカの報告曰くハルキもヨウコも大した怪我はないが療養が必要だと病院送りになり、キングジョーSCもメツボロスとの戦いで回収・修復作業中、セブンガーも博物館へ送られた今残っているのはパイロットのいないウインダム一機だけだった。
手をこまねいている所にAIが刀の様な物体が街に飛来した反応をキャッチ。
直後にユカのタブレットにハルキが病院から脱走したとの連絡が入る。
ヘビクラはユカに半径2キロの住民の避難を命令するとちょっとトイレ……ではなく物体の落ちた現地へと向かっていった。

その頃、等身大に戻ったバロッサ星人も落下したベリアロクを見つけていたが、到着早々「お前、バカなのか?」と煽られた挙句、「まぁな…ってコラ!」引き抜こうにも使い手は自分自身が決めるとテコでも動かない。

…あれ?抜けない。まだ強情張る気かよ、この顔野郎!おいその顎外すぞ!

そこへ脱走したハルキが到着。
海賊らしく奪ってみろとギャラクトロンベイルを構え襲ってくるバロッサ星人に生身で応戦するハルキだが流石に武が悪く、武器に直接パンチをして怯んだ辺りから戦況が動き転んでしまう。
トドメを刺そうとバロッサ星人が飛びかかった瞬間、どこからともなくあの魔人が割って入り、斬撃でハルキを庇った。

またお前か、トゲトゲ宇宙人!

もっとマシな呼び方はねぇのか…?

怪しい縁の相手とはいえまずは礼だろ、というツッコミは置いといてジャグラーもベリアロクを狙っているらしく、バロッサ星人をガン無視しながら自身の蛇心剣との手合わせを申し出る。
興味を持ったベリアロクもこれを買い、使えるなら何でもいいとしたバロッサ星人を仮の主として斬りあった。「行くぜ行くぜ行くぜェェ!!」
いくら武器がいいとしてもチンピラと歴戦の剣士では純粋な力に差がありすぎ、ファイナルブレイクを乱打するも全てを剣で受け止められ、逆にエネルギーを吸収して上乗せされた新月斬波をお返しされ勝負自体はあっさりと決着が着いた。
バロッサ星人の手から離れたベリアロクはジャグラーにも同じ問いをする。

俺はこの宇宙がどうなろうと関わりないし、闇だの光だのにも興味はない…。「風の吹くまま気の向くまま」さ。

だが…斬ってみたいヤツらはいる。

「あてのない旅」としつつもその答えを面白いとしたベリアロクは、ジャグラーにも自身を持つ事を許す。
「剣を返せ、泥棒」と迫るハルキにも「剣が俺を選んだんだ」と飄々と返すとどこかへ行ってしまった。

呆然とするハルキだったが、剣を取られた上すっかり蚊帳の外にされていたバロッサ星人が憤慨。
「デカくなって全員ぶっ潰してやる」とジュラン*1の種を取り出すと顔の渦巻きを舌のように使い飲み込んで巨大化した。

バールバルバロッサ…!イカが?

ひとまず応戦するべくゼットライザーを構え、何故か足元に展開したヒーローズゲートに吸い込まれるとアルファエッジへと変身。

来たかウルトラマンゼット…兄者の仇!

やはりあの時の個体の弟だったらしく、ギルバリスの腕を呼び出して応戦してくるキレの良さに対抗し、兄を撃破したM78流・竜巻閃光斬を発動。
しかし、あろう事か至近距離で放ったにも関わらず、真正面からあっさりと切り払われてしまった。
直後にキーラフラッシュで目潰しを喰らうも、そこへ同じく病院を抜け出したヨウコがウインダムに乗って推参。レーザーショットでバロッサ星人を怯ませるもやはり兄よりも強い個体には苦戦を強いられる。
一かバチかやるしかないとヨウコはウインダムの必殺技の起動準備をする。
アンリミテッドモードに切り替えたかと思うとセブンガーを模したストレイジのロゴがトサカに輝き、何処ぞのバンク映像のように決めポーズを取ると…


うおおおお!!ウインダム・ヨウコインパクトォォォ!!

頭部を破壊するのはやめてくれぇぇぇぇ!!

バァァニングエンドォォォッ!!

ウインダムの全エネルギーを右手に集中させて赤熱化させ、敵の頭部に叩き付け爆破する既視感バリバリの奇策でバロッサ星人を撃滅した。怒られるぞマジで。
ゼットと健闘を称え合うウインダムだったが、突如無数の紫色の触手が強襲。
ゼットを庇ったウインダムは倒れてしまう。

ヨウコ先輩ッ!!

バ〜ロバロバロ…ヘッ、ざまぁみろ!さっきはよォ、くだらねぇ技使いやがって。

もう……イヤんなっちゃう。

アフロの様な煙を噴出しながら頭部が少々焦げただけで生きてました。
そのくだらねぇ技、アンタと同じ声の奴がパロ元なんだけどね…。
怒りに燃えるゼットはデルタライズクローへと変身。
ペダニウムランチャーを構えたバロッサ星人の空中戦をものともせず目から血走る様な稲妻を光らせながら蹴り落とすと頭を鷲掴みにして全力のパンチを叩き込もうとする容赦の無さを見せるが、「大人しくしなけりゃアイツ(ウインダム)がぶっ壊れる」とウインダムを先程の触手で拘束し、ウインダムとヨウコを人質にする事で無理やり形成を立て直す。

ウルトラ卑怯だぞ…!正々堂々と戦え!!

あぁもうイヤんなっちゃう。 卑怯もラッキョウもあるか!たっぷり礼をさせてもらうぜぇ?

弟、二代目、兄とは違う性格に卑怯者と何かと共通点のある宇宙人の様な事をのたまうバロッサ星人になすすべなく殴られるしかないゼット達を、ベリアロクとヘビクラは遠目に眺めていた。
旗色が悪い事に苦い顔をするヘビクラだが、ベリアロクの方は「調子に乗っている時に必ず出来る隙を狙っている」と肩を持つような言葉をこぼす。
その言葉通りハルキもゼットもヨウコを助ける為に最大のチャンスを狙っており、反対にバロッサ星人もどれ程痛めつけても倒れないゼットに焦り始めていた。

何故だ…!?何故くたばらないのだ!?

俺達は…最後まで絶対に……!

諦めない!


動揺から生まれた一瞬の隙を逃さず殴り飛ばし、ウインダムの拘束を外した様子を見たベリアロクは愉快そうに笑うと、「お前の旅も面白そうだが、もっと面白い奴の所へ行く」とヘビクラに彼の正体を黙っている事を約束した上でハルキ達の元へ舞い戻った。
早速手に取ろうとするがやはり稲妻が走り、同じ問いを返されるが、その問いに自信なさげだが真剣な表情で「分かんない」と答えるハルキ。
「分かんないって!?そりゃ全宇宙の平和を…」「黙れ。お前には聞いてない。」


俺達に何ができるか、全然分かんない…分かんないけど!

俺達に……力を貸してください!!

フハハハハ……未熟!お前らは本当に未熟だ…。

…だからこそ、いつか大きくて面白い物を斬るかもしれん。それを見てみたくなった…。


何が出来るかは分からないが力を貸して欲しいと曖昧だがまっすぐな思いをぶつけるハルキに、今は答えの出ない未熟者であるからこそ、幾らでも面白くなりそうな可能性や未来がある事に興味を示し、再び手に取る事を許すベリアロク。

人質もなくなりベリアロクが戻ればもうこっちの物。
圧倒的な力でギルバリスの腕すらものともせずバロッサ星人ごと吹き飛ばすゼット。
「良いも悪いも使い手次第」と悟ったヘビクラは、何処か満足そうに立ち去っていった。
そのまま片手で放った光線に飲み込まれ倒された…と見せかけて(と、実際に言いながら)襲撃時と同じく金色の羽で逃亡を図るバロッサ星人。
当然逃げる悪党を「はいそうですかお達者で」と見送る訳はなくベリアロクを構え、ベリアルの顔を模したエネルギー波を飛ばす正義のヒーローが使っていい様なタイプの技じゃない必殺技・デスシウムファングをお見舞い。*2
ご賞味ください奴の身を~♪


バロッサ。今日はこの位にしとい……えっ?

顔がァァァァ!?バルバルバロッサァァァァァァ!!!!


所詮小悪党が姿だけとはいえ嘗て銀河で大暴れした大悪党の形をした武器の力に勝てる道理はなく、巨大な羽諸共美味しく噛み砕かれ呆気なく兄とは真逆の汚ねぇ花火となって爆散するのであった。

アイツ…なんて言ってたんです?

『大海賊、地球に死す』だとさ。

散り際も面白くないヤツだ。

ひとまず危機が去った事でベリアロクに礼を言い、これからについての挨拶をしようとするが斬りたい時に斬りたい物を斬るというスタンスは変わらないベリアロクは「余韻を台無しにするな」と別次元へと消えていってしまい、肩を竦めるしかないハルキとゼットなのだった。


その夜、地下施設らしき所ではボロボロのセレブロが体を引きずりながら寄生した身体の限界を悟っていた。あれだけ必殺技やら爆発やらに巻き込まれて満身創痍とはいえ五体満足なのも凄い話ではあるが。
そこへ防護服を着た男がセレブロ(カブラギ)を捕獲しようと銃を構えて現れた。
ギルバリスの銃も失った今打つ手はないと思われたが、突如どこかから飛んできた斬撃によって銃は真っ二つになってしまう。
カブラギはその一瞬の隙を逃さず男に飛び掛り組み伏せると

怖くない…あっという間だからじっとしてて……

フフ……フフヒヒヒヒヒ……ヒャハハハハハハ!!!

白目を剥き、口から口吻の様な物体を覗かせて愉快そうに笑った。
その顔はまるでセレブロそのものの様な悍ましい顔付きだった……

そこへ同じく防護服を着た部下らしき青年が到着。
どうやらこの男は隊長だった様だ。
どこかおかしい様子を見兼ねた部下の問いにも答える事なく、隊長は不自然に頭を震わせると…

此方アサノ…。カブラギ・シンヤを確保。これより本部に連行します…。


…ここ何処ですか?何するんですか!?痛いって!

やめてくださいよ!アンタ達誰ですか!?痛い…!

ここで幸か不幸か本来の意識のカブラギが目を覚ます。
当然彼にとっては今までの行動や自身がお尋ね者扱いされているとは知る由もなく、訳も分からぬまま隊員達に乱暴に拘束され連行されていく様を、物陰の暗闇に輝く三日月の様な光だけが見ていた……。


【登場怪獣】

バロッサ星人(二代目)


「おぉ……お邪魔しますっ。派手に行くぜェ!!」

別名:海賊宇宙人
身長:2m(等身大)、53m(巨大化時)
体重:110kg(等身大)、2万5千t(巨大化時)
出身地:バロッサ星
CV:関智一

以前キングジョーと共に地球に襲来し、ウルトラメダルの争奪戦の果てに倒されたバロッサ星人の9999人いる弟の内の1人。
エクセラーやマブゼ(勿論ナツカワではない)ハルキババリューと言った様に近年の異星人は「○○星人××」と星人毎に固有名称がある事が多く、地味に久しぶりの○代目と呼ばれる異星人。*3
彼の事は「兄者」と呼んでおり、何故かオネェみたいなイントネーションの「イヤんなっちゃう」が口癖。兄よりもキャラが濃いのは共通だが流石にあらやだとは言わない。
兄とは異なる部分が多く、具体的には
  • 数々の武器コレクションを持ってる割に自分からみせびからして疲れてる上武器に使われていた兄とは違い武器は数える程しか持っていないが、現地で調達したギルバリスの残骸でゼットと互角の戦いを見せたり、兄を破ったM78流・竜巻閃光斬をも難なく弾き返す等、高い適応力と実力を持つ
  • 「下等生物の声帯は持っていない」と同族が自称していたとは思えない程流暢に地球語をベラベラ喋る*4ゼットみたいに変だったりもしない。
  • 等身大ならジャグラーの剣技、巨大化時ならウィンダムの必殺技やデルタライズクローの必殺技を受けても耐えるなど、何気に高い生命力。
など明らかに兄より強い。

しかし、これ自体は彼がと言うより種族共通と言った所なのか
  • その辺の砂よかはマシなキーラフラッシュで開幕目潰しを行い「勝負に綺麗も汚いもない」と言い放つが、ゼットの援護に出動したウインダムが不意打ちで襲撃してくると「汚ねえぞ!」と10秒たらずでブーメラン発言。
    • 逆に追い詰められると拘束していたウインダムをダシに脅迫し、やっぱり「卑怯もラッキョウもあるか」と何かと共通点のあるアイツよろしく悪びれもせず煽り倒す
  • 挙句の果てに手札が尽きて旗色が悪くなると爆煙に紛れ「今日はこれ位にしといてやる」とテンプレ捨て台詞と共に背を向けて逃げ出す
など、色々とこすっからく小物臭がするのは兄と全く変わらない。
また、バロッサ星人達は仲間意識は強い…というより兄弟仲は良好な様子。兄やこいつの持ってた武器の貴重さや元の持ち主の強さを考えるとやはり数のゴリ押しで武器を奪ったり、その関係で連携とかするのだろうか。
また今回バロッサ星人は顔の中心が口、顔の渦巻きが口を覆う舌の様な物だったと判明し、ここからジュランの種を唐突かつさも当然のように飲み込み視聴者の度肝を抜いた。



余談

  • ベリアロクの争奪がメインであった本エピソードだが、それが霞んでしまう程主に二代目バロッサのせいで
    ・バロッサ星人の設定と中の人が関わっていた共通点のあるド派手な宇宙海賊
    まさかの関違いをぶつけて来た電車ライダーの決め台詞(ご丁寧にも殿下面ソード顔面剣持ち。ちなみにあっちの関は本エピソード放送前後に公開されたアニメ映画鬼キャラをやってたりする。まぁモモタロス自身は自分は鬼ではないとか言ってるのだが
    もはや説明不要の爆熱なアレだの頭部の破壊だの
    と言ったようにこれらですらまだ一部である程これでもかとパロディが随所にぶちまけられている。誰が呼んだかパロッサ星人色々と他の会社に怒られないか心配である。

  • 今回披露したウインダム・ヨウコインパクト。発動までの一連の流れもパロディしている事もさる事ながら、アンリミテッドモード起動時のパネルをよく見るとゴッドガンダムの機体番号と最初の2文字&数字以外全く同じという遊び心が隠されている。

  • あまりにパロディが多かったため、監督渾身の「怒っている表現に目が血走る。というのがあります。それをどう表現すればいいか悩んでたどり着いたのがこれでした」なエフェクト描写も元ネタがあるのでは?と言われることに(そもそも王道的表現といえば王道的表現ではあるが)。

  • 今回セレブロに乗っ取られたアサノは、ヘビクラがカブラギの服務違反報告書を眺めているシーンの報告書をよく見ると責任者の署名部分に「地球防衛軍警務隊本部保安課隊長 浅野 武」と名前が書いており、駆けつけた部下にも隊長と呼ばれていたため、彼である可能性が高い。



追記・修正はバーニングエンドしながらお願いします。
この項目が面白かったなら……\バロッとな/

最終更新:2020年11月22日 14:22