登録日:2021/03/07 (日曜日) 16:48:44
更新日:2021/03/20 Sat 15:27:46
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※推奨BGM:必殺!フレイムソード
ヒャッホー!オレ、ケンタ。
これ……絶対内緒のスッゴイ秘密。いいかい?
じいちゃんの作ったロボットに、宇宙人が乗り移っちゃったんだ。
巨大ロボットに合体して、悪い奴らをガンガンやっつけちゃうんだぜ!
もうミラクルかっこいいんだから!絶対見てくれよな!
新番組・太陽の勇者ファイバード!
奇跡の勇者登場!
貴様、ドライアスの手先だな!?
ドライアスの手先って、何?
何がどうなっているのかサッパリわからん!あの手は誰の手じゃ…!?
このファイバードがいる限り、宇宙の平和を乱させはしない!
そうか!ホントに宇宙のエネルギー生命体が乗り移ったんだ!
放送日は1991年2月2日。
脚本は平野靖士、ストーリーボード(絵コンテ)は森田風太、演出は西山明樹彦が担当。
宇宙皇帝を名乗る悪のエネルギー生命体・ドライアスを追い、地球に降り立った
宇宙警備隊隊長・
ファイバード。
アンドロイド「火鳥勇太郎」に憑依した彼と天野家の人々の出会い、そしてドライアス一味との戦いの幕開けを描く。
【話の流れ】
ある日の放課後。
チャイムと共に勢いよく下校した少年・天野ケンタは従姉妹のハルカに話しかける。
ハルカ。じいちゃんのアレ、どうなってんだ?
アレって…どれ?
アレだよアレ。ア・ン・ド・ロ・イ・ド。
それだったら今日中に完成するとか言ってたけど…
それを聞いて我が事のように喜ぶケンタ。
ハルカに呆れられつつも「ミラクルかっこいい」とアンドロイドに興味津々な様子。
「すぐ行くってじいちゃんに言っといて!」とハルカに告げ、ケンタは一旦自宅に帰っていった。
場面変わって天野平和科学研究所。
そこではケンタやハルカの祖父である
天野博士博士が、食事を摂りながら何かの計算をしていた。
マイナスエネルギー検知器の反応から
悪魔が動き出す前兆だと予想する博士だが、悪魔こと1匹の
猫が最後のメザシを奪い逃げていった。
そこに帰ってきたハルカがペットの子猿・チャンプに出迎えられながら、玄関前で喉にご飯を詰まらせて苦しむ博士の姿を目撃する。
ハルカの淹れたお茶が熱いと文句を言い、水を勧められても「生水は腹に良くない」とゴネる博士。
猫を恨んだままの博士をよそに食器洗い機を動かすハルカだが、スイッチを入れた途端、大量の皿を吐き出した後に止まってしまった。
無茶な修理をしたせいでハルカに怒られる博士の前に、アンドロイドの起動を心待ちにしていたケンタが現れる。
博士は「ワシには世界平和のための研究があるんじゃ!」と開き直ると、散らかった部屋を放って実験を再開しようとする。
ハルカ、今日はワシの研究が完成する日じゃ。晩飯はお赤飯じゃぞ?
そう言うとケンタを連れて書斎に向かった。
ケンタ、いいか?今世の中にはマイナスエネルギーが満ち満ちておる。
このまま放っておくと、世界は暗黒の世になってしまう。じゃからこそ……
世界平和のために、研究に励んでおるのじゃ!
その通り!よく知っとるな……
本棚の隠し扉からエレベーターで地下に移動しながら、毎日祖父に聞かされている言葉を一言一句違わず答えるケンタ。
天野博士は地下の秘密基地を起動させつつ、自分の研究がDr.ジャンゴのような極悪人をのさばらせないためだとケンタに説明する。
ケンタはあまり有名ではないジャンゴに関心がなく、5台のレスキューメカが大写しにされる中でここに友達を招待したいと言うが、博士に猛反対される。
税務署に内緒で作っていた博士はマスコミやら野次馬やら観光客やらに嗅ぎ付けられ、研究を邪魔されるのを快く思っていなかったのだ。
ガラス越しに見える青いジェット機に心奪われつつも、博士と共に実験室に入るケンタ。
ヒャッホー!早く見たいなー!このアンドロイドが人間みたいに動くところ。
ワシの発明に不可能はない。火鳥勇太郎が完成の暁には……
火鳥勇太郎?
このアンドロイドの名前じゃ!
アンドロイドとは人間型ロボットの事じゃ。人間そっくりなんじゃから人間の名前があった方がいいじゃろう?
火鳥勇太郎ねぇ…
アンドロイドこと火鳥勇太郎が完成すれば博士の作ったレスキューメカを操り、世界中の災害や事故から人々を守る任に就く事になるらしい。
起動実験が始まる一方、研究所の外では広がり続ける黒雲から稲妻が落ち始めていた。
ハルカが「理想的な姿」として人間時の姿を2人に見せつつ、遂に火鳥勇太郎に命が吹き込まれようとする。
博士が最後のデータを入力してからレバーを引いたその時、宇宙から黒い物体が地球に降下した。
海に沈んでいく黒い物体のマイナスエネルギーに検知器が反応し、チャンプも警戒する中で研究所の警報が作動。
実験失敗と思い、消火器を使おうとするハルカを「まだ大丈夫じゃ」と引き止める博士。
黒い物体はDr.ジャンゴの海底基地に降り注ぐと、その中にあった3つの石像と2体のアンドロイドに憑依した。
突然の出来事に驚きつつも、自身が待ち望んだ暗黒世界の到来を予感するジャンゴ。
その頃、天野平和科学研究所では、強大すぎるマイナスエネルギーが原因で検知器から出火してしまう。
実験室の方でもスプリンクラーが作動するが、すぐさま天野博士が元栓を締め、ハルカが火鳥勇太郎に消火器を浴びせた事で何とか鎮火した。
起動に失敗して落ち込む博士だが、ケンタの励ましですぐに立ち直る。
宇宙の彼方から正義のエネルギー生命体がやってきて、火鳥勇太郎に乗り移ってくれるんじゃ!
え?
宇宙から?
エネルギー生命体…?
ケンタとハルカが唖然とする中、博士は成功の前祝いとしてお赤飯を食べようとする。
そこに警報が鳴り響き、書斎に戻ってみると検知器から部屋中にかけて燃え移っていた。
警察や消防隊が出動する中で消火に成功し、博士は検知器の過剰なまでの反応から悪魔の復活を確信。
ケンタに書斎奥のエレベーターを閉めさせようとするが、子供の力ではなかなか閉まらない。
研究所前に到着した消防隊と博士が応対する中、パトカーから警視庁の佐津田警部が登場。
何かと自分の周囲を嗅ぎ回ってくる警部の存在は、博士にとっても気にならないらしい。
一方、書斎ではハルカの提案で内側から起動させるが、エレベーターはケンタを乗せたまま地下に行ってしまった。
警部は博士や表に出てきたハルカをあしらいながら家宅捜査を行い、焼け跡や研究成果と思しき潜水艦を発見する。
どうも博士は無収入にもかかわらず大掛かりな研究をしているらしく、警部に訊かれると言葉に詰まってしまう。
その時、空から5つの
光が現れ、そのうち3つは
パトカー、消防車、救急車に憑依する。
残る2つも研究所地下のレスキューメカ、そして火鳥勇太郎にそれぞれ憑依した。
実験室に辿り着いたケンタも火鳥勇太郎に命が宿った瞬間を目撃し、言葉を失うのだった。
ディスプレイに表示された人間時の姿に目をやり、動き出す火鳥の姿に戸惑うケンタ。
ど、どうなっちゃったの?
ド、ドウナッチャッタノ?
しゃ、喋った…!?
シャ、シャベッタ…
火鳥はケンタに向かって微笑むと、全身に塗り込んだ人造皮膚と超能力で人間そっくりな姿へと変わる。
一方、佐津田警部は検知器の余熱で手をヤケドしてしまい、聞き込みを続けようとするも国枝美子ら救急隊に引き止められる。
そのまま天野博士が3年前の30億円強奪事件の容疑者だと叫びながら、救急車で病院まで搬送されていった。
警部達を見送り、秘密基地に戻ったハルカと博士。
実験室に向かう途中、扉の前で上機嫌なケンタと遭遇する。
どうしたんじゃ?
じいちゃん、遂にやったよ!
やったって…火事でオシッコでも漏らしたの?
違うわい!
火鳥勇太郎が…誕生したんだ!
さっきの雷で動き出したんだ!それも、ハルカが描いた絵の通りになってさ!
まさかフランケンシュタインじゃないわな…
まさかの事態に驚きつつも博士は火鳥に自己紹介をする。
ワシはお前を作った天野博士じゃ。よろしくな。
自己紹介だよ。さっき教えたろ?
……ワシはお前に作られた火鳥勇太郎じゃ。よろしくな。
博士の言葉をオウム返しにしながら、ケンタに教えてもらった通りに挨拶をする火鳥。
ハルカ、チャンプとも握手を交わすと、ハルカが赤面しながら全裸の火鳥に服を着せるように急かす。
突然警報が鳴り響き、コンソールに「PHOENIX」という単語が表示される。
これを見た博士はただならぬ事態だと感じ取っていた。
中東の油田地帯。
そこでは作業員が突然できた大穴に騒いでおり、警備員が駆け付ける程の事態になっていた。
穴から現れた2人組のうち、緑の大男は警備員の1人を殴り飛ばし、もう1人が持っていた
拳銃を奪うと怪力で
バラバラにする。
作業員達が逃げ出した後、紫の細身の男が額から信号を送り、メカ獣「サンドトレマー」を起動させる。
2人組の正体は宇宙支配を企む宇宙皇帝ドライアスの部下・ゾルとシュラだった!
この騒ぎは天野平和科学研究所にも行き届き、天野博士は服を着たばかりの火鳥に出動を命じる。
火鳥を出撃用のシートに案内しつつも、「このチャンスを待ってたんだ!」とちゃっかり自分も乗り込むケンタ。
2人が乗り込んだ大型ジェット機「ファイヤージェット」は博士の用意したレスキュー装備を搭載しながら発進態勢に入る。
博士がボタンを押すと発進ゲートが展開され、灯台下のスロープからファイヤージェットが中東に向けて飛び立った。
シュラの遠隔操作でサンドトレマーが油田地帯を破壊する中、火鳥とケンタは到着早々に消火活動を開始。
ファイヤージェットの先端から消火弾を発射、石油タンクに燃え移る前に火災は食い止められた。
ファイヤージェットから降り立ち、ケンタがサンドトレマーの存在に戸惑う一方で破壊活動がドライアスの仕業だと確信する火鳥。
火鳥は闘志を燃え上がらせると、ファイヤージェットを遠隔操作してある行動に出た。
ファイヤァァァァ……ジェェェェェット!!
チェイィィィンジ! ファイバァァァァァド!!
召喚されたファイヤージェットは火鳥の
超能力で人型に変形。
アンドロイド形態に戻った火鳥と
合体する事で、巨大ロボット
「ファイバード」として立ち上がった。
サンドトレマーがドライアスの手先だと語るファイバードに対し、ハルカと天野博士は状況が飲み込めずに戸惑う。
一方、ケンタは火鳥に乗り移ったのが本物のエネルギー生命体だと納得するのだった。
火炎放射で攻撃してくるサンドトレマーに対し、ファイバードは小型ジェット機「フレイムブレスター」を召喚。
そのままフレイムブレスターと武装合体して反撃に出る。
ファイバードは必殺剣のフレイムソードを手にすると、「フレイムバリアー」で
火炎放射を防ぐ。
そして鋭い剣捌きでサンドトレマーの尻尾や触手を切断後、
必殺技の「フレイムソード・チャージアップ」でトドメを刺した。
ケンタや作業員達が安堵する中、石油タンクに映ったファイバードを見て驚く天野博士。
ハルカは博士の言った通りに宇宙人が乗り移ったと喜ぶが、当の博士は「ありゃ冗談のつもりだったんじゃが…」と打ち明ける。
作業員達に礼を言われながら、ファイヤージェットで帰路につく火鳥とケンタ。
その様子を陰から悔しい表情で見つめるゾルとシュラ。
宇宙から来た火鳥に「ミラクルかっこいい」と夢中になるケンタだが、逆に火鳥から「喜んではいられない」と窘められる。
その言葉でケンタが不穏な表情を浮かべる中、ファイヤージェットは夜空を横切っていった。
追記・修正は正義のエネルギー生命体にお願いします。
- まだ日本語がカタコトなのに合体後は流暢に喋ってたけど、1話の頃は合体後は宇宙語で会話してた設定なのかな? -- 名無しさん (2021-03-07 19:50:44)
- 前作のエクスカイザーとカイザーズは地球到着初日から普通に日本語喋ってたけど、そこはファイバード達とのキャリアの差なんだろうか -- 名無しさん (2021-03-16 22:59:24)
最終更新:2021年03月20日 15:27