真犯人の叫び声(名探偵コナン)

登録日:2021/04/13 (火) 00:48:29
更新日:2021/04/15 Thu 22:18:09
所要時間:約 10 分で読めます




『真犯人の叫び声』とは、かつて「名探偵コナン」で江戸川コナンが解決した事件のひとつ。
アニメオリジナルエピソードであり、アニメ第899話として2018年4月28日に放送された。
脚本は岡部優子氏。


以下、ネタバレに注意。


【あらすじ】
雨上がりの土曜日、佐伯綾乃が森田美冬の自宅マンションを訪ねると、部屋の中から窓ガラスが割れる音と美冬の声が聞こえてきた。
合鍵の置き場所を知っていた綾乃が部屋の中に入ると、リビングで美冬が胸から血を流して倒れていた。
また、床には血のついたナイフが落ちており、床にはゲソ痕が残っていた。

綾乃が美冬を呼びかけると、美冬は恋人である田端の名前と綾乃に逃げるよう言葉を残し、そのまま意識を失ってしまう。
その直後、ベランダから物音が聞こえ、綾乃は美冬が残した言葉から田端がベランダにいると考え、助けを求め美冬の部屋を出た。
マンションから出た時にコナンと小五郎に出会い、綾乃から事情を聞いたコナン達が部屋に向かうが、部屋の中には美冬の姿はなく、残っていたのは血のついたナイフと床にあるゲソ痕だけだった。

その後警察が到着。捜査が進み、美冬の恋人である田端が美冬を殺害したと考えられ、小五郎達は田端の自宅に向かった。
自宅前の道には、美冬の部屋にあったゲソ痕、キャリーバッグの車輪の跡、玄関にあった靴には血痕があった。
だが、家の中を調べると、見つかったのはテーブルに突っ伏して亡くなっていた田端の遺体だった…


【事件関係者】
  • 佐伯綾乃(さえき あやの)
CV:名塚佳織
25歳。
美冬とは駅前のベーカリーで一緒に働いている。
約束の時間にマンションに来たら胸から血を流して倒れている美冬を発見し、美冬が「田端さんが…、早く逃げて」と言って絶命。
その後、ベランダから物音が聞こえた為、恐怖を感じた綾乃は部屋の外に出て、マンションから出た時にランチを食べに行く為に外を歩いていたコナン達に出会う。
綾乃の尋常ではない慌て様と右肩にあった墨汁血痕を確認したコナン達に声をかけられ、部屋で起きた事を説明している。
目暮達が部屋を調べている時、美冬がクローゼットに大きなキャリーバッグをしまっているがそれがなかった事に綾乃が気づいている。
その時に小五郎は、田端が口封じの為に美冬を殺害した後に田端がキャリーバッグに美冬の遺体を入れて運んだと推理していた。

  • 森田美冬(もりた みふゆ)
CV:渡辺久美子
25歳。
部屋で亡くなっていた被害者。だが綾乃がコナンと小五郎を連れて部屋に戻った時には美冬の遺体は消えていた。
警察の調べで、残されていたナイフと床に付着していた血液はB型で、美冬の血液型もBである為、現場にある血液は彼女のものと思われる。
3ヶ月くらい前に田端と知り合って現在は恋人同士だが、美冬が田端にパリでベーカリーカフェを開きたいと言った時、少しくらいなら援助すると言っていた。
だが、取引先とのトラブルで早急にお金が必要と言って田端から1000万円騙し取られていたと綾乃が証言している。
その後、綾乃にも同様の手口をしようとした為に美冬に相談したら、訴えてやると綾乃が証言している。

  • 田端敦司(たばた あつし)
CV:川村拓央
35歳。
美冬を殺害した犯人と思われていたが、自宅で亡くなっている状態で発見される。
口元の臭いから毒物を服用していた事が確認され、テーブルの上には飲みかけのコーヒーと「必ず 美冬の所に行きます 田端敦司」と書かれた紙があり、筆跡も田端のものだった。
美冬を殺害した事を後悔して自殺したと考えられるが、田端の自宅に美冬の遺体はなく、発見されたキャリーバッグは空っぽで、女性のものと思われる長い髪の毛が1本だけ発見された。

余談だが、田端の遺体を見て、すやすやとヨダレを垂らして寝ていると思った視聴者もいたとか。


【レギュラー陣】
ご存知主人公。
美冬の部屋の窓ガラスが割られていたのと、床にあった靴の足跡を見て、何者かがベランダから出入りしている事に気づく。
その後、ベランダにあるエアコンの室外機の上にパンくずが残っているのを発見し、部屋にポップアップ式のトースターを確認する。
その後、田端の自宅で田端の遺体を発見した後に、美冬の遺体と一緒にキャリーバッグを処分すれば良いはずなのにキャリーバッグを自宅に持ち帰った事と、コーヒーを飲むのに普段使っていると思われるマグカップを使わずに来客用のコーヒーセットを使っていた事を疑問に持っている。

ご存知迷探偵。
喫茶ポアロでランチする予定だったが休みだった為、別の場所でランチを食べる為にコナンと共に外を歩いていた。その時に綾乃と出会う。
田端の自宅から帰ろうとした時、「何か気になる事があるのか」とまだ事件に疑問を持っているコナンの意見を聞いている。
美冬が田端からお金を騙し取られたと綾乃から聞いた時、小五郎は典型的な恋愛詐欺の手口と言っている。

ご存知警部殿。
美冬が田端に取られた金額に小五郎、高木と共に驚いていた。
田端が自宅で亡くなる前に美冬の遺体を遺棄したと考え、高木に遺体の捜索を命じている。
最後に最大の見せ場がある。

ご存知高木君。
美冬の部屋にあったゴミ箱から「293」と書かれた紙を発見している。


【コナンの推理】
コナンは、キャリーバッグとコーヒーセットの件に疑問がある事を小五郎に教えた後に、田端以外に別の人物がいたと推理する。
すると、台所にあったスポンジに口紅を拭きとった跡を発見。それは犯人がこの場にいた事を隠す為にカップを洗っていたものだった。

田端の筆跡で「必ず 美冬の所に行きます」という遺書が残っている事を小五郎がコナンに教えると、それは田端が本当に自殺する意味ではなく、田端が美冬のいる場所に必ず行くという意味で書き、それを遺書に利用されたとコナンは推理。
つまり、田端は美冬を殺害して自殺したように見せかけて殺されたのである。

小五郎が、美冬も犯人に殺されたのかと聞くと、コナン達が美冬の部屋に来た時に、雨が上がったばかりなのに犯人の足跡が乾いており、足跡がついてかなりの時間が経過していた事になる為、小五郎は綾乃が嘘をついていると推理するが、コナンは綾乃が犯人だとすると美冬の部屋には連れていかないと小五郎に言う。

すると小五郎は、犯人があらかじめ足跡をつけて、綾乃が来るタイミングで窓を割って、田端に襲われたように無理やり美冬に言わせてから美冬を刺し、その後にベランダに隠れたと推理。

この推理も違っており、ベランダに誰もいなかったと言うコナンは、綾乃を部屋からすぐに出て行かせる為にわざと物音をたてて犯人がベランダにいるかのように思わせる為にポップアップ式のトースターをベランダに室外機の上に、さらにトースターの上にトレーを置き、綾乃が部屋に入って来た時に焼き上がった食パンが飛び出してトレーか何が落ちて物音をたてるようにタイマーを設定していたと小五郎に教えた。
その為、エアコンの室外機の上にパンくずが残っていた。

前もってそんな準備をする人物は1人しかいないと小五郎に教えた後、コナンは田端の自宅にあるカレンダーを確認すると、今日の日付(4月28日)の下に「PARIS 293」と書かれていた。

美冬の部屋にあったゴミ箱から発見された「293」と書かれた紙、美冬がパリでベーカリーカフェを開きたいという綾乃の証言を思い出したコナン。
それはパリ行きのフライト便だった。

そして飛行機が離陸し、コナンは犯人の高跳びを許した…



【以下、事件の本当の真相…さらなるネタバレに注意】





















あんたのせいで私はあいつを殺ったんだ!

あんたのせいであいつは死んだんだ!

  • 森田美冬
実は殺害されておらず、逆に田端を殺害した犯人。
「これで私の新しい人生が始まる!」と言った後、コナンが「そうはいかないと思うよ」と彼女に言った。
美冬は高跳びしてパリにいた…わけではなく、空港にある出発ロビーにあるフランスフェアの中のカフェにいたのである。
それに気づいていたコナンはこの事を小五郎に報告し、美冬に高飛びされるために小五郎達と駆けつけていた。
戸籍のないコナンがいる時点でパリではない事がわかってしまうが。

美冬はその場を去ろうとした為コナンが美冬の腕を掴むと、彼女は痛みを訴える。それは美冬自身がつけた傷の痛みであった。
出血した理由は床やナイフに血を付ける為であり、胸を刺された割には出血か少なかった為、コナンはおかしいと思っていたのである。

殺害方法は、綾乃が慌てて部屋を出た後、美冬も部屋から出て行き、田端の自宅に向かい、血のついたゲソ痕と長い髪の毛の入ったキャリーバッグを置き、自殺に見せかけて田端を殺害するというもの。

犯行を暴かれても私は関係ないと言って美冬は去ろうとするが、小五郎、目暮、高木、墨汁、いや血のついた服をまだ着ていた綾乃が立ち塞がる。
警察が田端の自宅を調べると預金通帳がなくなっていたので、銀行に確認すると1000万円が引き出された事が判明した。だが美冬は取られた1000万円を取り戻しただけと言った。

殺害の動機は、自分のお金を騙し取ろうとしたから。田端の持っていたお金は他の女から騙し取ったものであった。
もうちょっとでパリのリッチな生活が待っていたと美冬は言い、美冬の事を友達だと思っていた綾乃に対しても、田端を殺したのも綾乃のせいだと暴言を吐く。
田端が美冬を騙そうとしている事も美冬自身もわかっていた。
お金を持ち逃げしただけなら哀れな被害者ですんだのに綾乃のせいで復讐せざるを得なかったと美冬が言い、さらに綾乃に対して文句を言い続けた為に高木が美冬を制止していた時、


いいかげんにせんか!!

田端氏殺害を思い立ったのも、実際に殺害したのも、

すべて君自身が考え行動した事だ。

人のせいにするんじゃない!!

  • 目暮十三
悪びれる事もせず、すべて綾乃のせいにしようとしていた美冬に対し、国民的アニメの父親のように一喝。
目暮の言葉を聞いた美冬は、先ほどの態度が嘘のように大人しくなっていた。

近年では「名探偵コナン」のアニメオリジナルエピソードあるあるのひとつに、犯人が女性の場合は最後に豹変し、後味が悪いまま話が終わる事が増えているが、今回のように犯人の女性に目暮が説教するのは久々のパターンである。

  • 田端敦司
「必ず 美冬の所に行きます 田端敦司」という誓約書を書いていたが、それが遺書として利用されるとは思ってもいなかっただろう。
しかし、美冬と田端は互いにお金を騙し取っている為に同情の余地が低いので、結果的にどっちもどっちである。

  • 佐伯綾乃
信じていた友達に裏切られた上に散々な事を言われてしまう。間違いなく一番の被害者。
今回の事件で心に深い傷を負ったのは間違いなく、かなりの時間がかかってしまうのかもしれないが、立ち直ってほしいものである。

  • 毛利小五郎
ランチを食べるはずが、事件が解決した頃には夜になってしまう。
コナンに立ち食いそばでもと言った後、小五郎のファンという2人の女子大生(CV:古木のぞみ、中村桜)に声をかけられる。
気を良くした小五郎は2人にお食事にでもと言って、3人でどっか行ってしまい、コナンは「俺はどうしたら?」と思うのだった。
に報告行きかな。

なお、『Next Conan's HINT』ではCパートの後らしき掛け合いを行っている。
コナンは小五郎に「あれ、もう帰ってきたの?」と聞くのに対して、小五郎は「女は怖い」と涙声で返しており、コナンと別れた後に色々あったようにも取れる内容になっている。
なお、コナンは「おじさんは収穫『ゼロの執行人』だね」と映画にあわせた返しを行っている。

アニメオリジナルエピソードで小五郎が登場しているにも関わらず、眠りの小五郎が登場しなかった為、こちらも近年では非常に珍しいエピソードとなった。


【余談】
美冬を演じたのは渡辺久美子氏であり、豹変する美冬を見て、渡辺氏が『機動戦士Vガンダム』で演じたカテジナ・ルースを思い出した視聴者もいた。

公式ホームページの事件ファイルでは、事件があったのは土曜日ではなく日曜日になっている。





追記・修正は、リッチな生活が待っている人にお願いします。

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最終更新:2021年04月15日 22:18