おおかみこどもの雨と雪

登録日:2021/07/11 Sun 23:36:10
更新日:2025/07/09 Wed 17:11:45
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私が好きになった人は、『おおかみおとこ』でした。



「おおかみこどもの雨と雪」は2012年に公開されたアニメーション映画である。
監督は「時をかける少女」「サマーウォーズ」を手掛けた細田守。
脚本は細田監督前2作の奥寺佐渡子と細田監督の共同執筆となった。


女子大生の花が「おおかみおとこ」の青年と出会い、恋に落ち、子供が生まれる。
その子供である雨と雪が成長していく13年間を描いている。
二人は「おおかみこども」のタイトル通り人狼の血を引く存在であり、人と狼の間で揺れ動く複雑かつ繊細な心理描写が本作の特徴である。

タイトルをひらがなにしたのは細田監督曰く「優しい感じがしたから」とのこと。



【ストーリー】



19歳の女子大生・花は大学で1人の青年と出会い、恋に落ちた。
そんな彼はある日、自分が「おおかみおとこ」であることを打ち明けるも、花はそれでも彼を愛した。
やがて2人の間に子供の雪と雨が産まれるが、彼はある日命を落としてしまう。

花は悲しみを乗り越え、残された「おおかみこども」の姉弟を育てていくことを誓う。
だが都会で2人の正体を隠しながら生活するのには限界があり、花は思い切って田舎へ引っ越すことを決める。

田舎での生活や農作業等には困難もあったが、村の人達に支えられながら生活していく。
それと同時に、成長して色んな事を学んでいく雪と雨。2人は将来への道を選択する時が近づいて来たのだった。
果たして親子の決めた道の先には…


【登場人物】



CV:宮崎あおい

本作の主人公。
19歳の女子大生で、アルバイトをしながら生活している。
ある日大学でおおかみおとこの彼と出会い、大恋愛の末に子宝に恵まれる。
だが彼の死をきっかけに、子供達が人間でもおおかみでも選べるようにと田舎に移り住む。(出産を期に大学を休学、アルバイトも辞めている)
初めての田舎暮らしだったようで始めはなかなか上手くいかなかったが、近所の人達のアドバイスやサポートを受けながら、生活を安定させていった。移住当初は貯金を切り崩して生活していたが途中からは自然保護観察施設で働くようになる。
おおかみこどもである二人の子育てに悪戦苦闘しつつも雪と雨の成長を見守っていたが、やがて2人の進む道に関して苦悩することになる。
メンタルは非常に強く、どんな困難に見舞われようとも笑っているという信念を持っている。というのも「花」という名前は父親が裏庭に咲いたコスモスを見て「花のように笑顔を絶やさないようになってほしい」と感じたことから名づけられた。花自身、父の思いにこたえられるようにと父の葬式の際にも笑顔を絶やさないようにしていたほど。
その細腕一つで廃墟寸前だった家の修繕や荒れ放題だった畑仕事までやってのける等かなりのタフネスの持ち主でもある。


  • 彼(おおかみおとこ)
CV:大沢たかお

花の夫にして雨と雪の父親。穏やかで心優しい青年。
普段は運送ドライバーとして働き、たまに大学に忍び込んで勉強していた。
そこで花と出会い、彼女と交際を始める。
その正体は「おおかみおとこ」の末裔であり、最後の生き残りであった。
他作品でいうところの「人狼」であり、普段の人間としての姿のほか、狼の顔をした獣人の姿と、完全な狼の姿にもなれる。
花に正体を明かし、それを受け入れてくれた彼女との間に子供が産まれるが、
雨が産まれてまもなく、謎の死*1を遂げてしまう。


CV:黒木華(少女期) 大野百花(幼少期)

彼と花の娘である「おおかみこども」の少女。
父同様、自分の意思で狼と人の姿を行き来する事ができる。
本作のナレーションは彼女の回想という形で進行していく。
名前は雪の日に生まれたことで付けられた。
当初はお転婆…というか活発すぎて野性味あふれる性格で、蛇を腕に巻く、小動物の骨を取集する、野生動物を追い回す等を平然とやってのける。
しかし、小学校に通うようになり、普通の女の子はそんなことをしないという事を痛感し、心境に変化が起き始める。


CV:西井幸人(少年期) 加部亜門(幼少期)

雪の弟。「おおかみこども」の少年。
名前の由来は雨の日に産まれたから。
やはり彼も自分の意思で狼の姿へと変じる事ができる。
雪とは対照的に当初は内気な性格で、体力もさほどない。
そのため人間としての意識が強かったが、ある雪の日に獲物を捕らえることに成功し、野生の本能が目覚め、
その後学校に通うも上手くいかず、「先生」を頼りに山に通うようになる。


  • 草平
CV:平岡拓真

雪のクラスに転校してきた少年。
転校早々に雪を「獣臭い」を正体に近づくような発言をしたため、彼女から避けられる。
その後のいざこざにより、雪の心変わりを決定づける決め手となった。
母子家庭であり、美人の母(CV:林原めぐみ)からは過保護と言えるくらいに可愛がられているが、あまり良くは思っていない模様。


  • 韮崎のおじいちゃん
CV;菅原文太

花たちの近所に住む農家の老人。90歳。
強面で口は悪いものの世話好きであり、畑仕事に苦戦する花に度々アドバイスを送り、
家族や近所の人達に彼女の手助けをするように手を回していた。
家族曰く「花ちゃんに惚れてる」とのことで、ある意味本作最大の漢であるツンデレおじいちゃん。


  • 細川&山岡
CV:中村正(細川)&大木民雄(山岡)

近所の農家のおじさんコンビで、花を手助けしてくれる。
野菜の育て方でよくケンカをしているが、仲は良い。


  • 天童
CV:井上肇

花の務める『新川自然観察の森』の理事長。
よく遊びに来る雨とも親しい。


  • 信乃
CV:上白石萌音

雪の小学校からの親友。



【余談】

作中で花が子供たちに教えるおまじないである「おみやげみっつたこみっつ」について監督は
「約束をする時の歌『指切りげんまん、うそついたら針千本飲ます』に続く言葉として
“おみやげ みっつ たこみっつ”と言う地方があるそうで、それに由来しています。
と言及しているため、「約束を守るおまじない」ということになる。


【主題歌】


「おかあさんの唄」 歌:アン・サリー


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最終更新:2025年07月09日 17:11

*1 作中で死因は明かされていないが体に雉の羽がついていた為狩りをしていた際に何らかの事故にあった模様