EPISODE 0 ―時代―(ルパン三世 PART6)

登録日:2021/10/17 Wed 22:41:30
更新日:2021/12/03 Fri 18:32:20
所要時間:約 6 分で読めます






人生について考える
そんな野暮なことをするのは、こまっしゃくれたインテリ気取りか哲学者
もしくは人生に飽きた暇人ぐらいのもんだ
腹が減りゃあ旨いもん食って笑う、それが人間
だが俺は今……

──とうとう俺も潮時かもしれねぇな



「EPISODE 0 ―時代―」とはルパン三世 PART6における初回放送エピソードである。
なおPart6ではあるものの、脚本がPart4の構成である高橋悠也氏が務め、キャラクターデザインもPart4、Part5の横堀久雄氏が起用されていることもあり、作風としてはどちらかというとPart4、Part5の延長線上のものである。

【あらすじ】


いつものように「仕事」で盗みに入り、いつものように警備に追われるルパン・次元・五ェ門。
予め逃走経路は確保していたのだが、これまたいつものように不二子が逃走用の車で三人を置き去りにして単独逃亡。
そして三人は逃げ道を無数の警備ドローンに塞がれる。次元は得意の早撃ちでドローンの迎撃を試みるが、AI制御されたドローンは次元の射撃弾道を即座に見切って回避。
逆に警備兵たちは新素材のトリモチのような特殊弾で三人を拘束・投獄してしまう。

電子制御されたドローンや玩具のような銃に、それらに頼り切ってまるでやる気のない警備兵たち。
もはや「ロマン」の欠片も見いだせない昨今の効率化された警備体制に、次元も著しくやる気を削がれろくな抵抗さえする気になれなかった。
「……つまんねぇ時代になっちまったもんだ」

そして次元の口からついに零れたのは「お前らとの縁はもうこれっきりだ」―――永く続けた泥棒家業からの引退宣言であった。そこ、いつものとか言うんじゃない
鋭い剣幕で次元に詰め寄る五ェ門に対して、それ以上話を深堀りしようとせず強引に話題を打ち切るルパン。
その場はとりあえず牢からの脱走を優先し、次元たち三人は分かれて警備施設を逃げ延びる。

……しかし、逃れた次元の姿は落ち合うはずの隠れ家ではなく、寂れた場末のバーで仲間を伴うことなく、一人酒を呷る様という形でそこに在った。
果たして次元大介は、このまま本当に泥棒家業から足を洗ってしまうというのだろうか?


【登場人物】


CV:小林清志(終演)
「……こいつは上等なはずの酒だ。不味いはずが無ぇのに」
説明不要な凄腕のガンマン。本エピソードの主役であり、語り部。
警備体制の近代化・効率化が進むあまり手応えをまるで感じなくなり、面白味を一切覚えなくなってきたことでついに不満が爆発。
嫌気が差した余りルパンや五ェ門とも決別を宣言。遭遇した銭形に対してさえ「捕まえかったらさっさと捕まえろ」と恐ろしく投げやりに応じる始末。
だが、バーで上等なはずのウィスキーを呷っているうちに見逃せない「違和感」を覚えるようになり……。

CV:栗田貫一
「……今から言うことは酔っ払いの戯言(たわごと)だ」
大怪盗の孫と呼ばれる正体不明のトリックスター。
今回の一件では特に大きな動きを見せようとはせず、静観と待ちを決め込んでいた。次元に思う所がないわけではなく「明日のことなんて誰にもわからない」と、五ェ門とはまた別のスタンスである。
なお次元に「たまには別の銃に浮気してもいいんじゃねぇの」と宴会で語っているが、ずっとワルサーを使っているこいつもこいつで相当である
ちなみに着ているジャケットはPart4、Part5で着用していた青ジャケットである。

CV:浪川大輔
「万一の時、引き止める心意気は無いのか?」
万物を切り裂く「斬鉄剣」を操る剣豪。
次元の愚痴に対して過剰に反応しているあたり、五ェ門自身も昨今の仕事情勢に関して内心似たような思いは抱いているようだ。
今回「足を洗う」という次元の発言に冗談では済まないものを感じ取っており、その動向を宴会の中でも油断なく注視していたが……

CV:山寺宏一
「奴を捕まえられるのは俺しかいないからな……」
ルパン逮捕に執念を燃やすICPOの捜査官。「たまたま」非番だったらしく、次元と出くわしても口頭の尋問だけで逮捕に踏み切る様子はなかった。
今回の一件ではルパン逮捕の周知が遅れた為にザル警備を突破されたことへ不満たらたらだったが、何より次元の痕跡が残ってしまうような粗雑極まりない逃走へは気炎を隠そうともしていない。
とはいえルパンと長く付き合い続けている次元に対しては、「お互いそれ以外の道は幾らでもあったはず」と少なからず思うところがあるようで……

CV:沢城みゆき
「天地がひっくり返ったみたい」
ルパン一味とつかず離れずの関係を維持する女豹。
今回もいつものように土壇場で金と逃走手段の持ち逃げをして、ルパンら三名の逮捕へ至る原因を作った。
……と思いきや、落ち合う場所の隠れ家に一足早く退却していただけで、金の持ち逃げはせずにキープしたままだった。何とも珍しいこともあるもんだ
その金で打ち上げの宴会を盛大に行う中、足抜けを公言した次元へ「これからは自分と組まないか」と誘いを持ちかけ……


【キーワード】


  • S&W M19「コンバットマグナム」
次元の愛銃である大口径リボルバー拳銃。装弾数6発。
自動拳銃には弾詰まりのリスクがあるとはいえ、銃も電子制御される現代では型落ちと呼ばれても可笑しくない銃であり、次元自身をして「ロマン」と言わせる代物。

  • 警備ドローン
特殊機銃を搭載した飛行ドローン。トリモチのような性質を持った新素材の弾によって、銃撃した相手を容易に無力化することができる。おまけに新素材はアルコール噴霧で簡単に溶解する優れもの。
さらに現代の最新技術により、通常の射撃ではAIを積んだこのドローン相手だとリアルタイムで弾道を算出・回避されてしまう。
一度はあまりにロマンもへったくれもないこの有様により、泥棒家業から足を洗うことをも次元に選択させるが……

  • プラスティック製自動拳銃
ルパン達が侵入した警備施設において標準配備されていた拳銃。正式名称は不明。
オモチャのピストルのような安っぽい外観とは裏腹に、AI制御により照準指定や命中精度を自動で算出してくれる最新鋭の優れものらしい。
とは言え外観があんまりにもあんまりだったため、この銃を奪った次元は構えはしたもののロマンのなさの余りに引き金を引くことすら拒絶していた。
牢からの脱走過程で次元によって一丁が持ち出され、銭形に「酒代代わり」として預けられる。

  • ヴィンテージウイスキー
ルパンの隠れ家に貯蔵されていた'71年製のウイスキー。他の酒類を躊躇せず放棄していく中、ルパンがこれだけは持っていくあたり余程の上物らしい。
因みに1971年とはアニメルパン三世(第一期)の放送開始年であり、同時に次元大介のCVを小林清志氏が担当し始めた年である。


【余談】

次元のCVの箇所にも記載した通り、本エピソードを最後として小林清志氏は50年間続けた次元大介役を引退する運びとなった。
その観点からこの話における次元と、それに応じるルパンファミリーの台詞を追っていくと、何ともメタ的に含むところがある発言が多い。




さーて来週からは大仕事の始まりだ!
英国ロンドンで立ちはだかるのはまさかまさかのあの男!
次回「シャーロック・ホームズ登場」! まーた忙しくなっちまうなぁ!
















ルパンは俺にとって⼀⽣ものの仕事であった。命をかけてきた。
我儘を⾔えば90歳までやっていたかったが残念。
何とかかじりついていたかったが 無理だった。
歳をとればそれなりの深みが出てくるはずだ。ただ映像とのギャップがあるか。


話は違うが以前、明夫ちゃんに聞かれたことがある。
「なぜ親⽗は五ェ⾨を辞めたんでしょう?」と。
親⽗とは大塚周夫先輩である。答えに窮したことがある。
さぞ先輩も 無念だったにちがいない。
⼀部の⽅々から⾔われる事があるのは、次元は歳をとった 聞きづらい。
当たり前だ わたしゃ 齢88歳であるぞ。俺なりに努⼒した結果だ。
これからはそう⾔われることを気にしないですむ。ほっとしている。


あとは 明夫ちゃんに委ねます。
頑張ってちょうだい。
ただ、次元はそんじょそこらの悪党とは違うぞ。
江⼾のイキというもんだ。変な話だが、次元は江⼾っ⼦だ。
明夫ちゃん、これは難しいぞ。
雰囲気は JAZZ にも似ているんだ。


最後に
これまで応援してくれた⼈たちにお礼を申し上げる。ありがとうございました。





ルパン。俺はそろそろずらかるぜ。
あばよ。

⼩林清志





追記・修正は50年間変わらず、黙って相棒に付き合い続けられる人がお願いします。

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最終更新:2021年12月03日 18:32