行け!ノビタマン(ドラえもん)

登録日:2021/12/04 Sat 14:54:14
更新日:2021/12/12 Sun 17:28:06
所要時間:約 5 分で読めます




「行け!ノビタマン」は、漫画ドラえもんのエピソードの1つ。
『てれびくん』1979年9月号に掲載され、てんとう虫コミックス第21巻に収録。

●目次

【あらすじ】

ドラえもんは庭先で宇宙救命ボートを手入れしていた。
宇宙救命ボートとは、地球が爆発しそうな時に乗って逃げ出す為の物で、曰く「いつ何が起きても使えるように、手入れだけしておく」とのこと。

しかし、のび太がうっかり発射ボタンを押してしまったせいで、ボートは2人を乗せたまま宇宙へ行ってしまう。
「宇宙へなんか行きたくないよう。」と泣くのび太だが、ボートは全自動なのでどこかの星に着くまで止まらない。
そうこうしている内に目的地の星に着いたが、ド派手に着陸したせいでボートが壊れてしまった。

すると、2人の前に地球人そっくりの女の子が現れ、彼女の家で食事をとることに。
2人は「宇宙救命ボートで逃げてきた」事を女の子とその母親に同情されるが、あまりにばかばかしい真相を話すわけにもいかずお茶を濁す。
そこで、ボートが直るまで女の子の家に厄介になることになった。


なつかしい地球よ、わがふるさとよ。

いまはもうはるかに遠い思い出の星…………。

な~んちゃって。


のび太は夜空を見上げながら呑気な事を言うが、ドラえもんによるとボートの故障は思ったより酷く、デタラメにいじる他ない。
下手したら永久に直らない可能性もある。

そんな!! 無責任だぞ。

こうなったの、だれのせいだ!!
こういうときこそタイムふろしき使えよ

2人が言い争いをしていると、家の前から銃声が聞こえる。
現場へ駆けつけると、車に乗った何者かに足を撃たれた男性が倒れていた。
どうやら、ドラのびが世話になっている女の子の父親らしく、怪我は幸いにもかすり傷で済んでいた。

彼曰く、「この町はシンジケートと呼ばれるギャング集団が蔓延る無法地帯。力が強すぎて警察も下手に手を出せないので、新聞記者である自分が市民に呼び掛ける為のシンジケート追放の記事を書いていたが、それを快く思わない奴らからあの手この手で妨害されている」とのこと。
妻は「あぶないことおやめになって」と言うが、「そんなたいどがやつらをつけあがらせるんだ。」と論破し戦い続けると宣言。
マスコミの鏡である父親にドラえもん達は拍手を送るのだった。
とはいえ、このままではドラのびも事件に巻き込まれる恐れもあるので、2人はボートが直ったらさっさと逃げ出すつもりでいた。

だが翌日、事態は急変する。
登校中の女の子がシンジケートに誘拐されたのだ。
父親の元に届いた脅迫状には「娘を無事に帰してほしければ、シンジケートの事を書くな」と書かれている。
あまりに卑劣なシンジケートに遂にのび太は怒りを爆発させる。

なんて悪いやつらだ。

ゆるせない。

すると、のび太は飛び上がった拍子に家根を突き破って外へ出てしまう。

わかったよ。この星へ着いたときから 変にからだがかるいと思ったら…、

引力が地球よりずっと弱いんだ。

そう、この星の引力は地球よりずっと小さく、2人はタケコプター抜きで高く飛び上がる事ができるのだ。
さらに、この星の人々は地球人より筋力が弱く、コンクリートやピストルの弾の強度も2人にとってはたかが知れているのび太はいいとしてドラえもんは地球上で大爆発を受けても体が原型を留めているほどに頑丈なのだが
そうと決まれば話は早い。
のび太は「ノビタマン」と名乗り、2人は女の子の救出へ向かう。

怒涛の速さでシンジケートの本部のビルに突入すると、待ち構えていた構成員達はピストルで迎え撃つ。
だが、2人にとってはポップコーンみたいなもので全く効かずすぐに弾切れになる。
そしてドラえもんは階段から机を投げこれ絶対死人出るって、スーパーマンとなったのび太はパンチで敵を蹴散らして大暴れ。
地下室に監禁された女の子を救出すると、ビルを発泡スチロールの如く倒し、シンジケートを壊滅させた。

その後、女の子の父親から礼を言われるとこの出来事は瞬く間にニュースになり、テレビや新聞だけではなく映画まで作られることになった。
一青いタヌ…ネコ型ロボットと地球人に過ぎなかったドラえもんとのび太は英雄になったのだ。

どうしてもボートがなおらなければここでくらしてもいいんじゃないか。

ぼくもそう思ってた。

そんなことを言いながらのび太がボートのボタンを押すと……

いつのまにかなおってた!!

こうして、ドラえもんとのび太は地球に帰還したが、勿論ここでは英雄になるなんて夢のまた夢。
のび太はジャイアンスネ夫にからかわれながら必死に宿題をやるのだった。

ドラえもんがボートをなおしたりするからだ。

きみがボタンをおしたからだ!!


【テレビアニメ版】

大山版「ノビタマン」

帯番組時代の1981年3月31日に放送。
放送2週間前には『のび太の宇宙開拓史』が公開されている。

大山版「GO!GO!ノビタマン」

1987年8月14日放送。
映像ソフトには「テレビ版スペシャル特大号夏の巻(3)」などに収録。

スネ夫の家でのび太達が地球滅亡により地球からとある家族がロケットで脱出する映画を見て、もし地球が滅亡したらと怖がったのび太の話を聞いたドラえもんは「自分は22世紀から来てるから少なくともそこまでは大丈夫」と語り、それでも万一そうなったらと宇宙救命ボートを出す流れに。
そしてのび太についてきた源静香も巻き込まれて同行。静香は新聞記者の娘と仲良くなるが、間違われて寝ている間にシンジケートにさらわれてしまう。
しかし当然静香もパワーアップしていたため、拘束していた縄を引きちぎるわドアに触れただけでドアを破壊するわ大の男を投げ飛ばすわでさらわれた恐怖より先に困惑しており、とりあえずおとなしくドラえもん達が助けに来るのを待っていた。
最後はシンジケートのビルをタケコプターをつけたドラえもんとのび太が孤島に運び、新たな刑務所にそのまましてしまった。
また、こちらでは漂流先の地球との相違点として「太陽が2つ存在する」という描写がある。

わさドラ版「正義のスーパーヒーロー 行け!ノビタマン」(1回目)

2006年12月31日のおおみそかスペシャルで初放送。40分の長編。このおおみそかスペシャルの大半は実写バラエティとなっていた。
少女に「リリアン」(CV:南央美)、その両親に「ドリアン」「マリアン」という名前が設定されている。
シンジケート撲滅を訴える人物としてブーデ市長(CV:石井康嗣)が登場する。

ドラえもんはバットマン風の被り物と翼をし、のび太もマスクをつけて顔を隠すアレンジがある。

また、静香・ジャイアン・スネ夫そっくりなシンジケートに雇われた賞金稼ぎシズラー・ジャイラー・スネラー3人が登場。
なぜか彼女達はのちの中編『宇宙ガンファイターのび太』にも再登場した。


わさドラ版「行け!ノビタマン」(2回目)

2018年10月26日放送。概ね原作通り。

【余談】

恐らく本作の元ネタは、半年前の1979年1月に発表された同作者によるSF短編『ベソとこたつと宇宙船』。
ドラえもん達が重力の低い星で悪人を倒してヒーローになる話は『のび太の宇宙開拓史』と似ており、発表時期的にも大長編の原型となった可能性も指摘されている。

久米田康治の漫画『かってに改蔵』では上記『宇宙開拓史』がネタにされたこともあり、
「名門校の補欠でも弱小校ならエース、重力が低い星ならのび太だってスーパーマン」「セリエなどと(当時はまだ概念自体無かったが)所謂「なろう系」を皮肉っている。

ちなみに、もし現実にこのような惑星が存在した場合、大気がとてつもなく薄くなるため、ホイホイ地球人が行こうものなら酸欠でのたうち回り、鼓膜は破裂し、脳や網膜の血管が破れることになるであろう。(ただしロボットのドラえもんは空気が存在しない環境でも平気だが)
というかドラえもんたちの言動を見る限り、この星の重力は十数分の1くらいしかないので、現実なら地表がほぼ真空になっている筈である。
まあ、マンガだからその辺は追及しないでおこう。


じつはぼくらは、アニヲタWikiから来たアニヲタマンです。これから追記・修正に行ってきます。

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最終更新:2021年12月12日 17:28