登録日:2022/01/17 (月) 01:05:37
更新日:2022/04/16 Sat 01:40:26
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忍者は命令に従い、生きてこそ忍者!
振り向くな!前を見よ!!
エネルギーがビンビン!
最後だよ、ハリケンジャー!!
巻之四十九
使命と天空忍者
脚本:宮下隼一 監督:竹田道弘
概要
前回の話で、サンダールの卑劣な罠によって弓のメダルを奪われたことで、御前様が消滅してしまった。
…にも関わらず、シュリケンジャーは何故か厳しく、鷹介たちはそんな彼に反感を抱く。
そんな中、サタラクラはタウ・ザントが嘆きと怒りの弓矢を射るに相応しい姿になる為の計画に自ら立候補し……
話の流れ
御前様の死から数日後。
一甲や一鍬が見守る中、ハリケンジャーの3人はシュリケンジャーから特訓を受けていたのだが…
どうしたどうしたぁ!
それでジャカンジャを倒すつもりか!?
この星を守るつもりか!?
倒したいよ!守りたいよ!俺たちだって!
だけど!御前様を…奪われてしまった…
俺たち、守れなかった!守れなかったんだ!
御前様を守れなかった悔しさからメンタルはボロボロ、心身ともに限界を迎えつつあった鷹介たち3人は、勝手に変身を解除してしまう。
教えてもらいたいこと、まだまだたくさんあったのに…!
その上、メダルは2つともジャカンジャの手に…
どうすればいいんだ…これから我らは!?
腕を磨き、技を高める。それしかない!
振り向くな、ボーイたち!次はユーたちだ、ゴウライジャー!来い!
乗り気じゃないながらも、シュリケンジャーに向かっていく一甲たち。
一方ここは、宇宙忍群ジャカンジャの本拠地・寄生要塞センティピード。
邪悪なる意思からの最後のメッセージによって、タウ・ザントは「アレ」によってこの星、いや宇宙がどうなるのかが見えていた。
だったらタザやん、早いとこカラクリシステムで弓と矢を出して「アレ」を!
その前にこのタウ・ザントが、嘆きと怒りの弓矢を射るに相応しい姿にならねばならぬ…
それを聞いて、サンダールはその為に必要なことを自分が実行しようとするが…
あっ、ちょっと待ったぁ!
ハーイハイハイハイ!
ボキが手を上げてまぁ~す!どう、タザやん?
何とサタラクラが自ら立候補。タウ・ザントも了承し、それが実行されることに。
「アレ」が生まれると思ったら急に態度を変えたサタラクラを「感じ悪い」と評するウェンディーヌとフラビージョ。
そしてサンダールは、サーガインが遺したメダルのデータをタウ・ザントに献上した。
おぼろ研究所。
ジャカンジャが2つのメダルで、すぐにでも「アレ」を発生させても何の不思議もないはずだと考えていたおぼろ。
館長は「直接奴らの懐に飛び込んで、タウ・ザントが弓矢を引くのを阻止できれば…」と提案するが、おぼろはセンティピードは次元の歪みでシールドされてる為に突撃は不可能だと却下する。
敵の出方を待ち、鷹介たちも、それに備えてトレーニングするしかなかったのだった。
その時、警報音が鳴り響いた。また流星群が発生したのだ。おぼろは大急ぎで解析に入った。
一方、特訓していたゴウライジャーだったが、シュリケンジャーに倒され変身を解除される。
鷹介たちが駆けよるが、シュリケンジャーは…
悲しんでる暇はないぞ!
忍者は命令に従い、生きてこそ忍者!迷うな、振り向くな、前を見よ!
と一喝する。だが、そんなシュリケンジャーの態度に、鷹介たちはついに激怒!
俺たちは傀儡じゃない!
怒りだって、涙だってあるんだ!
御前様がいなくなったっていうのに…いくらなんでも冷たすぎるよ!
これによって一気に険悪な雰囲気に。
だが、そんな彼らの怒号はシュリケンジャーには届かなかった。
シュリケンジャーはシュリケンズバットから炎を放ち、鷹介たちは変身して防いだ。だが次の瞬間…
なんと、シュリケンジャーが疾風流の技・空駆けを使用、空を飛んで鷹介たちを攻撃した。
おぼろ研究所からモニターで見ていた館長は思わず驚愕するのだった。直後、解析中のおぼろに怒られるが。
再び、寄生要塞センティピード。
サタラクラは、サーガインの残したデータによって作られた新兵器『ジャキュームガン』をタウ・ザントから受け取っていた。
頼むぞ、サタラクラ。
お任せ~!お任せお任せ、お任せぇ~っ!
サタラクラは上機嫌で街に向かう。タウ・ザントは、意味ありげにその後姿を見つめていた。
一方、特訓を続けていたシュリケンジャーはふと、御前様と初めて出会った日のことを思い出していた。
そなたの名前と顔、そして命…
本日ただ今より、この覚羅が預かる。
もとより覚悟の上。全身全霊で、お使いを!
同じ頃、おぼろ研究所では、館長がおぼろにある話をしていた。
10年前、将来疾風流を背負って立つに違いないと言われた忍者が、空忍科にいた。
200年出なかったハリケンジャーになるのも、あやつだろうと…
しかし、おぼろからはその話はタブーのはずだと止められる。
それを承知で続ける館長。
突然の失踪、疾風流としては掟に従い、抜け忍として破門にするしかなかった…
お父ちゃん、なんで急にそんなことを?
いや…あやつ今頃どこで何をしているのかと思ってな。
一方街では、サタラクラが通行人たちのエネルギーをジャキュームガンで吸い込んでおり、それを吸われた人々は次々に倒れていった。
それを知ったおぼろは大急ぎで鷹介たちに知らせた。
みんな、ジャカンジャや!ついに動き出しよったで!!
了解!行くぞ、ボーイたち!
シュリケンジャーへの反感を拭えないまま、鷹介たちは現場へ急いだ。
ジャキュームガンで吸収したエネルギーは、サタラクラが背負っているタンクの中へと溜まっていった。
ワァァーッハハハハ!人間共の生体エネルギーを吸い取り、
その中から怒りと嘆きのエネルギーを抽出して、タザやんにこのボキがプレゼントするんだもんねぇ~!!
そう、サタラクラが集めていたのは、人間の生体エネルギーから抽出した嘆きと怒りのエネルギーであり、それをタウ・ザントに献上しようとしていたのだ。
だがそこへ、ゴウライジャーが駆け付けた。
そいつをよこせ!
みんなから奪ったエネルギーを返せ!
や~~~~だよっ!
こ~んな楽しい物、誰が渡すかって!!
笑いながら逃亡するサタラクラを追うゴウライジャー。
そして荒地へと逃げ込むサタラクラだったが…
ハリケンウィンガーから着地したハリケンジャーが行く手を塞いだ。
追いついたゴウライジャー、さらにはシュリケンジャーも駆けつける。
ここから先は、通さん!
あららららら、囲まれちゃったぁ!?ヒィ~~~ッ!ああっ、ややヤバいぃぃーっ!!
一方、寄生要塞センティピードにいたタウ・ザントの両眼が光り、稲妻を放ってハリケンジャー、ゴウライジャー、シュリケンジャーを攻撃した。
タウ・ザントに向けて手を振るサタラクラ。
心配するな…。
どんな事があろうと、そのジャキュームガンが奪われることはない。
だよねぇ~!タザやんの加勢があれば!
そうではない!!
またもタウ・ザントの両眼が光り、ジャキュームガンがサタラクラの左腕と融合した!
ボ、ボキちゃんの手に、ジャキュームガンがぁぁー!?
わぁっ!? ど、どうなってんだ、タザやん!?
お前のその腕が斬り落とされでもしない限り、ジャキュームガンはエネルギーを吸い続ける。
このタウ・ザントのために。
その様子を見て驚愕し、震え上がるフラビージョとウェンディーヌ。
そして、サンダールは…
誰でも良かった!?
サタラクラが手を上げなければ、このサンダールがああなっていたということか…
おのれぇ…!
と心中で呟き、一人憤るのだった…。
その頃、おぼろ研究所では、おぼろが流星群の解析に成功。
メッセージから「アレ」の正体が「全てを飲み込み無に返す、巨大な穴」だと判明したのだった。
急いでそれを鷹介たちに報告。
巨大な穴!?
ブラックホールみたいなもんや。成り立ちは違うけど。
もちろんそんなものが発生すれば、地球はあっという間に飲み込まれ、消滅してしまう。
その引き金こそが、怒りと嘆きの弓矢であったのだ!
でも、その前に『弓矢を射るにふさわしい力を得よ、姿を得よ』。
これが最後のメッセージや。その準備でサタラクラが…
弓矢を射るに相応しい力…姿!?
そういうことだったの、タザやん!?
それを知って驚愕するサタラクラ。しかし…
でも、ワーッハハーッ!
ボキもちょこっとは、遊ばせてもらお~!感じる感じる!エネルギーがぁ!!
かえって面白がり、ジャキュームガンの貯めたエネルギーを無断で自身の体に注入した!
それに怒るタウ・ザントに、サンダールは…
そう言って地上へと赴くのだった。
そしてサタラクラは、「サタやん影分身」で数体に分身。
ハリケンジャーたちを次々と攻撃し、さらには仮面から光線を放ってシュリケンジャー以外の5人を変身解除にまで追い込んだ。
サタラクラは鷹介たちにジャキュームガンを向け、生体エネルギーをも吸い取った。
やった!
やったもんねボキちゃん!お腹一杯だもんねぇ!!
勝ち誇るサタラクラ。だがその背後に、サンダールが現れた。
サタラクラ…
あ?おぉ、サンちゃん!
うっ…サンダール!
サンダールが来てくれたことに喜ぶサタラクラ。
一方、それを見たシュリケンジャーの脳裏に、御前様がサンダールに殺害される光景がよぎった。
サンちゃん、加勢ならもっと早く~!さぁ、一緒に奴らを地獄にぃ!
意気揚々と鷹介たちに向かっていくサタラクラ。だが…
サンダールが剣を抜き、サタラクラの背中のタンクを切り落とした!
それを拾うサンダール。
ご苦労だった、サタラクラ。
あらら…?
だが命令を無視し、エネルギーを無駄遣いした報いは、受けてもらうぞ!
そんなサンちゃん、ちょっと遊んだぐらいでぇ~!
おどけるサタラクラだったが、その次の瞬間、サンダールは剣を振り下ろした。
これによってサタラクラの仮面が真っ二つに割れ、崩れ落ちた。
その時、シュリケンジャーが突如立ち上がってサンダールに飛び蹴りを見舞うと、シュリケンズバットで斬りかかった。
そして両者はそのまま互いの剣を切り結んだ。
サンダール!貴様のような腐りきった奴の刃に…御前様が倒されたかと思うとぉ!!
それを聞いた鷹介たちはハッとする。
シュリケンジャー…!?
やっぱり、御前様のことを…
シ、シュリケンジャー…
そう、シュリケンジャーも本当は鷹介たちと同じ気持ちだったのだ。
サンダール!貴様だけは…
貴様だけは、絶対に許さぁぁん!!
大逆転!フェイスチェンジ!!
行くぜぇぇっ!!!
シュリケンジャーはファイヤーモードに変身、サンダールの猛攻をものともせずに突進した。
怒りの天空斬がサンダールに見事命中。しかし…
サンダールの反撃によって大ダメージを食らってしまう。
鷹介たちは加勢しようとするも、シュリケンジャーに止められる。
だが、野球忍法さえもサンダールには通用しなかった。そしてサンダールはシュリケンジャーに剣を振り下ろし、致命傷を与えるのだった。
御前とやらもこの星も、お前に守れるものなど何もない…
サンダールはそう吐き捨てると、そのまま立ち去っていくのだった、
鷹介たちは、倒れたシュリケンジャーに駆け寄った。
だ、大丈夫だ…
どこで、どのように果てようと…
10年前、シュリケンジャーとして選ばれた時からの…我が宿命…
一方、おぼろ研究所では。
はっ、10年前!?ま、ま、まさかあやつは…!?
な、何やて…!?
館長が、シュリケンジャーこそが10年前に失踪したあの忍者なのではないかと驚愕していた。
満身創痍のシュリケンジャーは告げる。
よく聞け…ハリケンジャー、ゴウライジャー…
忍者は…名を捨て、顔を捨て、命令に従い、生きてこそ、忍者…うッ…!
シュリケンジャー!?
だが…花の名を、忘れても…
そして再び、シュリケンジャーの脳裏に御前様との記憶がよぎった。
花の名を忘れても、花の美しさを、人は知っている。
御前様…
私も忘れん。未来永劫。
だから迷うな、振り向くな、前を見よ。シュリケンジャー。
花の名を…忘れても…
花の…美しさを…
人は…知っている…
だから、戦える…
命を、懸けられる…忍者を…全うできる!
御前様が、教えてくれた…
俺は…俺たちは…!
シュリケンジャー…
シュリケンジャーの手が宙を泳ぎ、その手を握る鷹介たち。
だがその時、サタラクラが起き上がった。
よくもォ…ボキの仮面を割ってくれたなぁ…!!
嫌いだ嫌いだ!
ハリケンジャーも、ゴウライジャーも、シュリケンジャーも、ジャカンジャも!!
大っ嫌いだぁぁぁぁぁ!!
仮面が割れたことにより露わになったその素顔は、ヘビのように見開いたままの無表情な三つ目が並んでいた。
そして、ハリケンジャー達や、自身を裏切ったジャカンジャへの怒りを爆発させ、エネルギーを全身に漲らせつつ巨体化した。
すると、シュリケンジャーが力なく立ち上がり…
シュリケンボールを鷹介に託して巨大サタラクラの相手を引き受ける。
これは!?
それで敵要塞へのルートが開ける。スイッチを押すのはお前たちだぁ!
行け、ハリケンジャー、ゴウライジャー!!
シュリケンジャーに続こうとする鷹介たちを、一甲が制止する。鷹介たちは、涙を呑んで駆け出していくのだった…
天空神に乗り込んだシュリケンジャー。
この星の敵!宇宙の敵!ジャカンジャ…許さん!!!
うおおおおおおおッ!!
巨大サタラクラの放つ光線を浴びつつも、天空神が向かっていく。
天空忍者シュリケンジャーの力!今こそ見せてやる!!
えぇ!?
そしてついに、天空神はサタラクラにしがみついた。その様子を遠くから目撃する鷹介たち。
何ィ!?嘘…じょ、冗談ンン!!??
御前様の仇を…この星を…未来を!
頼むぞ、ハリケンジャー!頼むぞ、ゴウライジャー!!
うわあああああぁぁーーー!?
天空忍者シュリケンジャー…その壮絶なる最期を見届けた鷹介たちは、ガックリと膝をつくのだった……
寄生要塞センティピード。
サタラクラの最期を見ていたフラビージョとウェンディーヌ。
だがそこへ、エネルギータンクを携えたサンダールがセンティピードに戻ってきた。
サタラクラの死の遠因となったサンダールに詰め寄るウェンディーヌだったが、逆に突き飛ばされる。
そしてサンダールは、エネルギータンクをタウ・ザントに献上するのであった…
お待たせしました、タウ・ザント様。
おお…ついに、ついに時は来た!
フフフフフフフハハハハ…!フハハハハ!!
一方、海岸に立っていた鷹介たち。彼らは決意を新たにしていた。
行こう!シュリケンジャーが、命と引き換えに遺してくれたんだ!!
うん、戦う意味と…
敵の要塞へのルートを!
応えられるのは…
我らしかいない!
そして全員が変身し、ハリケンホークに乗り込んだ。
必ず、俺たちの手でジャカンジャを!
見ててくれ、シュリケンジャー!!
果たしてハリケンジャーたちは、ジャカンジャを打倒し、御前様とシュリケンジャーの無念を晴らすことができるのか…
余談
- この回のラストで生死不明となったシュリケンジャーであるが、ハリケンジャー単体としての続編である『10 YEARS AFTER」でも彼は既に死んだものとして扱われており、新たな戦士がシュリケンジャーを継いでいる。
だが、他戦隊とコラボした世界観においては、『アバレンジャーVSハリケンジャー』や『手裏剣戦隊ニンニンジャー』には普通に本人が登場しており、一命を取り留めて今もハリケンジャーや後輩達を陰ながら見守ってくれている設定となっている。
また、最終話にも彼の生存を仄めかすようなシーンも存在している。
追記修正は生体エネルギーを吸い取られてからお願いします。
- 当時色んな意味で衝撃的だった回 -- 名無しさん (2022-01-17 01:11:12)
- サタラクラもサンダールもロボットの自爆での相打ち、タウザントは不意打ちであっけなくやられたりと、割と終盤の展開は雑に感じたな当時は -- 名無しさん (2022-01-17 08:40:38)
- ↑タウザントはともかくサタラクラやサンダールの最期はシュリケンジャーやゴウライジャーの決死の覚悟が光る展開なんだから雑ではないだろ。残り2話の記事も出来ないかな。 -- 名無しさん (2022-01-17 12:37:53)
- この回はおぼろげながらも覚えている。そして『アバレンジャーVSハリケンジャー』でしっれと登場したのに唖然としました(笑) -- 名無しさん (2022-01-17 20:37:07)
- ゴーカイジャー伊狩鎧の夢に出なかったから生存説も出たが、あの夢に出たのはみんな龍関連の巨大戦力持ってるからね… -- 名無しさん (2022-01-18 00:10:31)
- サタラクラも壮絶な最期。この後もサンダールのこれまた壮絶な最期やタザやんの残念な最期に続く -- 名無しさん (2022-01-22 00:52:32)
- アバレンジャーVSハリケンジャーのシュリケンジャーはまだ本当に生きた本人なのかはっきりとはしてない描写だったけどニンニンジャーでは普通に行動してて鷹介とも連絡取ってるからあの致命傷の状態と爆発からどうやって生還したかは不明だけど何とか一命は取り留められた模様。 -- 名無しさん (2022-03-18 20:29:52)
- 「花の名を忘れても花の美しさを人は知っている」って本当名言だと思う。 -- 名無しさん (2022-03-18 20:30:12)
最終更新:2022年04月16日 01:40