ウィリーズ・ワンダーランド

登録日:2021/04/23 Sat 21:17:17
更新日:2025/01/19 Sun 20:09:04
所要時間:約 5 分で読めます




今日は君の誕生日

お祝いしよう




ウィリーズ・ワンダーランド』(原題:WILLY'S WONDERLAND)は2020年に公開された米国のアクションホラー映画。配給はカルチュア・パブリッシャーズ。

監督をケヴィン・ルイス、脚本をG・O・パーソンズが担当する。

設定が某ホラーゲームに似ている事で話題になった(特にアニマトロニクスの造形)。
実際元ネタの一つではあるらしい。

キャッチコピーは「地獄(パーティー)は終わらない。ようこそ、この世でもっとも恐ろしい楽園へ」。


【ストーリー】

ある男が車の故障で人里離れた町にとりのこされてしまう。通りかかった修理工に助けられるが、車の修理代が払えず、代わりに廃墟となったテーマパーク“ウィリーズ・ワンダーランド”の清掃員として一晩働くことを提案される。
軽く引き受けたものの、男は遊園地に閉じ込められ、アニマルロボットたちに襲われることに。かつて子供たちの遊び場だった施設には暗い過去があり、呪われたロボットたちは殺人鬼となっていた――。
――カルチュア・パブリッシャーズ公式サイトより引用


【登場人物】

  • 主人公
演:ニコラス・ケイジ
本作の主人公の寡黙な男。名前は不明。叫び声を除けば一言も台詞がない。
テックスと修理工に騙されロボットに生贄に捧げられる。何処までもマイペースで黙々と清掃作業を続け、休憩時間になればどんな状況でも控室に戻って炭酸飲料を飲み、ピンボールに興じる。
ヒロインと一緒に怪物と対峙した状況下で休憩時間に入るや怪物を(一応ナイフを預けた)ヒロインに押し付けて堂々と休憩に行ったホラー映画の主人公はこいつぐらいだろう。
ただしこれはテックスの「休憩はしっかりと取れ」という言葉を律儀に守っているだけであり、休憩時間が終わったら襲われている人間を助けたり汚れた少女に体を拭くタオルを渡したり、死者を弔うくらいの人情は残っているらしい。
喋らないが、ピンボールで遊んでる時には歓声を上げるし、カメレオンロボにワイヤーを巻き付けボコボコにしてる際にカウボーイの掛け声のようなものを出してるので、喋れないわけではなく極端に無口なだけのようだ。

  • リブ
演:エミリー・トスタ
本作のヒロイン。ウィリーズ・ワンダーランドの真実を知っており、仲間達と共に放火する計画を立てていた。
主人公を巻き込まないために園外に連れ出そうとするが……。
正直殺人ロボットよりも何考えてるかわからない主人公と何も考えてない友人達の方に翻弄されてるような気がしないでもない。
不良少女であるが他人に優しい一面がある。

  • テックス
演:リック・ライツ
ウィリーズ・ワンダーランドの現所有者。
殺人ロボットによって廃業せざるを得なくなった遊園地に犠牲者を送り込み、その乗用車をコレクションとして収集している。

  • ルンド保安官
演:ベス・グラント
リブの育ての親。リブを始めとする住人を護るため、絶対強者であるロボットに対して余所者を生贄に捧げている。
目的と手段が入れ代わり気味で、余所者がロボットを撃退できるチャンスでもロボットを護ることを優先するようになっている。
彼女の名誉のために言えば、殺人ロボット達…少なくともウィリーに勝てる人間が居るとは信じられなかったのだろう。

  • リブの友人達
犠牲者枠。リブには外から脱出の手伝いをするよう頼まれていたが半ば事故の形で全員園内に突入した。
ウィリーズ・ワンダーランドの真実を知りながら園内でセックスし始めるような馬鹿揃い。
  • クリス
リブに惚れている風な素振りを見せる優男。良くも悪くも人を信じすぎるところがあり、それが彼の命取りとなった。
  • キャシー
リブグループではリブ以外の女友達。一見クレバーで手錠で縛られていた彼女を助けたりと仲間思いなところを見せながらも、遊園地内では恋人のボブとセックスをするというなかなか両極端な姿を見せた。殺される際に震えた声を出していた辺り、恐怖の余り子孫を残したくなったのかも知れない…。
  • ボブ
キャシーの恋人。遊園地内で彼女に誘われるがままセックスする。極限状態で彼女に抵抗せずにそのまま体を預けた辺り、流されやすい性格のようだ。
  • ダン、アーロン
その他友人たち。割りと雑に死ぬ。



■ウィリーズ・ワンダーランド

殺戮の舞台になる屋内型遊園地の廃墟。
表向きは子供向けのテーマパークであったが、経営者のジェリー・ウィリスは連続殺人鬼であり、
仲間と共に子供の誕生日を祝う家族を奥の部屋に誘い込み殺害し続けていた。
当然ながら大勢の行方不明者が出て周囲に異臭が漂い、ついに捜査の手が伸びるもジェリーと仲間たちは後述の悪魔的儀式を行い自殺。
テックスに権利が移った後も解体業者を手にかけ取り壊すことができず現在に至っていた。

■アニマルロボット

ウィリーズ・ワンダーランドを支配する恐るべき殺人ロボット達。陽気な音楽が園内に響き始めるのが彼らが活動を始める合図。
個体差はあるものの人間程度は軽く引き裂くパワーと、ロボット故の頑丈さを持ち、体には黒い血(オイル?)が流れている。
ロボットなのに致命的な破壊でなければ損傷を回復でき、近くの場所に狙いを付けてワープする能力すら持つ、神出鬼没の怪物。
常人では戦いにすらならない、8体もの鋼鉄の悪魔である。

その正体は自殺した際に悪魔崇拝の儀式でロボットに魂を移したジェリーたちウィリーズ・ワンダーランドの旧経営者の殺人鬼8人。
テーマパークがリニューアルオープンされた後も殺戮を繰り返し、街にも繰り出し住人にも被害を出したため、
保安官を代表とする住人達と余所者を生贄に捧げる代わりに住人には手を出さない契約を結んでいる。 

  • イタチのウィリー
園名にもなっているロボット達のリーダー格。人間の上半身と下半身を容易く切断する鋭い爪を武器とする。

  • ワニのアーティ
鋭い牙で噛み殺す。セックスに興じていた馬鹿二人を襲い食い散らす。

  • 妖精のサラ
人型をしており特徴的な武器は持たないが、激しいダンスと肉弾戦で人間を追い詰める。
手先も起用でライターを着火させる事も可能。というか身体はほぼ生身の人間である。
園に入った直後のリブを襲うが逃げられる。

  • カメレオンのキャミー
長く伸びる舌を武器とする。ロボットの中で自分だけはまともだと味方のふりをして近付き絞め殺す非道な性格。
リブの友人を信用させ、主人公とリブと合流した瞬間に眼の前で絞め殺した。

  • ゴリラのガス
恰幅が大きく剛腕を振るう。ゴリラなので機動力も高い。
2番目に主人公を襲ったロボット。トイレの個室に隠れていると見せかけて天井から不意打ちで襲いかかる。

  • おやすみナイト
鎧を着た騎士型のロボット。剣を振るい夜ふかしする悪い子を斬り殺す。
リブの友人の一人を殺害、続けてリブにも襲いかかる。

  • ダチョウのオジー
鋭い嘴で刺し貫こうとする。最初に主人公を襲ったロボット。

  • カメのティト
ソンブレロをかぶってる亀型のロボット。こいつだけなぜかスペイン語で喋る。一瞬でショットガンの銃弾を抜き取ったり手先が器用で抜け目がない。
園から脱出したリブの後を追う。










以下、ネタバレ注意。



















次々と元々の目的を忘れたバカ共来園者である若者達を血塗れにしていくロボット達。
そしてダチョウのオジーは生贄を始末しようと、掃除をする主人公の背後に登場。
訝しみながら機械の故障かと体を叩きまくる主人公に嬉々として襲いかかり、
「顔を食ってやる!」とクチバシで貫いて惨殺しようと試み……

頬を切られてブチ切れた主人公にへし折ったモップでタコ殴りにされ、脊椎(のようなパーツ)を引っこ抜かれ無事活動を停止。


そう、今作は謎の殺人ロボットに無力な人間が不条理に殺られていくだけではなく、
謎の寡黙な主人公によって殺人ロボットの皆さんが不条理にブッ壊されていく逆ホラーである。
生身じゃないからどんなに荒っぽく扱っても無問題とばかりに、殺人ロボット達がルール無用の残虐ファイトで次々とスクラップに変えられていく光景は最早無常さすら感じられる。
本作の主演が元ネタなどの一箇所に留まることを強制された一般警備員ではなく
つい最近まで多額の借金返済のためにB級映画に出演しまくっていた暴れ狂うニコラス・ケイジだったことが運の尽きであった*1それとリブが割と強かったのも誤算。
たださすがのニコラスでもショットガンは怖いらしい。

とはいえコメディで片付けるには重すぎる。無惨に殺される子供のシーンもある。
他、戦闘シーンでは激しいフラッシュにより目が疲れる為、視聴には注意しよう。




  • その他愉快な仲間たちの末路


  • ゴリラのガス
トイレの掃除中だったニコラス・ケイジに不意打ちを決め抑え込むことに成功するが、
揉み合いの勢いで拘束を外されてトイレの個室に逃げ込まれてしまい、自分がトイレのスッポン武器を取ったケイジに個室からの急襲を受けて一転攻勢。命乞いをするも顔面を小便器に押し込まれそのまま蹴り殺される。

  • おやすみナイト
メインヒロインリブを襲うが、熱中するあまり背後から迫るニコラス・ケイジに気付けず
腕をへし折られて壁に頭部を何度も打ち付けられ、最後は自分の剣で首を刎ねられる。

  • ワニのアーティ
ホラー映画恒例のセックスしてたリブの友人たちを惨殺。引き続きニコラス・ケイジを襲うが見事返り討ちにあい
上顎と下顎を限界まで引き剥がされ、喉の奥から内部パーツを掴み出されてご臨終。

  • カメレオンのキャミー
ニコラス・ケイジが休憩タイムに入ったためこれ幸いと残されたリブを襲うが
殺し切る前にケイジが戻ってきて首を締められ無力化、首縄状態で店中引き回しの刑に処されるが、
止めを刺される前にルンド保安官に救出され生き延びた。
その後保安官に拘束されたケイジを妖精のサラと共に再度襲うが、
両腕を縛られたままのケイジにフルボッコにされるサラを見て恐怖で棒立ちになり、何もできないまま首を捩じ切られて死亡

  • 妖精のサラ
ティトと行動を共にしている時にキャミーを引き回しているニコラス・ケイジと遭遇し、通行の邪魔とばかりに仲良く一蹴される
その後救出されたキャミーと共に拘束中のケイジを襲うが、両腕を縛られたままのケイジからの頭突き→転倒からの両足で首をへし折られフェードアウト
しかし…。

  • イタチのウィリー
ニコラス・ケイジを危険視した保安官が散弾銃を突き付けケイジを無力化するも、
怒り狂ったウィリーは、まず保安官を斬り殺しケイジに襲いかかる。
リーダー格なだけはあって壮絶な格闘の末ケイジを倒すことに成功したが死亡確認をしなかったことが運の尽き。
ケイジの武装を許してしまい……。

  • カメのティト
狭い通路でニコラス・ケイジと遭遇した際に一発殴られはしたものの、
ケイジ拘束後にリブを追って園から離れた事が幸いして、仲間達の中では唯一最後までケイジと交戦せずに済んだ。
だがショットガンを持ったリブに殴られまくってボロボロになり戦意喪失。このヒロインも大概おかしいよ。このままフェードアウトかと思いきや……



だいたい案の定な末路となる結末は君の目で確かめよう。
少なくとも後味はとても良い。



追記・修正は、一人で殺人ロボット8体を破壊してからお願いします。
この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • ウィリーズ・ワンダーランド
  • ホラー映画
  • 洋画
  • アクション映画
  • アクションホラー
  • ニコラス・ケイジ
  • 殺人ロボット
  • ロボット
  • 遊園地
  • カルチュア・パブリッシャーズ
  • 映画
  • (主人公が)残虐ファイト
  • 生きてる人間が一番怖い
  • 脊椎引っこ抜き
  • 2020年
最終更新:2025年01月19日 20:09

*1 「借金があったことも、この時出た映画がB級と呼ばれることが多いのも否定しないが、俺は脚本を見ていいと思った作品だけに出た。『金のためにショボい映画にも構わず出た』と言われるのは不本意だし作品にも失礼だ」とニコラス・ケイジは表明している。