食品売場おじさん(笑ゥせぇるすまん)

登録日:2023/01/28 Sat 20:17:20
更新日:2023/02/02 Thu 16:05:16
所要時間:約 5 分で読めます




「食品売場おじさん」とは、アニメ版「笑ゥせぇるすまん」のエピソード。
第97話として放映された、原作にはないアニメオリジナルエピソード。


【あらすじ】

サラリーマンの鵜飼寄道は、デパートの食品売り場で食品を買うのが趣味だった。
しかしある日、実演販売していた本場の餃子を買って帰ったところ、妻のユウコが餃子を作って待っており、そんなに自分の料理が気に入らないのかと叱られてしまう。
もう食品売り場にはいかないと心に決めるも、翌日のデパートで駅弁の販売が行われることを知った鵜飼は、結局駅弁を買ってしまう。
一人噴水の前で駅弁を食べていたところ、喪黒に声を掛けられる。
BAR魔の巣にて、自分はデパートの食品売り場を見て回るのが大好きだと語る鵜飼。
試食などをして少しでも気に入ってしまうとすぐ衝動買いしてしまい、その度にユウコから叱責されてしまっているという。
それを聞いた喪黒は、明日デパートの食品売り場で会うように言った。
何でも、心置きなく試食できる場所へ案内するとのことだが…。


【登場人物】

CV:大平透
ご存じ人の心を扱う笑ゥせぇるすまん。


  • 鵜飼寄道
CV:増岡弘
48歳のサラリーマン。
駄菓子屋に行くのが大好きであったため、その延長としてデパ地下の食品売り場に通っていた。
演じる増岡弘は、第51話「見おろす男」でも客の宇和目和夫を演じていた。

  • ユウコ
CV:青木和代
鵜飼の妻。
料理自慢の良妻なのだが、鵜飼がいつもデパートの食品売り場で買い物してくるため、頭を悩ませている。


【顛末】

翌日、デパートの食品売り場に来た二人は、試食をしたり、沢山の食べ物を購入したりした。

「いやぁ、こんなに買い込んだのは久しぶりです!実に気持ちのいいもんですねぇ!」

「では早速、秘密のアジトへ参りましょう」

アジトというのは、目の前のコンビニの上のワンルームマンションの事だった。
その部屋は喪黒が税金対策で借りているだけであり、いつでも自由に使っていいとのこと。
そこには冷蔵庫や電子レンジ、ガスコンロが備わっているため、買い置きや温め直し、調理も自由自在なのである。

「し、しかし本当にタダで借りていいんでしょうか…?」

「ボランティアだと言ったでしょう?ウ~ム…ところでこのたこ焼き、天かす入りで美味いですなぁ!」

「おっと、それならこっちの、横浜名物・酢豚もこってりしていてポイント高いですよ」

「あぁ~…この静岡のお茶も結構いけますな」

「そうだ!これこれ、福岡直送の明太子!僕はこれに目が無くてね!」

かくして、買ってきた食品に舌鼓を打つ二人なのであった。
しかし、そこで食べ過ぎたせいか、鵜飼は夕飯の酢豚や明太子が食べられなくなってしまった。
それを訝しむユウコだったが、鵜飼は「昼に食べた定食の脂が良くなくて胸焼けしてる」と誤魔化した。

数日後。
デパートで買ったしめ鯖に舌鼓を打つ鵜飼。そこへ喪黒が一本の酒を持ってやってきた。

「私は人に影響されやすいタイプでしてね。いやぁデパートの食品売り場は実に楽しい所ですな!」

デパートでは地酒を飲み比べる利き酒大会をやっており、そこで幻の酒「東風の寒桜」を買ってきたというのだ。
酒の肴も沢山あるため、大いにやろうと盛り上がる喪黒。
鵜飼はこの部屋を紹介されてから、週に2,3回は誰にも邪魔されず、いろんな味を堪能していると礼を言う。
喪黒は心のスキマが埋められて幸せだとご満悦だった。

だが、家に帰ってきてからの鵜飼は、ユウコの料理を食べられずにいた。
食が細くなったと不満そうなユウコ。鵜飼は「人間年を取ると少食になるもの」と誤魔化すも、ユウコからは「小食の割には少し太ったみたいじゃない?」と指摘される。
鵜飼は「便秘気味」だと切り抜けるのだった。

そしてユウコは、鵜飼が食べなかったシューマイを処分した……。

+ また数日後
またもやデパートの食品に舌鼓を打つ鵜飼だったが、ユウコの料理が食べられなくなるといけないと思い、今日はここまでと片付け始める。
するとチャイムが鳴り、喪黒だと思ってドアを開けると……。


「アナタ…どうも変だと思ったら、女の所なんかに!」

なんと、ユウコが怒りの表情で立っていた。

「じょ、じょ、冗談じゃないよ!女なんていないよ!ぼぼ僕一人だよ!」

必死に弁明する鵜飼だが、聞き入れてもらえず、ユウコは浮気をされたと誤解して悔しがる始末。
その時。

「部屋を貸したのは私ですよぉ~!」

ユウコの面前に喪黒の顔が。

「奥さん、ご主人は仕事一筋の方で、デパート食品売り場をまわってちょこちょこと買い食いすることだけが唯一のご趣味なんですよぉ。それくらいは許しておあげになったらどうです?」

「喪黒さん…いやぁよく言ってくれました!」

安心する鵜飼。だが、ユウコが納得いくはずもなく……。

「冗談じゃないわ!それじゃ毎日毎日、アナタの為に料理を工夫してきたアタシの苦労はなんだったのよ!?」

「し、しかし!少しぐらい僕の趣味を認めてくれても…!」

「何が趣味よぉ!! 結局は、アタシの料理が気に入らないんでしょ!」

「いやそ、そうじゃないってばぁ!」

「そうに決まってるわ!だからいつも残してばっかり…」

激しい言い合いになる夫婦を押し留めた喪黒。

「まあまあまあまあ落ち着いて落ち着いて。分かりました、お二人がご満足いくようにいたしましょう!お任せください!」

そして喪黒は二人に指を突き付け…

ドォォォォォォォン!

+ それから
例のマンションの部屋でデパートの食品を食べていたユウコ。

「毎日毎日、お献立で悩むこともないし、向かいのデパートで美味しい物買ってきて…。レンジでチンするだけで洗いものも無い。ウフフフ…、ホォォォ~ント、極楽よねぇ~~~!」

すっかり気に入ってしまい、「買い食い生活って素敵だわぁ!」と大満足。しかも前よりも太ってしまっていた。


一方、鵜飼家では…。

「ハァ~~…。二人で離れて、好きなように食事すると決めたものの、こう毎日じゃ、買い食いも飽きるな…」

家の中がゴミで散らかっており、その上鵜飼もやつれてしまっていた。

「あぁユウコ、そろそろ帰ってきてくれんかなぁ…。栄養が偏って痩せちまったよぉ…。美味しい家庭料理が食べたいよォォ~…」


「買い食いつまみ食いは隠れてやるから楽しいのです。しかし、男性に比べて女性のあの逞しさ!男や~も~め~にウジが~沸きゃ女やもめにゃ花が咲くっと。オーッホッホッホッホッホッホ……」




追記修正は、自分の為に料理を工夫してきた人の苦労を考えつつお願いします。

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最終更新:2023年02月02日 16:05