コナンVS爆弾魔(名探偵コナン 特別編)

登録日:2023/02/09 (木) 12:16:40
更新日:2023/02/10 Fri 21:24:18
所要時間:約 6 分で読めます







君のお母さんが今こいでるエアロバイク。


そいつに…


爆弾をしかけたんだ。




『コナンVS爆弾魔』とは、『名探偵コナン 特別編』のエピソードの1つ。
『特別編』第25巻に収録されており、作者は山岸栄一が担当。

今回はタイトル通りコナンと爆弾魔の頭脳戦が繰り広げられるエピソードとなっている。


以下、ネタバレにご注意ください。


【ストーリー】


雨の中歩いていたコナンは、自転車に乗っていた女性と衝突し負傷。
治療のため彼女の家を訪れるが、そこに「爆弾をしかけた」という電話がかかってきて…



【事件関係者】


  • 錦美奈(にしき みな)
傘をさしながら自転車に乗っていたせいでコナンとぶつかってしまった女性。
それに責任を感じコナンを自宅に招いて怪我の治療をする。
だがそこに家庭教師の早田から電話がかかってきて、母の乗っているエアロバイクに爆弾が仕掛けてあると告げられてしまう。
年齢は明かされていないが家庭教師がいることを考えると学生だと思われる。
太腿が眩しい。

  • 美奈の母
美奈の母親。
乗っているエアロバイクに爆弾が仕掛けられ、回転スピードを下げると爆発してしまうことになり、
ずっと一定のスピードで漕ぐことは強いられるという苦行を味わう羽目に。

  • 早田(そうだ)
美奈の家庭教師にして今回の事件の犯人である爆弾魔の青年。
その目的は金ではなく錦家の主人である錦一彦と話をすることだという。
エアロバイクの他にも庭先に爆弾を設置しており、本気であることも表明していた。
錦家に盗聴器を仕掛け行動を把握していたが、それはコナンに見抜かれ潜伏先も割り出されてしまい警察によりあっさり確保。
元々逮捕されるのは覚悟の上だったようで、彼は落ち着いており…
更に彼の自宅には爆弾の設計図があり、爆弾も解体できると思われたが…

  • 錦一彦(にしき かずひこ)
美奈の父親。劇中では声のみの登場。
運悪く海外出張中に妻が爆死の危機にさらされてしまう。
早田とは何かしらの因縁があるようだが…

【レギュラー陣】


ご存知主人公。
雨の中散歩をしており、珍しく最近事件がなかったのか退屈そうにしていた。
そんな中自転車に乗っていた美奈とぶつかり負傷。
治療のため彼女の家を訪れるが、そこで爆弾事件に巻き込まれる。

犯人の早田とはコナンとして舌戦を繰り広げる傍ら、新一の声で警察に通報する。その後は目暮と連携して事態の収拾にあたる。
珍しくイヤリング型携帯電話を使用している。

ご存じ警部殿。
逮捕されたのに余裕綽々の早田とにも毅然とした態度で対峙する等、ある意味今回のもう1人の主役ともいうべき振る舞いを見せる。

ご存知高木君。
早田の自宅に突入し、爆弾の設計図を発見した。













以下、事件の結末…さらなるネタバレ注意!





































警察は…犯罪者と取り引きはしない!

  • 爆弾魔との攻防
早田の仕掛けた爆弾は様々なセンサーが搭載されており、奥さんを下ろすことは不可能だった。
一応エアロバイクの設定をいじれば停止するというとこまでは突き止めたが、そこまでだった。
更には時限装置もあるためそんな悠長にはしてられなかった。

余裕の早田にいら立ちを隠せない目暮、そうこうしている内にも奥さんの体力も限界に近づいていた。
だが早田は時間を気にしており、それを見たコナンは新一の声で目暮に助言。

早田は殺人が目的ではなく、錦一彦が苦しむ様を見るのが目的であると、だから奥さんがすぐに死んでしまうのは困るから早くコンタクトをとりたがっていたのだ。
だからあっちから話し始めるのを待つようにコナンは目暮に指示をした。

やがて目論見通り早田はヒントを話し始めた。
エアロバイクにゾロ目の数字を入力すれば爆弾は止まると。
だがそれでも確率は十分の一、仕方なく目暮は錦一彦と電話させてあげることにした。

ようやく目的が果たせた早田は興奮し、サイコロでできるゾロ目だと目暮に伝える。これで確率は六分の一となった。
一彦は妻を助けてくれと懇願するが、早田は遂に動機を話し始める…








15年前の飯島トンネル崩落事故。



忘れたとは言わさんぞ。



  • 動機
話は15年前、トンネルの崩落事故に両親もろとも巻き込まれた早田。
自身は外に投げ出されたので無傷とは言えないまでも無事だったが、両親は車内に残されたまま。
そこに錦一彦が通りかかり、早田は助けを求めるが、一彦は会社の存続に関わる会議があるからと見捨てて去ってしまった。

結局両親は死亡し、一彦の車のナンバーを覚えていた早田は復讐を決意。
家族を助けられない苦しみを彼にも味わわせるため、あえて彼自身ではなく身内を危険に晒したのだった。

早田は勝ち誇ったように笑うが…


  • 結末
早田は目暮から「奥さんは助かった」と告げられる。
それに驚愕する早田。実はさっき教えた解除のための数字は嘘だったのだ。

実際早田が現場に行ってみると、エアロバイクの漕ぎ手が奥さんから爆発物処理班の人間に代わっていた。
だが時限装置があるため早田は解除しなければならず、急いで正解の数字を入力。
それを見た目暮は大声で数字を叫ぶ。それに驚く早田にコナンは説明する。

実は目の前にあるのは早田を欺くために用意した別のエアロバイクで、本物は奥さん事別の部屋に移していた。
爆弾には奥さんが漕ぎ続けられるように振動では爆発しないようになっていたことも幸いであった。

そして正解の数字を打ち込まれ、奥さんは今度こそ無事救出されたのだった。
早田は敗北を悟り愕然とするしかなかった。

両親を見殺しにされ半生を復讐に費やしてきた早田。
その境遇は悲惨だったが関係ないはずのターゲットの身内を狙い、嘘の情報を教えて助ける気もなかったなどあまり同情できる人物ではない。


  • 美奈の母
夫のしでかしたことに巻き込まれた可哀想な被害者。
エアロバイクの漕ぎ過ぎで脱水症状起こし病院に運ばれたものの、命は助かった。

  • 錦美奈
母が無事だったことに安堵し、涙を流していた。
家庭教師である早田に気があった素振りを見せていたが、早田にとっては錦家に入り込むために理由していたに過ぎなかった模様。
今回早田の本性を知り男性不振になりそうなものだが、どうにか立ち直って欲しいものである。

  • 錦一彦
劇中姿を見せなかったが今回の元凶。
彼が早田の両親を見捨てたせいで*1、後に家族が狙われるきっかけを作ってしまった。
会社の存続がかかった会議の日であったとはいえ、あくまで社内の会議であれば多少遅れても問題なかったのではないだろうか?
しかも、人命救助を行ったとあれば仮に大手との取り引きとかであってもそこまで痛手はならなかったであろう*2
もしかしたら、急いでいた上に実際に事故の現場を目の当たりにしてテンパってしまい、冷静な判断ができなかっただけなのかもしれない。
いずれにせよ自分の行いで家族が危険な目にあったのも事実なので、これからは人命を尊重して生きて欲しいものである。


追記・修正はエアロバイクを漕ぎ続けてからお願いします。

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最終更新:2023年02月10日 21:24

*1 一応出血を確認して助からないと判断していたが、それでも消防に一報いれてから立ち去るべきであった。

*2 何なら消防隊員にも同行してもらって事情を説明してもらうという方法もあった。