乙女ノココロ(炎神戦隊ゴーオンジャー)

登録日:2023/03/31 Tue 09:31:52
更新日:2023/03/28 Tue 14:56:01
所要時間:ブイブーイ!約 12 分で読めるで!






ベアールVやで!

早輝が出会ったフルートを吹くイケメン。
えぇ~!? もしてしてこのまま2人は!?

どないする皆!?


GP-06 乙女ノココロ

ゴー・オン!







「乙女ノココロ」とは、『炎神戦隊ゴーオンジャー』GP-06(第6話)のサブタイトルである。

2008年3月23日放送。
脚本は武上純希、監督は竹本昇。


【概要】

ゴーオンジャーの紅一点・ゴーオンイエロー/楼山早輝の初主役回にして、シリーズ恒例のヒロインの恋愛回。
……と思わせつつ、ゴーオンレッド/江角走輔大暴走を見せつけるエピソードである。

今回のナレーションは炎神・ベアールV。


【あらすじ】


いつものように寝癖が直らないまま朝を迎える早輝。
そんなヘアスタイルを気にする早輝に向け、走輔は声をかける。


「安心しろ、誰も早輝の髪なんて見てないからさ」
「メットオンしちまえば分かりゃしない」

「あ」「あ」「あ」

硬直する男性陣。走輔としては悪気はなくフォローのつもりだったが、早輝は落ち込んで歩き去ってしまう。
周りから指摘され、慌てて謝ろうとする走輔だが、「皆の前でオシャレしたって仕方ないよね…」後に登場するブレイク限界兄貴のそっくりさんの如くやさぐれモードの早輝。

「オシャレは『かわいいね』って言ってくれるボーイフレンドの前だけにしとく!」

しかしこの言葉を聞き、走輔は早輝にボーイフレンドがいるのかもと不安に駆られる。
「もしボーイフレンドが出来たら俺に相談しろ。面接でも何でもして早輝に相応しい男か確かめてやる!」などと、いきなり保護者面をし出す走輔。

そこに美しいフルートの音色が響く。フルートの主は公園で演奏の練習をしていた美青年・小川征爾であった。
早輝が美しい音色に聞き入っていると、突如蛮機獣・スピーカーバンキが出現。

「美しい音色を吸収し破壊音波として撃ち出す」能力を持つスピーカーバンキの攻撃から征爾を助けた早輝は変身し、残るゴーオンジャーと合流。
連の機転により耳栓をしたゴーオンジャーは音波攻撃を物ともせず、スピーカーバンキを撃退する。
征爾のフルートにも音色が戻った。


それから数日後、早輝はお洒落をして出かけていった。
「ズバリ、デートかも」と推測する連に対し、走輔は「相手はあのフルート男か!」と怒り心頭。
慌てて外に出ると、軍平が範人相手に警察学校で習った読唇術を披露していた。
走輔はそれを見てある作戦を思いつく……。


その夜、走輔の読み通り、早輝と征爾はレストランで楽しそうに会話していた。
その様子を遠くから覗き見ていた走輔は無理矢理引っ張ってきた軍平に対し、読唇術で2人の会話内容を解読するよう頼み込む。
「悪趣味な奴」と言いつつも、仕方なく協力する軍平。


征爾「早輝さんが正義のヒーローだったなんて驚いたな。」

軍平訳「早輝さんが……驚いたな。」


しかし、位置が悪く暗いため会話の内容は中途半端にしか読み取れない。
走輔は軍平の言葉から「さしずめ、早輝にボーイフレンドがいないってんで驚いてるってとこか」と勝手に納得する。


征爾「早輝さんが好きな料理」

軍平訳「早輝さんが好き……」


征爾「ご自分で選んでください」

軍平訳「自分……選んで」


征爾は料理の注文を促しているだけなのだったが、肝心の情報が読み取れないため、
走輔は「あいつ、いきなり告りやがった…その上自分を恋人に選べだとぉ!?」と盛大に勘違い。


早輝「私、ポモドーロが大好きなの」

軍平訳「私、……大好きなの」

走輔&軍平「えぇ~~~!?」


またしても走輔の曲解は止まらない。
早輝は好きな料理の話をしているだけなのだが、走輔は「早輝もあいつのことが好き!?」と驚く。
軍平までも走輔の勘違いに釣られ、一緒になって慌てる始末。


早輝「できれば、何杯でもおかわりしたいくらいです」

軍平訳「できれば、……したいくらいです」

走輔「何だとぉ!? できれば結婚したいくらいだと!?」


もはや誰も止める者がいないこの状況、走輔は勝手に余計な一言を付け加えた挙句ショックで卒倒してしまう。
軍平に心配されながら、「早輝がぁ~!早輝がぁ~!」と顔をぐちゃぐちゃにして泣き崩れるのだった。


それから数日間、ガイアークは出現しなかった。
ゴーオンジャーは手分けをしてパトロールをすることに。
走輔は軍平と組んで街を見回っていたが、ちょうど早輝の姿を目撃する。
ショーウィンドウを見ながら跳ねた髪を直している早輝の前にウェディングドレスが飾られていたことから、走輔は早輝に結婚願望があるのだと誤解。

妄想はますますエスカレートし、「やっぱり俺達に早輝の青春を奪う権利はないよな」と、すっかり独り合点で思い込んでしまう。

すると早輝のゴーフォンに、征爾から「大事な話がある」と着信が。
一方、走輔のゴーフォンにはスピーカーバンキ出現の連絡が入る。
駆け寄ってきた早輝に対し、走輔は「きっと、正式な結婚の申し込みだ。お前はそっちに行け」と伝え、早輝を幸せの道に送り出した…つもりになる。


「いいか、幸せの女神ってのは後ろハゲなんだ。」

「はぁ…?変なヘアスタイル。」

「そういう問題じゃない!幸せってのは、目の前にある時、グーっと掴まなきゃ駄目なんだ。」

「よく話が見えないんだけど?」


走輔の言葉に困惑気味の早輝。
それに対し、走輔は「いいからとにかく行け!」「邪魔だ邪魔だ。行かなきゃ、これ以上口を利いてやらないからな」と強引に説得しようとする。
早輝は走輔の態度に腹を立て、征爾の元へ向かうのだった。


一方、パワーアップして復活したスピーカーバンキは街中の音を吸い取り、破壊音波でオフィス街を蹂躙していた。
早輝を除くゴーオンジャーの4人は現場に駆けつける。
早輝の行方を尋ねる軍平に、走輔は「あいつはもう卒業だ。これからゴーオンジャーは4人でやっていく」と宣言。


「涙を隠して、花嫁を見送ってやろうじゃないか!」


神妙な面持ちでうなずく軍平と、何のことだか理解できない連と範人。
だがとりあえず耳栓をつけて変身し、4人でスピーカーバンキに立ち向かう。
しかし、強化された破壊音波の前には耳栓も通用しなかった。
さらにマンタンガンの攻撃も音の壁に弾き飛ばされ、絶体絶命のピンチに陥る4人。

しかし……

「みんな!大丈夫?」


そこへ駆けつけたのは早輝であった。
ゴーオンイエローに変身した早輝は、破壊音波を足元に伏せてかわすと、マンタンガンでスピーカーバンキの左足を狙う。
そのままレーシングバレットで動きを封じ、大ダメージを負わせることに成功した。

「どうやって強化された音波の壁を破ったのか」と驚く一同。
実は、征爾から早輝に伝えられた「大事な話」とは、スピーカーバンキの攻略法であった。
征爾は以前、公園でスピーカーバンキに襲われた際、左足のスピーカーだけ音が出ていないということに、音楽家の鋭い聴覚で気付いていたのだった。


「大事な話ってそれだけか? 幸せの女神の前髪は?」

「ったくもう~… 前も後ろも、毛なんかないよ!」


ようやく自分の早とちりに気付いた走輔は、早輝に頭を叩かれてばつの悪そうな顔をするのだった。
そして逆転の勝機を掴んだゴーオンジャーは、ハイウェイバスターとジャンクションライフルでスピーカーバンキを撃破。

しかし、スピーカーバンキはビックリウムエナジーを注入され巨大化。
走輔たちは早速エンジンオーで迎撃するが、強化された破壊音波にまたもや苦戦を強いられる。
そこで軍平は、ガンパードなら音の壁を撃ち抜けると確信し、ガンパードをエンジンオーの右腕に炎神合体。
その射撃は音の壁を打ち破り、 ガンパードガンファイヤーによりスピーカーバンキは爆発四散した。

「これでまた、安心して美しい音楽が聴けるね」


戦いを終え、海を眺めるゴーオンジャー一同。


「やっぱりゴーオンジャーに早輝は必要っす」

「そうそう、早輝のスマイルがないと始まらないよ」

「ったく、走輔の勝手な思い込みで大事な仲間を失う所だったぜ」


走輔が遅れてやって来る。

「…ごめん。邪魔だなんて言って悪かったよ。よく戻ってきてくれたな、早輝」

「当たり前でしょ。」

「私の戻ってくる所はここって、決めてるんだから!」


早輝は心からゴーオンジャーのことが大好きなのだ。
そんな早輝の満面の笑みに釣られ、皆笑顔になるのだった。


【登場人物】

終始走輔に振り回されっぱなしではあったが、一応今回の主役。
メイン回だけあって変身シーンの単独披露、全員揃っての名乗りではトップバッターを務めるなど、厚待遇を受けている。
トレードマークのスマイルだけでなく、ときめいたり落ち込んだり腹を立てたりと、様々な表情を見せてくれる。かわいい。
また、ゴーオンジャーの紅一点ではあるが、仲間のことは異性として意識していないことが判明。まあ面子が面子なので仕方ない。

熱いハートを持つゴーオンジャーのリーダー。
仲間を大切にする気持ちは本物なのだが、思考回路までマッハ全開な性格が災いし、あわや早輝をゴーオンジャーから追放しかけた。

スピーカーバンキとの戦いでは音に関するウンチクを披露したり、予め耳栓を用意しているなど、頭脳担当らしい活躍を見せた。
早輝の一件ではほぼ蚊帳の外だったが、連が最初に「デートかも」と推測したせいで走輔の暴走が始まったことから、あながち無関係とはいえない立場。

モテ男だけあって女の子の心の機微に敏く、冒頭の走輔の無遠慮発言には真っ先に反応。
また相変わらず軍平と仲が良く、読唇術で台詞を言い当ててもらう遊びをしていた。
ちなみに台詞の内容は「ドキドキ愉快」。普段から言ってる名乗り台詞だし誰にでも当てられそうな気もする。

読唇術という元刑事の意外なスキルを披露。
そのせいで走輔の暴走に巻き込まれてしまったが、肝心の読唇術は役に立たないどころか中途半端に正確だったため、走輔の勘違いを加速させる結果に。
しかも走輔の脚色に釣られて「早輝に好きな人がいる」と思い込み、自分で通訳しながら自分で驚くという奇行に走っていた。
終盤、誤解に気付いて抗議してきた走輔に対しては「お前の勘違いだ」と一蹴するが、どの口が言っているのだろうか。

  • 小川征爾(演:南圭介)
今回のゲストキャラ。
国際的なフルーティストで、「フルート界のプリンス」と呼ばれる青年。
公園で演奏の練習をしていたところ、美音を狙うスピーカーバンキを引き寄せてしまう。
自身を助けてくれた早輝を食事に誘う、「大事な話がある」と連絡するなど、思わせぶりな態度を取っていたが、実際は敵の弱点をゴーオンジャーである早輝に教えていただけだった。

演者は9年後、『宇宙戦隊キュウレンジャー』にて追加戦士であるホウオウソルジャー/鳳ツルギを演じることになる。

  • スピーカーバンキ(CV:二又一成)
今回のゲスト怪人。
マイクで美しい音を集め、破壊音波に変換して全身のスピーカーから放出する害気目蛮機獣
口調は丁寧で、語尾に「でスピーカー」と付ける癖がある。
一度はゴーオンジャーに敗れ逃げ帰るが、理想の上司であるキタネイダスから「見所がある」と褒められ、出力アップのため改造を施してもらう。
復活後は破壊音波でビル数棟を破壊し、ゴーオンジャーの4人を戦闘不能に追い込むほどの大善戦を演じた。

断末魔は「ただいまマイクのテスト中~。5時になりました、校庭に残っている生徒は帰宅しましょう!ピンポンパ~ン♪」。



追記・修正は、読唇術が完璧に使える人がお願いします。


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最終更新:2023年03月28日 14:56